• 更新日 : 2024年10月7日

雇用期間満了通知書とは?目的や書き方を解説!無料テンプレートつき

  • 有期労働契約の締結時や満了時に生じやすいトラブルを未然に防止するため、厚生労働大臣は、労働基準法第14条第2項の規定に基づき「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準」を定めています。
  • 雇用期間満了通知書は、この『有期労働契約基準』第2条を踏まえて行うもので、雇止めの予告といわれます。

雇用期間満了通知書とは?

雇用期間満了通知書とは、期間の定めのある労働契約について、その契約期間が満了になった時点で雇用を終了し契約を更新しないこと、そしてその理由を通知する文書です。雇止めの予告は、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までにしなければならないとされています。

予告が必要な契約は次の3つの場合のいずれかです。ただし、契約を更新しないことが明示されている契約は除かれます。

  • 3回以上更新されている場合
  • 1年以下の契約期間の有期労働契約が更新または反復更新され、最初に有期労働契約を締結してから継続して通算1年を超える場合
  • 1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合

引用:厚生労働省|有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準

有期労働契約基準の対象となるのは上記の3つですが、これ以外の場合でも事前に労働者に通知をし、無用なトラブルを予防することが望ましいでしょう。

雇用期間満了通知書の書き方は?

雇用期間満了通知書は、労働者と使用者が確認する必要があるので、契約期間の満了日を明確に記載しましょう。

また、雇用期間満了通知書には、契約を更新しない理由も記載しておく方がよいでしょう。有期労働契約基準では、雇止めの予告を行ったときに、または雇止めの後に、労働者が雇止めの理由に関する証明書を請求した場合には遅らせることなく交付しなければならないと定めています。なお、更新しない理由は「契約期間の満了」とは別の理由にしなければなりません。

更新しない理由

契約を更新しない理由については、厚生労働省が発行している「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準について」によると、以下の通り記載されています。

  • 前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
  • 契約締結当初から、更新回数の上限を設けており、本契約はその上限に係るものであるため
  • 担当していた業務が終了・中止したため
  • 事業縮小のため
  • 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
  • 職務命令に対する違反行為を行ったこと、無断欠勤をしたことなど勤務不良のため

引用:厚生労働省|有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準について

雇用期間満了通知書の無料テンプレート

雇用期間満了通知書は、期間満了によって労働契約が終了し、更新しないことをあらかじめ伝えることで、労働者が契約終了後の準備に取りかかる契機ともなるものです。

内容に曖昧さや行き違いがない通知書を作成するために、下記のURLからテンプレートをダウンロード、ご活用してください。

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雇用期間を更新せず、雇止めするときの注意点は?

雇止め法理は、労働契約における労働者の法的地位の安定を図るためのものとして、判例の積み重ねによって構築されてきたものです。

雇止め法理には、契約が反復されたことで実質的に無期契約と認められるタイプと、契約の更新を期待することが合理的と認められるタイプの2つあります。なお、この法理を定めたのが労働契約法第19条です。

過去に反復更新された有期雇用契約

有期労働契約であっても、長期間にわたって更新が続き、他の同様な契約の労働者が更新拒否されたことがなく、さらに業務内容が一時的・季節的でなく継続的である場合、事実上、無期労働契約が結ばれているとみなされます。

そのような状況下では、雇止めは解雇と同じ扱いになるのです。したがって、労働者を解雇する正当な理由がない場合、使用者は労働者の契約更新を認める義務があると判断されます。

更新が期待される有期雇用契約

長期にわたる契約更新がなかったり、更新手続きが曖昧だったりした場合、仕事の内容に継続性があれば、労働者が契約の更新を期待するのは当然という場合もありえるでしょう。

例えば、最初の労働契約書に更新の限度が記載されていたものの、会社の幹部が雇用の継続を期待させるような発言をしていた場合などがこれに相当します。このような場合にも雇止め法理が類推適用されることになり、使用者は労働者の契約更新の申込みを承諾したものとみなされます。

有期雇用労働契約の運用は慎重に

有期労働契約の更新を期待することに合理性があるか否かを決定するのは、契約終了の合意の有無だけではなく、労働契約関係における信義・誠実の原則に照らして労働者の信頼を保護すべきかどうかという判断の問題であるとされています。

つまり、契約書に「有期」と書いてあるからと言って、更新する必要がないとは限らないということです。

雇用の当初に契約継続を口にしながら、途中から更新限度を導入し労働者がそれを理解している場合でも更新の期待が認められる場合があります。

日頃から雇止め法理についての理解を深めたうえで、労働者に無用な負担を強いることのないよう雇用期間満了通知書の適切な交付を心がけてください。


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