- 更新日 : 2024年8月29日
コミュニケーション能力とは?4つの構成要素や高い人の特徴、鍛える方法を解説!
コミュニケーション能力とは相手と円滑に意思疎通をし、情報や感情を効果的に伝えるスキルのことです。言語・非言語をうまく使いながら相手の立場を理解し共感を得ることで、信頼関係を築くための重要な手段となります。本記事ではコミュニケーション能力が高い人と低い人の特徴、コミュニケーション能力の鍛え方についても解説します。
目次
コミュニケーション能力とは?
コミュニケーション能力とは人と円滑に意思疎通をし、良好な関係を築くために必要なスキルです。コミュニケーションは、ラテン語で「共有」「共通」を意味する「コミュニス(communis)」に由来します。
コミュニケーションには情報の発信と受信の二つの側面があり、一方向的ではなく相手との双方向的な意志伝達が必要です。つまり、コミュニケーションとは「互いに理解し合う力」ともいえるでしょう。
ビジネスにおいて、営業職や接客業などの顧客と直接関わる職種ではコミュニケーション能力が評価や印象に大きく影響します。また、顧客と直接接しないオフィスワーカーであっても、上司や同僚との円滑なコミュニケーションは業務をスムーズに進めるために不可欠です。
このように、コミュニケーション能力は職業に関わらず、社会人として必須のスキルといえるでしょう。
コミュニケーションの2つの手段は?
ここではコミュニケーションの2つの手段について解説します。
言語コミュニケーション(バーバルコミュニケーション)
言語コミュニケーションとは、言葉を用いて意見や情報を伝える手段です。これは、口頭での会話や文章によって行われます。効果的に言語コミュニケーションをするためには、明確で適切な言葉選びが重要です。
言葉の使い方によっては誤解を招くことがあるため、相手に正確に意見や情報を伝えることも言語コミュニケーション能力の一部といえるでしょう。
非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)
非言語コミュニケーションは、文字通り言葉以外の手段で意図や感情を伝える方法をいいます。非言語コミュニケーションの例は、以下のとおりです。
- 表情
- ジェスチャー
- 視線
- 姿勢
- 声のトーン
例えば笑顔は親しみの印象、うつむいた視線は不安や緊張の印象を与えるといったように、言葉だけでは相手に伝えきれないニュアンスや感情を補完する役割を果たしています。
非言語コミュニケーションを上手に活用することで、より豊かで深いコミュニケーションが可能となるでしょう。
コミュニケーション能力を構成する4つの力とは?
コミュニケーション能力は、さまざまな力から成り立っています。ここからは、コミュニケーション能力と関連のある4つの力について見ていきましょう。
伝える力
「伝える力」はコミュニケーションにおける言語的なスキルの1つで、自分の考えや意見を相手にわかりやすく伝達する能力です。相手にわかりやすく伝えるためには、以下のポイントが重要です。
- 思考を論理的に組み立て、それを適切に表現する
- 相手の理解度や状況に応じて言葉の選び方や伝える順序を工夫する
さらに、効果的に伝達するにはプレゼンテーション能力や感情に働きかける力も求められます。伝える力によって話す内容や使用する言葉を適切に選び、情報を効果的に伝えることで、相互理解を深めることができます。
聴く力
「聴く力」はコミュニケーション能力の中でも特に重要な要素であり、相手の話を正確に理解し、適切に応答するための能力です。単に相手の言葉を聴くだけでなく、相手の意図や感情を理解する能力でもあります。相手の話が不明瞭な場合や理解が難しい場合は、適切な質問をして確認を行い情報を補完することが必要です。
聴く力によって相手のニーズや意図を引き出すことで、クレーム対応やミーティングの生産性なども向上し、より良い人間関係を築くことができるでしょう。
伝える力
非言語によって伝える力も重要です。これは、言葉以外の手段を用いて感情や意図を伝える能力です。表情やジェスチャー、声のトーンなどの要素を活用することで、言葉だけでは相手に伝えきれないニュアンスや感情の強さを伝えることができます。例えば、笑顔で話すときと無表情で話すときでは相手の受け取り方が大きく異なります。
プレゼンテーションなどでは、ボディランゲージを取り入れると聴衆の関心を引きつけ、メッセージをより効果的に伝えられるでしょう。また、相手の話を聴く際に体を話し手の方に向け、目を見てうなずくことで「あなたの話を聴いています」というメッセージを送ることができます。
非言語で伝える力は、コミュニケーションの質に大きな影響を与え、相手との関係をより良好にしてくれます。
読み解く力
「読み解く力」は、相手の言葉の裏に隠された真の思いを理解する能力です。これは、言葉だけでなく非言語的なサインからも情報を読み取る力を意味します。例えば、相手が感謝の言葉を口にしながらも表情が暗い場合には、その背後に他の感情や本音があると推測できるでしょう。
読み解く力を鍛えるためには、日頃から相手に興味・関心を持つことが重要ですが、普段のコミュニケーションで言語のみに頼りすぎていると、この力が鈍りやすくなります。読み解く力を高めることで、より深いレベルでのコミュニケーションが可能となります。
コミュニケーション能力が高い人の特徴は?
