• 更新日 : 2023年9月8日

メンタルヘルスとは?意味や不調が招く疾患、職場での対策方法

メンタルヘルスとは?意味や不調が招く疾患、職場での対策方法

従業員が十分なパフォーマンスを発揮できるように、健康管理を行うことは大切です。また、健康管理は身体的な面だけでなく、精神面においても行わなければなりません。

当記事では、メンタルヘルスの意味や、対応策などについて解説を行っています。重要性を増しているメンタルヘルスについて、知識を得る参考としてください。

メンタルヘルスとは?

心の健康状態は、メンタルヘルスと呼ばれます。メンタルヘルスを良好な状態に保てれば、心が軽くなったり、やる気が湧いてきたりすることで、業務に対するパフォーマンスも向上します。

一方でメンタルヘルスが悪い状態では、うつ病や適応障害など、さまざまな疾患を引き起こす要因ともなりかねません。

企業においてメンタルヘルスケアが重要な理由

近年では、精神疾患による労災申請が増加傾向を見せています。令和4年度の「過労死等の労災補償状況」によれば、精神疾患に関する事案の労災補償状況は、以下の通りです。

  • 請求件数:2,683件(前年度比337件の増加)
  • 支給決定件数:710件(前年度比81件の増加)

精神疾患は、従業員の休職や離職に繋がりかねません。少子高齢化が続き、労働力人口の減少が続く日本において、精神疾患による休職や離職は大きな痛手といえます。そのため、企業は、従業員の心の健康を維持するメンタルヘルスケアを行い、精神疾患の発生を未然に防止することが必要です。

また、メンタルヘルス対策を行っている職場であれば、仮に精神疾患となった場合であっても復職が容易となります。

参考:厚生労働省 令和4年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
参考:総務省統計局 労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要

メンタルヘルスの不調が起こす主な精神疾患

身体の不調と同様に、メンタルヘルスの不調もさまざまな疾患を引き起こす要因となります。メンタルヘルスの不調が引き起こす精神疾患の代表例を次項から紹介します。

うつ病

うつ病は気分障害の1つです。精神的ストレスによって「眠れない」「食欲がない」などといった症状を引き起こします。

統合失調症

統合失調症を発症すると、考えがまとまらなくなってしまいます。幻覚や幻聴のような症状が出ることもあり、人間関係に影響を及ぼす場合もあるでしょう。

適応障害

その人にとっては、ある特定の状況や出来事が耐えがたく感じられます。行動や気分に症状が現れ、過剰に不安になったり、神経過敏になったりします。

依存症

依存症になると、その行動を止めたくても止められないなど、自分がコントロールできなくなります。代表的な依存症は、アルコール依存症やギャンブル依存症です。

パニック障害・不安障害

突然パニック発作を起こし、日常生活が困難となります。発作が起きるだけでなく、「また発作が起きるのではないか」と不安になり、生活に支障を来します。

メンタルヘルスの不調を示すサイン

メンタルヘルスが不調となった従業員には、さまざまなサインを発します。サインを見逃すことなく、対策を行うことが重要です。

勤怠の変化

メンタルヘルスの不調により、勤怠に変化が見られる場合もあります。今まで無遅刻無欠勤だった従業員が、無断で遅刻や欠勤を繰り返すようになった場合には、メンタルヘルスの不調が起きている可能性は高いでしょう。

コミュニケーションの変化

話しかけても無表情であったり、逆に怒りっぽくなっていたりする場合、メンタルヘルスの不調を示すサインかも知れません。休憩時間に談笑したり、終業後に食事に行ったりしていた同僚や部下が、このような状態になっていれば、メンタルヘルスの不調による精神疾患を疑うべきでしょう。

業務処理・パフォーマンスの変化

メンタルヘルスの不調により、精神疾患が引き起こされた場合には、業務の処理能力が低下してしまいます。これまでであれば、問題なく対処できていた業務量に対処できなくなっている場合、メンタルヘルス対策を行うべきかも知れません。

職場で行うメンタルヘルス対策の具体例

職場環境を維持改善し、メンタルヘルスを健全な状態に保つことは重要です。そのために必要となる職場での施策を紹介します。

ハラスメントの防止

パワハラやセクハラなど、ハラスメントが横行する職場では、従業員もストレスを感じてしまいます。そのため、ハラスメントが起こらないように、事前の研修や教育を行うことが必要です。

働きやすい環境を作る

働きやすい職場環境を整備すれば、従業員もストレスを感じることなく、業務に打ち込めます。また、生産性の向上にも寄与するでしょう。

ストレスチェックを行う

従業員のストレス状況を調査するストレスチェックの実施も効果的です。ストレスチェックの実施により、従業員本人が気づいていなかったストレスの発見にも繋がります。

部長・課長等の管理者によるケア

部長や課長等のライン管理職によるケアも必要となります。従業員の普段の様子を知るライン管理職によるケアを行えば、不調の早期発見にもつながるでしょう。

相談窓口の設置

メンタルヘルスの不調について、相談できる窓口を設ければ、早期発見だけでなく、隠れた不調の発見も可能となります。相談窓口として、外部の医院やクリニックの活用も検討しましょう。

事業場内産業保健スタッフ等によるケア

産業医や衛生管理者等の事業場内産業保健スタッフによるケアも重要です。事業場内産業保健スタッフは、従業員や管理職に対する支援を行い、効果的なケア体制を構築する必要があります。

メンタルヘルスの重要性を理解しよう

労働力人口の減少が続く日本において、働き手となる労働力の確保は急務な課題といえるでしょう。メンタルヘルス対策を行うことにより、精神疾患の発生を未然に防ぎ、休職や離職に繋げないようにすることが大切です。


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