• 更新日 : 2021年10月18日

年末調整で医療費控除はできる?

年末調整で医療費控除はできる?

1年で支払った医療費のうち、10万円を超える分については所得税の医療費控除を受けることができます。
ただし、年末調整では社会保険料控除生命保険料控除地震保険料控除、住宅を購入した際のローン控除(2年目以降に限る)及び人的控除しか受けることができないため、医療費控除を受けるためには自身で確定申告を行う必要があります。
年末調整は会社が手続きをしてくれるので簡単ですが、自分で確定申告をするとなると面倒だと感じる方も多いでしょう。しかし、年末調整で控除されないものをそのままにしておくと損をする可能性があるため、きちんと控除を受けるための手続きをしましょう。
ここでは、年末調整の対象外である医療費控除について、控除の対象となる医療費と、確定申告に必要なものを説明します。

確定申告で控除できる医療費とは

確定申告で控除できる医療費に含まれるのは、本人及び親族にかかった医療費です。親族については、生計を一にする配偶者と、その他の親族であれば対象となります。

医療費の範囲となるもの

  • 診療又は治療の対価
  • 治療又は療養に必要な医薬品の購入費
  • 通院費、入院中の食事の費用
  • 松葉杖、義歯を購入した費用
  • 重大な疾患が見つかり、治療の起因となった健康診断費用
  • 道整復師等により施術の対価
  • 保健師等による療養上の世話代(親族の場合は認められない)
  • 出産費用、助産師による分娩の介助代

※これらは、診療又は治療のために直接必要であるかどうかで判断します。

医療費に含まれないもの

  • 医師・看護師に対する謝礼金
  • 未払い医療費
  • 美容整形費用:インプラントなどのほか、歯列矯正にかかった費用については、咀嚼(そしゃく)障害を治療するためであると認められれば医療費控除の対象となります。
    一方、美容目的となれば対象外です。
  • 疾病予防費用:インフルエンザなどの予防接種などは対象外です。
  • 健康増進費用:かかりつけの医師に処方してもらったとしても、サプリメントなどの費用は対象外です。

医療費控除の金額の計算

医療費控除の控除額は、以下の図のようにあらわすことができます。
医療費控除の金額計算

具体的な計算式は以下の通りです。

所得が200万円以上の場合

(医療費の額-保険で支給された額等)-10万円 ※上限200万円

所得が200万円未満の場合

(医療費の額-保険で支給された額等)-所得金額×5%
支給された保険金の額は、その支給の目的となった医療費を限度として差し引きます。そのため、例えば10万円を引ききれない場合であっても、他の医療費からは差し引きできません。

医療費控除の対象となる期間と期限

まず、医療費控除の対象となる期間は、確定申告を行う前年の1月1日から12月31日までの1年間です。この期間内での医療費を1年間の医療費として、医療費控除の計算を行います。
また、過去5年以内に1年間で10万円をこえる医療費を支払っていた場合、遡って還付申告することが可能です。
医療費控除の申請期限は、確定申告の期限と同じく、原則として2月16日から3月15日までとなります。

医療費控除を受ける際には要注意

医療費控除を受けるために確定申告を提出する際は、平成29年分から添付書類が変更となったため要注意です。

原則として、医療費控除の明細書を提出することで、医療費の領収書の添付や提示は不要になりました。医療費の領収書については、自宅で5年間の保存が必要です。

また、健康保険組合などから医療費通知の交付を受けている人は、この通知書を添付書類として利用することができます。

なお、医療費通知とは、医療保険者が発行する次の事項が記載された書類をいいます。

  • 被保険者氏名
  • 療養を受けた年月
  • 療養を受けた者
  • 療養を受けた医療機関、薬局等の名称
  • 被保険者等が支払った医療費の額
  • 保険者等の名称

参考:
国税庁|医療費控除の明細書
国税庁|健康保険組合から送られてきた医療費のお知らせ

確定申告書・医療費明細の記載方法

医療費控除を受けるためには、原則として「確定申告書A」を用意します。国税庁のホームページからダウンロードするか、直接税務署から入手してください。
会社から受け取る源泉徴収票をもとに、指定の箇所に記載していきます。医療費控除の金額を計算するためには、医療費の明細書を記載します。
医療費の明細書には、まず人ごと・医院ごとの金額の合計を記載します。その後、支払った医療費の合計額、保険金などで補填される金額などを書面に沿って計算し、控除される金額を確定申告書Aの医療費控除の欄に転記します。

医療費控除の内容を把握し、もれなく申告しよう!

年末調整では医療費控除が受けられないため、自分で確定申告を行わなければいけません。
確定申告は、年末調整と比べると手間がかかりますが、自分だけでなく生計を一にする親族にかかる医療費、またそれに係る交通費等も控除の対象となり、節税効果があります。医療費の支出が10万円を超えるようであれば確定申告をしましょう。
また、医療費が10万円を超えるかどうかは年末まで予想がつかないことも多いと思いますので、万が一超えてしまっても焦らなくてよいように、医療機関が発行した領収書等は捨てずに取っておきましょう。

よくある質問

医療費控除は年末調整でも受けられますか?

受けられません。医療費控除は確定申告で受けられる所得控除です。 詳しくはこちらをご覧ください。

誰の医療費について、所得控除が受けられるのですか?

生計を一にする配偶者やその他の親族の医療費について受けられます。詳しくはこちらをご覧ください。

医療費控除はどのくらいの控除額になりますか?

所得が200万円以上の人は、次の算式で求めた額が所得から控除されます。計算式は「(医療費の額-保険で支給された額等)-10万円」です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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