• 更新日 : 2023年10月27日

非言語コミュニケーションとは?メリットデメリットやビジネスの活用例を解説

非言語コミュニケーションとは?メリットデメリットやビジネスの活用例を解説

ビジネスでは、言語によるコミュニケーションが重要であることは、今さら言うまでもありません。しかし、身振り手振り、表情、姿勢、そして環境などの非言語コミュニケーションも、それ以上に大きな影響力があることを知っておく必要があります。

この記事では、非言語コミュニケーションの意味、メリット、デメリット、具体例のほか、ビジネスにおける活用方法について詳しく解説していきます。

非言語コミュニケーションとは?

非言語コミュニケーションは、決して周知されている用語ではありません。まず、ここでは、この言葉の意味や概要などの基本的な事項について確認していきます。

非言語コミュニケーションの意味・概要

非言語コミュニケーションとは、言葉以外の手段を使用して情報を伝えるコミュニケーションの形式です。これには顔の表情、ジェスチャー、視線、声の調子、身振り手振り、姿勢などといった身体言語(ボディランゲージ)が含まれます。

非言語コミュニケーションは、言葉だけでは伝えきれない感情、意図、態度を補完するために利用されます。言葉とともに、非言語コミュニケーションも効果的なコミュニケーションスキルであることを意識することが大切です。

非言語コミュニケーションの主なシーン

身近なビジネスシーンで非言語コミュニケーションが有効な例として「面接」「プレゼンテーション」「会議」の3つがあります。

  • 面接

    面接の際、応募者の非言語コミュニケーションは信頼性や自信、コミュニケーション能力に関する重要な情報を提供します。

  • プレゼンテーション

    プレゼンターのジェスチャーや声の調子は、聴衆に熱意や説得力を伝えるのに役立ちます。

  • 会議

    会議中の参加者の表情や姿勢は、意見や反応を示し、議論の進行に影響を与えます。

特に必要な業界

非言語コミュニケーションは、業界を問わず、言語によるコミュニケーションとともに大きな効果を発揮しますが、ここでは特に必要な3つの業界を紹介します。

  • 顧客対応業界

    サービス業や小売業では、顧客との信頼関係を築くために非言語コミュニケーションが不可欠です。店員やカスタマーサポート担当者の表情や姿勢は、顧客の満足度に直接影響します。

  • 教育業界

    教育者は、生徒(学生)に対して情熱や理解を示すために非言語コミュニケーションを活用します。教室でのジェスチャーや視線は、学習体験を向上させるのに役立ちます。

  • 医療業界

    医師や看護師は患者とのコミュニケーションにおいて、非言語的なサインを注意深く監視し、患者の症状や感情を理解します。

非言語コミュニケーションのメリット

非言語コミュニケーションのメリットとデメリットについて、考えていきましょう。まずは、メリットから整理していきます。

情報を早く伝えやすい

非言語コミュニケーションは情報伝達のスピードを向上させる役割を果たします。言葉に比べて表情やジェスチャーは瞬時に理解され、相手に対して迅速にメッセージを伝えることができます。

例えば、会議中に微笑むことで協力的な姿勢を示すことができ、議論の流れを効果的にコントロールできます。これにより、効率的なコミュニケーションが実現し、タスクの達成や問題の解決が迅速に行えます。

信頼関係を構築しやすい

非言語コミュニケーションは信頼関係の構築に寄与します。相手の目を見て話すことや、適切な身振りを使うことで、自分の誠実さや誠意を伝えることができます。信頼感があるコミュニケーションは、ビジネスや人間関係において重要です。

特にリーダーシップポジションにいる方たちは、部下や同僚から信頼されることで、チームの協力と共感を得られます。

相手の気持ちや状況が理解できる

非言語コミュニケーションは、相手の気持ちや状況をより深く理解するのに役立ちます。相手の表情や声のトーンから感情や意図を読み取ることができ、適切な反応やアクションを取る手助けとなります。

例えば、相手が不安や興奮しているかを視覚的に捉えることで、適切なサポートを提供できるでしょう。このような場を読む理解力は、ビジネスにおいて問題の早期発見やカスタマーサービスの向上に寄与します。

非言語コミュニケーションのデメリット

非言語コミュニケーションのメリットを挙げましたが、逆にデメリットは、次のようなものがあります。

言葉と表情が不一致の場合は誤解を生みやすい

非言語コミュニケーションが言葉と一致しない場合、誤解や混乱が生じる可能性があります。例えば、口頭で肯定的なことを伝えているにもかかわらず、表情が無表情や不機嫌なものだと、相手はどちらを信じて良いのか迷うことでしょう。

このような一貫性の欠如は、信頼性を低下させ、コミュニケーションの効果を減少させる可能性があります。特にビジネス環境では、情報の正確性が求められるため、非言語コミュニケーションの不一致は問題となるでしょう。

文化や習慣の差による不理解が生じる

非言語コミュニケーションは文化や地域によって異なり、その解釈も異なることがあります。例えば、あるジェスチャーや表情が一つの文化では喜びを示すものである一方、別の文化では失礼と受け取られるかもしれません。

