• 更新日 : 2023年12月27日

シフト制とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説

シフト制とは、従業員の働く曜日や時間帯が固定されていない勤務形態です。年中無休、長時間の営業が必要な場合などに採用されています。この記事ではシフト制の定義、種類、従業員及び雇用主にとってのメリット・デメリット、仕事に応募する際の注意点を解説します。従業員目線でシフト制を理解し、制度の円滑な導入、運用につなげましょう。

シフト制とは?

シフト制とは、雇用契約の際には労働日や労働時間を確定させず、一定期間ごとに作成する勤務シフトなどで、労働日や労働時間を確定する勤務形態です。

労働基準法の法定労働時間は1日8時間ですが、営業時間がそれより長い場合には、営業時間を複数の時間帯に区切り、従業員に各時間帯を交替で勤務させることができるシフト制を導入することが多いです。

一般的にシフト制はパートやアルバイトに適用されるイメージですが、雇用形態に関わらず正社員などにも適用されています。

シフト制の種類

シフト制はシフトの決め方により、完全シフト制、固定シフト制、自由シフト制の3種類に分類されます。以下ではその特徴を解説します。

完全シフト制

完全シフト制は、あらかじめ複数のシフトパターンが準備されており、従業員それぞれがどのシフトパターンに入るかを選択する制度です。

完全シフト制には、日勤・夜勤の二交替制や日勤、準夜勤、夜勤の三交替制などがあります。月曜日は日勤、水曜日は準夜勤、金曜日は夜勤といった形で、異なる時間帯の勤務が組み合わせられたシフトが組まれるのが一般的です。また、シフトパターンは一定期間(週、月)ごとに変わります。交替制勤務の工場や、医療職、介護職などで多く見られます。

固定シフト制

固定シフト制は、働く曜日や時間帯が固定されている制度です。

基本的には一度決定したシフトは変更されず、シフトが決まれば同じ曜日、同じ時間帯で働くことになるため、予定が立てやすく収入も安定します。半年ないしは一年ごとにシフトの希望を確認されることがあるでしょう。コールセンターなどで多く見られます。

自由シフト制

自由シフト制は、働く日や時間帯があらかじめ固定されていない制度です。

シフトを決定する前に従業員が勤務先に勤務を希望する日や時間帯を申告し、その内容に基づき勤務先が調整を行う形で、従業員ごとのシフトが確定します。シフトは月単位で決定する場合が多いですが、週単位で決定する場合もあるようです。パートやアルバイトが多い小売業や飲食業などで多く見られます。

シフト制のメリット

従業員にとってのシフト制のメリットを以下に解説します。

深夜勤務の場合、深夜手当が出るため従業員にとって嬉しい

シフト制でも、深夜・早朝の時間帯(22時〜翌5時)に勤務するシフトに入った場合には深夜手当が支給されるため、従業員にとって嬉しいものです。収入を増やしたいと考えるときに、深夜時間帯に勤務するシフトを希望することで、それを実現することができます。

自由シフト制の場合、プライベートと両立させやすい

自由シフト制の場合は、働く日や時間帯の希望を勤務先に申告することでシフトに反映できるため、仕事とプライベートの両立がしやすいと言えます。希望の通りやすい職場の場合は、育児や介護といった家庭の事情があっても働きやすい制度でしょう。

土日のみ勤務・平日休みなど柔軟な勤務体制

シフト制で勤務する場合は、勤務先に土日のみ勤務することを希望し、その希望が通った場合には平日を休みにできるなど、柔軟な勤務体制のもと働けることはメリットです。平日休みが実現すれば、学校行事や通院、役所、金融機関の手続きなどにもスムーズに対応できるうえに、通勤ラッシュを避けられます。

シフト制のデメリット

従業員にとってのシフト制のデメリットを以下に解説します。

固定シフト制の場合、急な休み等が取りにくい

固定シフト制のメリットは、一度決定したシフトが変わらないため予定が立てやすい点です。その反面、急な休み等を取りにくい点がデメリットになります。休みを取得する従業員に代わって勤務する従業員の手配が難しいためです。

自由シフト制の場合、好きな日付で働けない場合も

自由シフト制では、働く日や時間帯の希望を勤務先に申告できますが、他の従業員の希望状況を勘案してシフトが決定されます。そのため、必ずしも希望通りの日や時間帯で働けるとは限りません。

