- 更新日 : 2026年9月1日
支払調書にマイナンバーはなぜ必要?書き方・注意点・拒否された場合の対応まで解説
支払調書へのマイナンバー記載は平成28年1月1日以後に提出対象となる法定調書から 義務化されており、未記載でも直ちに罰則はないものの、正確な記載が法律で求められています。
- 対象は主に4種類の支払調書
- 個人番号取得時は本人確認が必須
- 本人交付用の写しには番号を記載不可
Q. 支払先にマイナンバーの提供を拒否されたらどうする?
A. 義務であることを伝えて依頼を継続し、その履歴を記録。それでも取得できなければ番号欄を空欄のまま提出します。
支払調書は税務署へ提出する法定調書の一つで、平成28年1月1日以降はマイナンバー(個人番号)または法人番号の記載が義務化されています。記入方法を誤ると再提出や本人確認のやり直しが発生することもあります。本記事では、支払調書にマイナンバーの記載が必要な理由、対象書類の種類、記入時の注意点、番号の提供を拒否された場合の実務対応までを解説します。
支払調書にマイナンバーの記載はなぜ必要?
支払調書は所得税法や番号法に基づき税務署へ提出する法定調書であり、支払を受ける者と支払者を正確に識別するためにマイナンバーまたは法人番号の記載が義務付けられています。
国税庁のFAQでは、法定調書へのマイナンバー記載に罰則規定は設けられていないものの、法律で定められた義務であるため正確な記載が求められると案内されています。マイナンバー制度そのものは、税務署が支払を受けた者の申告内容を正確に照合し、申告漏れや税務処理の負担を減らすことを目的として導入された制度です。
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マイナンバーの記載が必要な支払調書の種類は?
マイナンバー制度の導入後、様式が変更された支払調書は主に4種類あります。いずれも個人番号または法人番号の記載欄が設けられています。
| 支払調書の種類 | 主な対象となる支払い | 提出義務が生じる目安 |
|---|---|---|
| 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 | 税理士・公認会計士への顧問料、講演料など | 支払先や金額区分により異なる |
| 不動産の使用料等の支払調書 | 事務所家賃、駐車場の地代など | 同一支払先へ年間15万円超 |
| 不動産等の譲受けの対価の支払調書 | 土地・建物の買い取り対価 | 同一の支払先へ年間100万超 |
| 不動産等の売買または貸付けのあっせん手数料の支払調書 | 仲介手数料 | 同一の支払先へ年間100万超 |
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
この支払調書は、所得税法第174条第10号などで定められた報酬や契約金を支払う事業者が税務署へ提出する書類です。税理士や公認会計士への顧問契約料、セミナー講師への謝礼などを支払う場合に作成が必要になるケースが代表的です。
支払先が個人であればマイナンバー、法人であれば法人番号を記載します。取り扱う件数が多くシステムで管理している場合は、個人番号(12桁)と法人番号(13桁)の両方に対応できるよう、入力欄を13マス用意したうえで、個人番号を記入する際は先頭1マスを空けて右詰めで印字する仕様にしておく必要があります。
不動産関連の支払調書に共通する注意点
不動産の使用料等の支払調書は、同一の支払先に対する年間の支払合計額が15万円を超える場合に提出義務が生じます。この基準額に満たない場合は提出そのものが不要となるため、金額管理を徹底しておくことが実務上のポイントです。
不動産関連の支払調書は、賃料のほか敷金・保証金のうち返還されないことが確定した金額、更新料や名義書換料なども対象に含まれる点に注意しましょう。
支払調書にマイナンバーを記載する際の注意点は?
