- 更新日 : 2026年3月31日
求職者支援制度とは? 給付金の条件や職業訓練の内容、手続きを解説
求職者支援制度とは、再就職や転職などに役立つ知識やスキルを身につけるため、給付金をもらいながら職業訓練を受講できる国の支援制度です。失業保険を受けられない人が対象者に該当します。
本記事では、求職者支援制度について解説します。職業訓練の内容や受講条件、申請方法なども紹介しますので、スキルアップと就職活動に向けて制度の利用を検討してみましょう。
目次
求職者支援制度とは?
求職者支援制度とは、再就職や転職、スキルアップを目指す人を支援する国の制度です。主な支援内容は、以下の2つです。
- 「職業訓練」を無料で受講
- 「職業訓練給付金」の受給
一定の条件を満たせば、給付金をもらいながら職業訓練を受講できるため、再就職に向けたスキルアップに専念できます。ここでは、それぞれの支援内容について解説します。
「職業訓練」を無料で受講
求職者支援制度のメインとなる支援内容は、再就職や転職を目指す人のスキルアップを目的とした職業訓練を無料で受講できることです。離職している人だけでなく、会社に在籍している人(転職予定のない人も含む)でも、一定の条件を満たせば受講できます。
職業訓練の内容は、IT関連や営業、販売、事務など多様です。職業訓練には、原則2ヶ月から6ヶ月の「求職者支援訓練(民間の教育訓練機関が実施)」と、最長2年の「公共職業訓練(主にハローワークが実施)」があります。
職業訓練の訓練開始前や訓練期間中、訓練終了後もハローワークが求職活動をサポートしてくれるため、職業スキルを身につけながら仕事探しができます。
「職業訓練給付金」の受給
求職者支援制度のもう1つの支援内容は、訓練期間中の生活を支える「職業訓練給付金」が受給できることです。支給金額は月10万円(「職業訓練手当」という)で、訓練期間中は毎月受給できます。
また、職業訓練手当とは別に、次の手当が支給されることもあります。
- 通所手当:訓練施設へ通うための交通費(上限は月4万2,500円)
- 寄宿手当:訓練施設へ通うために家族などと離れて寄宿する費用(上限は月1万7,000円)
寄宿手当が受け取れるのは、寄宿先が訓練施設に付属する宿泊施設やアパートなどで、ハローワークが訓練のために寄宿が必要と認めた場合に限られます。
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求職者支援制度で受けられる職業訓練
求職者支援制度で受けられる職業訓練は、大きく次の2つに分類できます。
- 基礎コース
- 実践コース
基礎コースは多くの職場で求められる汎用的なスキルを学ぶコースで、実践コースは特定分野の専門的なスキルを学ぶコースです。以下で、それぞれについて解説します。
基礎コース
職業訓練の基礎コースは、職種に関係なく職業人としての基本的な知識やスキルを身につけるための訓練コースです。具体的な訓練内容は、ビジネスマナーやコミュニケーション能力に関する知識やスキル、パソコンや簿記といった事務処理に必要なものなどです。
訓練内容や実施時期は、訓練を実施する場所によって異なるため、ハローワークインターネットサービスで確認しましょう。社会人経験の少ない人や事務関係の仕事に就いたことがない人に適した訓練コースといえます。
実践コース
実践コースは、特定の職業・職種に就くために必要とされる専門的な知識やスキルを身につけるための訓練コースです。さまざまなコースが準備されていますが、主なものは以下の通りです。
(実践コースの内容)
| 職業・職種 | 訓練コース |
|---|---|
| IT関連 | WEBアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など |
| 営業・販売・事務 | OA経理事務科、営業販売科など |
| 医療事務 | 医療・介護事務科、調剤事務科など |
| 介護福祉 | 介護職員初任者研修科、介護職員実務者研修科など |
| デザイン | 広告・DTPクリエーター科、WEBデザイナー科など |
| その他 | 3次元CAD活用科、ネイリスト養成科など |
再就職先や転職先として希望する職業・職種に応じて、適切な訓練コースを選択しましょう。
各コースについては前述のハローワークインターネットサービス(訓練検索・一覧)で確認できますが、居住地近くで適切な訓練コースが見つからない場合は、他府県で職業訓練を受講することも可能です。
求職者支援制度の対象者や条件
求職者支援制度は、生活を支える職業訓練給付金をもらいながら職業訓練を無料で受けられるメリットの大きな制度ですが、誰もが給付金をもらったり職業訓練を受けられるわけではありません。
ここでは、求職者支援制度を利用できる対象者や条件について解説します。
求職者支援制度の対象者
求職者支援制度の対象者は、原則失業保険(雇用保険の基本手当)を受けられない離職者です。具体的には、以下の条件に該当する人です。
- 離職者で失業保険を受けられない人
- フリーランスや自営業を廃業した人
- 失業保険の受給が終わった人
など
ただし、一定額以下の収入でパートなどで働きながら、正社員への転職を目指す人も制度を利用できます。また、上記の条件を満たしていない場合でも、職業訓練給付金の支給はなしで、かつ職業訓練は無料(テキスト代は原則自己負担)で受講できます。
職業訓練給付金を受給するための収入要件などは次の通りです。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
- 訓練実施日全てに出席する(救済要件あり) など
求職者支援制度の条件
求職者支援制度を利用するための主な条件は、以下の通りです。
- ハローワークに求職の申し込みをしていること
- 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
- 労働の意思と能力があること
- 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
など
ハローワークが上記の条件を満たしているかどうかを判断するため、次で解説する制度の利用申請はハローワークで行います。
求職者支援制度の申請方法
求職者支援制度の申請は、次の手順で行います。
- ハローワークで支援制度の利用を希望することを伝え、支援制度についての説明を受ける
- ハローワークで職業相談を受けながら、訓練コースを選択する
- 訓練コースが決まったら、ハローワークで受講申込する
- 訓練実施機関で、面接や筆記などの選考試験を受ける
- 選考に合格したら、ハローワークの案内に従って訓練を受講する
ハローワークで支援制度利用の希望を伝えた後は、ハローワークの指示に従って申請手続きを進めればよいため、それほど心配することはありません。
求職者支援制度を利用する際の注意点
求職者支援制度を利用する際の主な注意点は、以下の2つです。
- 欠席せずに真面目に訓練を受講する
- 受講開始後、ハローワークが指定した来所日に職業相談を受ける
再就職などに必要な知識やスキルを身につけるために、訓練を休まず受講(救済要件あり)するのは当然ですが、訓練の受講は職業訓練給付金を受給するための要件でもあるため注意しましょう。
また、訓練を開始してから訓練終了後3ヶ月間、原則月1回、ハローワークに来所して職業相談を受けなければなりません。来所日は、ハローワークが指定します。
職業相談には就職支援計画書を持参して、「次回の指定来所日までに行うべき求職活動」の指示を受けるとともに、前回来所日に指示された活動の実施状況を報告します。また、対象者は、職業訓練給付金の支給申請も必要です。
スキルアップや仕事の幅を広げるため制度利用の検討を
求職者支援制度は、再就職や転職などに役立つ知識やスキルを身につけるため、給付金をもらいながら職業訓練を受講できる国の支援制度です。
再就職や転職を有利に進められるだけでなく、自分の成長や仕事の幅を広げるきっかけにもできるため、条件を満たす人は積極的に利用を検討してみましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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