- 更新日 : 2024年12月16日
研修の稟議書の書き方は?テンプレートや例文でポイントが分かる!
企業で研修を行なう際には、稟議書を書く必要があります。稟議書を書く際は、書くべき記載項目や書き方のポイントを押さえて書くことが重要です。
本記事では、研修の稟議書の書き方や例文、いざというときに頼りになるテンプレートを紹介します。記事を参考にして、適切な稟議書を書けるようになりましょう。
目次
研修の稟議書を作成するケース
そもそも稟議書とは、会社のお金を使ったり、契約書を締結したりする際、会社内でその行為に対しての承認を行うための書類です。稟議書は起案者が作成して、規定された権限に基づいて起案者の上司や関係者が決裁承認する、という流れで進行します。
研修の稟議書は、自社業務に必要な技術・スキルなどを習得するために社外の勉強会や研修会などへ参加する際、また社員研修を実施する際などに作成されることが一般的です。稟議書へは、参加したいと考えている研修についての内容や参加目的、参加することで得られる成果・メリットなどを記載し、上司や関係者の承認を得ます。
承認が得られたら、実際に研修会や勉強会などに参加するというのが流れです。
研修の稟議書の書き方
具体的に、研修に参加する際の稟議書の書き方について見ていきましょう。紹介する内容は、次の2点です。
- 記載項目
- 書き方のポイント
記載項目
研修の稟議書に記載する項目は、次のとおりです。
- 参加を希望する研修の名前
- 主催者名
- 研修の開催日時
- 研修の開催場所
- 研修参加における受講料
- 研修への参加目的
- 研修へ参加することで期待される業務への効果やメリット
※別途交通費がかかる場合は、明記しておくこと
研修の稟議書には、これらの項目を記載します。
書き方のポイント
どういった稟議書であっても、稟議書を書く際は内容を簡潔に分かりやすくまとめることが大切です。説明したいことや補足したいことなどがありすぎて、長々と要領を得ない文章だと、上司も参加の意義を見いだせず承認しにくくなります。また、逆に簡潔にまとめようとするあまり、必要事項が抜け落ちて短すぎても判断がつきません。
前述した内容は網羅しつつ、必要最低限の文章でまとめるようにしましょう。
また、研修に参加することで得られるリターンをしっかりアピールすることも重要です。自分たち社員の成長はもちろん、業務全体の効率化やひては業績アップにもつながるといった会社を巻き込んだメリットを盛り込めば、上司も承認しやすくなります。
たとえば、研修へ参加することで自社が抱えている作業に対する問題点を改善できるのであれば、次のようなことを項目として盛り込むと、より具体性が増します。
- 部署で抱えている作業に対する問題点
- 研修へ参加することで得られる問題点への解決策
より実務に直結するリアリティのある内容にすることで、スムーズな承認につながります。
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研修の稟議書の例文
研修の稟議書の例文は以下のとおりです。営業部のメンバーが販促ツールの使い方研修会に参加する際の稟議書を想定しています。ぜひ、ご活用ください。
【研修の稟議書の例文】
令和○年○月○日
○部長 ○○ ○○様
営業部 ○○ ○○
「○○」営業研修参加の件
下記のとおり、○○主催の「○○」営業研修に参加したく、お願い申し上げます。
記
- 日時:○年○月○日()○時~○時
- 会場:○○
- 主催企業:○○
- テーマ:○○について
- プログラム:○○○
- 講師:○○ ○○
- 参加目的:弊社でも使用している○○社の販促ツールの使い方の理解度を深めるとともに効率的な営業方法について学び、売上拡大につなげるため
- 参加希望者:営業担当3名(○○、○○、○○)
- 参加費用:1名あたり○円(○名参加のため、計○円)
- 備考:研修案内書(パンフレット)
以上
研修の稟議書のレビューポイント
研修の稟議書の効果的な書き方とあわせて、出された研修の稟議書をチェックする際のレビューポイントも紹介します。確認したいポイントは、次の3点です。
- 研修によって見込めるメリットが明確である
- リスクやデメリットが発生する場合は解決策が併記されている
- 費用や参加人数が適切である
研修によって見込めるメリットが明確である
まずは、稟議書に研修に参加することで得られるメリットが明確に記載されているか確認しましょう。ただ研修に参加したいだけでは、会社としても快く送り出せません。研修に参加することで、会社にとってメリットがあると判断できれば、承認者としても承認しやすくなります。
また、メリットを記載する際は具体性を持たせることも大切です。たとえば、「研修先の営業ツールへ変更することにより、3年間で500万円のコスト削減が期待されるため、ツールの検証含め参加を希望します」などの記載があると効果的な稟議書になります。
リスクやデメリットが発生する場合は解決策が併記されている
会社に対してリスクやデメリットが発生する内容が稟議書に書かれている場合は、解決策が併記されているかを確認しましょう。
稟議書に記載する内容は、すべてが会社のメリットになるものばかりではありません。なかには、必要に応じて利益にならない内容を含む稟議でも通す場面もあるでしょう。
そのとき、デメリットとなるような内容が稟議書で伏せられていると「何か隠しているのではないか」と承認者は疑ってしまいます。承認側にとっては、会社に対するリスクや注意点も知るべき情報の一つです。
とはいえ、リスクやデメリットだけが記載されていても、それに対する解決策が併記されていないと承認することは難しいでしょう。デメリットに対する対策案が記載されていれば、納得感を持って承認できますが、もし解決策が記載されていない場合は、メリットとデメリットの両方を提示させ、メリットのほうが大きいという客観的判断ができるように修正させるというのも一つの手です。
費用や参加人数が適切である
研修費用や研修への参加人数が不自然ではないか(適切であるか)も確認してください。その際は、普段業務にかかわっている人間が参加しているか(関係ない部署の人間が参加していないか)、得られる効果に対して費用対効果が適切であるか(費用があまりにも高すぎないか)などの視点でチェックするとよいでしょう。
例文を参考に研修の稟議書を正しく書こう
研修の稟議書は、勉強会や研修への参加、研修を実施する際に書く稟議書です。稟議書を書く際には、それぞれの目的に応じて適切な書き方があるため、注意しましょう。
とくに、研修へ参加する意義や参加することで得られるメリットなどは、承認者が判断する際に重要視する項目です。具体性を持って、承認者を納得させられる内容にまとめましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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