支払調書へのマイナンバー記載では、番号の桁数の違い、本人確認の要否、本人への交付方法という3つの観点で注意が必要です。それぞれ根拠となるルールが異なるため、順番に確認していきます。
個人番号と法人番号で記入枠の使い方が異なる
個人番号は12桁、法人番号は13桁のため、システムを利用する場合は両方に対応できる13マスの記入欄を用意する必要があります。個人番号を記入する際は先頭1マスを空欄にし、右詰めで印字することで、法人番号との桁数の違いに対応します。
支払いを受ける相手が個人であれば個人番号を、法人であれば法人番号を記載します。手書きで件数が少ない場合は、従来の様式に番号欄を追加する形で対応できます。
本人確認の実施が必須(個人番号のみ)
個人番号を取得する際は、なりすましを防ぐために番号確認と身元確認から成る本人確認が義務付けられています。一方、法人番号は原則として公表されている情報であるため、本人確認は不要です。
本人確認の方法は取得手段によって異なります。
- 対面で取得する場合は、本人確認書類の提示を受けるのが原則です。マイナンバーカードであれば、番号確認と身元確認を1枚で満たせます。
- 郵送で取得する場合は、本人確認書類の写しを郵送してもらう必要があります。
- オンラインで取得する場合は、本人確認書類の写しのメール送付や公的個人認証の利用が想定されています。
参考:よくある質問:民間事業者における取扱いについて|デジタル庁
本人交付用の支払調書にはマイナンバーを記載できない
番号法第19条の特定個人情報の提供制限により、本人へ交付する支払調書の写しにマイナンバーを記載することは禁止されています。税務署へ提出する支払調書には番号を記載できますが、本人控えには記載できません。
本人交付用の支払調書を作成する場合は、次のいずれかの方法で対応します。
- マイナンバー欄のみを空欄にして印字する
- 印字された番号をマスキングなどで読み取れないよう処理する
マイナンバーの提供を拒否されたらどう対応する?
支払先からマイナンバーの提供を断られた場合でも、直ちに未記載のまま提出してよいわけではなく、依頼と記録の保存を段階的に行うことが求められます。
国税庁も、マイナンバーが入手できない場合には収集を継続的に試み、それでも入手できなかった経緯を記録しておくよう呼びかけています。具体的な対応手順は以下のとおりです。
STEP1:法令上の義務であることを伝えて提供を依頼する
支払調書へのマイナンバー記載が法律で定められた義務であることを伝え、書面・メール・電話など後から確認できる方法で提供を依頼します。
STEP2:依頼の履歴を記録する
依頼した日付、方法、対応した担当者の氏名などを記録し、社内で確認できる状態にしておきます。
STEP3:番号なしで支払調書を作成する
提供を受けられなかった場合は、氏名・住所・支払金額など番号以外の項目を通常どおり正確に記載し、番号欄は空欄のまま提出します。摘要欄に理由を記載する義務はありません。
STEP4:取得できた場合は速やかに反映する
後日番号の提供を受けられた場合は、取得日を記録し、必要に応じて顧問税理士や所轄の税務署に確認できる体制を整えておきます。
支払調書の作成やマイナンバー管理を効率化するには?
支払調書の作成やマイナンバーの収集業務は、給与計算ソフトやマイナンバー収集代行サービス、クラウド型の管理システムを活用することで負担を軽減できます。
手作業での収集や入力は、支払先ごとの本人確認や番号管理の手間がかかり、件数が多い事業者ほど負荷が大きくなります。収集代行サービスを利用すれば、マイナンバー法や個人情報保護法に準拠した方法での収集・管理を専門業者に委託でき、支払調書作成にかかる時間の削減につながります。委託する場合も、委託先への必要かつ適切な監督義務は委託元に残る点は理解しておきましょう。
支払調書のマイナンバー記載、まず押さえるべきポイント
支払調書は所得税法に基づき税務署へ提出する法定調書であり、平成28年1月1日以降はマイナンバー(個人番号)または法人番号の記載が義務化されています。書類の種類ごとに記入枠や本人確認の要否が異なるため、事前の準備が欠かせません。番号の提供を拒否された場合も段階的な依頼と記録保存を徹底し、正確な支払調書の作成につなげましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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