- 更新日 : 2023年10月13日
チーミングとは?意味や方法を解説!
効率的な業務遂行には、組織におけるチームワークが重要です。チームワークを欠き、上手く連携できない組織では、目標達成も遠のいてしまうでしょう。
本記事では、良いチーム作りに欠かせない「チーミング」の意味や方法について解説を行っています。チームの最適化を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
目次
チーミングとは?
チーミングとは、「Team」と進行形の「img」を組み合わせたチームを組むことを意味する言葉です。チーミングは、分野ごとに異なった意味を持つため、それぞれの解説を行います。
ネットワーク分野でのチーミング
ネットワーク分野でのチーミングは、複数のNIC(ネットワークアダプタ)をグループ化し、1つの仮想的NICとして使用する技術です。NICのグループ化により、負荷が分散され障害への耐性が向上します。
ゲームにおけるチーミング
ゲームにおけるチーミングは、一人でのプレイを前提としたゲームで、複数のプレイヤーによるチームを作り、ゲームを有利に進めることを指します。本来敵同士であるプレイヤーが、協力するため、禁止行為とされている場合が多くなっています。
人事・マネジメント分野でのチーミング
人事・マネジメント分野でのチーミングは、組織においてチームワークを模索し、実践することを意味します。チーミングにより、新たなアイデアが生まれ、問題解決のために組織の団結が可能です。本記事では、こちらの意味でのチーミングについて紹介しています。
チーミングが注目されている背景
チーミングは、ハーバード・ビジネススクールのエドモンドソン教授により、提唱された概念ですが、近年注目を集めています。注目の背景には、新型コロナウィルス感染症の感染拡大が存在します。感染拡大を受けて、リモートワークの導入をはじめ、組織の在り方が大きく変容しました。
リモートワークの導入により、従業員同士の対面での業務が減少し、チームとしての意識低下が見られました。チームとしての意識が低下しては、良好なコミュニケーションも取れず、業務効率も落ちてしまいます。
この問題を解決するためには、出社による対面でなくてもチーム意識を持つことが必要です。そのため、チームワークの在り方を模索するチーミングに注目が集まっています。
良いチームを作る上での条件
ただ規定人数を集めただけでは、良いチームとはなりません。人数合わせのように作られたチームでは、連携も取れず業務効率も落ちてしまうでしょう。
ここからは、良いチーム作りのための条件について解説を行います。
心理的安全性があること
良いチームとするためには、メンバーによる活発な意見交換が必要です。そのため、メンバーが不安や恐れを感じることなく、発言可能な「心理的安全性」がチームには不可欠となります。心理的安全性のあるチームでは、失敗を恐れず発言し、新しい挑戦も実施しやすくなるでしょう。
失敗を認めそこから学ぶ文化
失敗を成功の糧とすることは、非常に重要です。チームにおいてもそれは変わりません。チームにおいて失敗を共有し、改善点を見つけることで次に繋げることが可能です。
誰しも失敗することはあるでしょう。失敗を認め、そこから学べる環境は、良いチームを作るうえで重要な要素となります。
部署間・チーム間の連携
組織におけるチームは一つとは限りません。むしろ、異なる部署やチームが複数存在する組織がほとんどでしょう。チームの知識やスキルの向上のためにも、異なった部署やチームと積極的に交流することが必要です。
リーダーとメンバーのコミュニケーション
リーダーが一方的に命令を下し、メンバーはそれに従うようなチームは良いチームとはいえません。良いチームであるためには、リーダーとメンバーによる双方向のコミュニケーションが必要です。リーダーとメンバーがそれぞれ意見を交換することで、新たな気付きや改善点の発見につながるでしょう。
チーミングに関わる「学習する組織」とは?
