• 作成日 : 2022年2月15日

給与明細の見方を徹底解説!記載項目から見方のポイントまで

給与明細の見方を徹底解説!記載項目から見方のポイントまで

給与明細には、さまざまな情報が記載されていますが、見方を知らなければ何が書かれているかを理解することはできません。勤務欄・支給欄・控除欄のそれぞれにどのような項目があり、記載内容が何を示しているのか、きちんとわかるようになることが大切です。パートやアルバイト、日雇労働者については、正社員との違いを知っておく必要があります。今回は、記載項目から見方のポイントまで、給与明細の見方について解説します。

給与明細に記載されている項目は?

はじめに、標準的な給与明細に記載されている内容について見ていきましょう。

○○年○月給与明細
社員番号○○○○
○○○○会社


出勤日数法定休日出勤日数欠勤日数
残業時間深夜残業時間法定休日残業時間
遅刻回数
有休使用日数有休残日数


基本給
通勤手当通勤手当
残業手当法定休日手当支給額合計


健康保険料介護保険料厚生年金保険
雇用保険所得税住民税控除額合計
給料支給額

まず何年何月分の給与明細かということ、社員番号、氏名、会社名といった基本的な事項が記載され、勤務欄・支給欄・控除欄があり、そして最後に給料支給額が記されます。

給与明細の見方のポイント

給与明細は、自分が給与計算期間内にどのような働き方をしてきたかを確認することができます。それぞれの欄やそれぞれの項目に書かれている数字が何を示しているかを紹介していきましょう。

ポイント① 締め日と支給日について理解する

給与明細を見るにあたっては、まず「締め日」と「支給日」の関係がきちんとわかっていることが必要です。締め日・支給日はそれぞれ、次のことを指しています。

  • 締め日:給与計算期間の区切りの日
  • 支給日:給与が支払われる日

給与は日払いや週払い、月払いなどで支払われますが、週払いや月払いの場合は1週間や1カ月を1単位として給与計算が行われます。ひとつの給与計算期間が終了したら次の給与計算期間が始まるわけですが、この際に区切りとなる日のことを締め日と言います。具体的には次のようになります。

1週間を給与とするケース

  • 土曜日が締め日の場合:日曜日から土曜日までの1週間で給与が計算される
  • 日曜日が締め日の場合:月曜日から日曜日までの1週間で給与が計算される

1カ月を給与計算期間とするケース

  • 月末が締め日の場合:毎月1日から月末までの1カ月で給与が計算される
  • 20日が締め日の場合:毎月21日から翌月までの1カ月で給与が計算される

計算された給与がいつ支払われるかは、支払日で示されます。週払いの場合は水曜日払いや金曜日払い、月払いの場合は5日払いや25日払いと言われます。

締め日と支給日を合わせて、次のような言い方がよくされます。

  • 土曜日締め水曜日払い:日曜日から土曜日までの1週間で計算された給与が、翌週の水曜日に支給される
  • 月末締め25日払い:毎月1日から月末までの1カ月で計算された給与が、翌月25日に支給される

ポイント②勤務欄の各項目について理解する

給与明細の勤務欄には、その給料計算期間の勤務状況が記載されます。「出勤日数」や「欠勤日数」、「残業時間」といった項目が記載され、それぞれの意味や給料にどう反映されるかは次のようになっています。

項目名内容・給料にどう反映されるか
出勤日数給料計算期間に出勤した日数
法定休日出勤日数日数に応じて、休日出勤手当が支給される
欠勤日数日数に応じて、皆勤手当が不支給になったり、精勤手当が不支給または減額になったりする
遅刻回数回数に応じて、精勤手当が不支給または減額になる
残業時間時間数分の、時間外労働の割増賃金が支払われる
深夜残業時間時間数分の深夜労働の割増賃金が支払われる
法定休日残業時間数時間数分の休日労働の割増賃金が支払われる
有休使用日数給与計算期間内に有休を消化した日数
有休残日数年間付与有休日数のうち、未消化になっている日数

ポイント③ 支給欄の各項目について理解する

給与明細の支給欄には、「基本給」や「残業手当」といった項目が記載されます。

項目内容・金額
基本給各種手当の基礎となる金額
残業手当残業時間・回数に応じて支払われる手当
法定休日手当法定休日に出勤した時間・回数に応じて支払われる手当
通勤手当通勤にかかる費用に対して行われる支給で、課税部分と非課税部分がある

