• 更新日 : 2024年2月22日

募集要項とは?書き方や注意点、必要項目が記載されたテンプレートを紹介!

募集要項とは?書き方や注意点、必要項目が記載されたテンプレートを紹介!

募集要項とは、応募条件、給与、勤務時間といった求人票に掲載する情報のことです。必ず記載しなければならない項目や、禁止されている表現もあるため注意しましょう。この記事では、募集要項の概要や記載事項、ポイント、注意点について解説しています。ダウンロードできるテンプレートも用意しているので、ぜひ採用活動に役立ててください。

募集要項とは

募集要項は、人材を募集する際に求職者に伝える応募条件や給与、勤務時間といった情報のことです。多くの求職者は複数社の募集要項を比較検討して応募先を決めるため、募集要項は採用活動における重要な要素となります。情報を正確かつ網羅的に整理することで、適切な採用ターゲットに求人の魅力を訴求できるでしょう。加えて、入社後のミスマッチや早期離職の予防も期待できます。

募集要項と類似した言葉に「応募要項」がありますが、提供する情報が異なるため混同しないように注意しましょう。応募要項とは、求職者が企業に応募する際に必要な書類や求職者の情報をまとめたもので、企業から求職者へ応募の手続きを伝える役割を果たします。対する募集要項は自社の求人の全般的な内容を提供するものです。応募要項には、例えば、履歴書や職務経歴書、志望動機などが該当します。

スムーズな採用を実現させるためにも、両者の違いを理解した上でそれぞれの要項を作成しましょう。

募集要項の書き方・記載事項

ここでは、募集要項を作成する際の書き方を、必須の記載事項と必須ではないが記載すべき事項にわけて解説します。

必須の記載事項

職業安定法においては、以下の項目を募集要項に記載することが義務付けられています。

  • 業務内容
  • 契約期間
  • 試用期間
  • 就業場所
  • 就業時間
  • 休憩時間
  • 休日
  • 時間外労働
  • 賃金
  • 加入保険
  • 募集者の氏名または名称
  • 雇用形態(派遣の場合)
  • 受動喫煙防止措置の状況

裁量労働制や固定残業代を導入している場合には、その旨も記載する必要があります。

裁量労働制を採用している場合は、「裁量労働制により、〇時間働いたものとみなされます」といった記載が必要です。高度プロフェッショナル制度の適用が予定される場合におも、その旨の記載が求められます。

時間外労働の有無に関わらず一定の手当を支給する制度、いわゆる「固定残業代」を採用する場合は、以下のような記載をしましょう。

①基本給 ××円(②の手当を除く額)

②□□手当(時間外労働の有無に関わらず、○時間分の時間外手当として△△円を支給)

③○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

参考:職業安定法|e-Gov法令検索
参考:労働者を募集する企業の皆様へ~求人の申込みや労働者の募集に当たっての留意事項~<平成29年職業安定法の改正等>|厚生労働省・都道府県労働局

記載すると良い項目

必須ではありませんが、以下の項目を記載すると他社の募集要項との差別化を図れます。

  • ワークライフバランスに関する取り組み
  • 社内研修制度
  • 資格取得支援
  • 残業時間削減の取り組み

経験の有無で業務内容に支障をきたさないのであれば、「未経験歓迎」「ブランクOK」といった記載をすると、より多くの求職者にアピールできるでしょう。また、「主婦・主夫活躍中」というように、どの層が働いているかイメージしやすくすることも効果的です。「残業ができない等、相談可能です」という記載があれば、働きやすい印象になります。虚偽や誇張表現にならないように、事実に基づく情報のみを記載するようにしましょう。

募集要項のテンプレート

以下のURLから募集要項のテンプレートをダウンロードできます。テンプレートが必要な方はフォームにビジネス用のメールアドレス、事業者区分、従業員数、企業名を入力してください。記入いただいたメールアドレスにテンプレートを案内いたします。今すぐ実務で使用できるテンプレートとなっているため、ぜひ活用してください。