これにより、異なる文化背景を持つ方たちのコミュニケーションによって、誤解や不快な状況が生じる可能性が高まります。国際的なビジネス環境では、文化の違いを理解し尊重することが非常に重要ですが、非言語コミュニケーションにおいては特に注意が必要です。

非言語コミュニケーションの例と種類

非言語コミュニケーションの種類は多岐にわたり、それぞれが情報や感情を伝える上で重要な役割を果たします。ここでは、非言語コミュニケーションの主要な7つの種類とその具体例について説明します。

動作行動

動作行動は、身体の動きやジェスチャーによって情報を伝える非言語コミュニケーションの一形態です。具体例としては、次のようなものがあります。

  • 手を振ってあいさつをする
  • うなずくことで同意や理解を示す
  • 肩をすくめることで無力感や不確実性を示す

身体の特徴

身体の特徴は、相手に対して重要な情報を提供する非言語コミュニケーションの要素です。具体例には以下のものがあります。

  • 目の色や表情が感情や興奮を反映する
  • 肢体の大きさや体型が自己主張や自信を示す

接触行動

接触行動は身体的な接触を通じて情報や感情を伝える非言語コミュニケーションです。具体例としては、以下が挙げられます。

  • ハグなどよって愛情や親しみを示す
  • 握手を通じてあいさつや協力意思を表す
  • 肩をたたいて励ましや親しさを伝える

近言語・パラ言語

近言語は、言語以外の音声情報のことであり、パラ言語とも呼ばれています。言葉そのものに含まれない音声要素や語調を指し、声の大きさ、声の強さ、話す速さ、イントネーション、声質などが該当します。以下のような効果があります。

  • 話し手の声の高さや速度が感情を示す
  • パーソナルスペース内での会話の密度が親しさや距離感を示す
  • 特定の言葉の強調やトーンが意味を変える
  • 話し手の声の高さや速度が感情を示す

空間行動・プロクセミクス

空間行動とは、人々が他者との関係やコミュニケーションにおいてどのように物理的な空間を活用するかを指します。特に「距離の近さ」に応じた人間行動についてはプロクセミクス(対人距離)という理論があります。

  • 会議室での席の配置が権威や協力関係を示す
  • 距離の取り方が親密さやリーダーシップを示す
  • 展示会やイベントのブースの配置が製品の重要性を表す

人工物の使用

人工物の使用は、物理的なアイテムや道具を用いて情報を伝える非言語コミュニケーションです。具体例には以下が挙げられます。

  • 名刺の交換が連絡先や役職を示す
  • プレゼンテーションスライドや資料が情報を補足する
  • 賞状やトロフィーが成就や功績を認める

環境

環境は、非言語コミュニケーションに影響を与える要素で、具体例には以下の3つです。

  • 会議室やオフィスのデザインが仕事の効率や創造性を示す
  • 店舗やレストランの照明や内装が雰囲気や客の滞在時間に影響を与える
  • 環境音楽が感情やリラックス度に影響を与える

日本人特有の非言語コミュニケーションの例

一般的に日本人は、欧米人と比べて、コミュニケーションが苦手だと言われています。しかし、それは言語に限ったことであり、非言語コミュニケーションについては、以下のような日本人特有のコミュニケーションスキルがあります。

察する(さっする)

「察する」とは、相手の気持ちや意図を感じ取り、適切な行動をすることです。これは日本文化において非常に重要で、相手が何を考え、どう感じているかを読み取り、その状況に適切に対応することが評価されます。具体例としては、以下のような場面が考えられます。

  • 会話中、相手が言葉では表現しない感情や意見を読み取り、適切なフォローアップの質問をする
  • 仕事のチームプロジェクトで、同僚の調子が悪そうなときに、サポートや協力の手を差し伸べる

空気を読む

「空気を読む」とは、周囲の雰囲気や微妙なニュアンスを敏感に察知することです。これは、日本の社会的な習慣として非常に重要で、無言の合図や空気感に敏感に反応することが求められます。具体例は次の通りです。

  • 会議で他のメンバーが反対意見を述べている場合、空気を読んで議論を収束させるために適切なタイミングで両者が納得できる手段を提案する
  • 社交場で相手が会話を終了しようとしていることを察して、会話を締めくくる

行間を読む

「行間を読む」とは、相手の発言や行動の裏にある意味や隠れたメッセージを理解することを指します。これは、直接的なコミュニケーションだけでなく、間接的なメッセージも重要視される文化において特に有用です。以下のようなものがあります。

  • 上司が言葉では指示しないが、目を見て特定の仕事を担当するように示唆する場面で、行間を読み取り、適切な行動をする

ビジネスでの非言語コミュニケーションの活用例

意外と日本では非言語コミュニケーションが根付いていることに気づかれたのではないでしょうか。効果的に活かす「1on1」「採用面接」「商談」の3つのビジネスシーンを紹介し、解説します。

