• 作成日 : 2022年11月11日

介護休業の取得期間と受給条件を解説!

介護休業の取得期間と受給条件を解説!

介護休業とは、育児・介護休業法によって介護を必要とする家族を介護するために労働者に取得が認められている休業です。常時介護が必要な家族の介護のため、対象家族1人につき93日まで、分割する場合は3回まで分けて取得することができます。介護休業取得の申出は、原則として2週間前までに行う必要があります。また介護休業は看取りのための取得が可能です。

介護休業とは?

介護休業とは、労働者が家族を介護するために取得する休業のことです。育児・介護休業法で規定されている、要介護状態にある対象家族を介護する場合に取得することができます。

要介護状態とは

負傷や疾病、あるいは身体上や精神上の障害により、2週間以上、常時介護を必要としている状態が要介護状態です。常時介護を必要とする状態については、以下の基準から判断します。

  • 介護保険制度の要介護状態区分において要介護2以上であること
  • 次の状態のうち、(2)が2つ以上か(3)が1つ以上該当すること
 (1)(2)(3)
座位保持できる支えてもらえばできるできない
歩行できる何かにつかまればできるできない
移乗できる一部介助や見守りなどが必要全面的介助が必要
水分・食事摂取できる一部介助や見守りなどが必要全面的介助が必要
排泄できる一部介助や見守りが必要全面的介助が必要
衣類の着脱できる一部介助や見守りが必要全面的介助が必要
意思の伝達できるときどきできないできない
外出先からの帰宅できるときどきできないほとんど毎回できない
破壊行為ないときどきあるほとんど毎日ある
物忘れないときどきあるほとんど毎回ある
服薬できる一部介助や見守りが必要全面的介助が必要
日常の意思決定できる難しいほとんどできない

対象家族とは

介護休業を取得するための対象家族とは、次の家族です。

  • 配偶者(事実婚を含む)
  • 父母
  • 配偶者(事実婚を含む)の父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

祖父母と兄弟姉妹については、本人の祖父母や兄弟姉妹の場合のみ、介護休業の取得ができます。配偶者の祖父母や兄弟姉妹の場合は、介護休業を取得することはできません。

介護休暇との違い

介護休暇も育児・介護休業法で定められており、要介護状態にある家族の介護や、その他の世話をするために取得できる休暇です。事業主は、介護休暇を取得できる労働者に対しては、年次有給休暇とは別に休暇を付与する必要があります。

ただし、介護休暇について賃金支払は義務づけられていません。取得できる休暇日数は1年度に5日、介護や世話をする対象家族が2人以上の場合は1年度に10日です。1日単位の他時間単位での取得ができ、対象家族の病院の付き添いや施設への送迎などに利用することができます。

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介護休業で取得できる期間は?

介護休業は、誰でも取得できるのでしょうか?介護休業が取得できる労働者の条件と期間について、確認しておきましょう。

介護休業の取得条件

介護休業を取得できるのは、常時介護を必要とする対象家族を介護する労働者です。男性労働者・女性労働者にかかわらず、取得することができます。ただし次の条件に該当する場合は、介護休業を取得することはできません。

  • 日々雇い入れられる者
  • 期間を定めて雇用される者のうち、取得予定日から起算して93日を経過する日から6カ月を経過する日までの間に、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかな者

令和4年3月までは「同一の事業主に1年以上引き続き雇用されていること」という要件もありましたが、令和4年4月1日以降、撤廃されています。

ただし、次の労働者については労使協定を締結することで介護休業の対象外となり、介護休業取得ができなくなります。

  • 入社1年未満の労働者
  • 申出の日から93日以内に雇用期間が終了することが明らかな労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

介護休業で取得できる期間

介護休業を取得できる期間は、対象家族1人につき93日までです。3回まで分割して、最長93日まで介護休業を取得することができます。

期間変更はできる?

介護休業は次の範囲で期間を変更することができます。

  • 限度:介護休業期間である93日
  • 種類:期間の延長(期間の短縮は不可)
  • 回数:1回のみ

撤回は、以下の条件で行うことができます。

  • 休業開始日の予定日までに申し出ること

ただし撤回を2回連続して行った場合、それ以降の介護休業取得の申出を事業主は拒むことができます。

介護休業の取得期間の数え方

介護休業期間は、原則として労働者の申出により介護休業を開始しようとする日から、介護休業を終了させようとする日までです。ただし、事業主によって休業を開始する日や終了する日の指定が行われた場合は、その指定日が介護休業を開始する日、介護休業を終了する日になります。

また労働者によって介護休業取得を終了する日の変更が行われた場合は、その変更された日が介護休業を終了する日になります。日数(93日間)は通算で数えるため、土曜日・日曜日・祝日も含まれます。

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介護休業を取得するための手続き

介護休業を取得しようとするときは、事業主に対して申し出ます。申出は、原則として介護休業を開始しようとする日の、2週間前までに行います。労働者が2週間前までに介護休業取得の申出を行った場合は、労働者の希望する日を開始日としなければなりません。2週間前までに申出が行われなかった場合は、事業主は申出があった日から2週間を経過する日までの間を介護休業の開始日に指定することができます。

  • (例)介護休業の申出を2週間前までにした場合
    8月1日:8月15日に介護休業を開始したい旨の申出

    8月15日:介護休業開始
  • (例)介護休業の申出を2週間前までにしなかった場合
    8月1日:8月5日に介護休業を開始したい旨の申出

    8月5日:介護休業を開始できない

※8月5日~8月15日で事業主が介護休業を開始する日を指定できる
 8月15日:介護休業開始(申出があった日の翌日から起算して2週間を経過する日)

また介護休業を終了する日の変更も、原則として2週間前までに申し出ることが必要です。介護休業期間を延長して終了日を繰り下げようとする場合には、予定していた終了日の2週間前までに書面の提出などの方法で申し出ることが求められます。

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介護休業に関するいくつかの注意点

介護休業を取得すると、仕事を辞めなくても家族の介護が可能になります。次の点も十分に理解して、仕事と家庭生活の両立に介護休業を活用しましょう。

看取りも介護休業の対象になる?

介護休業は、看取りを目的として取得することが可能です。介護休業は家族を介護する労働者の雇用の継続を図り、仕事と家庭生活を両立させることを目的とした休業制度です。いわゆる介護だけでなく介護を行うための準備や看取りをするための期間も介護休業を取得することができます。

介護休業中に旅行にいっても問題ない?

介護休業中に対象家族と旅行に行くことに対して、特に問題は生じません。介護休業は在宅での介護だけでなく、旅行先や終末期ケア施設での介護も対象としています。思い出の場所へ出向くことも看取りの一環として、介護休業中に行うことが認められます。

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介護休業を上手に活用して仕事と家庭生活を両立させよう

家族を介護する場合には、介護休業を活用することができます。介護休業は、常時介護を必要とする家族を介護するための休業で、対象家族1人につき93日まで取得可能です。3回まで分割して取得できるほか、1回に限り延長も認められます。看取りのための介護休業取得も可能で、旅行に行っても問題ありません。

また1日や半日単位での休みが必要な場合は、介護休暇が取得できます。介護休暇は対象家族1人につき5日まで取得可能です。家族を介護する場合は、介護休業と介護休暇を上手に活用して、仕事と家庭生活の両立を目指しましょう。

よくある質問

介護休業とはなんですか?

常時介護を必要とする家族を介護するために、労働者が取得できる休業です。詳しくはこちらをご覧ください。

介護休業で取得できる期間について教えてください。

対象家族1人につき、93日まで取得できます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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