現代のビジネス環境は、目まぐるしく変化しています。そのため、時勢に合った組織への変化を常に求められることになります。
変化する環境に対応するためには、「学習する組織」であることが必要です。学習する組織とは、変化に対応する柔軟なチームであるためのチームワークを常に模索する組織であると定義され、チームのパフォーマンス向上を目的とします。
学習する組織では、一人ひとりがチームとして変化し続け、環境に適応し、自ら学び、創造・デザインを行う進化する自己組織化が重要となります。このような能力をチームが身に着けることで、長期間にわたる持続的パフォーマンスを発揮可能です。
「学習する組織」が学ぶべき領域
学習する組織が学ぶべき領域を「ディシプリン」と呼びます。ディシプリンは規律を意味する言葉ですが、学習領域としては、「学習し実践する理論や技術」となります。
ここからは、学習する組織が学ぶべきディシプリンについて解説を行います。
システム思考
解決すべき課題をシステムと見なすことで、解決を図る考え方を「システム思考」と呼びます。システム思考では、システムと捉えた課題を多角的な面から検討し、原因を特定することで問題の解決を行います。システム思考を学ぶことで、多角的な視点による問題把握が可能となり、複雑な課題への対応ができるようになるでしょう。
自己実現
自らが望む方向に、自分の役割を広げることを「自己実現」と呼びます。メンバーが自己実現を重要視するようになれば、報酬などの外的要因ではない「こうなりたい」という内的な動機から業務に挑むようになります。内的動機からの挑戦は、モチベーションも高くなり、高いパフォーマンスを発揮できます。
メンタルモデル
「メンタルモデル」とは、個々人の心の奥底にある固定されたイメージや考え方です。メンタルモデルは、周りから容易にうかがい知ることはできず、本人ですら、把握していない場合が多くなっています。行動の核ともいえるメンタルモデルの把握は、チームメンバーのより深い理解に繋がり、チームの方向性を決定する際に役立つでしょう。
ビジョン
チームとして賛同できる「ビジョン」を共有することは重要です。組織は、異なった考え方を持つ人たちから構成されています。しかし、個々人が自分の考え方のみに沿って行動していては、組織としての目標達成は困難となるでしょう。そのため、ビジョンを共有し、方向性を決めることが必要となります。
チーム学習
学習する組織の目標は、チームとしての成長です。個人では解決できない課題も、チームとして取り組めば、解決できる場合もあります。
チームとして学び合う「チーム学習」を行えば、課題に対してチーム一丸となって取り組むことが可能です。それぞれの知識やスキルを提供し、意見交換を行うことで、より良いチームへと変化できます。
チーミングを理解し効果的なチーム作りを
良いチームを作ることができれば、個人では解決できない課題を解決することも可能となります。そのためには、チーミングへの理解が欠かせません。効果的な良いチームを作るためにも、ぜひ当記事の内容をご活用ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
【円満退職】パートで契約更新しないで退職するための3つの伝え方
パートの契約を更新しないで退職する際、伝え方によっては円満退職が難しくなることがあるでしょう。 また職場や企業も、パート従業員の契約更新をやめる際、契約状況によっては正当な理由が必要な場合があります。 パート従業員と職場・企業それぞれの立場…
詳しくみる退職承諾書とは?書き方や注意点を解説!無料テンプレートつき
自身のキャリアアップや家庭の事情などから、退職を決意する従業員も存在します。退職の理由がどのようなものであっても、通常は会社へ退職したい旨の届出を行います。受け取った会社は、その諾否を判断しなければなりません。その際に必要となる退職承諾書に…
詳しくみるエンゲージメントとは?なぜビジネスで重要か?高める方法や事例を解説
エンゲージメントとは、誓約・約束・契約などを意味する英単語で、ビジネスにおいては従業員の愛社精神など意味します。エンゲージメントが低いと人材の流出や生産性の低下などさまざまな問題を引き起こすため、エンゲージメントを高める取り組みが重要です。…
詳しくみるパワハラで退職したら会社都合?退職勧奨や代行サービスについても解説
パワハラによる退職が自己都合か会社都合かの決定は、その内容や経緯によって異なります。本記事では、パワハラが原因で退職した場合の扱いや、退職勧奨の影響、さらに退職代行サービスの利用について詳しく解説します。パワハラに関する正しい知識を持つこと…
詳しくみるインターンシップとは?意味や企業での実施方法について
インターンシップとは、大学生などが在学中に企業で就業を体験することを指します。大学に求められることや就職市場が変化したことから広く実施されるようになりました。学生にとっては就活の一環になるというメリットがありますが、企業にも優秀な人材を確保…
詳しくみる自己評価シートとは?適正な人事評価につなげる書き方や例文を紹介!
人事制度の一つに評価制度があり、評価の結果によって昇給や昇進などの処遇に反映される仕組みになっています。 またの名を「人事考課」「人事評価」などと呼ばれますが、通常は直属の上司が部下を査定します。これとは別に自己評価という仕組みがあります。…
詳しくみる