- 更新日 : 2023年6月30日
自己顕示欲とは?強い人の特徴や付き合い方について解説
日本では、「出る杭は打たれる」という言葉があるように、一般的に自己顕示欲が強い人はうとまれる傾向があります。しかしながら、誰しも自己顕示欲はあるものです。
この記事では、自己顕示欲の強い人について客観的に検証し、その特徴、付き合い方、そして見習うべきところについて解説していきます。
自己顕示欲とは?
そもそも自己顕示欲とは、どのような意味なのでしょうか。まず、この基本的なことから考えていきたいと思います。
自己顕示欲とは、承認欲求が強く、自分のことを認めてもらいたいあまりに主張したくなる欲求のことです。類似した用語に、承認欲求、自意識過剰があります。どのような違いがあるのでしょうか。
承認欲求との違い
承認欲求とは、他者から認められたり評価されたりしたいという欲求のことです。自己顕示欲は承認欲求の一種であり、自分のことをアピールすることで承認を得ようとするものです。
しかし、承認欲求は自己顕示欲以外にも、他者と協力したり信頼関係を築いたりすることで満たされる場合もあります。つまり、自己顕示欲は承認欲求の一部であって、同義ではありません。
自意識過剰との違い
自意識過剰とは、自分のことを過度に気にしたり不安に思ったりする状態のことです。
自己顕示欲が強い人は、自意識過剰な人と同じように、他者の目を気にしますが、その目的や反応が異なります。自己顕示欲が強い人は、他者から良い評価や注目を得ることで満足感や優越感を得ようとしますが、自意識過剰な人は、他者から悪い評価や無視されることを恐れて不安や劣等感があります。
自己顕示欲は他者からの承認を求めるものであり、自意識過剰は他者からの否定を避けるものという違いがあります。
自己顕示欲が出てしまう原因
誰しも自分の存在を認めてもらいたいという気持ちはあるでしょう。では、過度に自己顕示欲が出てしまうのは、なぜなのでしょうか。
自己の存在や能力の確認
自己顕示欲が強い人は、自分に自信がなく、自分の存在や能力を確かめたいという気持ちが強い傾向があります。
自分のことを認めてもらえないと不安になり、他者からの評価や反応を求めるようになります。そのため、自分の意見や経験を強く主張したり、自慢話をしたりすることで、自分の価値を高めようとするわけです。
自尊心の欠如
自己顕示欲が強い人の特徴として、意外なことに、自尊心が低く、自己肯定感が持てないことも指摘することができます。
自尊心とは、自分のことを尊重し、大切に思う気持ちです。自尊心が低い人は、自分のことを否定的に見てしまい、他者からの承認や称賛を必要とします。そのため、目立つ行動や発言をすることで、他者からの承認を得ようとする傾向があります。
他人との比較や競争心
自己顕示欲が強い人は、他人と比べる癖があり、競争心が強いという特徴もあります。他人よりも優れていることを見せつけたり、他人の欠点や失敗を指摘したりすることで、自分の優越感を満たそうとするため、他人に対して攻撃的や嫉妬深くなったり、協調性や信頼性に欠けることも指摘できるでしょう。
他人の注目を浴びたいという欲求
自己顕示欲が強い人は、他人の注目を浴びたいという欲求が強いという特徴があります。存在感や満足感を得ようとし、派手な服装や髪型をしたり、話題性のあることをしたりすることで、注目を集めようとする傾向があります。
自己表現の欲求
また、自己顕示欲が強い人は、自己表現の欲求が強いという特徴もあります。ここで言う自己表現とは、自分の考えや感情を表現することです。自己表現の欲求は、創造性や個性を発揮するために必要なものですが、過剰になると周囲に迷惑をかけることもあります。強引に相手の話に割り込んだりすることで、自分の存在感をアピールしようとすることもあります。
自己顕示欲が強い人の特徴
あなたの周囲にも自己顕示欲が強い人がいるかもしれません。あらためて、その特徴について検証してみましょう。
会話中に自分の話題にシフトする
自己顕示欲が強い人は、自分の話が多いという特徴があります。他人の話に興味がなく、自分の経験や意見を押し付けることが少なくありません。会話中に自分の話題にシフトすることで、自分をアピールしようとする傾向があると言えるでしょう。
持っている物を自慢する
自慢話やマウンティングが多いという特徴もあります。持っている物や身につけている物を見せびらかしたり、高価な物やブランド物を買ったことを誇示したりします。持っている物を自慢することで、自分の価値や地位を高めようとするわけです。
自画自賛を行う
自己顕示欲が強い人の特徴として、自画自賛を行うとことも指摘できるでしょう。自分の能力や成果を過大評価したり、他人からの称賛や感謝を求めたりします。自画自賛を行うことで、自分の優越感や満足感を得たいという欲求があるのです。
