• 更新日 : 2022年8月16日

日給月給制とは?月給制との違いとメリットを解説!

求人票などを見ると、給与形態の欄には、日給制、月給制、時給制などさまざまな形態があります。

給与形態によってそれぞれ特徴がありますので、ここでは日給月給制を中心に、給与形態ごとのメリット、デメリットや残業、休日出勤の給与への影響、遅刻・早退・欠勤の場合の給与の計算方法について見ていきます。

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日給月給制とは?

日給月給制とは、1日を計算単位として給与の月額があらかじめ決められており、遅刻・早退・欠勤があった場合には、その分を月額から減額するという給与形態です。

給与形態には、日給月給制以外に、日給制、月給制、時給制、月給日給制、完全月給制があります。

日給月給制とこれらの給与形態の違いについて見ていきます。

日給制との違い

日給制とは、1日を計算単位として定められた額(日給)を支給する給与形態です。

日給月給制と日給制の違いは、働いた日数によって給与が決まるのが日給制であるのに対して、休んだ(遅刻・早退を含む)日数で給与が決まるのが日給月給制です。

日給月給制は基本になる月額は決まっていますので、休まなければ給与は変わりませんが、日給制は月単位で見ると働く日数の多少により給与額が変わります。

月給制との違い

月給制とは、1か月を単位として賃金が固定されている給与形態です。

日給月給制と月給制の違いは、休んだ(遅刻・早退を含む)日数で給与が決まるのが日給月給制であるのに対して、遅刻・早退・欠勤があっても給与額が変わらないのが月給制です。

時給制との違い

時給制とは、労働時間×時給を給与の額に設定している給与形態です。

日給月給制と時給制の違いは、日給月給制が休んだ(遅刻・早退を含む)日数で給与が決まるのに対して、時給制は働いた分だけ給与になるというところです。

月給日給制との違い

月給日給制とは、日給月給制と同様にあらかじめ決められた給与の月額があり、遅刻・早退・欠勤があった場合には、その分を月額から減額するという給与形態です。

日給月給制と月給日給制の違いは、日給月給制が休んだ(遅刻・早退を含む)日数で給与が決まるのに対して、月給日給制は休んだ(遅刻・早退を含む)日数で給与が減額されるのは同じですが、月単位で支給される職務手当、役職手当などの手当については日割控除せず、固定給だけが対象になる点が日給月給制とは異なります

完全月給制との違い

完全月給制とは、月給制と同様に1か月を単位として賃金が固定されている給与形態です。

日給月給制と完全月給制の違いも、月給制と同様に、休んだ(遅刻・早退を含む)日数で給与が決まるのが日給月給制であるのに対して、遅刻・早退・欠勤があっても給与額が変わらないのが完全月給制です。

月給制、完全月給制については、会社によって言い方が違うだけで運用方法が同じ場合もありますので、具体的な給与形態の内容については確認が必要です。

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日給月給制のメリット

ここからは日給月給制のメリットについて見ていきます。

日給月給制は給与の月額があらかじめ決められていますので、安定的な収入が得られることによる安心感があること、残業などで収入が増える可能性があることなどがメリットとして考えられます。

そのあたりを中心に見ていきましょう。

休日出勤や残業などで給与が増えるケースがある

日給月給制の場合、残業や休日出勤等に対しても割増賃金が発生しますので、支給する給与額が増える場合があります。ケース毎に見ていきましょう。

会社が定めた所定労働時間を超過した労働に対しては割増賃金の支払いが必要になります。ただし、法定労働時間の1日8時間以内の範囲であれば割増ししない時間単価に時間数を乗じた法定内割増賃金を支給します。

残業が1日8時間または1週40時間の法定労働時間を超過した労働に対しては通常の残業代の支払いが必要になります。

また、労働時間が法定休日に当たる場合には休日割増賃金、夜10時から翌朝5時の深夜時間帯に当たる場合には深夜割増賃金の支払いが必要になります。

毎月の支払い給与が決まっているため収入が安定する

生活していくために必要な最低限の収入額は人にはよりますが、概ね決まっています。

給与は労働者の生活の糧になるものですから、毎月安定的な収入を得られないと不安になるものです。

日給月給制は給与の月額があらかじめ決められていますので、毎月安定した収入が得られるという点では安心感がある給与形態ではないでしょうか。

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日給月給制のデメリット

日給月給制にはメリットばかりではなく、デメリットも考えられます。

ここでは、日給月給制のデメリットについて見ていきます。

欠勤が多い場合、月の給与が少なくなる

日給月給制のデメリットは、欠勤した分は必ず控除されてしまうため、欠勤が多くなればなるほど給与の額が少なくなることです。また、やむを得ない事情で欠勤した場合にも給与が少なくなります。

