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  • 更新日 : 2021年10月25日

退職金にも所得税はかかる!計算方法と注意すべきこと

退職金にも所得税はかかる!計算方法と注意すべきこと

退職金=退職所得。退職金にも所得税は課せられます。
ここではそもそも税法上「退職所得」とはどんなお金を意味するのか、と言うところから始め、退職金の源泉所得税の計算方法を解説するとともに、退職時に重要な書類となる「退職所得の受給に関する申告書」についても紹介します。
退職する側はもちろん、退職金を支払う企業側の担当者も必読です。

退職金の所得税はどうやって計算する?

一般的に退職金は勤続年数に応じて金額が大きくなり、それに応じて課税される所得税も高くなります。退職所得にかかる所得税で損をしないためにも、まずは退職所得とは何か?について理解しましょう。

「退職所得」とはそもそも何か?

退職金は税法上「退職所得」と呼ばれます。この意味での退職金は、退職時に特別に支払われる一時的な賃金のこと。

定年退職や転職等により退職金の支払いを受けた場合はもちろん、解雇予告手当を受け取った場合や、勤めていた企業の倒産により定期賃金や退職金が未払の場合に、その一部を未払賃金立替払制度により国から受け取った場合も「退職所得」に分類されます。

在職中に受け取る賃金や賞与等は「給与所得」になりますが、定年退職後引き続き同じ企業で再雇用される場合や役員に就任した場合に受け取る退職金は「退職所得」となります。あとで見るように退職金の所得税の計算には独自の計算式を用いるため、退職金なのか通常の賃金なのかをはっきりさせておかなくてはなりません。

退職金の「所得控除」の計算方法

課税対象になる退職金の金額の計算は、次のように行います。

(収入金額(源泉徴収前の金額)−退職所得控除額)×1/2=課税対象になる退職金の金額

まずは、上記計算式のうち「退職所得控除額」の計算方法を確認しましょう。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数
(80万円未満の場合は、80万円)
20年超800万円+70万円×(勤続年数-20年)

例えば、勤続年数が14年と3ヶ月の人の退職所得控除額を計算してみましょう。
勤続年数は端数を切り上げますので上記の例の場合、14年となります。計算式は勤続年数が20年以下なので上図の上段の計算式を使います。

40万円×(勤続年数)=40万円×15年=600万円

勤続年数が40年の人の場合は次のような計算式となります。

800万円+70万円×(勤続年数−20年)=800万円+70万円×20年=2,200万円

退職所得控除額の計算には例外が2つあります。
1つ目の例外は、退職の原因が障害者になったことである場合です。
この時、退職所得控除額はもともとの計算式で計算された金額に100万円を加算した金額になります。

2つ目の例外は、前年以前に退職金を受け取ったことがある場合、または同じ年に複数の勤務先から退職金を受け取る場合などです。この場合は退職所得控除額の計算方法が異なる場合があるので、注意しましょう。
なお、勤続年数が5年以下の法人役員等については上記計算式の「1/2」を適用することができません。さらに令和3年度の法改正で、令和4年1月1日以降は法人役員以外であっても勤続年数が5年以下であれば「1/2」を適用することができなくなりますので注意が必要です。

退職金の「所得税」の計算方法

退職金の所得税を計算する時は、原則として他の所得とは分離して計算します。なお、退職金を受給する際、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば、勤務先が所得税額及び復興特別所得税額を計算し、退職金から源泉徴収してくれます。したがって、原則として確定申告は必要ありません。

仮に「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しなかった場合、勤務先は退職金の支払金額の20.42%を所得税額及び復興特別所得税額として源泉徴収しなければなりません。年間の所得を集計した結果、退職所得にかかる源泉徴収が過大になっているようであれば、確定申告を行うことにより所得税額及び復興特別所得税額の精算をするようにしましょう。

「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出している人の退職金の所得税額を求める計算式は以下の通りです。

退職金の所得税額を求める計算式

(参考:国税庁|退職金にかかる税金

これを先ほどの退職所得控除額を求める計算式と合わせて考えてみましょう。
勤続年数が15年である場合を例に計算してみます。
退職金の金額が1,500万円だったとすると、課税対象になる退職金の金額(課税標準)は次のようになります。

〔退職金-退職所得控除〕×1/2=(1,500万円-600万円)×1/2=450万円

速算表に基づけば、適用される所得税率は20%です。

(課税標準×20%−427,500円)×102.1%
=(450万円×20%−427,500円)×102.1%=482,422.5円→482,422円(1円未満の端数切り捨て)

上記の例で「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しなかった場合の計算式は以下の通りです。

1,500万円×20.42%=3,063,000円

申告書を提出した場合と比べて源泉徴収される所得税額が高いことがわかります。

「退職所得の受給に関する申告書」とは何か?

退職所得の受給に関する申告

「退職所得の受給に関する申告」はどんな手続きか?

「退職所得の受給に関する申告書」の項目を記載し、企業など退職金の支払者に提出するだけの手続きです。この書類は退職金の支払者が保管することになっており、税務署長から特に提出を求められない限り、税務署に提出する必要はありません。

「退職所得の受給に関する申告書」はなぜ重要か?

前述の速算表を見てもわかるように、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出した場合と、提出しなかった場合の所得税額には大きな差が生じることがあります。「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出し忘れてしまった場合には、確定申告をすることで、退職金の所得税額の精算は可能です。しかし正確な納税並びにスムーズな退職のためにも、退職時にはきっちりと「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しましょう。

退職金を受け取る際には申告書の提出を忘れずに

退職金も所得は所得。他の所得とは別に所得税が課せられます。何が退職金で何が退職金でないかの分類をきっちりするとともに、「退職所得の受給に関する申告書」を忘れずに勤務先に提出しましょう。

よくある質問

退職所得とは?

退職金は税法上「退職所得」と呼ばれ、退職時に特別に支払われる一時的な賃金のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

退職金の「所得控除」の計算方法は?

「(収入金額(源泉徴収前の金額)−退職所得控除額)×1/2=課税対象になる退職金の金額」です。詳しくはこちらをご覧ください。

「退職所得の受給に関する申告」はどんな手続きか?

「退職所得の受給に関する申告書」の項目を記載し、企業など退職金の支払者に提出するだけの手続きです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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