• 更新日 : 2022年12月15日

無料テンプレート付き!有給休暇管理表とは?保存期間は?

無料テンプレート付き!有給休暇管理表とは?保存期間は?

2019年4月の労働基準法改正により、年次有給休暇日数が10日以上の労働者は、年5日以上の有給休暇取得が義務付けられました。使用者は年次有給休暇日数を正しく管理するために有給休暇管理表を作成し、一定期間保存しなければなりません。この記事では、有給休暇管理表の概要と無料テンプレートを紹介するので、ぜひ活用してください。

有給管理表とは?

有給休暇管理表とは、法令で定められた年次有給休暇を正しく管理するための帳票です。2019年4月に施行された改正労働基準法によって、年次有給休暇が10日以上付与される労働者には、年間5日以上有給休暇を取得させることが義務付けられました。使用者は有給管理表を作成し、対象者の年次有給休暇を正しく管理しなければなりません。

有給休暇管理表では、年次有給休暇日数・有給休暇取得日時・有給休暇残日数などが管理されます。様式やフォーマットの指定はありませんが、労働者が年10日以上の年次有給休暇を付与された「基準日」と有給休暇の「日数」、有給休暇を取得した日時に当たる「時季」については必ず記載しなければなりません。

なお、有給休暇は原則として労働者の申請によって取得されるものです。年次有給休暇日数のうち、5日間は労働者が自由に取得できる休暇となっています。

5日を超える有給休暇については、あらかじめ取得日を決めて取得させることが可能です。これを「計画的付与」といい、全社一斉休業などの「一斉付与方式」、グループごとに交代で付与する「交替制付与方式」、 年次有給休暇付与計画表に基づき付与日を個別に指定する「個人別付与方式」などがあります。労働基準法における定めを引用すると、下記の通りです。

労働基準法
第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(年次有給休暇)
第三十九条(一部引用)

⑥ 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項から第三項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち五日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。

引用:労働基準法(第三十九条)|e-Gov法令検索

さらに、使用者は労働者に希望日等のヒヤリングを行い、時季を指定して有給休暇を取得させることも可能です。使用者の指定による有給休暇を「時季指定」といいます。労働基準法では、年5日以上の時季指定による有給休暇取得が義務付けられているのです。有給休暇の取得日数が5日未満の労働者に対しては、時季を指定し休暇を取らせなければなりません。これを「時季指定義務」といいます。ただし、労働者の申請による休暇や計画的付与による休暇が5日を超える場合は、使用者は時季指定できないので注意が必要です。労働基準法では下記の通り定められています。

労働基準法
第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(年次有給休暇)
第三十九条(一部引用)

⑦ 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(中略)の日数のうち五日については、基準日(中略)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。(略)
⑧ 前項の規定にかかわらず、第五項又は第六項の規定により第一項から第三項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が五日を超える場合には、五日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。

引用:労働基準法(第三十九条)|e-Gov法令検索

なお、計画的付与や時季指定については、就業規則に規定し労使協定を締結する必要あるため気を付けましょう。根拠となるのは、労働基準法第89条に定められた就業規則の絶対的必要記載事項です。

労働基準法
第九章 就業規則(作成及び届出の義務)
第八十九条(一部引用)

常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

引用:労働基準法(第八十九条)|e-Gov法令検索
参考:年次有給休暇取得促進特設サイト|厚生労働省

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有給管理表の作成は義務?

労働基準法では、時季指定義務とともに有給管理表の作成が義務付けられています。労働基準法施行規則第24条の7には下記の通り定められており、使用者は年次有給休暇管理簿を作成し、一定期間保存しなければなりません。

労働基準法施行規則
第二十四条の七

使用者は、法第三十九条第五項から第七項までの規定により有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日(第一基準日及び第二基準日を含む。)を労働者ごとに明らかにした書類(第五十五条の二及び第五十六条第三項において「年次有給休暇管理簿」という。)を作成し、当該有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後五年間保存しなければならない。

なお、年次有給休暇管理簿は、労働者の申請もしくは使用者の時季指定や計画的付与によって、実際に年次有給休暇が取得された際に作成義務が生じます。労働者が年次有給休暇の取得権を獲得したタイミングではないので注意が必要です。ただし、実務上ではあらかじめ有給休暇管理表を作成し、適切に年次有給休暇を管理することが望ましいでしょう。

有給休暇管理簿で管理される対象者は、年次有給休暇が10日以上付与される全労働者です。正社員やパートタイム・アルバイトなどの雇用形態は問いません。さらに、管理職や一般社員といった職務上の役職等も問わずに管理対象となるので気を付けましょう。主な対象者を一覧表で紹介します。

対象者管理対象となる条件
正社員またはフルタイムの契約社員
  • 雇用日から6ヶ月間継続して勤務している
  • 全労働日の8割以上勤務している
勤務時間が週30時間以上の
パートタイム従業員
  • 雇用日から6ヶ月間継続して勤務している
  • 全労働日の8割以上勤務している
勤務時間が週30時間未満で
週4日勤務のパートタイム従業員
  • 雇用日から3年半継続して勤務している
  • 直近1年間の労働日のうち8割以上勤務している
勤務時間が週30時間未満で
週3日勤務のパートタイム従業員
  • 雇用日から5年半継続して勤務している
  • 直近1年間の労働日のうち8割以上勤務している

上記以外の、年次有給休暇日数が10日未満の従業員については、管理対象者に該当しません。繰り越しによって年次有給休暇が10日を超過した場合でも、管理対象とはならないので気を付けましょう。

引用:労働基準法施行規則 (第二十四条の七)|e-Gov法令検索

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有給休暇管理表を作成していない場合、罰則はある?