1on1や面談の場合

個別の面談や1on1のビジネスシーンでは、非言語コミュニケーションが特に重要です。具体的な活用例は次の通りです。

  • 聴く姿勢

    相手の話に注意深く耳を傾け、うなずきや目線を通じて興味や理解を示すことが大切です。これは相手の話に対するリスペクト(尊敬)の態度を示し、信頼関係を築くのに役立ちます。

  • 表情の活用

    自分の感情や意図を表すことで、相手に対して正直で誠実な印象を与えます。笑顔や真剣な表情は、コミュニケーションを円滑に進めるのに役立ちます。

  • 姿勢と距離

    面談時に適切な姿勢と距離を保つことが重要です。相手に対する尊重とリラックス感を伝えるため、姿勢を正して、距離は相手の好みに合わせるように心がけましょう。

採用面接の場合

採用面接では、非言語コミュニケーションが採用候補者の資質や適性を評価する上で重要です。以下は具体的な活用例です。

  • 姿勢と自信

    面接官の自信とプロフェッショナリズムは、採用候補者に対して信頼感を与えるでしょう。姿勢は自信を示し、非言語的にプロ意識を表現する手助けをします。

  • 目線と関心

    面接官が、採用候補者に対して関心を持ち、目線を合わせることを意識することで、その候補者は面接官に対し、敬意を示すようになります。このような流れによって対話の質を向上させます。

  • 微細なジェスチャー

    採用候補者の微細なジェスチャーや表情から、自信、緊張、信頼性などの様子を読み取ることができます。この情報は、採用の決定に影響を与える場合があります。

商談の場合

商談においても、非言語コミュニケーションは信頼感を築き、交渉を成功に導く鍵となります。以下は具体的な活用例です。

  • 身振り手振り

    適切な身振り手振りは、意思疎通を助け、提案や交渉を詳しく説明する際に役立ちます。ただし、過度な身振り手振りは相手に圧力をかける場合があるため、注意が必要です。

  • タイミング

    適切なタイミングで相手の発言に反応し、共感や合意を表すことは、相手に対するリスペクトを示します。その行いによって協力的な関係性を醸成します。

  • 姿勢と目線

    面談と同様に、適切な姿勢と目線を保つことが大切です。相手に対する尊重と関心を表現し、良好な印象を与えます。

非言語コミュニケーションの注意点

日本人にとって、無意識のうちに染みついている非言語コミュニケーションですが、普段、不用意に使っていることも少なくありません。言語以上の効果を期待するには、いくつかの注意点があります。

ここでは、阿吽(あうん)の呼吸で通じない文化の異なる相手を前提として、3つの注意点とポイントを紹介します。

相手の理解度に合わせる

相手の理解度に合わせることは非常に重要です。特に相手が母国語話者でない場合、相手の言語スキルや文化背景に適切に対応することが成功の鍵となります。

  • 分かりやすい言葉

    簡潔な言葉や表現を使い、文法上の誤った言い回しや言い間違いを繰り返すことを避けることが大切です。また、ゆっくりと話し、言葉を適度にリピートすることで理解を助けます。

  • ジェスチャーや表情

    一部のジェスチャーや表情は文化によって異なり、誤解を招くことがあります。相手の文化に合ったジェスチャーや表情を使うよう心がけましょう。

  • 相手との距離の取り方

    距離の取り方も文化によって異なります。相手の文化に合わせて、適切な距離を保つことが大切です。過度に近づくことや逆に遠ざかることが不快に感じられる可能性があります。

伝えたい内容を明確にする

非言語コミュニケーションは、伝えたい内容を明確にするための手段として活用されます。

  • 一貫性

    言葉と非言語コミュニケーションが一貫していることが大切です。言葉で肯定的なメッセージを伝えながら、表情やジェスチャーが否定的であると、相手に混乱を招く可能性があります。

  • 強調

    重要なポイントを伝える際には、非言語コミュニケーションを活用して強調することが有効です。例えば、手を使ってポイントを示すなどが考えられます。

相手の文化や習慣の違いに気をつける

国際的なコミュニケーションでは、相手の文化や習慣の違いに敏感であることが必要です。

  • ジェスチャーの意味

    ジェスチャーの意味は国によって異なります。自分のジェスチャーが誤解を招かないよう、相手の文化を熟知しましょう。

  • 身振り手振り

    特定の国では身振り手振りが積極的なコミュニケーション手段として受け入れられている一方、他の国では控えめな姿勢が好まれることがあります。相手の文化に合わせて適切な身振り手振りを選びましょ

  • 服装

    服装も文化によって異なります。特にビジネスシーンでは、相手の期待に応えた服装を選び、尊重することが大切です。

ビジネスの成功に寄与する非言語コミュニケーションを活かそう!

非言語コミュニケーションは、ビジネスにおいて強力なツールであり、言葉だけでは伝えきれない情報や意図を伝えるのに役立ちます。

適切に活用することで、情報伝達の迅速化、信頼関係の構築、相手の感情や状況の理解を促進し、ビジネスの成功に寄与します。そして、文化や習慣の違いに気をつけながら、注意深く使うことが大切です。


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