• 作成日 : 2022年9月9日

社会保険手続きの電子申請(e-Gov)が義務化!対象や申請方法について解説!

社会保険手続きの電子申請(e-Gov)が義務化!対象や申請方法について解説!

2020年4月より特定の法人を対象として、社会保険と労働保険の一部の手続きにおいて電子申請(e-Gov)を行うことが義務化されました。申請は、「e-Govサイト」「外部連携APIに対応したソフト」のいずれかを使って行います。今回は社会保険の手続きにおける電子申請の義務化の概要や申請方法などを中心に解説します。

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社会保険手続きの電子申請(e-Gov)が義務化!

2020年4月より特定の法人において、社会保険と労働保険の手続きの効率化を目的として、電子申請(e-Gov)が義務化されました。ここでは電子申請(e-Gov)の定義の確認や、導入のメリットなどを解説します。

そもそも電子申請(e-Gov)とは?

電子申請(e-Gov)とは、電子申請システムを利用して厚生労働省をはじめとする各府省が管轄する行政手続きをする仕組みのことです。

電子申請の活用により、インターネット環境が整っていれば、いつでもどこからでも社会保険や労働保険の手続きを行えるようになります。

電子申請で届出するメリットは?

電子申請による届出のメリットとして挙げられるのは、主に次の4点です。

  • 自分に都合の良い時間に申請することができる
  • 行政窓口まで出向く時間や交通費を削減できる
  • 申請書や届出書を手書きする必要がなくなる
  • 申請書の紛失や情報漏洩のリスクが軽減される

社会保険や労働保険を電子申請することで、時間に縛られずに自分に都合の良いタイミングで手続きを行うことが可能になります。

通常、これらの申請書や届出書を提出するために直接役所の窓口に持ち込むか、郵送の手続きが必要です。窓口への持ち込みの場合、受付は基本的に平日の夕方までに限られています。郵送を選択した場合も、到着までのタイムラグを考慮して余裕をもって発送しなければなりません。

電子申請であれば24時間いつでも申請することが可能であり、郵送時のようなタイムラグを気にする必要がない点がメリットです。

また、行政窓口まで出向かずに手続きすることが可能になるため、往復の移動時間や交通費が削減されます。これまで要していた、各書類を手書きする時間も不要です。

さらに申請書や届出書を役所に持参することで生じる、紛失や情報漏洩のリスクも軽減されるといえます。電子申請であればオンラインで手続きが完了するため、書類が第三者の目に触れることもなく、結果的に紛失や情報漏洩の防止につながるでしょう。

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社会保険の電子申請義務化の対象となる法人は?

社会保険・労働保険の一部が電子申請義務化の対象とされる「特定の法人」とは、以下のように定義されています。

  • 資本金または出資額が1億円を超える法人
  • 保険業法に基づく「相互会社」
  • 投資信託及び投資法⼈に関する法律に基づく「投資法人」
  • 資産の流動化に関する法律に基づく「特定目的会社」

社会保険の電子申請義務化が義務づけられる法人の特徴を、それぞれ解説していきます。

資本金または出資額が1億円を超える法人

社会保険や労働保険における一部の電子申請が義務化されたのは、次の3つが1億円を超える法人です。

  • 資本金
  • 出資額
  • 銀行などの保有株式取得機構に納める拠出金

上記に当てはまった場合、業種によっては大企業に限らず中小企業も該当することに注意しましょう。

保険業法に基づく「相互会社」

保険業法に基づく相互会社も、社会保険や労働保険の一部に関して電子申請義務化の対象です。保険会社には「株式会社」と株主が不在で契約者も構成員に含まれる「相互会社」が存在し、このうちの相互会社において、電子申請が義務づけられています。

投資信託及び投資法⼈に関する法律に基づく「投資法人」

投資信託及び投資法人に関する法律に基づく「投資法人」も、社会保険や労働保険の一部を電子申請することが義務化されました。投資法人とは、会社型投資信託とも呼ばれる、投資家から集めた資金を特定の資産に投資して運用するために設立された法人のことを指します。

資産の流動化に関する法律に基づく「特定目的会社」

特定目的会社も、社会保険や労働保険の一部の電子申請が求められる法人です。特定目的会社はSPCという略称で呼ばれることもあり、企業が所有する不動産を証券化するといった特定の目的のために設立されます。

なお、社会保険労務士法人や社会保険労務士などに手続きの代行を依頼している場合でも、上記のいずれかの項目に該当すれば、社会保険や労働保険の電子申請の対象となります。

参考:2020年4⽉から特定の法人について電子申請が義務化されます。|厚生労働省 

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社会保険の電子申請義務化の対象となる手続きは?

