• 更新日 : 2024年4月5日

住宅手当とは?支給の条件や課税はあるかなど解説!

住宅手当とは?支給の条件や課税はあるかなど解説!

住宅手当とは、持ち家のため住宅ローンを払っている従業員や、賃貸のため家賃を払っている従業員に対して、住宅費用を補助する目的で支給される手当です。福利厚生のひとつとして支給している企業が多く、住宅手当の支給有無は企業によってそれぞれです。本記事では、住宅手当の詳細や支給の条件、課税などについて解説します。

住宅手当とは?

住宅手当とは、従業員が支払っている家賃や住宅ローンなどの住宅費用を補助することを目的に、従業員の給料と合わせて支給される手当のことです。法的に定められたものではないため支給の有無は企業の自由であり、福利厚生の一環として支給されます。

また、支給要件や支給金額なども企業によって異なり、「家賃補助」「住居手当」などの名称で支給している企業もあるでしょう。本項では、住宅手当と家賃補助、社宅制度、引越し手当、社宅との違いについて解説します。

住宅手当と家賃補助の違い

家賃補助も住宅手当と同様に法的に定められた制度ではないため、企業が支給有無、支給要件、支給金額を自由に決められる制度です。

企業によっては住宅手当と名称の違いだけで内容は変わらない場合もありますし、アパートや賃貸マンションなどの家賃を払っている従業員だけに支給する場合もあります。住宅手当と家賃補助には、明確な違いはありません。

住宅手当と借り上げ社宅制度の違い

借り上げ社宅制度とは、企業が民間などの賃貸住宅を借り上げてその住宅を従業員に貸し出す制度です。一般的には、企業が借りた家賃よりも安い金額で従業員に貸し出します。一方、住宅手当は、従業員の住宅ローンや家賃支払いに対して手当が支給されるため、その点が違います。

住宅手当と引越し手当の違い

引越し手当とは、企業が従業員の転勤などで引っ越しをする場合に支給される手当のことです。引っ越しに対して支給される手当のため、毎月支給される住宅手当とは異なります。

住宅手当と社有社宅の違い

社有社宅とは、企業が所有している物件を従業員に貸し出す制度です。一般的には、民間などの賃貸相場よりも安い金額で従業員に貸し出します。一方、住宅手当は、住宅ローンや家賃支払いに対しての手当のため、その点が異なります。

住宅手当の支給額平均はどれくらい(相場)

厚生労働省による「令和2年労働条件総合調査の概要」によると、住宅手当の支給額平均は1万7,800円です。

また、令和5年の東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和5年版)」によると、住宅手当を支給している企業は35.2%、支給していない企業は64.8%になります。また、同調査で住宅の形態関係なく一律支給をしている場合の支給額平均は、扶養家族ありで1万8,381円、扶養家族なしで1万5,723円です。

住宅の形態別に支給している場合の支給額平均は、扶養家族ありの賃貸で2万5,667円、持ち家で2万1,880円、扶養家族なしの賃貸で2万3,156円、持ち家で1万8,563円です。

参考:令和2年労働条件総合調査の概要|第19表「諸手当の種類別支給された労働者1人平均支給額」|厚生労働省

参考:中小企業の賃金・退職金事情(令和5年版)第2表 「賃金制度、賞与・諸手当」|東京都産業労働局

住宅手当は課税の対象?

住宅手当などの手当は、一部例外を除き給与所得となるため、原則所得税や住民税の課税対象になり従業員は税金を支払わなければなりません。ただし、従業員が社宅の賃料を一定額支払う場合は、給与所得として計上しなくてよいため、所得税や住民税の課税はされません。

また、企業側にとっても、借り上げ社宅の賃料を従業員から一定割合以上徴求している場合は、福利厚生費として扱われるため原則非課税です。

参考:No.2508 給与所得となるもの|国税庁

住宅手当の支給例

・例1
賃貸住宅(社宅、寮、特定優良賃貸住宅などの住宅は除く)に居住している世帯主に対して、月額7,000円の住宅手当を支給します。ただし、パートタイム職員、自治体から公的家賃補助を受給している従業員、休業や休職中で勤務していない期間は支給されません。

・例2
家賃または住宅ローンを支払っている従業員に、賃貸の場合は月額家賃の3分の1に相当する額、持ち家の場合は住宅ローン残額÷残返済月数の3分の1に相当する額の住宅手当を支給します。ただし、住宅手当の上限は、1万8,000円としています。

住宅手当の取得条件-法律などで決まりはある?

