- 更新日 : 2026年6月22日
社内エンゲージメントを高める向上施策10選!実施する際のポイントも解説
社員の貢献意欲は、ビジョンの共有や公正な評価、福利厚生の充実で高められます。
- 2025年の転職希望者数は約1,023万人に増えている。
- リモートワーク下では社員の帰属意識が低下しやすい。
- 1on1や評価制度の整備で離職率の改善を見込める。
まずエンゲージメントサーベイで自社の課題を整理しましょう。
社内エンゲージメントとは、社員が企業のビジョンや目標に共感し、自ら進んで貢献しようとする姿勢や意欲の度合いを表すものです。
企業が優秀な人材を確保し、生産性を高めるには、社内エンゲージメントの向上が不可欠です。
この記事では、社内エンゲージメントの基本的な考え方から、具体的な向上施策、施策を成功させるポイントなどを解説します。
目次
社内エンゲージメントとは?
社内エンゲージメントとは、社員が所属する企業に対して抱く愛着心や貢献意欲を指します。給与や労働時間などの条件のみに満足する状態ではありません。
企業の目標やビジョンに共感し、自らの役割を果たしながら、組織の成功に積極的に関わろうとする状態です。
社内エンゲージメントの高い社員は、自身の業務に情熱を持ち、主体的に行動する傾向が見られます。
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社内エンゲージメントとそのほかの類似用語との違い
ここからは、社内エンゲージメントとそのほかの類似用語との違いについて解説します。
従業員満足度との違い
従業員満足度は、給与や福利厚生、労働環境などの待遇に対する満足度を測る指標です。
会社から与えられるものに対する評価であり、受け身な側面が強いといえます。
一方、社内エンゲージメントは、社員が会社に貢献したいという能動的な意欲を含む点で異なります。
従業員満足度が高くても、必ずしも社内エンゲージメントが高いわけではない点に注意が必要です。
モチベーションとの違い
モチベーションとは、社員が行動を起こすための動機です。
昇給や昇進などを原動力とする「外発的動機」と、仕事への興味や達成感など、内面から生まれる「内発的動機」の2種類があります。
一方で社内エンゲージメントは、属している組織への愛着や貢献意欲を指すもので、モチベーションと意味合いが異なります。
ワークエンゲージメントとの違い
ワークエンゲージメントとは、仕事に対する熱意や没頭の度合いを指します。オランダのユトレヒト大学のシャウフェリ教授らが提唱した概念です。
一方、社内エンゲージメントは、仕事だけでなく所属する会社への愛着や貢献意欲も含む概念です。
ワークエンゲージメントが仕事への向き合い方を表すのに対し、社内エンゲージメントは組織との関係性が含まれる点で異なります。
ロイヤリティとの違い
ロイヤリティとは、会社への忠誠心を意味する言葉です。「この会社のために働きたい」「長く勤めたい」などの感情が該当します。
社内エンゲージメントは、組織へ自発的に貢献する意識を含むため、ロイヤリティより能動的な意味合いが強い用語です。
コミットメントとの違い
コミットメントとは、組織に対して責任を果たそうとする意識です。「期日までに必ず成果を出す」「チームの目標達成に全力で取り組む」などの目標を立てたうえで行動します。
一方、社内エンゲージメントは、仕事や組織への貢献意欲を指します。
コミットメントが責任感や義務感に基づくのに対し、社内エンゲージメントはより自発的な要素が強い点が両者の違いです。
社内エンゲージメントの向上が求められる背景
現在、社内エンゲージメントの向上が各企業で求められています。ここからは、その背景を解説します。
人材の流動化に対応するため
人材の流動化が加速しているため、社内エンゲージメントの向上が求められています。
「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の要約」によると、2025年の転職者数は約330万人、転職希望者数は約1,023万人です。
出典:「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の要約」(総務省統計局)
前年より転職希望者数が20万人以上増加しており、人材の流動化はさらに進む見込みです。
流動化が進む中で優秀な人材を手放すと、業務ノウハウが流出するほか、新たに社員を採用するコストが発生します。
社員が「自社に長く勤めたい」と感じる環境を整えるためにも、社内エンゲージメントの向上に取り組むことが重要になります。
リモートワークが普及しているため
リモートワークの普及により、社内エンゲージメントの向上が重要になっています。
「令和6年通信利用動向調査の結果」によると、令和6年は国内企業の47.3%がリモートワークを導入していました。
また、リモートワークを導入したきっかけとして「ワークライフバランスの向上」「業務効率の向上」など、前向きな理由での導入が増加しています。
そのため、今後さらにリモートワークが普及する可能性があるでしょう。
一方で、リモートワーク下では社員同士のコミュニケーションが取りにくくなり、孤立感や帰属意識の低下につながるリスクがあります。
社員の満足度を少しでも維持するためには、エンゲージメントの向上に力を入れることが大切です。
社内エンゲージメントを向上させるメリット
ここからは、社内エンゲージメントを向上させるメリットを解説します。
人材の定着
社内エンゲージメントの高い社員は、自社で働き続ける意欲が強く、離職率が低い傾向にあります。
これにより、採用や育成のコスト削減につながるほか、知識やノウハウが社内に蓄積されやすくなります。
