• 作成日 : 2023年3月3日

給与明細の見方を詳しく解説!再発行はできる?

給与明細は、基本的に「支給」「控除」「勤怠」の3つの項目で構成されています。給与明細に交付義務や交付期限があるのか、また再発行してよいのかなどは、意外と知られていないものです。

本記事では、給与明細の見方や発行・交付に関して定められている内容を解説します。保管方法や保管期間についてもご説明しますので、参考にしてください。

給与明細の見方を各項目別に紹介

給与明細とは、給与の支払日までに従業員に渡す、給与支払額や控除額が記載された明細書のことです。従業員は給与明細を見れば、実際に受け取る給与額の根拠がわかるようになっています。

給与明細の発行は、所得税法によって義務付けられています。企業はそれぞれ独自の形式で作成していますが、基本的な構成は各社ほぼ同じです。以下の3つの項目で構成されているのが一般的です。

  • 支給
  • 控除
  • 勤怠

各項目について解説していきましょう。

支給

支給の欄には基本給や割増賃金、通勤手当や役職手当などの各種手当のほか、これらを含めた「総支給額」が記載されています。総支給額は、額面とも呼ばれます。

控除

給与から差し引かれる保険料や税金が記載されるのは、控除の欄です。具体的には以下のような項目が該当します。

給与の額と実際に支給される金額が異なるのは、上記の保険料や税金が差し引かれるからです。詳細な控除金額を記載することで、実際に従業員に支払われる額について、従業員との間に認識のずれが生じるのを防ぎます。

勤怠

勤怠の欄には、従業員の出勤日数や労働時間などの勤務状況を記載します。勤怠の欄に記載する主な項目は以下のとおりです。

  • 勤務日数
  • 欠勤日数
  • 残業時間
  • 有休消化日数
  • 有給残日数

勤怠の項目のうち、給与に大きな影響を与えるのが残業時間です。

参考:所得税法|e-Gov法令検索

給与明細の発行・交付について

ここからは給与明細の交付期限や、交付対象者にパート・アルバイトまで含むのかという点について解説します。

給与明細の交付に期限はある?

給与明細の交付には期限があります。所得税法によって、給与を支払う際に交付しなければならないと定められていることに注意しましょう。たとえば、給与の支払日が20日の企業であれば、給与明細は毎月20日までに交付しなければなりません。

給与さえ支払っていれば、給与明細の交付は多少遅れてもよいというわけではありません。必ず、給与の支払日までには従業員に交付されるようにしましょう。

給与明細の交付対象者について、パート・アルバイトも含む?

給与明細の交付対象者は、パート・アルバイトも含む、給与を受け取るすべての従業員です。

正社員とパート・アルバイトで区別されてはいないため、給与を受け取る者であれば、雇用区分にかかわらず交付する必要があることを確認しておきましょう。

参考:所得税法|e-Gov法令検索

給与明細の発行・交付義務について

前述のとおり、給与を受け取るすべての従業員に対して給与明細を交付することは、法律で義務付けられています。雇用区分にかかわらず交付義務があるため、パートやアルバイトに対しても必ず交付しなければなりません。

参考:所得税法|e-Gov法令検索

給与明細の再発行はできる?

従業員が給与明細を紛失し、再発行を依頼してきたような場合、再発行することは可能です。ただし、社内で取り決めをした給与明細の保管期間を過ぎたタイミングで再発行の請求があった場合は、対応できない可能性があります。このようなケースへの対策として、給与明細のデータをクラウド管理することも、検討の余地があるでしょう。

なお、給与明細の交付は所得税法で義務付けられていますが、再発行までは義務付けられていません。それでも、慣習的に再発行に応じる企業が多いようです。しかし、給与明細の再発行にあたって手間や時間がかかるため、従業員に対しても各自で給与明細を保管するように促す必要があるでしょう。

参考:所得税法|e-Gov法令検索

給与明細を発行しないとどうなる?

給与明細の発行が義務付けられていることは、すでにお伝えしてきました。給与明細を発行しないことに対しては「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられています。

なお、給与の支払日までに給与明細の交付ができなかったことに対する罰則はありません。しかし、給与を支払うタイミングで交付できるよう、準備する必要があります。

参考:所得税法|e-Gov法令検索

給与明細の保管方法や保管期間について

交付義務のある給与明細ですが、保管方法や保管期間を明確に定めている法律はありません。ここでは、給与明細をどのように保管すればよいのか、どの程度の期間保管するのが適当なのか、それぞれ解説していきます。

給与明細の保管方法

紙の給与明細は、月別あるいは従業員別にファイリングして保管しておくのがおすすめです。紙が日焼けや湿気によって、劣化するのを防ぎましょう。また、給与明細は個人情報であるため、鍵付きの棚に保管しておくと安心です。あらかじめ、社内で保管期間を決めておくとよいでしょう。

個人情報保護の観点から推奨されるのは、給与明細を電子化して保管する方法です。さらに、誰でも閲覧できる場所への保管は避け、外付けのハードディスクに保管し、ハードディスクを鍵付きの棚に保管するといった対策が有効といえるでしょう。

また電子化する際、再発行に備えて解像度350dpi程度の大きさにしておくことがポイントです。

給与明細はいつまで保管すればいい?

給与明細の保管が義務付けられているわけではありません。しかし、すぐに廃棄してしまうのは避けたほうがよいでしょう。

給与明細の内容は賃金台帳と重複しているため、実質的に賃金台帳に該当すると解釈されるケースもあります。賃金台帳は5年間の保管義務が定められており、従業員の賃金請求権も給与明細が発行されてから5年間であるため、それらに合わせて5年間保管している企業も少なくありません。

給与明細を保管しておけば、従業員から未払い賃金を請求された際に、給与を支払っていた証拠となります。また、従業員が確定申告をする際や住宅ローンを契約する際などに給与明細が必要になり、再発行を依頼してくることもあります。支払った給与額などの確認は賃金台帳で行なえるものの、給与明細を保管していれば、再発行時にスムーズに対応できるでしょう。

参考:労働基準法|e-Gov法令検索
   民法|e-Gov法令検索

給与明細の見方や交付義務を理解し業務に役立てよう

給与明細は、主に「支給」「控除」「勤怠」の3つの項目で構成されています。支給の欄には基本給や各種手当のほか、これらを含めた総支給額が、控除の欄には給与から差し引かれる保険料や税金が記載されます。また勤怠の欄には、従業員の出勤日数や労働時間などの勤務状況が書いてあることが一般的です。

給与明細は、給与を支払うすべての従業員に交付する義務があります。正社員やパート、アルバイトなどの雇用区分にかかわりなく、給与支払日までに交付しましょう。なお、給与明細の保管は義務付けられておらず、保管期間も定められていません。しかし、賃金台帳の保管義務や従業員の賃金請求権などと合わせて5年間保管している企業が多いようです。

給与明細の見方や交付期限、適切な保管方法などをおさえて業務に役立てましょう。

よくある質問

給与明細に記載されている項目を教えてください。

給与明細は、基本的に「支給」「控除」「勤怠」の3つの項目で構成されています。詳しくはこちらをご覧ください。

給与明細の交付期限はいつまでかを教えてください。

所得税法によって、給与を支払う際に交付するように定められています。たとえば、給与の支払日が20日の企業であれば、給与明細は毎月20日までに交付しなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。


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