• 作成日 : 2023年1月13日

厚生年金の事業所番号とは?わからない時の確認方法は?

厚生年金の事業所番号とは?わからない時の確認方法は?

従業員を雇用すると、事業主は健康保険や厚生年金保険などの社会保険に関するさまざまな手続きを行う必要があります。

所定の書類を年金事務所などに提出することになりますが、その際は事業所番号と事業所整理番号を記載しなければなりません。

本稿では、これら2つの紛らわしい番号の違いと確認方法などについて詳しく解説します。

厚生年金の事業所番号とは?

法人の事業所と従業員が常時5人以上いる個人の事業所は、原則として厚生年金保険・健康保険両制度に加入することが義務付けられています。

加入後は、従業員の入社、家族の扶養追加、退社などの被保険者資格の得喪関係だけでなく、保険料の納付、保険料額の変更など、さまざまな手続きが発生します。

こうした届出関係の手続きは厚生年金保険に限らず、健康保険も含めて年金事務所が所管しています。

年金事務所に届け出るすべての書類の「提出者記入欄」には、事業所番号と事業所整理記号を記入しなければなりません。

提出者記入欄

参考:健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届|日本年金機構

事業所番号とは、事業所が新規に健康保険と厚生年金保険の適用事業所となったときに年金事務所(日本年金機構)から告知された5桁の数字のことです。

事業所整理記号とは別物

事業者整理記号も、事業所が新規適用事業所となったときに振り出されます。

もともと、健康保険と厚生年金保険の事業は厚生労働省の外局である社会保険庁が所管し、出先機関として各都道府県に社会保険事務所が置かれていました。

しかし、2000年代前半に不祥事が相次いで発覚したことから一連の抜本的改革が進められ、2008年10月に政府管掌の健康保険事業は公法人である全国健康保険協会(協会けんぽ)の発足とともに移管されました。

2009年12月に同庁は廃止され、年金事業は公法人である日本年金機構の設置とともに引き継がれました。

社会保険庁時代に振り出されていた事業所整理記号は、「数字2ケタ+カタカナまたは英数4ケタ以内」や「漢字+ひらがな」の形式で表記されており、冒頭の数字2ケタまたは漢字は保険者の管轄を示しています。

例えば、「01-イロハ」や「港 いろは」という形式です。

事業所番号と事業所整理記号の違い

事業所番号は告知番号とも呼ばれ、健康保険・厚生年金保険の新規適用事業所となったことの証しとして事業所に対して付与される番号です。

一方の事業所整理番号は、社会保険の運営主体である保険者を示すとともに事業所を管理するための番号です。

例えば「港 いろは」であれば、前述の経緯で旧社会保険庁時代の港社会保険事務所が所管していたことを意味します。

旧社会保険庁時代は社会保険事務所が健康保険と年金の窓口になっていたため、従業員に交付される健康保険証(被保険者証)に記載される事業所整理記号(事業所記号)も漢字やひらがなを用いた形で統一されていました。

しかし、健康保険証に記載される事業所整理記号(事業所記号)については、2008年の全国健康保険協会(協会けんぽ)の発足に伴い、従来の「漢字かな」から7桁もしくは8桁の「数字」になりました。

年金事務所では現在でも旧体制での事業所整理記号を使用していますが、従業員の傷病手当金など健康保険の保険給付する際の申請書の提出先は管轄の協会けんぽ支部となります。

その際申請書に記載する事業所整理記号は、協会けんぽで使用する健康保険証に記載されている番号です。

こうしたことから、年金事務所の事業所整理記号を協会けんぽの形式に変換できるよう、変換表が一部の協会けんぽの支部を除いて公開されています。

変換表を用いて、漢字とひらがなの部分をそれぞれ対応する2桁の数字に変換します。

先ほどの「港 いろは」の場合、「港」は「11」、「い」は「01」、「ろ」は「02」、「は」は「03」となり、全体では「11010203」と8桁の数字に変換されます。

参考:東京都内事業所記号の変換方法について|協会けんぽ東京支部

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厚生年金における事業所番号の確認方法

従業員が新たに入社したときなど、申請書の作成において事業所番号や事業所整理記号の記載が必要になった場合、何を確認すればよいのでしょうか。

協会けんぽで使用される事業所整理記号は従業員の健康保険証で確認できますが、従業員の健康保険の保険給付以外の被保険者資格や保険料関係の諸手続きは、年金事務所が窓口になっています。

事業所整理記号については、協会けんぽの変換表で逆に年金事務所で使用する番号に変換できないわけでありませんが、変換表を公開していない支部もあります。

また、事業所番号は健康保険証に記載されていません。

事業所番号も事業所整理記号も、最初に健康保険・厚生年金保険の適用事務所の手続きを行った際、年金事務所から事業所に送付される「適用通知書」に記載されています。

適用通知書

その他、「保険料納入告知額・領収済額通知書」「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書」にも記載されています。

保険料納入告知額・領収済額通知書

健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書

日本年金機構のサイトでは「事業所検索システム」によって厚生年金保険・健康保険適用事業所情報を検索できますが、こちらで確認できるのは適用事業所となった年月日、被保険者数、法人番号などであり、事業所番号や事業所整理記号はわかりません。

参考:事業所検索システム|日本年金機構

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厚生年金の事業所番号の確認方法を知っておこう!

従業員の被保険者資格の得喪や保険料の納付、保険料額変更の手続きの際に必要な事業所番号と事業所整理記号の意味、違いなどについて解説しました。

いざというときに慌てないように、これらの番号の確認方法を知っておきましょう。

よくある質問

厚生年金の事業所番号とは何ですか?

健康保険・厚生年金保険の新規適用事業所となったことの証しとして、事業所に対して付与される番号です。詳しくはこちらをご覧ください。

厚生年金における事業所番号の確認方法を教えてください。

「適用通知書」や「保険料納入告知額・領収済額通知書」などで確認できます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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