• 作成日 : 2022年9月9日

70歳以上でも厚生年金保険料を支払う?何歳まで?

70歳以上でも厚生年金保険料を支払う?何歳まで?

厚生年金は会社員や公務員などが加入する年金制度ですが、厚生年金保険料は何歳まで払うのか、厚生年金制度にはいつまで加入できるのか、などについて知っていますか?

ここでは、具体的に厚生年金保険料は何歳まで支払うのか、厚生年金に加入できる年齢は何歳からで、70歳以上になっても加入し続けることができるのかについて見ていきます。

広告

厚生年金保険の仕組み

日本の年金制度は2階建ての構造になっており、1階部分は20歳以上60歳未満の全ての国民が加入する国民年金です。

一方、厚生年金保険は2階部分にあたる年金になっており、国民年金に上乗せされて支払われる年金になります。

被保険者となる人

厚生年金保険の加入者(被保険者)となる人は、下記の条件を満たす人です。

  • 臨時に使用される人、季節的業務に使用される人ではないこと
  • 常時従業員を使用する事業所に勤務する一般社員の所定労働時間ならびに所定労働日数の4分の3以上あること
  • 70歳未満であること

ただし、所定労働時間ならびに所定労働日数が一般社員の4分の3未満であっても、被保険者数が常時501人以上の企業に勤めていて、下記の要件を全て満たす人は被保険者(短時間労働者)になります。

  • 1週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 雇用期間が1年以上見込まれること
  • 賃金の月額が88,000円以上であること
  • 学生でないこと

引用:令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構

ただし、令和4年10月からは、

  • 被保険者数が常時101人以上(従前501人以上)の事業所に勤めていること
  • 雇用期間が2カ月を超えて(従前1年以上)見込まれること

さらに、令和6年10月からは、

  • 被保険者数が常時51人以上(従前101人以上)の事業所に勤めていること

の改正が行われます。

参考:令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構

なお、厚生年金保険の加入年齢については会社等に就職した時点からの加入になり、国民年金のように20歳以上という下限年齢はありません。

厚生年金保険料について

厚生年金保険料は、毎月の給与の場合は標準報酬月額を、賞与の場合は標準賞与額を基に、共通の厚生年金保険料率(18.3%)をかけ算して求めます。

厚生年金保険料は事業所と被保険者とが半分ずつ負担します。この保険料率は平成29年(2017年)9月から18.3%で固定されています。

標準報酬月額は、毎月の賃金額を区切りの良い幅で区分して決まる金額です。標準報酬月額による健康保険料、介護保険料(40歳以上)、厚生年金保険料は全国健康保険協会の保険料額表を参照してください。

参照:令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)|全国健康保険協会

標準賞与額は、賞与支給額の1,000円未満を切り捨てた金額です。

標準報酬月額、標準賞与額が高いほど、厚生年金保険料も高くなります。

厚生年金保険の資格喪失について

厚生年金保険の被保険者である従業員が退職したり死亡したり、または労働契約の変更等により厚生年金保険の資格基準を満たさなくなったりした時など、厚生年金保険の資格を喪失する人(70歳以上被用者を含む)が出た場合は、事業主が下記書類を提出します。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届/厚生年金保険70歳以上被用者不該当届
広告

厚生年金保険料はいつまで支払う?

厚生年金保険料はいつまで支払うのでしょう。年齢や「何歳まで」という決まり事があるのでしょうか。

国民年金は20歳から60歳になるまで保険料を支払います。厚生年金は、国民年金より長く最長で70歳まで保険料を支払います。

厚生年金保険の加入開始には、何歳以上という年齢の制限はありません。よって会社に勤め始めたらすぐ厚生年金保険に加入します。たとえば高校を卒業してすぐ勤め始めた場合、18歳で加入することになります。

終了期間は上限があり70歳です。よって70歳定年の場合には、定年までずっと厚生年金に加入し保険料を支払い続けることになります。

厚生年金は原則として65歳から年金を受給できるため、65歳を過ぎても会社で継続雇用されている場合には、年金を受給しながら保険料を支払うこともあります。受給後に支払った保険料は再計算されて将来の年金に反映されます。

広告
広告

厚生年金保険は70歳以降も加入できる?

会社に勤めていても70歳になると、厚生年金保険の加入資格を失います。

ただし、老齢年金の受給資格を満たしていなくても70歳以降も会社に勤務する場合は、加入期間を満たすまで任意に厚生年金保険に加入することができます。これを高齢任意加入被保険者といいます。

厚生年金保険の適用事業所以外で働く70歳以上で、老齢年金の受給資格を満たしていない人については、次の要件を満たすことにより、任意で厚生年金保険に加入することができます。

  1. 厚生年金保険の被保険者となることについて、事業主の同意を得ていること。
  2. 厚生年金保険の加入について、厚生労働大臣が認可すること。

引用:70歳以上の方が厚生年金保険に加入するとき(高齢任意加入)の手続き|日本年金機構

広告
広告

厚生年金保険料の支払いルールを確認しましょう

今回は、厚生年金保険の制度を確認し、厚生年金保険料や加入可能年齢などの基本的な内容について見てきました。保険料の支払いは70歳が上限で、その後は任意加入することも可能です。

老齢年金は65歳から受給することができます。ただ、65歳以降も働いている場合には引き続き厚生年金保険に加入し、年金を受給しながら保険料も支払うことにも注意しましょう。

広告

よくある質問

厚生年金保険の仕組みについて教えてください。

厚生年金保険は2階建て年金制度の2階部分で、保険料は給与、賞与を基に労使折半で支払います。厚生年金保険は就職した時から退職、死亡、加入要件を満たさなくなるまで加入し、支払った保険料で年金額が増えます。詳しくはこちらをご覧ください。

厚生年金保険料はいつまで支払いますか?

厚生年金保険料を支払う上限期間は70歳までです。厚生年金は、65歳から年金を受給できるようになるため、65歳以降も会社等での雇用が続く場合には、年金を受給しながら保険料を支払う場合もあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:山本 務(特定社会保険労務士/AFP/2級FP技能士/日商簿記2級/第一種衛生管理者)

山本 務(特定社会保険労務士/AFP/2級FP技能士/日商簿記2級/第一種衛生管理者)
やまもと社会保険労務士事務所所長
大学卒業後、システム開発技術者、上場企業情報システム部&人事部を経て2016年に開業。
独立後も労働局の総合労働相談員として200件以上のあっせん事案に関与。労働相談は民間委託事業の電話相談も含めて1,000件以上の実績あり。
労務相談、就業規則、給与計算を中心に、各種手続きや労使問題対応など、外部人事部員として活動。システムのことも分かる社会保険労務士です。

関連記事