他人の評価を気にしすぎる
他人の評価を気にしすぎるという特徴もあります。他人からどう思われているか、どう見られているかに敏感で、批判や否定に弱いという一面があります。他人の評価を気にしすぎることで、自分の不安や劣等感を隠そうとするわけです。
人の話を聞かない・否定する
よく指摘される特徴として、自己顕示欲が強い人は人の話を聞かない・否定するという一面があります。他人の意見や感情に対して無関心で、自分の考え方や価値観が正しいと思い込んでいるのが原因です。人の話を聞かない・否定することで、自分の正当性や威厳を保ちたいという気持ちが働いていると思われます。
自己顕示欲が強い人との付き合い方
自己顕示欲が強い人の特徴をみてきましたが、では、どのように付き合えば良いのでしょうか。
相手が話していることを理解する
自己顕示欲が強い人は、自分の話を聞いてもらいたいという欲求が強いため、話していることを理解してあげることが大切です。相手の話に耳を傾け、共感したり質問したりすることで気持ちを汲み取りましょう。話していることを理解してあげることがわかれば本人の不安や劣等感を和らげることができます。
話題を意識的に他の人に向ける
自己顕示欲が強い人は、自分の話題にシフトする傾向があるので、話題を意識的に他の人に向けることも有効でしょう。
例えば、グループで会話している時には、他の人の意見や感想を聞いたり、他の人に関連する話題を振ったりするという方法もあります。話題を意識的に他の人に向けることで、相手の目立ちたがりや自慢話を抑えることができます。
適度な距離を保つ
自己顕示欲が強い人の特徴として、他人からの評価や称賛を求める傾向があるため、適度な距離を保つことが重要です。
相手に対して過度な褒め言葉や批判をしないようにしましょう。また、相手の自慢話や嘘に反論するのではなく、受け流すことを意識することも大切です。適度な距離を保つことで、相手の自画自賛やマウンティングを防ぐことができます。
自己顕示欲について率直にフィードバックする
自己顕示欲が強い人は、自分の行動や発言に対して客観的な視点が欠けている場合が少なくないため、自己顕示欲について率直にフィードバックすることも必要です。
例えば、相手の発言や態度が周囲に不快感や不信感を与えていることや、相手の能力や成果を過大評価していることなどを伝えましょう。ただし、フィードバックは建設的かつ具体的である必要があります。
また、フィードバックは個人的な感情や価値観ではなく、事実やデータに基づくものであることを明確にしましょう。自己顕示欲について率直にフィードバックすることで、相手の自己認識や行動改善に役立てることができるでしょう。
注意点を会話から作業に移す
自己顕示欲が強い人は、会話で自分をアピールすることに夢中になりがちという特徴もあります。
したがって、注意点を会話から作業に移すことが効果的です。例えば、仕事で相手と協力する場合には、目標や期限、役割分担などを明確にしましょう。また、作業の進捗や成果を定期的に確認したり、フィードバックしたりしましょう。注意点を会話から作業に移すことで、相手の実力や責任感を試すことができます。
顕示欲が強い人のポジティブな側面を褒める
自己顕示欲が強い人は、自分の能力や魅力を認めてもらいたいという気持ちが強いため、顕示欲が強い人のポジティブな側面を褒めることも大切です。
例えば、相手の発想力や表現力、コミュニケーション力などを称賛しましょう。ただし、褒める際には具体的かつ適切である必要があります。また、褒める頻度やタイミングも考慮しましょう。顕示欲が強い人のポジティブな側面を褒めることで、相手の自信やモチベーションを高めることができるでしょう。
自己顕示欲は駄目?顕示欲があることのメリット
ここまで自己顕示欲が強い人について、難点を中心に解説してきましたが、実は彼らには、良い部分もあります。
自己顕示欲が強い人は、自分の能力や魅力を周囲に認めてもらうために、常に努力や挑戦を続けます。その結果、自分のスキルや知識を高めることができます。これは大いに見習うべきことではないでしょうか。ただ単に自己顕示しているわけではないのです。
自己顕示欲とは何か、真剣に考えてみよう!
自己顕示欲の強い人について検証し、その特徴、付き合い方、メリットなどについて解説してきました。
あなたの周囲にも、自己顕示欲の強い人が何人かいるのではないでしょうか。それとも、あなた自身がそうかもしれません。客観的に特徴、傾向を理解し、付き合い方を知っておくことが大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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