ただし、有給休暇の取得等で給与を減額することを防げる場合もあります。

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日給月給制の計算方法

日給月給制の基本的な計算方法は、

給与月額=日給×その月の労働日数

で求めますが、通常はあらかじめ給与月額が決められており、遅刻・早退・欠勤があった場合は、その分を控除する計算を行います。

遅刻・早退・欠勤した場合の控除計算について見ていきましょう。

欠勤日についての計算方法

欠勤については「就業規則」に記載しなければならない事項です。就業規則は会社ごとに異なりますので、会社ごとの規定に従うことになります。

厚生労働省の「モデル就業規則」を例に挙げると、以下のように規定されています。

(欠勤等の扱い)
第〇条 欠勤、遅刻、早退及び私用外出については、基本給から当該日数又は時間分
の賃金を控除する。
2 前項の場合、控除すべき賃金の1時間あたりの金額の計算は以下のとおりとする。
(1)月給の場合
基本給/1か月平均所定労働時間数
(2)日給の場合
基本給/1日の所定労働時間数

引用:モデル就業規則|厚生労働省

上記の例で、欠勤した場合に欠勤分は給与からどのくらい引かれるのかについて具体例を挙げて見ていきます。

(例)

(1)月給の場合
   基本給:30万円
   職務手当:3万円
   1か月平均所定労働時間数:160時間
   1日の所定労働時間:8時間
   のAさんが4日間欠勤した場合

   

欠勤控除額=その月の月給額/1か月平均所定労働時間数×欠勤時間数
=(30万円+3万円)/160時間×(8時間×4日)
=66,000円

   よって、給与から控除される欠勤控除額は、66,000円になります。

(2)日給の場合
   基本給(日給):1万円
   1日の所定労働時間:8時間
   のAさんが1日欠勤した場合

   

欠勤控除額=その日の日給額/1日の所定労働時間数×欠勤時間数
=1万円/8時間×8時間
=1万円

   よって、給与から控除される欠勤控除額は1万円になります。

早退についての計算方法

早退した場合に、早退分は給与からどのくらい引かれるのかについて具体例を挙げて見ていきます。

(例)
基本給:30万円
職務手当:3万円
月間所定労働日数:20日
1日の所定労働時間:8時間
のAさんが30分早退した場合

賃金控除額=その月の月給額/その月の所定労働時間(時間)×早退時間(時間)
=(30万円+3万円)/(20日×8時間)×(30分/60分)
=1,031.25円
=1,031円(小数点以下切り捨て)

よって、30分の早退による賃金控除額は、1,031円になります。

遅刻についての計算方法

最後に、遅刻した場合に、遅刻分は給与からどのくらい引かれるのかについて具体例を挙げて見ていきます。

(例)
基本給:30万円
職務手当:3万円
月間所定労働日数:20日
1日の所定労働時間:8時間
のAさんが15分遅刻した場合

賃金控除額=その月の月給額/その月の所定労働時間(時間)×遅刻時間(時間)
=(30万円+3万円)/(20日×8時間)×(15分/60分)
=515.625円
=515円(小数点以下切り捨て)

よって、15分の遅刻による賃金控除額は、515円になります。

雇用契約前に日給月給制について正しく理解しておこう!

これまで見てきたように、日給月給制は給与の月額があらかじめ決められていますので、安定的な収入が得られ、また、残業などを行うと収入が増える可能性がある給与形態です。

給与形態には月給制など他にもいろいろな給与形態があり、会社によって給与形態の名称と実態が合っていない場合もありますので、間違った認識をしないように就業規則等で確認して正しく理解することが大切です。

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よくある質問

日給月給制はどのような給与制度ですか?

日給月給制は、給与の月額があらかじめ決められており、遅刻・早退・欠勤があった場合には、その分を月額から減額するという給与制度です。 詳しくはこちらをご覧ください。

日給月給制のメリットは何ですか?

日給月給制のメリットは、給与の月額があらかじめ決められていることで安定的な収入が得られ安心感があること、残業などで収入が増える可能性があります。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:山本 務(特定社会保険労務士/AFP/2級FP技能士/日商簿記2級/第一種衛生管理者)

山本 務(特定社会保険労務士/AFP/2級FP技能士/日商簿記2級/第一種衛生管理者)
やまもと社会保険労務士事務所所長
大学卒業後、システム開発技術者、上場企業情報システム部&人事部を経て2016年に開業。
独立後も労働局の総合労働相談員として200件以上のあっせん事案に関与。労働相談は民間委託事業の電話相談も含めて1,000件以上の実績あり。
労務相談、就業規則、給与計算を中心に、各種手続きや労使問題対応など、外部人事部員として活動。システムのことも分かる社会保険労務士です。

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