• 作成日 : 2022年4月22日

介護医療保険料は年末調整の対象?介護医療保険控除の書き方について

介護医療保険料は年末調整の対象?介護医療保険控除の書き方について

年末調整では、がん保険など、その年に支払った介護医療保険料が保険料控除の対象になります。控除対象となる保険は種類が定められており、契約日時によっては更新が必要です。ここでは、介護医療保険控除を申告する際に役立つ、書き方や控除上限額について解説します。

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年末調整における保険料控除とは

年末調整の保険料控除とは、生命保険や地震保険、社会保険といった保険料を支払った場合、支払の額に応じて一定の所得控除を受けられる制度のことをいいます。毎年年末に行われる年末調整の際、勤務先から配られる「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入して、会社に提出します。

この申告書には、以下の保険料控除が含まれています。

生命保険料控除

生命保険料控除とは、一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料に対して、所得控除が受けられるものです。下記の3つの保険料控除が含まれます。

  • 一般生命保険料控除(一般的な生命保険が対象。死亡保険、学資保険など)
  • 介護医療保険料控除(医療保険、がん保険、介護保険など)
  • 個人年金保険料控除(個人年金保険料税制特約が付加された個人年金保険契約)

参考:No.1140生命保険料控除|国税庁

平成24(2012年)年1月1日以前に契約した保険とそれ以降に契約した保険において、受けられる控除額が異なり、平成24(2012年)年1月1日以降に契約した保険の場合、最大で12万円の控除が受けられます。

地震保険料控除

地震保険料控除とは、損害保険契約などで支払う、地震の損害に関する保険料や掛金に対して受けられる控除のことです。地震保険料控除では、最大5万円の控除が受けられます。

参考:No.1145地震保険料控除|国税庁

社会保険料控除

社会保険料控除とは、本人または生計を一つにする配偶者やその他親族の社会保険料を支払った場合に受けられる所得控除のことです。社会保険料控除の対象となる社会保険には、以下のものがあります。

参考:No.1130社会保険料控除|国税庁

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除の代表的なものは、確定拠出年金の掛金です。確定拠出年金法の企業型年金や個人型年金の掛金を支払った場合に控除が受けられます。個人事業主の場合には、確定申告の際に全額所得控除ができる、退職金のための積み立てを目的とした小規模企業共済の掛け金があります。

参考:No.1135小規模企業共済等掛金控除|国税庁

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介護医療保険料は年末調整の対象になる

個人で支払っている生命保険や地震損害保険と同様に、介護医療保険料も年末調整で控除の対象となります。

介護医療保険料の控除上限額

生命保険料控除では、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3つを合計して最高12万円の控除が受けられますが、介護医療保険料単体で申告できる控除の上限は、最高4万円です。

介護保険料の生命保険料控除額】

年間の支払保険料等控除額
2万円以下支払保険料等の全額
2万円超 4万円以下支払保険料等×1/2+1万円
4万円超 8万円以下支払保険料等×1/4+2万円
8万円超一律4万円

参考:No.1140生命保険料控除|国税庁

生命保険料控除に含まれる、一般生命保険料と個人年金保険料の控除額も同様に計算されます。1つの保険料の最大控除が4万円であり、これら3つを合計して、生命保険料控除で受けられる最高控除額が12万円となるしくみです。

もし、複数の介護医療保険に加入していた場合、一つの介護医療保険で8万円以上の保険料を支払っていれば限度額の控除を申告することになるため、「給与所得者の保険料控除申告書」を記載する際、他の介護医療保険について無理に記載する必要はありません。

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年末調整における保険料控除申告書の書き方

年末調整の保険料控除は、一つの申告書に複数の控除が含まれているため、記載場所に注意しましょう。以下に、書き方を解説します。

 令和3年分_給与所得者の保険料控除申告書

引用:令和3年分 給与所得者の保険料控除申告書|国税庁

用紙の左側が、生命保険料控除の欄です。一番上が「一般の生命保険料」、真ん中が「介護医療保険料」、そして一番下が「個人年金保険料」について記載する項目です。生命保険料控除では、これら3種類の保険料について詳細を記載したのち、真ん中の下にある「生命保険料控除額計」の欄に、それぞれの保険料控除額を合わせた金額を記載します(最高で12万円)。

介護医療保険料の記載項目

記載の際、必要な情報は以下の通りです。加入している保険会社から、年末調整の時期に保険料控除証明書が送られてくるので、そちらを参考に転記するといいでしょう。

  • 加入している保険会社の名称
  • 加入している保険の種類
  • 保険の期間
  • 保険の契約者氏名
  • 保険金の受取人の氏名と続柄
  • 本年度中に支払った保険料の金額
  • 支払った保険料の合計額
  • 合計金額を控除額の計算式に当てはめ、最後に控除額を記入

