- 更新日 : 2025年1月20日
声が小さいと指摘するとパワハラ?上手な伝え方や指摘された場合の対処方法を解説
仕事先で声が小さいメンバーがいると、声を大きくしてほしいと思う人もいることでしょう。しかし、声を指摘する口調が強引で、かつ従業員にとって過重とも言えるトレーニング方法を強要した場合、パワハラ扱いになる可能性があります。
本記事では、パワハラにならない声が小さい人向けの適切な対応策について解説します。
目次
声が小さいと指摘するのはパワハラ?
パワハラとは、次の3つの要素を全て満たす言動のことです。
- 優越的な関係を背景としている
⇒ 行為者に対して抵抗したり、拒絶したりすることができない場合 - 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
⇒ 同じことを執拗に繰り返すなどの場合も度を越した状態とみなされる - 就業環境が害されている
⇒ 言動によって身体的・精神的苦痛を受け、就業に支障をきたす状態
声が小さいと指摘しただけでパワハラになるといったことは、普通であれば考えられません。しかし、その指摘の仕方が、パワハラ定義の3要素を全部満たしているようなものであればパワハラに該当します。
例えば、大勢の前で、無理やり大声で資料を読み上げさせる、始業前に屋上で発声練習をさせるなどといった行為はパワハラです。
声が小さいことが仕事にもたらす影響
声が小さいことによって、仕事の場面では次のような影響が出ると考えられます。
- 円滑な会話がなく、日常的な情報交換が途切れがちになる
- 自分の主張や意見を聞いてもらえず、内容的に優れた提案でも無視されてしまう
- 部下の信頼が得られず、リーダーシップを発揮できない
いずれの場合も、良い影響を与えているとは言えないでしょう。本人の能力や知識が十分あったとしても、声が小さいことは非常にもったいないことです。一方で、声の大きさはトレーニングによって改善されると言われています。
パワハラにならないように声が小さいと指摘する方法
声が小さいことは、本人も自覚していることが多いため、改善に向けて動機づけることが効果的な指摘方法と言えるでしょう。
まず、アイデアや知識、経験など本人の優れた点を洗い出し、「これらの能力を職場のパフォーマンス向上のために発揮してほしい」という気持ちを伝えます。本人に改善の意欲が見られたタイミングで発声のトレーニング方法などを共有し、本人が前向きに取り組めるようサポートをしましょう。本人の成長をサポートする姿勢で指摘することが大切です。指摘方法が威圧的または執拗な場合には、パワハラ扱いになる可能性が高くなるので、注意しましょう。
声が小さいと言われた場合の対処方法
声が小さいと言われ続けている人が、トレーニングによって声を大きくすることは可能です。目的はただ単に大声を出すことではなく、明瞭な発音で、かつ相手が聞き取りやすい声の大きさで発言できるスキルを身につけることを意識します。発声方法については、トレーニングによって喉の開閉、声帯のコントロール、呼吸法、滑舌を改善することが可能です。仕事と割り切って訓練しましょう。
さらに、コミュニケーションにおいては、声の大きさだけでなく、言葉の選び方や表情の豊かさといった要素も情報の伝達力を高めることも可能です。本人の性格や環境に適切な対処法を見つけ、多面的なアプローチで改善に導きましょう。
仕事先で声が小さい人がいてもパワハラ扱いにならないよう慎重に対応しよう
声が小さいことは、仕事の円滑なコミュニケーションやリーダーシップ発揮においてデメリットとなる可能性があります。しかし、声の大きさはトレーニング次第で改善が可能です。声が小さい人を指摘する際には、本人の能力を受け入れ、前向きな動機づけを行いながら、改善に向けたサポートを意識することが重要です。一方で、過度な指導や、自分の考えを押しつけるような行為はパワハラ扱いとなる可能性があるため、注意しましょう。声だけでなく、表情や言葉選びなどを考えたアプローチによって、コミュニケーション力を向上させることが効果的です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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