募集要項を作成する際のポイント

ここでは、募集要項を作成する際の3つのポイントを紹介します。

企業独自のアピールポイントを記載する

「なぜ他社ではなくこの会社に入社するのか」という動機づけができるかどうかによって、内定を出した際の辞退率が変わってきます。労働条件を提示する募集要項においては、主に業務内容や給与、福利厚生などが他社と比較されやすい項目です。これらの項目の中でいかに「ここで働く魅力」を盛り込めるかが応募者の志望度を高めます。特に以下の点を整理して、独自の訴求ができるようにしましょう。

  • 事業の独自性
  • このポジションでしか経験できないこと
  • 職場の環境・風土
  • 会社独自の制度

求める人材像を明確にする

ミスマッチを防止するためにも、自社が求める人材像を明確化しておきましょう。求める人材像を明確にする際は、募集する職種におけるハイパフォーマーの分析が効果的です。ハイパフォーマーとは、特定の業務において、極めて優れた生産性で働く人材、パフォーマンスが他の方よりも高い人材を指します。ハイパフォーマーの特徴が定義できれば、ほしい人材像の要素も自ずと見えてくるでしょう。具体的には、以下の項目を明確にしてください。

  • スキル(具体的な技能、コミュニケーション力、資格など)
  • 経験(具体的な職種・職務、年数など)
  • 出身の業界
  • 価値観や行動特性
  • 入社後に期待する活躍・成果

わかりやすい文章を意識する

前述のとおり、求職者は複数社の募集要項を比較しているケースがほとんどです。専門用語や難しい漢字を多用している文章はそもそも読んでもらえない可能性もあるでしょう。また、読みづらい文章で書いてある場合は、「わからないことを丁寧に説明してもらえなさそう」「厳しい社風かもしれない」などのイメージを持たれ、応募を躊躇されてしまうかもしれません。誰が読んでもわかりやすい文章を心がけましょう。曖昧な表現は避けて具体的な数字や例を示して、求職者がイメージしやすくすることもポイントです。

募集要項を作成する際の注意点

ここでは、募集要項を作成する際の注意点を3つ紹介します。

労働条件は事実に基づき、具体的かつ詳細に記載する

募集要件に記載する労働条件は、虚偽または誇大な内容とならないよう注意して下さい。有期労働契約が試用期間となる場合、試用期間となる有期労働契約中の労働条件も明記する必要があります。試用試験と本採用が一つの労働契約であっても、試用期間中の労働条件が本採用後の労働条件と異なる場合は、それぞれの労働条件を明記しなければなりません。労働条件の水準や範囲は可能な限り限定するようにしましょう。労働条件は、ミスマッチを予防するためにも職場環境を含め具体的かつ詳細に記載することが重要です。

労働条件を変更する場合は速やかに周知する

記載した労働条件を変更する可能性がある場合はその旨を説明し、実際に変更した際は速やかに周知する必要があります。求職者が変更内容を認識したうえで、労働契約を結ぶかどうか考える時間を確保するために、変更が確定次第、可能な限り速やかに周知することが重要です。変更を伝えた求職者から変更理由について質問をされた場合は、適切に説明を行わなければなりません。募集要件を公開した後に労働条件を変更し、募集を継続する場合は修正を行いましょう。

禁止されている項目については記載しない

性別や年齢に関しての採用の制限、民族や宗教に関する差別表現および主観表現は禁止されています。ただし、女優やモデルなどの芸術・芸能の分野において男女のいずれかのみに従事させることが必要である職務、守衛や警備員等のうち防犯上の理由からら男性に従事させることが必要である職務は、性別や年齢に関しての制限が例外的に認められるケースがあります。例外を除き、面接の際に禁止されている項目について質問することも避けましょう。また、最低賃金を下回る給与体系を記載することもあってはなりません。企業としての社会的信頼を保つためにも、法令や労働関連法に則った記載をするように注意する必要があります。

参考:公正な採用選考の基本|厚生労働省

適切かつ効果的な募集要項を作成して、採用につなげよう

今回は、募集要項を作成する前に知っておきたい知識について解説しました。募集要項を適切に作成することで、内定辞退率の低減やミスマッチの防止が期待できます。採用したあとも自社で長く活躍してもらうために、入社後のイメージができるように具体的かつ詳細に記載することが大切です。禁止されている項目の記載に注意し、魅力的な募集要項を作成しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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