ここからはコミュニケーション能力の高い人の特徴を4つ挙げます。
非言語コミュニケーションも活用している
高いコミュニケーション能力は、非言語コミュニケーションの活用と大きな関連があります。言葉遣いや話の内容だけでなく、表情やジェスチャー・姿勢・声のトーンなどを意識的に使うことで、メッセージを効果的に伝えることが可能です。
例えば、プレゼンテーションの際に提案内容を強調するために身振り手振りを交えたり、声のトーンを変えたりすることで聞き手の関心を引き、強い印象を与えることができます。
非言語コミュニケーションを活用することで説得力が増し、相手に強く印象付けられるでしょう。
傾聴がしっかりできている
傾聴がしっかりできていることも重要です。傾聴にはただ話を聴くだけでなく、相手の話の内容を深く理解しようとする姿勢が含まれます。
また、傾聴ができる人は非言語的なサインにも敏感で、表情や声のトーンなどから相手の感情を読み取るスキルが高いです。このようなスキルは、明確な質問やフィードバックを行う際にも役立ち、質の高いコミュニケーションの実現に貢献します。
対話のバランスを意識している
高いコミュニケーション能力の持ち主は、対話のバランスを意識しています。これは、自分ばかり話すのでも相手にばかり話させるのでもなく、適切な割合で話を進める能力です。
バランスの取れた対話によって、双方が積極的にお互いの意見や感情を共有できるようになります。相手の話を聴くと同時に自分の意見も適切なタイミングで伝えることで、相手にとっても自分にとっても有意義なコミュニケーションが可能となるでしょう。
相手に興味や関心をもっている
相手に興味や関心を持つこともコミュニケーションの高さと関連があります。相手に関心を持つことで、相手の表情や声のトーンの変化を敏感に察知する能力も高まり、その背後にある感情や意図を読み取ることができます。
相手に興味を持つ姿勢は、良好なコミュニケーションの前提条件といえるでしょう。相手の立場や役割・心理状態・要望などを多面的に理解しようとすることで、相手との信頼関係が深まります。
このような姿勢を示すことで、相手も自分の話が真剣に受け止められていると感じ、コミュニケーションがより深まるのです。
コミュニケーション能力が低い人の特徴は?