年中無休の業種の場合、休日についても取得希望者が多い土日や、お盆、年末年始などに希望通り取得できるとも限りません。また、シフト決定までの間は休日が確定せず、決定時期が翌月になる直前の場合もあるため、長期的な予定を立てにくい点もデメリットと言えるでしょう。

シフトによっては夜勤と日勤が混合する場合も

完全シフト制では、シフトによっては夜勤と日勤が組み合わせられたものがあるため、生活のリズムが不規則になります。また、遅番の翌日に早番になる場合などには満足に休息が取れないこともあるでしょう。

シフト制の注意点

シフト制が適用される仕事に応募する際の注意点を以下に解説します。これはシフト制のもとで従業員を募集する際に企業側が注意すべきことにも他なりません。

いまの生活スタイルに合っているかどうか

すでに述べた通り、シフト制には大きく分けて3種類(完全シフト制、固定シフト制、自由シフト制)があり、それぞれにおいて働き方に特徴があります。

この働き方の特徴が、現在の生活スタイルに合っているかどうかについて考える必要があります。例えば家事や育児との両立を考えなければならない場合、自らに代わって家事や育児を行う配偶者などが対応可能な日程でシフトを組めるか、勤務先にシフトの希望が通りやすいか、緊急事態発生等でのシフト変更がどの程度可能か、といった点を確認しておいたほうがよいでしょう。

募集要項等の記載情報(残業代や有給休暇)

企業が労働者を募集する際には、職業安定法により業務内容、賃金、労働時間等の労働条件の明示が義務付けられていますので、応募時の募集要項等で労働条件を確認しましょう。

実際に雇用契約を結ぶ際には、労働条件通知書等の書面により労働者に対して労働条件を明示することが労働基準法で義務付けられていますので、その際にも労働条件を確認する必要があります。明示が義務付けられている労働条件は以下の通りです。

【必ず書面で明示しなければならない事項】

  • 契約期間
  • 期間の定めがある契約を更新する場合の基準
  • 就業場所、従事する業務
  • 始業・終業時刻、休憩、休日など
  • 賃金の決定方法、支払い時期など
  • 退職(解雇の事由を含む)

【必ず明示しなければならない事項(書面でなくてもよい)】

  • 昇給

【定めがある場合に明示しなければならない事項】

  • 退職手当
  • 賞与など
  • 食費、作業用品などの負担
  • 安全衛生
  • 職業訓練
  • 災害補償など
  • 表彰や制裁
  • 休職

特に気になる残業代の支給や有給休暇の付与についても、書面で明示しなければならない事項に含まれています。労働基準法の定めに従って正しく取り扱われるかについて、確認しておきましょう。

労働条件の明示以外にも、シフト制が適用される労働者の雇用管理にあたっての留意事項が周知されていますので、以下のURLをご確認ください。

参考:「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項|厚生労働省

シフト制に関して雇用主側が得るメリット・デメリット

シフト制を導入することで雇用主側が得られるメリット、デメリットについて以下に解説します。

雇用主のメリット:柔軟な営業形態に対応できる

シフト制を導入することで、労働基準法の法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)を守りながら営業時間を延長することが可能になります。また、日や時間帯により繁閑の差がある場合に、繁忙日・時間帯は多くの人員で、閑散日・時間帯には少ない人員でシフトを組むことで、柔軟な体制で営業することができます。

雇用主のデメリット:シフトが埋まらないケースも出てくる

シフト制では従業員の希望に基づきシフトを組むため、希望が偏った場合にはシフトが埋まらない可能性があります。

その場合も営業継続が求められるため、シフトを埋めるための従業員との調整などの手間がかかります。また、シフト調整の結果、従業員にとって希望通りのシフトにならないことが続くと、最悪の場合、離職につながる可能性もあります。離職による慢性的な人材不足により、職場に残る従業員の負担が高まり、さらなる離職を招くことにもつながりかねません。

特定の従業員に負担が集中しないように配慮しながらシフトを調整し、営業を継続するための工夫が求められます。

シフト制を従業員目線で見つめ直し、円滑な導入、運用を

シフト制は従業員にとってはライフスタイルに合わせた働き方ができるため、繁閑の差がある場合や、営業時間が長時間になる企業で採用されています。一方、従業員の希望に基づきシフトを組む必要があるため、シフトが埋まらない場合の調整に苦慮する場合もあります。

特定の従業員に負担が集中すると離職などにもつながりかねないことから、制度を導入、運用する上では工夫が求められます。この記事で紹介した従業員側から見たシフト制のメリットやデメリット、応募時の注意点などを参考にして、制度の円滑な導入、運用を心がけましょう。


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