• 更新日 : 2026年10月5日

役員報酬の給与支払報告書はどう書く?提出義務・0円時の対応・2027年施行の電子申告義務化を解説

Point役員報酬の給与支払報告書は提出必須?

役員報酬は給与所得に該当するため、一人社長・非常勤役員も含め原則として給与支払報告書の提出が必要です。

  • 報酬0円でも原則提出が必要
  • 提出期限は毎年1月31日
  • 2027年から電子申告義務が30枚以上に拡大

Q. 役員報酬が0円の場合、給与支払報告書の提出は不要?

A. 原則として0円でも提出が必要です。未提出だと市区町村から問い合わせが来る場合があるため、在籍者については提出しておくのが安全です。

役員報酬の給与支払報告書について、そもそも提出は必要なのか、報酬が0円の場合はどうすればよいのか、迷う方は少なくありません。本記事では役員報酬に関する給与支払報告書の提出義務から、総括表・個人別明細書の書き方、提出不要となる例外、2027年から始まる電子申告の義務化まで、最新情報を踏まえて解説します。

そもそも給与支払報告書とは?

給与支払報告書とは、会社が前年中に支払った給与や役員報酬の額を、役員や従業員が住む市区町村へ報告するための書類です。各市区町村はこの内容をもとに、個人の住民税額を計算・決定します。

住民税額を決定するための資料

給与支払報告書は、適正な住民税を課税するための重要な資料です。提出された情報は源泉徴収票と内容を一致させる必要があり、税務の透明性を確保する役割も担っています。

提出期限は原則1月31日

給与支払報告書の提出期限は、原則として毎年1月31日です。対象者がその年の1月1日時点で居住している市区町村へ提出する必要があり、期限日が土曜・日曜にあたる場合は翌開庁日が期限となります。例えば令和8年度(令和7年分)の提出期限は、1月31日が土曜日にあたるため令和8年2月2日(月)でした。

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役員報酬も給与支払報告書の提出対象になる?

結論として、役員報酬は税法上「給与所得」に分類されるため、従業員への給与と同様に給与支払報告書の提出対象となります。

一人社長や非常勤役員も対象

会社の代表取締役が一人しかいない場合でも、その役員報酬について給与支払報告書を作成し、市区町村へ提出しなければなりません。非常勤の役員であっても、報酬を支払っていれば原則として提出が必要です。この点を誤解していると提出漏れにつながるため、役員報酬も給与と同じく報告義務があると認識しておくことが大切です。

役員報酬の給与支払報告書を提出しないとどうなる?

結論として、提出義務があるにもかかわらず給与支払報告書を提出しない場合、地方税法上の罰則があります。また、給与支払報告書は住民税の課税資料となるため、未提出の場合には適正な住民税の課税に影響する可能性があります。

罰則の内容

正当な理由なく給与支払報告書を提出しなかったり、虚偽の内容を記載して提出したりした場合、地方税法により罰則が科される可能性があります。具体的には、提出義務者である会社に対して、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。法人の代表者や従業員が違反行為を行った場合は、行為者本人と法人の両方が罰せられる両罰規定も設けられています。

参考:地方税法|e-Gov 法令検索

うっかりミスにも注意

意図的でなくても、単純なミスや失念が罰則につながる可能性はあります。このような事態を避けるためにも、提出義務の有無を正確に把握し、期限内に誠実な申告を行うことが不可欠です。

役員報酬の給与支払報告書が提出不要になるケースは?

原則として提出義務のある役員報酬の給与支払報告書ですが、例外的に提出が不要になるケースが2つあります。

退職した役員で支払総額が30万円以下の場合

退職した役員で、その年の支払総額が30万円以下の場合、法的には提出を省略することが可能です。ただし自治体によっては金額にかかわらず提出を求めるケースがあるため、管轄の市区町村へ確認しましょう。

役員報酬が0円の場合

役員としての籍はあるものの、その年の役員報酬の支払いが全くなかった場合、つまり0円の場合であっても、給与支払報告書の提出は原則として必要です。在籍している者に対する給与支払報告書の提出がされていない場合、市区町村からの問い合わせがある可能性もあります。自治体によっては、0円の場合は提出不要としている場合もありますが、無用なトラブルを避けるためにも、在籍している者については0円であっても提出をしておくのが賢明です。

役員報酬の給与支払報告書はどう書く?