コミュニケーション能力が低い人にはいくつか特徴があります。ここでは4つの特徴について解説します。
相手への配慮がない
コミュニケーション能力が低い人の特徴の1つに、相手への配慮が欠けていることが挙げられます。相手の立場や状況を考慮せずに話を進めると、意思疎通が困難になり誤解や摩擦が生じやすくなります。
例えば、ビジネスシーンにおいて相手の状況や背景を理解せずに自分の意見や要求を一方的に押し付けると、相手はその話を受け入れにくくなるでしょう。また、相手の都合やタイミングを無視して話し続けることも、相手に不快感を与え円滑なコミュニケーションを妨げる原因となります。
話すポイントが的を得ていない
話すポイントが的を得ていないことも、コミュニケーション能力が低い人の特徴といえます。話の目的や伝えたい内容が明確でないため、聞き手にとって話が分かりにくくなっていることが原因の1つです。
自分が何を伝えたいのかをはっきりさせずに話し始めると、話があちこちに飛び、重要なポイントが伝わりにくくなります。話の内容が不明確だと、相手は「何がいいたいのか?」と感じ、円滑なコミュニケーションが阻害されます。
ネガティブな発言が多い
ネガティブな発言の背景には他人への嫉妬や羨望、自分を認めてほしいという強い願望が潜んでいることがあります。また、自分と他人を比較し、他人が賞賛を受けているとその評価を妨げたいという気持ちが働くこともあります。
このように、ネガティブな発言は相手に不快感を与え、コミュニケーションの質を低下させやすいのです。
リアクションが薄い
リアクションが乏しいと、相手に対して無関心で冷淡な印象を与えてしまい、円滑なコミュニケーションが困難になります。
例えば、相手がプロジェクトの進捗状況について熱心に話しているときに「へぇ」「はぁ」といったそっけない返答や無関心な態度で対応すると、相手は自分の話が重要視されていないと感じるでしょう。
これにより、相手は「この人にはもう話したくない」と思うようになり、信頼関係が築けなくなる可能性があります。
ビジネスにおけるコミュニケーション能力を鍛える方法は?
ここからはビジネスをする上でのコミュニケーション能力の鍛え方について解説します。
結論から話す
まず、鍛え方の1つとして「結論から話す」ことが挙げられます。ここでいう結論とは「自分が最も伝えたいこと」や「相手が最も知りたいこと」です。
結論を先に述べることで、話の全体像が明確になり、要点を効果的に伝えられます。聞き手の関心を引き、最後まで話を聞いてもらいやすくなるでしょう。
より説得力を高めたい場合には、最後に再度結論を述べると効果的です。これは「PREP(プレップ)法」と呼ばれる手法で、プレゼンテーションや面接などのビジネスシーンで広く活用されています。PREP法を使うことで話の展開が論理的になり、聞き手に強い印象を与えることができます。
相手の気持ちを考え傾聴する
ビジネスにおけるコミュニケーション能力の鍛え方の1つに「相手の気持ちを考え傾聴する」ことがあります。そのためにはまず、相手がどのような状況にあるのかを理解することが大切です。相手が話をしても良い状態かどうかを見極めることで、適切なタイミングで話を進めることができます。
また、相手の知識レベルを把握することも重要です。自分と同じくらいの知識があるのか、全く知らないのかを判断することで、話し方や内容を調整することができます。
傾聴力はトレーニングによって向上させることができますが、非言語コミュニケーションを駆使し、適切なタイミングで相槌を打ったり、アイコンタクトを取ったりすることで相手に対する関心を示すことができるでしょう。
さらに、質問のタイミングや5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)を意識した質問を練習することで、相手の話を深く理解する力を養うことができます。
日常の会話を大切にする
ビジネスにおけるコミュニケーション能力の鍛え方に、日常の会話を大切にすることが挙げられます。これは、日頃から積極的に人とコミュニケーションを取る習慣を持つことで、自然とコミュニケーションスキルが向上するという考え方です。
例えば、出社時に笑顔で挨拶することは、簡単でありながらも重要なコミュニケーションの一環です。挨拶を通じて、周囲に対して友好的な印象を与え、円滑な人間関係の基盤を築くことができます。
また、ビジネスにおいては、報告・連絡・相談(報連相)が重要なコミュニケーション手段です。報連相を通じて情報を的確に伝えることで、業務の効率化や問題解決がスムーズに進み、情報を正確かつ効率的に伝える力を鍛えることができるでしょう。
コミュニケーション能力を高めて業務効率を上げよう
日常生活はもちろんビジネスにおいても、コミュニケーション能力は不可欠です。従業員のコミュニケーション能力が低いと、業務の円滑な進行が妨げられることがあります。
しかし、コミュニケーション能力を高めることで、職場が活性化し、業務効率が向上し、最終的には会社の業績向上にもつながります。従業員がコミュニケーション能力を向上させるための取り組みをぜひ導入してみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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