ここからは、電子申請が義務化された社会保険と労働保険の手続きを、「健康保険・厚生年金保険」「雇用保険」「労働保険」の順番にご紹介していきましょう。

健康保険・厚生年金保険

特定の法人において電子申請が義務化された、健康保険と厚生年金保険の手続きは以下のとおりです。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者 報酬月額算定基礎届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者 報酬月額変更届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者 賞与支払届

雇用保険

雇用保険では、次の手続きについて電子申請が義務化されました。

  • 被保険者資格取得届
  • 被保険者資格喪失届
  • 被保険者転勤届
  • 高年齢雇用継続給付支給申請
  • 育児休業給付金支給申請

労働保険

また、労働保険において電子申請で行うことが求められているのは、継続事業(一括有期事業も含む)を行う事業主が提出する以下の申告書です。

  • 概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出⾦申告書などの年度更新に関する申告書
  • 増加概算保険料申告書

労働保険に関する手続きでは、下記のケースは電子申請以外の方法による申請も認められています。

  • 労働保険事務を労働保険事務組合に委託している
  • 単独有期事業を行う
  • 中途入社の従業員に対して保険関係成立した日から50日以内に申告書を提出する

参考:2020年4⽉から特定の法人について電子申請が義務化されます。|厚生労働省  

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社会保険の電子申請が可能となる手続きは?

これまで通りの申請も可能ではあるものの、電子申請が可能となった手続きは以下のとおりです。ここでご紹介する手続きに関しては、申請方法の選択肢が増えたという位置付けであり、電子申請が義務づけられているわけではない点に注意しましょう。

  • 健康保険 被扶養者(異動)届
  • 健康保険 厚生年金保険 新規適用届
  • 任意適用申請書
  • 任意適用取消申請書
  • 一括適用承認申請書
  • 産前産後休業取得者申出書・変更(終了)届
  • 産前産後休業終了時報酬月額変更届
  • 育児休業等取得者申出書(新規・延⾧)・終了届
  • 育児休業等終了時報酬月額変更届
  • 介護保険適用除外等該当・非該当届

社会保険手続きの電子申請の方法・やり方は?

電子申請の手続きの方法は、大きく分けて2つあります。政府が提供するe-Govサイトから申請を行う方法と、e-Govに対応する外部連携APIを利用したオンライン申請です。それぞれの電子申請の方法のポイントを解説します。

e-Govから電子証明書を利用して直接申請する方法

e-Gov電子申請とは、従来の紙で行っていた申請や届出などの行政手続きを、インターネット上でできる行政サービスのことです。

具体的な手続きのやり方は以下のとおりです。

  1. アカウントの取得
  2. 届出書の作成
  3. 申請

e-Govを利用するためには「e-Govアカウント」か「GビズID」のいずれかのアカウントが必要になります。e-Govアカウントの方が取得しやすいものの、本人であることを証明する「電子証明書」の取得が必須です。一方GビズIDは取得時に印鑑証明書などが必要で登録までの時間もかかりますが、一度取得すれば電子証明書が不要な点がメリットといえるでしょう。

届出書は「届書作成プログラム」を利用するか、「e-Govの届書作成画面」から作成するかのどちらかになります。いずれもはじめて使う際には専用アプリのインストールが必要です。

届出書が作成できたら、提出する省庁を選択の上「提出」ボタンを押せば申請が完了します。

e-Govによる電子申請は、複雑が複雑な点や進捗管理がわからない点、また通常申請の場合は項目を1つずつ手入力する必要があるなど、やや使いづらいという評価です。そのため、次にご紹介するe-Gov外部連携APIに対応したソフトウェアを利用する申請方法のほうがおすすめです。

e-Gov対応のAPIソフトを利用して申請する方法

外部連携APIに対応したソフトウェアを利用するオンライン申請は、e-Govでの電子申請方法と比較して格段に作業負担を軽減できます。この場合、e-Govの仕様に関係なく、民間企業が開発したソフト画面や機能を利用することが可能です。

e-Govでの申請よりも圧倒的に使いやすいため、対応ソフトでの申請が増加傾向にあります。e-Govアカウント取得の手間が不要な上、いつも利用している人事管理システムで一元管理ができるため、新しくアプリをインストールする必要もありません。

e-Gov対応のAPIソフトそれぞれにおいて電子申請方法が異なるため、詳細は各APIソフトの提供元に確認するとよいでしょう。 

社会保険の電子申請義務化を活用し業務改善につなげよう

現状、社会保険の電子申請義務化の対象は特定の法人に限られていますが、いずれその枠は取り払われ、すべての企業に義務づけられる可能性があります。

電子申請を上手に活用できれば、書類管理や行政への送付の手間を軽減できるため、業務の効率化の効果を見込めるでしょう。ただし、e-Govによる電子申請ではなく、より効率的な外部連携API対応のソフトを利用することをおすすめします。

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よくある質問

社会保険の電子申請義務化の対象となる手続きは?

健康保険・厚生年金保険の「報酬月額算定基礎届」や「報酬月額変更届」などが該当します。詳しくはこちらをご覧ください。

社会保険手続きの電子申請の方法・やり方は?

政府が提供するe-Govサイトから申請を行う方法と、e-Govに対応する外部連携APIを利用したオンライン申請の2つです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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