- 更新日 : 2026年3月31日
エンプロイアビリティとは?意味やチェックシートの活用方法を解説!
エンプロイアビリティとは、従業員の「雇用され得る能力」という意味です。対外的には転職するための能力を示し、対内的には会社に適応し、成長し続けられる能力を指します。
本記事では、エンプロイアビリティの意味や種類、3つの要素を解説します。厚生労働省が提供するチェックシートについても紹介しますので、参考にしてください。
目次
エンプロイアビリティとは?
「エンプロイアビリティ(employability)」とは、雇用され得る能力のことです。「雇用」という意味の「employ」と、「能力」という意味の「ability」を組み合わせています。
エンプロイアビリティは、対外的には転職するための能力を示すものです。エンプロイアビリティが高いことで、転職の際は有利になるとされています。
対内的には、所属している組織に適応し、成長し続けられる能力を指します。
エンプロイメンタビリティとの違い
エンプロイアビリティと似た言葉に「エンプロイメンタビリティ(employmentability)」がありますが、意味はまったく異なります。
エンプロイメンタビリティとは、企業の雇用能力という意味です。雇用される側からみて、その企業がどれだけ魅力的で、優秀な人材を継続的に雇用できる企業であるかを考えるときに使われます。
エンプロイアビリティは「労働市場における労働者の価値」を表すのに対し、エンプロイメンタビリティは「労働者から見た企業の価値」を表します。
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エンプロイアビリティが注目されている背景
エンプロイアビリティが注目されている背景には、終身雇用制の崩壊により人材の流動化が進み、労働者の転職への意識が変化していることがあげられます。
従来は1社に長く勤めることが重視され、転職はネガティブに捉えられていたのに対し、近年は、転職によりキャリアを上げるという、ポジティブな意味に捉える労働者が増えている状況です。そのため、より良い条件で転職するために、エンプロイアビリティが注目されるようになってきました。
また、エンプロイアビリティは、企業が人事評価制度に活用する要素としても注目されています。エンプロイアビリティは「企業が必要とする労働者の能力」でもあり、評価の基準のひとつとすることで、自社に必要な人材を適正に評価できます。従業員の成長を促すこともできるでしょう。
エンプロイアビリティの種類
エンプロイアビリティは、時代によって変化するものや今の組織に役立つものなど、さまざまな種類があります。
ここでは、主なエンプロイアビリティの種類をみてみましょう。
相対的エンプロイアビリティ
エンプロイアビリティは、能力の重要性が常に求められるものかどうかで、「絶対的・相対的」に分類されます。
相対的エンプロイアビリティとは、時代の変化やニーズによって、必要性が変化する能力です。AIをはじめとした技術の進化によりビジネスの変化が激しい現代では、ほとんどの能力が相対的エンプロイアビリティに該当します。
相対的エンプロイアビリティは、現在は需要があっても、技術の進歩によっては今後必要なくなる可能性があるものもあるでしょう。
絶対的エンプロイアビリティ
絶対的エンプロイアビリティとは、時代や市場のニーズに左右されない能力のことです。AIをはじめとするテクノロジーでは代用できないスキルやノウハウを指します。医師や弁護士など、専門性の高い職種が代表例です。
絶対的エンプロイアビリティを高めるためには、専門性の高いスキルを身につけ、国家資格を取得するといったことが必要になるといえるでしょう。
外的エンプロイアビリティ
エンプロイアビリティは、現在すでに雇用されている労働者が転職活動で「新たに雇われる能力」と、その会社で「雇われ続ける能力」という意味で「外的・内的」に分類できます。
外的エンプロイアビリティは、「現在とは別の会社に雇用され得る能力」もしくは「現在の会社の別部署に異動し得る能力」のことです。現在の会社・部署から転職・配置転換しても、現在と同等以上の処遇や条件で雇用される能力を指します。
同じ業種であればどの会社でも必要になる国家資格や汎用性の高いスキル、ノウハウなどがあげられます。転職市場が活発化する現代では、外的エンプロイアビリティはより重要になるでしょう。
内的エンプロイアビリティ
内的エンプロイアビリティとは、「現在の会社で雇用され続ける能力」を指します。例えば、会社の業績が悪化しても雇用され続ける能力のことです。会社の商品・サービスに関する知識や、自社独自の業務に必要なスキル・技術が該当します。
内的エンプロイアビリティが低い場合は企業の中で必要性が薄れ、リストラの対象になる場合もあります。
終身雇用制を維持している企業では、内的エンプロイアビリティを重視する傾向があるでしょう。
エンプロイアビリティの要素
エンプロイアビリティは、大きく次の3要素に分類されます。
- 特定の知識とスキル
- 思考特性と行動特性
- パーソナリティ・人柄
それぞれ、詳しくみていきましょう。
特定の知識とスキル
現在、保有している職務遂行に必要な特定の知識とスキルがエンプロイアビリティの要素です。営業職であれば、営業手法のノウハウや商品・業界の知識などが該当します。エンジニアであれば、プログラミングのスキルやITに関する知識などです。
個人がすでに保有している能力に加え、必要な知識や業務についての情報を取得できる人脈等のネットワークも含まれます。
思考特性と行動特性
業務遂行における思考特性・行動特性もエンプロイアビリティの要素のひとつです。協調性や積極性、仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション能力などが該当します。
特にコミュニケーション能力はほぼすべての組織で必要とされるもので、高い能力を持つ労働者は、エンプロイアビリティが高いと評価される傾向にあるでしょう。
パーソナリティ・人柄
パーソナリティや人柄、仕事に対するモチベーション、価値観など、精神面や姿勢に関する潜在的な面も、エンプロイアビリティの要素とされています。スキルや行動とは異なり、目に見えないため、判断しにくい要素です。
外部の力では簡単には変えられない要素でもあり、一般的にエンプロイアビリティを評価する際の判断基準から除外されます。しかし、他の要素では判断できない新卒採用では重視される傾向にあります。
エンプロイアビリティのチェックシート – 厚労省が出しているもの
厚生労働省では、キャリアコンサルティングの質向上を図るため、キャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルティング技法の開発を行っています。
その一環としてエンプロイアビリティのチェックシートを作成しており、活用することで、企業で雇用され活躍するために必要な能力を従業員が持っているかを確認できます。
シートは、厚生労働省が就業能力として重視している「就職基礎能力」と「社会人基礎力」からなり、それぞれに質問が設けられています。
「就職基礎能力」は「責任感」「向上心と探究心」「職業意識・勤労観」の3つの要素で構成され、どれも業務において必要な基礎的な能力であり、比較的簡単に能力を上げられる要素です。
「社会人基礎力」は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つから構成され、個人の特性をチェックできます。
参考:エンプロイアビリティチェックシート 総合版|厚生労働省
従業員のエンプロイアビリティを高めよう
エンプロイアビリティとは「雇用され得る能力」のことで、従業員が働くうえで必要とされ続ける能力を指します。さまざまな種類があり、大きく「相対的・絶対的」「内的・外的」に分類されます。
エンプロイアビリティの要素の中でも、特定の知識とスキル、思考特性と行動特性が重視されるといえるでしょう。
エンプロイアビリティの高い従業員が増えることで、自社の成長につながります。厚生労働省のチェックシートも活用し、従業員のエンプロイアビリティを高めていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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