• 作成日 : 2022年6月10日

年末調整の流れをわかりやすく解説!手順の全体像を紹介

年末調整の流れをわかりやすく解説!手順の全体像を紹介

年末調整とは、発生した所得税の過不足を精算するための手続きのことです。従業員からの申告を受け、所得額から各種控除額を差し引くなどの計算をおこない、税務署に源泉徴収票をはじめとする法定調書を提出します。今回は年末調整の手順や流れ、税務署には何を提出するかなどを解説します。

年末調整とは

年末調整とは、発生した所得税の過不足を精算するための手続きのことです。会社員の所得税は毎月の給与や賞与から天引きされ、会社が代わりに納税しています。しかし、これらはあくまでも概算にもとづいた金額であり、正しい金額ではありません。

そのため、その年に支払われた給与所得や、正しい所得税および控除額などを確認し、再計算します。その結果算出された正しい金額と、これまで概算で徴収してきた金額を照らし合わせ、多く徴収していた分は従業員に還付し、不足分を給与から差し引いて徴収するのが年末調整です。

年末調整と混同しがちなのが「確定申告」です。確定申告は、個人事業主やフリーランスの方が、毎年2月から3月の期間に、自分で前年の所得を申告する手続きを指します。基本的に、会社員は自分で確定申告をする必要はありません。

しかし、医療費控除などを受ける場合や、副業収入などがある場合は会社でおこなう年末調整とあわせて、自分で確定申告をおこないます。

基本的に、年末調整は原則として会社に在籍する従業員すべてが対象となります。しかし、2,000万円を超える給与の従業員は年末調整の対象から外れることを覚えておきましょう。その場合、確定申告が必要になります。

また、以下に一つでも該当した場合は、年の途中でおこなう年末調整の対象となることに注意しましょう。

  • 海外支店などに転勤した方
  • 死亡により退職した方
  • 著しい心身の障害によって退職した方
  • 12月の給与等の支払を受けた後に退職した方
  • パートタイマーとして働いており、その年に支払われる給与総額が103万円の方が退職した場合

年末調整をおこなわず従業員から正確な税額を徴収しない場合は「1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」というペナルティが課せられます。また、年末調整はしたが追加徴収を納付しなかった場合は「10年以下の懲役か200万円以下の罰金、またはその両方」などの罰則があることを頭に入れておきましょう。

ただし、企業側に要因があるのではなく、従業員による必要書類の紛失や提出の遅れが原因の場合は、従業員本人が3月15日までに確定申告をすることで対応可能です。

とはいえ、本来は年末調整でおこなう煩雑な税額計算などを従業員が自分でしなければならないため、非常に手間がかかります。そのため、従業員に対して必ず年末調整をおこなうように促すことが重要です。

年末調整の流れ

年末調整は、従業員から必要な書類を集めることからスタートします。11月の早い段階から通知し、11月中に収集が完了するようにスケジューリングしましょう。従業員は、10月頃から自宅に届く年末調整の控除に関する書類を保管しておき、いつでも提出できるように準備しておきます。

また、年末調整をおこなうためには従業員に支払う年間の給与、賞与の金額を確定させておかなければなりません。たとえば給与の締め日が月末締め、支払いが翌月25日という場合、12月25日に支払う11月分の給与を確定させておきます。

年間で支払う給与、賞与の金額が確定し、さらに従業員からの必要書類を集めたら、その年の所得税を計算します。年末調整の年税額の計算は、下記のイメージ図をご参照ください。
年末調整の流れ
毎月の源泉徴収額、つまり1月から12月までに支払った給料から天引きした所得税の合計額と、年末調整で計算した年税額の差額を計算しましょう。年税額が少ない場合は12月に支払う給与に上乗せして還付し、多ければ差し引いて支払い、追加徴収すれば完了です。

年末調整によって確定した所得税を集計し、原則、翌年1月10日までに税務署に納付します。納期の特例を受け、半年ごとに所得税を納付することになっている場合は、翌年1月20日が納期です。

年間の給与所得が確定したら、翌年1月末までに、従業員の居住地である自治体に給与支払報告書を提出しましょう。内容は源泉徴収票とほぼ同じであるため、年末調整を終えていれば比較的容易に作成できるはずです。

年末調整において提出が必要な書類

年末調整において、必要書類を提出する場面は大きく次の3つです。

  • 従業員からの提出書類
  • 会社から税務署に提出する書類
  • 会社から市町村に提出する書類

従業員からの提出が必要な書類は、主に3つあります。

このほか、該当する従業員は「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」を提出する必要があります。

会社から税務署に提出する書類は、以下の3つです。

法定調書合計表は、年間の給与額の合計や徴収した所得税額、外部に支払った報酬金額などを会社としてまとめて作成した書類です。支払調書は弁護士や税理士などに支払った報酬を記載した書類で、源泉徴収票は年間に支払った金額を従業員ごとにまとめた帳票のことを指します。

なお源泉徴収票は、主たる給与などの金額が2,000万円を超えたため年末調整の対象にならなかった従業員など、全員ではなく一部のみ提出が必要です。

会社から市区町村に提出する書類は、主に次の2つです。

  • 給与支払報告書(総括表)
  • 給与支払報告書(個人別明細書)

源泉徴収票は複写の形態で、1枚目と2枚目が市区町村に提出する給与支払報告書になっています。提出は従業員の居住地のすべての市区町村に対しておこなうため、市区町村ごとに分けておく必要があります。

年末調整において、提出が必要な書類に関する詳細については、以下の記事をご参考ください。

年末調整の全体感を掴んでスムーズに実施しよう

年末調整とは、発生した所得税の過不足を精算するための手続きのことです。毎月の源泉徴収額と年末調整で計算した年税額を比較し、年税額のほうが少なければ所得税を還付し、多ければ追加徴収をします。

年末調整における申告内容は、年々複雑化している傾向があります。そのため、担当者にかかる負荷も大きくなってきているといえるでしょう。滞りなくおこなうためには、年末調整の手続きの全体感を掴むことが重要です。

年末調整は従業員から必要な書類を収集することから始まりますが、これが遅れてしまうとその後の手続きもすべて後ろ倒しになってしまいます。11月中には収集が完了するように、余裕をもってスケジューリングすることをおすすめします。

よくある質問

年末調整の流れについて概要を教えてください

毎月の源泉徴収額と年末調整で計算した年税額を比較し、差額を計算します。年税額のほ うが少なければ12月の給与に上乗せして所得税を還付し、多ければ給与から差し引き、追加徴収します。詳しくはこちらをご覧ください。

年末調整において提出が必要な書類を教えてください

従業員から提出する書類は「扶養控除等申告書」「保険料控除申告書」など、税務署に提 出する書類は「法定調書合計表」「支払調書」「源泉徴収票」です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド給与

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