ポイント④ 控除欄の各項目について理解する

給与明細の控除欄には、給料から差し引かれる内容が記載されます。「社会保険料」や「所得税」、「雇用保険料」といった、法律で定められている控除項目のほかに、「労働組合費」といった会社独自の控除項目があります。

項目金額
健康保険料標準報酬月額×保険料率×1/2
介護保険料標準報酬月額×保険料率×1/2
厚生年金保険料標準報酬月額×保険料率×1/2
雇用保険料賃金×0.3%(一般の事業の場合)
所得税源泉所得税額表による金額
住民税納付書の金額
労働組合費会社ごとに定められている金額
互助会費会社や部署ごとに定められている金額

ポイント⑤ 差引合計が手取り金額を意味する

給与明細で最後に記載されていることが多い項目が「給与支給額」です。給与支給額は一般的に「手取り」と呼ばれるもので、最終的に給料として支給される金額です。支給額と控除額から、次のように計算して求められます。

給与支給額(手取り金額)=支給額-控除額

この計算式による差引合計の金額が手取り金額になり、銀行振り込みされたり現金で渡されたりします。通常は控除額より支給額のほうが大きく、計算結果は「+(プラス)」となって給料支給が行われます。

しかし、長期欠勤などをすると、支給額が少なくなり、控除額のほうが大きくなります。こういった場合では、計算結果は「-(マイナス)」となり、差引合計により求められる不足金額を会社に指示された方法で納める必要があります。

給与明細は雇用形態によって変わる?ケースごとに紹介

正社員の給与明細とパート・アルバイトの給与明細、日雇労働者の給与明細は、雇用形態の違いにより、記載される項目にも相違点があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

パート・アルバイトの場合の給与明細

一般的にパート・アルバイトの給与明細は、基本的には会社員のものと違いはありません。しかし、支給欄・控除欄への記載内容は少なく、シンプルなものになっています。

パート・アルバイトのほとんどは時給制で給料が支払われるため、「労働時間×時給」で計算される基本給と、時間外労働などに対する割増賃金、それに通勤手当といった手当がいくつか加わったものが支給額として給与明細に記載されます。

控除も健康保険・厚生年金保険といった社会保険、雇用保険の加入対象でなければ、これらの保険料控除欄には何も記載されないか、「0円」と記載されるかのどちらかです。所得税も年間103万円(1カ月あたり8万8,000円)を越えなければ源泉徴収の対象とはならず、やはり所得税控除欄は記載なしか0円と記載されるかのどちらかになります。そのほかの正社員のみを対象にした労働組合費や互助会費なども同様です。

日雇労働の場合の給与明細

日雇労働の給与明細は、勤務欄に記載すべきことがなく、欄そのものがないか、空白のままになっていることが特徴的です。ただし確認のため、日雇であっても労働日数などを記入している場合があります。

支給額や控除額は、月給制の給与明細と比べて、大きな違いはありません。しかし、パート・アルバイトと同様に支給として記載する内容は、会社員より少ないことが一般的です。危険があったり環境が厳しかったりする仕事に従事する場合は、「危険手当」や「作業手当」といった手当が支給され、記載されることがあります。

日雇労働者の健康保険・介護保険、雇用保険については、本人が雇入れ時に提出した被保険者手帳に、事業主が保険印紙を貼って消印する方法で保険料を納付します。その後、事業主は、本人が負担すべき保険料額に相当する額を賃金から控除することになります。

給与明細の見方を理解して働き方の改善に役立てよう

給与明細には、支給金額以外にもさまざまな項目と内容が記載されています。きちんと見ることによって、その月の勤務の状況や給与として支払われている金額、控除の内容などを読み取ることができます。給与明細の正しい見方を理解して、働き方の改善などに活かせるようになりましょう。

よくある質問

給与明細に記載されている項目には何がありますか?

出勤日数や欠勤日数、残業時間、基本給、残業手当、通勤費、健康保険料、介護保険料、などがあり、それぞれ勤務欄・支給欄・控除欄の該当する欄に記載されます。詳しくはこちらをご覧ください。

給与明細の見方のポイントについて教えてください。

勤務欄に記載されている勤務状況が支給欄の該当する項目に正確に反映されているか、控除内容が間違っていないかなどを確認しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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