• 更新日 : 2022年11月15日

住民税非課税世帯とは? 対象世帯への臨時特別給付金も解説

住民税非課税世帯とは?

新型コロナウイルス感染症との闘いが長期化し、感染拡大防止対策により生活が苦しくなる世帯も出ています。そこで、国は住民税非課税世帯や2021年1月以降に新型コロナウイルス感染症の影響で家計が苦しくなった世帯に新たな給付金の支給を決定しました。本記事では、住民税非課税世帯と臨時特別給付金について、わかりやすく解説します。

住民税非課税世帯とは

今回の臨時特別給付金をはじめ、保育料の無料化や高等教育機関への就学支援などの対象として「住民税非課税世帯」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

では、住民税非課税世帯とは具体的にどのような世帯のことをいうのでしょうか。

そもそも住民税とは何かというと、住んでいる地域の自治体に納める税金です。住民税は個人と法人にそれぞれ課税されますが、ここで扱うのは個人の住民税です。

個人の住民税は、その年の1月1日に住所がある都道府県と市町村に、前年中の収入から計算した都道府県民税と市町村民税(東京都の場合は都民税と特別区民税)を納付します。その納付額は「均等割」と「所得割」に分けられます。

自治体により金額は異なりますが、「均等割」は全員が定額を納めます。標準的な金額は都道府県税が1,500円前後、市区町村税は3,500円前後で、そこに環境保全などの名目で300~1,200円を追加して徴収している自治体がほとんどです。また、「所得割」は前年の所得に税率をかけて計算されます。この税率も自治体によって異なりますが、都道府県税4.0%、市町村民税は6.0%の自治体が多くなっています。

住民税には、計算により「所得割」のみ非課税となるケースと、「均等割」「所得割」とも非課税となるケースがあります。また、世帯の全員が非課税でなければ「住民税非課税世帯」には該当しません。

参考:
東京都主税局 個人住民税
横浜市 個人の市民税・県民税について

住民税が非課税となる要件

住民税が非課税となるには、下記のいずれかの要件を満たすことが必要です。

「均等割・所得割」とも非課税となる場合

  • 生活保護法による生活扶助を受けている
  • 障がい者、未成年者、寡婦(夫)、ひとり親で、前年中の合計所得が135万円以下

「均等割」のみ非課税となる場合

前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の場合

  • 生計を同一とする配偶者または扶養親族がいる場合
    35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円の金額以下
  • 生計を同一とする配偶者及び扶養親族がいない場合(単身者)
    45万円以下

「所得割」のみ非課税となる場合

前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の場合

  • 生計を同一とする配偶者又は扶養親族がいる場合
    35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下
  • 生計を同一とする配偶者及び扶養親族がいない場合(単身者)
    45万円以下

※以上の計算の基準となる前年中の合計所得金額は、地域によって異なります。

上記は、東京23区内と神奈川県横浜市の基準で計算したものです。実際の基準額はご自分が居住している自治体にお問い合わせください。

住民税が非課税になるかどうかは、「均等割・所得割とも非課税」の場合には合計所得金額、「所得割のみ非課税」の場合には総所得金額などをもとに決められます。

住民税が非課税となった場合、さまざまな支援や優遇措置が受けられます。詳しくは以下の記事をご覧ください。


参考:
東京都主税局 個人住民税 6.個人住民税の非課税
横浜市 均等割・所得割の納税義務者 非課税となる人

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住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金

さて、2019年12月に発生した新型コロナウイルス感染症は世界中に広がり、2年以上が経った今も猛威を振るっています。日本国内でも、何度も緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、対策が行われてきました。具体的には、主に飲食店の営業制限や人が大勢集まる施設の一時閉鎖、イベントの制限、外出の自粛などです。しかし、それが営業の休止や廃業、事業規模の縮小による解雇などに繋がり、経済にも暗い影を落としています。

政府は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することにより、生活に困窮している人を支援するため、住民税非課税世帯や住民税非課税世帯と同様の窮状にある世帯に、1世帯あたり10万円の給付(臨時特別給付金)を決定しました。

ここでは、臨時特別給付金の支給対象者や支給額、申請方法などについて詳しく説明します。

参考:
内閣官房 基本的対処方針に基づく対応
内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金

臨時特別給付金の支給対象者

臨時特別給付金の支給対象者は、住民税「均等割」の非課税世帯と、令和3年(2021年)1月以降に新型コロナウイルス感染症の影響で住民税均等割非課税世帯と同様の水準まで収入が減少した、家計急変世帯です。

支給は市町村(特別区を含む)ごとに行われます。住民税均等割非課税世帯については、基準日(令和3年12月10日)時点で住民基本台帳に載っている市町村から支給されます。また、家計急変世帯については、臨時特別給付金の申請をした時点の住所地である市町村から支給されます。

