• 作成日 : 2015年9月28日

マイナンバーは外国人に対してどのような影響があるか

マイナンバー制度では、日本に住民登録のあるすべての人に個人番号を付番します。それは外国人であっても変わりません。

外国人にもマイナンバー?

外国人であっても、日本に住民登録をした場合、マイナンバーが付番されることになります。
日本に中長期間在留する外国人は、在留カードの交付を受け、居住地を定めた日から14日以内に、居住地の市区町村役場に転入届を提出することになります。これにより住民登録がなされ、中長期在留する外国人のための住民票が作成されます。
現在、日本に中長期在留する外国人はもちろん、今後日本に入国し、中長期在留する外国人にはマイナンバーが付番されることになります。中長期滞在する外国人に付番される個人番号は、他の国民と変わりはなく、12桁の数字となります。
マイナンバーを通して受けられる各種の行政サービスも日本人と変わることはありません。今後、マイナンバー制度の拡充に従って、外国人にも利用しやすい制度となっていくかもしれません。
本国に帰国しても、生涯マイナンバーは変わりません。日本に中長期滞在する外国人が、本国へ再入国の許可を得ることなく出国する場合には、在留カードとともに通知カード又は個人番号カードを返却することになります。返却と同時に、その外国人にはマイナンバーが記載されたカードが交付されます。その外国人が日本に再入国し、再び中長期滞在することになった場合、このカードを提示することで同じマイナンバーが交付されます。

マイナンバーは原則として住民登録のある人全員に付番されます

中長期滞在する外国人がマイナンバーで気をつける点

来年1月1日以降、中長期滞在する外国人のマイナンバーと基礎年金番号は情報システムによって照合されることになります(ただし、延長される可能性があります)。外国人が在留期間の更新や永住権、帰化申請をする際は、納税義務等の公的義務を果たしていることが要件の一つとなっています。今後はこれらの申請の際に税金や社会保険料等の納付状況が自動的に確認される可能性があります。
もし税金や社会保険料に未払いがある場合には、審査においてネガティブな要素となる可能性が高いので、今後はしっかりと税金や社会保険料の支払いを行っていくことが必要になると考えます。また、所得が明らかになるため、不法にアルバイト等を行っている場合、これが当局によって把握しやすくなります。以前よりも外国人の就労に対しては、しっかりとした対応がとられる可能性があるため、目的外の在留、就労は行わないようにしてください。

マイナンバーが割り振られない日本人もいる?

実は、マイナンバーが付番されない日本人がいます。これは2002年8月5日以降、いずれの市区町村にも住所がなかった日本人です。2002年8月5日は、住民基本台帳ネットワークの稼働日であり、住民票コードが日本国民に割り振られた日でもあります。
実は、マイナンバーは住民基本台帳にかなり依存したシステムになっており、そこにデータのない日本人には個人番号が割り振られないという事態になっています。
マイナンバーが付番されない日本人として想定されるのが、「長期在外邦人」と「住所不定者」です。この数がどの程度のものか正確な数字はありませんが、万単位の数になることは間違いなく、マイナンバーのシステムに不具合が生じる可能性も指摘されています。これは「長期在外邦人」と「住所不定者」が、国民年金に加入していた場合や、現在でも日本国内の固定資産税を支払っている場合などが想定されるからです。
今後、問題となる可能性も秘めていますが、現在のところ大きな議論とはなっておらず、国としてもこの「長期在外邦人」と「住所不定者」の問題については特にアナウンスをしていないのが現状です。ちなみに、日本国籍の取得、日本国籍からの離脱があった場合でもマイナンバーは変わりません。

まとめ

外国人であっても、日本に住民登録をしたときからマイナンバーが付番されます。現在、在留期間の更新を行う場合、保険証の提示などを行う必要はありませんでした。しかし、今後はマイナンバーにより所得の正確な把握、納税、社会保険料等の支払い等の実績が明らかになりますので、ビザの更新等の際にポジティブ、ネガティブ両面での審査の対象となる可能性が高いです。これまで以上にしっかりと税金、社会保険料等を支払うとともに、不法なアルバイト等はしないようにしてください。
マイナンバーの導入により、外国人の個人情報も以前よりも管理しやすくなります。事業者も外国人の就労を行う場合には、しっかりとした管理・監督体制を構築し、外国人労働者が不利益を被らないように配慮するようにしてください。


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