ここでは、役員報酬における給与支払報告書の具体的な書き方を解説します。

総括表の書き方

総括表は、給与支払報告書(個人別明細書)を取りまとめる表紙のような役割を持つ書類です。会社の法人番号、所在地、名称といった基本情報に加え、報告する人員の合計数を記載します。

ここで重要なのが、報告人員の欄です。その市区町村へ提出する個人別明細書の枚数と一致させます。例えば、A市に2名、B市に1名提出する場合、A市へ提出する総括表の報告人員は2名となります。

個人別明細書の書き方

個人別明細書は、源泉徴収票とほぼ同じ様式です。役員個人の住所、氏名、マイナンバー、そして年間の支払総額や源泉徴収税額などを正確に記載します。

書き方で特に注意すべき点は、摘要欄に役職名を記載することです。取締役や監査役といった具体的な役職を明記しておくと、税務署や市区町村が内容を確認しやすくなります。報酬額が0円で提出が不要なケースを除き、すべての役員について一人ひとり作成する必要があります。

役員報酬の給与支払報告書はどこで入手する?

給与支払報告書の様式(総括表および個人別明細書)は、各市区町村のウェブサイトからダウンロードできるのが一般的です。

市区町村のサイトからダウンロードするのが基本

前年の実績があると、11月頃に市区町村から用紙が郵送されてくることもあります。個人別明細書は源泉徴収票と一体となっているため、総務省のサイトで様式を探すこともできますが、提出用としては各市区町村が提供するものを使用するのが確実です。

参考:地方税分野の主な申告手続等における様式(税目別)|総務省

役員報酬の給与支払報告書はどのように提出する?

給与支払報告書の提出先は、会社の所在地ではなく、役員や従業員がその年の1月1日時点で居住している市区町村です。複数の市区町村にまたがる場合は、それぞれに分けて提出します。

紙・eLTAX(エルタックス)・光ディスク等の提出方法

提出方法には、紙による提出のほか、地方税ポータルシステムであるeLTAX(エルタックス)や光ディスク等による電子提出があります。前々年に税務署へ提出すべきであった源泉徴収票の枚数が100枚以上ある事業者は、eLTAXまたは光ディスク等による電子提出が法律上義務づけられています。

【最新】2027年1月から電子申告の義務化基準が「30枚以上」に引き下げ

2027年(令和9年)1月1日以後に提出する給与支払報告書からは、電子申告が義務となる基準が「前々年の源泉徴収票が30枚以上」に引き下げられます。これにより、これまで対象外だった中小企業や、役員のみで運営する会社も電子申告義務の対象となる可能性があります。

判定に使われるのは2025年(令和7年)分の源泉徴収票の提出枚数です。2025年分の提出枚数が30枚以上になる場合、2027年の提出分から電子申告が必須になるため、早めに対応を検討しておくと安心です。

参考:令和9年1月から給与支払報告書の電子提出義務基準が「30枚以上」に引き下げ|久慈市

【最新】源泉徴収票のみなし提出の特例も2027年から開始

2027年(令和9年)1月1日以後に提出する令和8年分以降の源泉徴収票については、一定の事項を記載した給与支払報告書を市区町村に提出した場合、税務署へ源泉徴収票を提出したものとみなされる特例が始まります。市区町村への給与支払報告書の提出だけで、税務署への源泉徴収票の提出を省略できるようになる点が実務上の大きな変化です。

この特例が適用されると、税務署への提出範囲も給与支払報告書の提出範囲に合わせられるため、事業者の提出事務の負担軽減が期待されています。役員報酬のみを支払う一人社長の会社でも対象となるため、今後の実務フローの見直しに役立てましょう。

参考:令和9年1月以降給与所得の源泉徴収票提出方法改正について|日本環境測定分析協会

役員報酬の給与支払報告書は最新ルールを踏まえて期限内に提出しましょう

役員報酬に関する給与支払報告書の作成と提出は、会社の重要な義務の一つです。役員報酬も給与所得として扱われるため、原則として支払額の多少にかかわらず提出が必要です。2027年からは電子申告の義務化基準の引き下げや源泉徴収票のみなし提出の特例も始まるため、最新情報を確認しながら準備を進めましょう。判断に迷う際は、この記事を再確認するか、管轄の市区町村へ問い合わせることをおすすめします。


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