なお、DV被害や虐待などによる避難者で住民票を移しておらず、現在の状況が支給要件に当てはまる場合には、独立した世帯とみなし、現在の居住地(施設も含む)を住所地としてその市町村が支給します。
ホームレスの方は、全国どこの住民基本台帳にも記載が見つからない場合、基準日の翌日以降に現在居住している市町村に住民登録をすれば、支給を申請し、受給することが可能です。

参考:内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金

支給額

臨時特別給付金の支給額は、1世帯あたり10万円です。
支給方法は、原則として世帯主名義の銀行口座への振込となります。
なお、生活保護受給世帯の場合、この給付金は収入認定から除外されます。

参考:
内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金に関するよくあるご質問

申請方法

経済的に困窮している国民に速やかに届けるため、政府は今回の臨時特別給付金を原則「プッシュ型」で支給するとしています。プッシュ型とは、支給を受ける側が申請などを行わなくても、行政側が能動的に該当者をピックアップして支給する方法です。

具体的には、住民税均等割非課税世帯に対して、給付内容と確認事項(振込先口座の確認、課税されている方の扶養家族だけの世帯ではないか)が書かれた確認書が送られてきます。その内容を確認して返信をするだけで、そのほかの手続きはありません。

ただし、令和3年(2021年)1月2日以降に転入者がいる世帯については、手続きが必要となります。手続きは市町村により異なるため、基準日(令和3年12月10日)時点で住民登録のある市町村に問い合わせましょう。

一方、家計急変世帯についてはプッシュ型ではなく、申請が必要です。

申請書に必要事項を記入し、収入額が減少したことを証明できる書類や本人確認書類、振込先口座を確認できる書類などを添えて、市町村の窓口に直接提出するか、郵送で提出します。必要書類が準備できない事情がある場合の対応など、詳細は市町村によって異なるため、不明な点は住んでいる市町村に問い合わせる必要があります。

参考:
内閣府 住民税均等割非課税世帯等の皆さまへ
内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金に関するよくあるご質問

申請期限

臨時特別給付の申請期限は、家計急変世帯については、令和4年(2022年)9月30日です。
一方、住民税均等割非課税世帯については、原則として市町村から確認書が送付され、内容を確認し、返信します。確認書の中に正確な日付が記載されていますが、返信の期限は概ね確認書の発送から3ヶ月程度を期限としていることが多いようです。期限までに確認書の返送を行わないと給付を受けられない可能性もあるため、注意が必要です。

また、前述の令和3年(2021年)1月2日以降に転入者がいる世帯など、手続きや申請が必要となる場合は、申請期限が異なる場合があります。住んでいる市町村に確認しましょう。

参考:
内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金に関するよくあるご質問
千代田区 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
渋谷区 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
大阪市 大阪市住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金

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臨時特別給付金はいつから受け取れる?

臨時特別給付金の給付については、市町村(特別区を含む)に任されています。

そのため、明確にいつから受け取れるか、ということを国が決めることはできません。

内閣府の方針には「準備が整った市町村から、出来るだけ速やかに給付を開始する」とあります。

上で紹介した東京都千代田区や渋谷区、大阪市の例では、2月上旬~中旬には確認書を発送しており、家計急変世帯などの申請書は2月上旬から配布されています。いずれも確認書の返信や申請から2~4週間程度で給付金を受け取れるようです。

確認書の送付時期や申請書の配布・受付開始時期、給付までにかかる期間などは、市町村によって異なります。詳細は、市町村のホームページなどで確認すると良いでしょう。

参考:
内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
千代田区 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
渋谷区 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
大阪市 大阪市住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金

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住民税非課税世帯について理解を深め、正しく臨時特別給付金を受け取りましょう。

生活保護を受給している方や、障がい者、未成年者、寡婦(夫)、ひとり親で前年中の合計所得が135万円以下の方、前年中の収入からさまざまな控除を行い計算した結果、合計所得金額が一定額以下になる方は住民税が非課税となります。今回の臨時特別給付金は、低所得世帯と、新型コロナウイルス感染症の影響で同様の水準まで収入が減少して困窮している世帯に、できるだけ速やかに支援を行うための給付金です。

まず住んでいる市町村に問い合わせ、条件に該当する場合には正しく手続きを行い、給付金を受け取りましょう。

よくある質問

住民税非課税世帯とはなんですか?

住民基本台帳に記載されている都道府県や市区町村に支払う地方税のことですが、既定の条件や所得に当てはまる場合、非課税となります。世帯全員が住民税非課税である世帯を住民税非課税世帯と言います。詳しくはこちらをご覧ください。

臨時特別給付金はどういった条件を満たせば受け取ることができますか?

令和3年(2021年)分の住民税均等割非課税世帯と、令和3年の収入が新型コロナウイルス感染症の影響により減少し、住民税均等割非課税世帯と同様の状況となった世帯(家計急変世帯)です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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