有給休暇管理表は法令で定められた重要書類ではないため、作成や保管を怠ったからといって直ちに罰則が科せられるものではありません。ただし、労働基準監督署の求めに従い、労働者に正しく有給休暇を取得させていることを説明できないと、下記の罰則が科されることがあるため注意しましょう。

  • 管理対象者に年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合(時季指定義務違反)
    30万円以下の罰金(労働基準法第120条)
  • 労働者が申請した時季に所定の年次有給休暇を与えなかった場合
    6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(労働基準法第119条)
  • 時季指定について就業規則に記載していない場合
    30万円以下の罰金(労働基準法第120条)

年次有給休暇は労働者に認められた重要な権利なので、労働者が請求した時季に付与しなければなりません。しかし、業務上の都合により労働者が申請した時季に有給休暇を付与することが難しい場合、使用者は有給休暇を付与する時季を変更することが可能です。これを「時季変更権」といいます。ただし、時季変更権の行使が認められるのは、請求時季の有給休暇取得が「事業の正常な運営を妨げる場合」のみです。単なる繁忙期などでは認められないため注意しましょう。

労働基準法
第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(年次有給休暇)
第三十九条(一部引用)

⑤ 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

引用:労働基準法(第三十九条)|e-Gov法令検索
参考:労働基準法(第百二十条)|e-Gov法令検索
参考:労働基準法(第百十九条)|e-Gov法令検索

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有給管理表の作り方

有給管理表の様式やフォーマットは指定されていませんが、基準日・日数・時季は記載しなければなりません。

項目記載内容
基準日年次有給休暇が10日以上付与された日
日数年次有給休暇の日数
時季年次有給休暇を取得した日

有給休暇管理表の作り方は紙媒体やExcelなどが一般的ですが、有給休暇管理機能を備えた勤怠管理システムも存在します。これらのシステムには、有給休暇の申請機能・基準日に有給休暇を自動で付与する機能・残日数管理機能・取得義務履行状況管理機能・有給休暇取得状況通知機能などが備わっています。また、法令に則った年次有給休暇管理簿の出力機能も備わっているため、業務の大幅な効率化が可能です。勤怠管理システムを活用しミスなく効率的に有給休暇を管理するとよいでしょう。

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有給休暇管理表の保管期間

有給休暇管理表は作成とともに、一定期間の保管が義務付けられています。保管期間は、2020年4月に施行された改正民法における消滅時効に則り原則5年間です。

労働基準法施行規則
第二十四条の七

使用者は、法第三十九条第五項から第七項までの規定により有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日(第一基準日及び第二基準日を含む。)を労働者ごとに明らかにした書類(第五十五条の二及び第五十六条第三項において「年次有給休暇管理簿」という。)を作成し、当該有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後五年間保存しなければならない。

引用:労働基準法施行規則 (第二十四条の七)|e-Gov法令検索

しかし、当面の間は経過措置として、賃金台帳などの保存期間とあわせて3年間となっています。保存期間満了後は破棄することが可能です。

有給休暇管理表のテンプレート – 無料でダウンロード

ここまでで紹介した通り、有給休暇管理表には様式やフォーマットの指定はありません。しかし、有給休暇の取得については労働基準法で細かく規定されているため、基準日・日数・時季等を明確化し法令に基づき管理する必要があります。様式やフォーマットが適切でないと法令違反に繋がるため、十分注意してフォーマットを作成しなければなりません。

一方、関連法の細かな規定を全て把握しフォーマットを作成する作業や、定期的に改定される法令に合わせてフォーマットを修正する作業は大きな負担となります。そこで、マネーフォワード クラウドでは無料で利用可能なテンプレートを作成しました。有給休暇管理表のテンプレートは以下からダウンロードできます。このテンプレートを活用し、法令順守と業務効率化を是非実現してください。

▼ 有給休暇管理表のテンプレートはこちらから無料でダウンロードできます

有給休暇管理表を活用し有給休暇取得義務を確実に履行しよう

有給休暇管理表について紹介しました。労働基準法の改正に伴い、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者には、年5日以上の有給休暇を取得させなければなりません。これを「時季指定義務」といいます。さらに、使用者は対象者の有給休暇を正しく管理するため、有給休暇管理表を作成し一定期間保管しなければなりません。有給休暇管理表には、10日以上の年次有給休暇が付与された「基準日」、年次有給休暇の「日数」、年次有給休暇を取得した日時である「時季」を記載する必要があります。作成した有給休暇管理表の保管期間は3年間です。有給休暇管理表を活用し、正しく時季指定義務を履行しましょう。

よくある質問

有給休暇管理表とはなんですか?

有給休暇管理表とは、年次有給休暇を正しく管理するための帳票です。10日以上の有給休暇を付与された労働者には年5日以上の有給休暇を取得させなければならず、有給休暇管理表で適切に管理する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。

有給休暇管理表の保管期間について教えてください。

有給休暇管理表の保管期間は、改正民法における消滅時効に則り原則5年間です。ただし、当面の間は経過措置として、賃金台帳などとあわせて3年間となっています。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド勤怠

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