なお、保険会社からの証明書には、1月1日から証明書を発行した日までに支払った保険料の合計額と12月末時点の申告予定額が記載されているのが通常です。そのため、介護医療保険料の項目に支払った合計額を記入する際は、12月末時点の保険料支払い額と実際に支払った金額に相違がないかを確認してください。12月末時点の申告予定額の記載がない場合には、証明書の額をそのまま記入するのではなく、12月の支払い分も加算して「1月1日から12月末」までの支払額を申告します。

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介護医療保険料控除で注意すべきポイント

年末調整で介護医療保険料の控除を申告する際は、対象となる保険の種類に該当しているかどうか、また控除対象となる保険の契約期間に当てはまるかどうかを確認します。

主契約の保険料だけではなく、特約保険料も控除対象となります。生命保険を契約している場合には、主契約と特約保険料などで、一般生命保険料控除と介護医療保険料控除の金額を分けて記載していることがあります。保険料控除証明書の内訳もしっかりと確認してください。

また、介護医療保険料控除は入院や通院などに伴う医療費に対する保険給付金の保険料が対象になります。控除対象外となる保障にかかわる部分がある場合、実際に払い込んだ保険料と保険料控除証明書の金額が異なることがあるため、注意しましょう。

保険の種類によっては、介護医療保険控除ではなく、一般生命保険料控除に該当する可能性もあるため、不明な点は契約している生命保険会社などに確認してみるといいでしょう。

対象となる保険の種類

対象となる介護医療保険の種類は、以下の保険が当てはまります。

  • 生命保険会社や損害保険会社が提供する保険のうち、支払った入院や通院などの医療費に対して保険金が支払われるタイプの介護医療保険契約が対象です。身体の傷害にのみ対して保険金が支払われるタイプの傷害保険は対象外のため、注意が必要です。
  • 疾病または身体の障害などに対して、保険金が支払われる旧簡易生命保険契約または生命共済契約といったタイプの保険で医療費の支払いに対して保険金や共済金などが支払われるものも対象になります。

参考:No.1141生命保険料控除の対象となる保険契約等|国税庁

ただし、保険の内容については対象とならない場合もあります。たとえば、保険契約が5年未満の貯蓄保険や貯蓄共済は介護医療保険控除の対象にはなりません。外国生命保険会社・外国損害保険会社などと国外で契約した保険も対象外となるため、個別に確認しましょう。

保険の更新が必要

平成22年度の税制改正で新設された介護医療保険控除は、対象となる保険契約が平成24年(2012年)1月1日以降のものである必要があります。それ以前に契約をし、更新をしていない保険は、介護医療保険控除の対象にはなりません。ただし、旧契約の一般生命保険料控除に該当する可能性があります。

契約日が平成23年(2011年)12月31日以前の保険については、それ以降に更新・特約途中付加などで契約内容を変更しているかどうか、もしも更新や契約内容の変更をしていない場合であっても、旧契約での保険料控除の対象になるかどうかを確認しましょう。

介護医療保険料を支払っていた場合、年末調整を正しくおこなおう!

年末調整での保険料控除の申告は、所得税・住民税が軽減されるため、どのような保険契約に対して保険料控除が利用できるのかを正しく理解することが重要です。

家族の生活を守るため、加入している「がん保険」や「総合医療特約」は、介護医療保険料控除の対象になることが多くあります。もし、年末調整で保険料控除を利用したことがない場合は、自身や家族の保険契約や毎年送られてくる保険料控除証明書をもう一度よく見直しし、保険料控除の申告ができるものがないかを確認してみるといいでしょう。

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よくある質問

介護医療保険料は年末調整の対象ですか?

病気やケガなどの医療費に対して保険金が支払われる保険など、条件を満たした介護医療保険料は年末調整で保険料控除の申告ができます。申告にあたり、保険の契約者氏名や受取人、年間の支払額を確認します。詳しくはこちらをご覧ください。

介護医療保険料の控除上限額について教えてください

介護医療保険で最大4万円の控除が受けられます。その他、一般生命保険と個人年金保険の控除をあわせて、最高12万円の控除を申告することが可能です。なお、この控除額は平成24年1月1日以降の契約が対象です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加治 直樹(経営労務コンサルタント)

銀行に20年以上勤務し、融資融資から資産運用、年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタント。退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は行政で企業及び労働者の労働相談業務を行いながら、セミナー講師など幅広く活動中。

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