• 更新日 : 2023年8月25日

ホワイトカラーとは?意味やブルーカラーとの違い

ホワイトカラーとは?意味やブルーカラーとの違い

ホワイトカラーとは、事務職や専門職に就く、オフィスでデスクワークを中心とした仕事をする労働者を意味する用語です。対義語として工場や現場で働くブルーカラーがあります。

ここでは、ホワイトカラーの由来から、該当する職種や業種、仕事内容について解説します。

ホワイトカラーとは

ホワイトカラーとは、事務職や営業職、弁護士やプログラマーなどの専門職、医師などの研究職などといった、主に知的・専門的な職種に就いている人々を指す用語です。

ホワイトカラーの由来

ホワイトカラーの名称は、「白い襟付きのシャツ(White collar)」が由来です。ワイシャツを着て仕事をするような職種に対して使用される言葉であり、日本ではサラリーマンと総称される人々の中にホワイトカラーに該当する人が多くいます。

ブルーカラーとの違い

ホワイトカラーと異なり、ブルーカラーという呼称もあります。ブルーカラーとは、物の生産に直接かかわる製造業、現場作業をする建設業・農林水産業などが該当します。ワイシャツではなく、主に作業服を着て仕事をするような職種に対して使用されます。

ホワイトカラーの代表的な職種

ホワイトカラーの代表的な職種は以下のものがあります。

  • 管理部門での人事、総務、経理
  • 企画のマーケティングや広報
  • 研究職などの専門的研究業務
  • 事務職や営業事務などのオフィスワーク
  • プログラマーやシステムエンジニアなどの専門職
  • デパートの販売業務や営業業務のような対人サービス
  • 医師、看護師などの医療業務
  • 弁護士や会計士などの専門家

ブルーカラーの代表的な職種との違い

一方、ブルーカラーの代表的な職種には以下のものが含まれます。

  • 土木作業員
  • 建設作業員
  • 組み立て作業員
  • 溶接工
  • 旋盤工
  • 塗装工
  • 整備工、修理工
  • ビルメンテナンス
  • 農家
  • 漁師

ホワイトカラーと比べ、ブルーカラーは現場で体と技術を使って仕事をする肉体労働が多く含まれています。ホワイトカラーの場合、ブルーカラーとは異なり、生産部門とは直接関係のない業務が多く含まれています。そのため、身体的な労働災害の発生率は、ホワイトカラーのほうがブルーカラーより低いといわれます。

しかし、ホワイトカラーの場合、自分の感情を押し殺したり、大げさに表現したりするなどといった感情をコントロールする労働、いわゆる感情労働が多く含まれ、近年職場の課題となっている鬱(うつ)病などの精神疾患や長時間労働による過労死の発生につながる事例もあります。

ホワイトカラーの仕事内容

ホワイトカラーの代表的な仕事内容は、以下のとおりです。

頭脳労働

専門的な知識やスキルを活用するのがホワイトカラーの仕事です。たとえば、人事や総務の仕事では、労働関係や社会保険などの法律の知識が求められます。経験と日常的な知識のアップデートが必要となります。

オフィスワークが多い

デスクワークや対人サービスの仕事がメインです。屋外で作業したり、機械を扱ったりするというブルーカラーとは異なります。そのため、怪我などの肉体的な疾病の発生は少ないといえます。

感情労働が多い

ホワイトカラーには、対人業務が多く含まれるため、感情労働が多いといわれます。たとえば、販売の仕事は、他者の思考や要望を読み取り、求められているような表現をすることがあり、感情をコントロールする必要がある労働です。

感情労働が多い業務は、他者に寄り添うことが求められるため、ストレスにより精神的に疲弊するという側面があります。上司と部下の間に挟まれる中間管理職の業務も感情労働の一種といえるでしょう。また、近年ではカスタマーハラスメントが問題となっており、顧客からの理不尽な要求やクレームによるストレスが原因でメンタル疾患が発生する例もあります。

ホワイトカラーのメリット・デメリット

ホワイトカラーのメリットの一つに、高い賃金があげられます。ブルーカラーと比べ、ホワイトカラーの平均的な賃金は高い傾向にあります。「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、「学術研究、専門・技術サービス業」の平均的な賃金は38万6900円、「金融業・保険業」は38万3500円、「教育・学習支援業」は37万3900円なのに対し、ブルーカラーの「建設業」は33万3200円です。

参考:令和3年賃金構造基本統計調査結果の概況|厚生労働省

ただし、「電気・ガス・熱供給・水道業」では41万9700円となっており、一概にブルーカラーの賃金が必ずしも低いとはいえません。専門的な技術や知識が必要な業務は、ホワイトカラーでもブルーカラーでも平均的な賃金が高い傾向にあります。また、ブルーカラーの労働環境は3K(きつい、汚い、危険)などといわれるように、労働環境が厳しいほど賃金が高額になることがあります。

一方、デメリットとしては、ホワイトカラーでも過重労働やメンタルヘルスの問題があります。ホワイトカラーの多くはパソコンでどこでも仕事ができるため、仕事と家庭生活の境目があいまいとなり、かえって長時間労働になることがあります。また、過度なノルマの設定や、対人関係で悩まされるケースも多く、過度な残業や精神的なストレスはメンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。

ホワイトカラーやブルーカラー以外の名称

ホワイトカラーとブルーカラー以外の名称について紹介します。

グレーカラー

グレーカラーとは、ホワイトカラーとブルーカラー両方の性質を持ち合わせている、もしくは両方にも属さない中間の業務を行う点が特徴です。頭脳労働と肉体労働の両方を行う、工場の生産管理者などが該当します。

ゴールドカラー

ゴールドカラーとは、高いスキル・専門的な知識を用いて、組織に属さずにキャリアを形成していく人を指します。実績のあるマネジメント層、起業家、研究・技術開発の高度の知識や技能を持つスペシャリスト、各種コンサルタントの中でも企業に対して有益なアドバイスができる専門家などが該当します。

メタルカラー

メタルカラーとは、作家の山根一眞氏が命名した言葉で、専門性の高い業務を行う人を指します。高度な技術が必要な作業を行う技術者・職人、また創造的な技術者を指し、日本の技術を世界水準に引き上げた支えた人として賞賛されるイメージです。

知的業務として必要とされるホワイトカラー

ホワイトカラーの大半は、高い専門性や知識が求められます。頭脳労働が主であるため、企業としては就業環境の整備やメンタルヘルスケアが重要となります。リモートワークが普及した現代では、ホワイトカラーの労働時間がかえって長くなるケースや、人間関係の希薄化によりストレスを抱えるケースが問題となっています。企業としては、ストレス対策にも目を向けて労働環境を整備する必要があるでしょう。


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