福利厚生は、法律に定められていて企業の義務である「法定福利厚生」と法律に定められていない「法定外福利厚生」に分けられます。

住宅手当は法定外福利厚生のため企業が独自でルールを設定できますが、多くの企業で採用している一般的な取得条件があるのです。本項では、住宅手当の一般的な取得条件について解説します。

賃貸か持ち家か

住宅手当は、賃貸や持ち家か住宅形態を問わずに一律に支給している企業もあります。ただし、一般的には賃貸なのか持ち家なのかや、持ち家の場合は住宅ローンの有無により
取得条件を決めている企業が多いです。

単身者か扶養家族がいるか

単身者か扶養家族がいるかどうかにより、住宅手当の有無や金額を決定している企業もあります。単身者のほうが扶養家族がいる従業員よりも生活費がかからないため、扶養家族がいる従業員の住宅手当を高く設定することが一般的です。

世帯主かどうか

実家に親と住んでいて親が世帯主の場合や、配偶者が世帯主の場合は支給しないなど、世帯主かどうかで住宅手当の支給有無や金額などの基準を決めているケースもあります。

勤務先からの距離や通勤時間

自宅から勤務先までの距離が一定以内や、通勤時間が一定以内の場合に、住宅手当を支給するケースがあります。勤務先の近隣に住む従業員に住宅手当を支給することで、通勤時間の削減による従業員の負担軽減が目的です。

勤続年数や年齢

勤続年数や年齢が、住宅手当の取得条件になることがあります。これは、入社年数の浅い従業員や、若い従業員など収入が少ない従業員の生活を支援することが目的です。

住宅手当の申請に一般的必要な書類

企業への住宅手当の申請には、一般的には以下の書類が必要です。本項では、住宅手当の申請に一般的必要な書類についてどこで取得できるかについて解説します。

住民票

住民票は、住所地管轄の市区町村役場の窓口や郵送によって取得できます。また、マイナンバーカードを使用して、コンビニエンスストアのコピー機でプリントすることも可能です。提出された住民票により、住宅手当の支給が可能か確認します。

賃貸借契約書

賃貸借契約書とは、従業員が物件の賃貸借契約を結んだ時の書類であり、一般的には控えを従業員が保管しています。提出された賃貸借契約書により、住宅手当の支給条件を満たしているかの確認が可能です。

住宅ローンの明細書

住宅ローンの明細書は、一般的には住宅ローンの契約時に金融機関から郵送などで送られてきます。提出された住宅ローンの明細書により、住宅手当の支給条件を満たしているかの確認が可能です。

登記簿謄本

登記簿謄本は、管轄法務局の窓口、郵送、オンラインでの請求が可能です。提出された登記簿謄本により、住宅手当の支給が可能か確認します。

住宅手当の申請方法

住宅手当を申請する流れは、企業によってそれぞれです。本項では、一般的な住宅手当の申請方法について解説します。

住宅手当取得の条件を確認する

企業によって、住宅手当の支給有無、支給金額、支給要件などが異なります。まずは、住宅手当取得の条件を就業規則などで確認して、住宅手当の支給条件を満たしているかの確認が必要です。

申請書類を取得する

住宅手当の支給条件を満たしていることが確認できた場合、支給のために必要な申請書類を取得します。申請に必要な取得しなければならない書類は、住民票、登記簿謄本などです。

人事労務担当者へ提出する

申請書類を取得できたら、人事労務担当者へ提出します。提出後承認された場合には、住宅手当が支給される流れです。

住宅手当がもらえる期間に決まりはある?

住宅手当は法律に定められていない法定外福利厚生のため、支給期間は企業によって異なります。そのため、住宅手当が支給される期間は、企業ごとに決められた支給期間内で支給条件を満たした期間です。

住宅手当がもらえるのは何歳まで?決まりはある?

住宅手当が支給される期間と同様に、住宅手当が支給される年齢についても企業によって異なります。一般的には年齢によって支給の有無を決めている企業は少ないですが、一定の年齢以下は支給しないようにしている企業もあります。そのため、勤務する企業の住宅手当の支給条件を確認することが大切です。

住宅手当が途中からもらえなくなったらどうする?

住宅手当の支給の有無などは、企業ごとに決定することができます。しかし、従業員との合意なしに、労働者の不利益になるような労働条件の変更は禁止されています。そのため、企業側も従業員と合意できるように、現在の水準を維持できるような代わりの対策を提示するのが一般的です。

住宅手当の支給は減少傾向にある

住宅手当を支給している企業の割合は、近年減少しています。その理由は、生活スタイルなどの変化により現状の一律支給などでは不公平感が大きくなることがあげられます。

また、同一労働同一賃金のすべての企業への適用化により、正社員と正社員以外の格差をなくすため、正社員への住宅手当の支給を廃止する企業が増えたことも要因の一つです。他にも、テレワークなどの普及により、住宅手当や通勤手当などの手当を他の在宅関係の手当に変更する企業が増えたことも理由としてあげられます。

このような要因により、住宅手当を支給する企業は近年減少傾向となっています。勤務する会社が住宅手当の支給対象なのかを確認してみるとよいでしょう。


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