優秀な人材が定着し、コストの削減やノウハウの蓄積につながると、企業の安定した成長が可能です。
組織全体の生産性向上
社内エンゲージメントを高めることは、組織の生産性向上にもつながります。
社員が企業への満足度を高めると、自社の目標達成に意欲的になり、新しいアイデアを積極的に提案し始めます。
組織全体で社員が主体的に働くようになると、新規の商品やサービスが開発されやすくなり、企業の生産性や業績の向上を見込むことが可能です。
顧客満足度の向上
社内エンゲージメントが高まると、顧客満足度の向上にもつながります。
エンゲージメントの低い社員は、ただ与えられた業務をこなす傾向が強く、顧客のニーズに真摯に向き合う姿勢が薄れやすくなります。
一方、会社や仕事に愛着を持つ社員は、企業のイメージを高める意識が強く、顧客の細かな要望にも積極的に応えることが可能です。
一歩踏み込んだ対応を続けることで顧客満足度が上昇し、リピーターの増加や、良い口コミによる新規顧客の獲得も実現できます。
企業のブランドイメージ向上
社内エンゲージメントが高い企業では、社員が自社の製品やサービスに誇りを持ち、社外の知人や家族にも肯定的に話す傾向があります。良い評判が広がることで、企業のブランドイメージの向上が可能です。
ブランドイメージが高まると、採用活動における応募者の増加や、顧客からの信頼獲得などを見込めます。
社内エンゲージメントの具体的な向上施策10選
ここでは、社内エンゲージメントの具体的な向上施策10選を紹介します。
1.企業のビジョンやパーパスを明確にする
企業の存在意義(パーパス)や目指す方向(ビジョン)を明確にし、全社員と共有することが重要です。
経営層からのメッセージを定期的に発信するだけでなく、管理職が部下の業務とビジョンを結びつけて説明し、日々のコミュニケーションの中で浸透させることが大切です。
社員が、自身の仕事が会社の未来にどのようにつながるかを実感できると、貢献意欲が高まります。
- 全社集会やタウンホールミーティングでの共有
- 社内報やイントラネットに掲載する特集記事の作成
- ミッションやバリューを体現した社員の表彰
2.適切なフィードバックと公正な評価制度を整える
社員は、自身の働きが正当に評価され、的確なフィードバックを得られる環境を求めています。
年に一度の人事評価だけでなく、定期的な1on1ミーティングを実施し、客観的なフィードバックを伝える機会を増やしましょう。あわせて、明確な評価基準を周知することも大切です。
透明性と公平性のある評価制度を整えることで、社員の納得感を高め、モチベーションを維持できます。
- 目標設定と進捗確認のための定期的な1on1ミーティング
- 同僚や部下からも評価を得る360度評価の導入
- 評価基準の明確化と全社への公開
3.コミュニケーションを活性化させるイベントを企画する
部署や役職を超えた交流は、組織の一体感を育みます。
全社的なキックオフミーティングや表彰式から、ランチ会や部活動など気軽に参加できるイベントまで、多様な機会を用意することが効果的です。
特にリモートワークの環境下では、社員同士のつながりが希薄になりやすいため、意図的に交流の場を設ける重要性が増しています。
- 役員と社員が気軽に話せる座談会
- 部署を横断したメンバーでのシャッフルランチ
- 社員の家族を招待するファミリーデー
4.柔軟な働き方を認める
社員が心身ともに健康で、プライベートを充実させられる環境を整えることも大切です。
長時間労働の是正はもちろん、テレワークやフレックスタイム制度など、個々の事情に合わせて柔軟に働ける制度を導入しましょう。
多様な働き方ができると、社員は会社から大切にされていると感じ、仕事への意欲が向上します。
5.社員の挑戦と成長を後押しする機会をつくる
社員の成長したいという意欲に応えることも重要です。
研修制度の充実や資格取得支援のほか、本人の希望や適性に応じて新しい役割やプロジェクトに挑戦できる機会を提供しましょう。
挑戦を通じて成功体験を積むことは、仕事への誇りにつながり、エンゲージメントをさらに高めやすくなります。
- 希望部署へ異動できる社内公募制度
- 先輩社員が若手を支援するメンター制度
- 新規事業への挑戦を推奨する仕組み
6.新入社員研修を充実させる
新入社員のエンゲージメントを高めるため、研修を充実させることも大切です。
業務知識を十分に身につけさせないまま実務を任せると、仕事についていけず、会社への満足度が低下しやすくなります。
新入社員研修で仕事の進め方を教えるほか、会社のビジョンや職場の文化も丁寧に共有しましょう。
幅広い情報を伝えることで、新入社員が職場に愛着を持ちやすくなります。
- 業務の進め方や、企業のビジョンを共有するオリエンテーション研修
- ロールプレイや実務シミュレーションを取り入れたOJT研修
- 新入社員同士の関係構築を目的としたチームビルディング研修
7.管理職のマネジメント能力を向上させる
管理職のマネジメント能力を高めることも、社員のエンゲージメントを向上させる施策のひとつです。
上司の言動は部下のモチベーションに大きく影響します。上司が一方的な指示や感情的な言動を繰り返すと、部下は職場への不満を抱きやすくなります。
上司が部下の良い点を積極的に褒めつつ、改善すべき点を的確に伝えられると、仕事へのモチベーションを高めることが可能です。
マネジメント能力を向上させるために、管理職向けの研修や勉強会を実施し、部下への接し方を学ぶ機会を設けましょう。
- 傾聴の姿勢やコーチングスキルを向上させるための、管理職向けの外部研修の実施
- 部下との定期的な1on1ミーティングの実施
- 管理職同士が成功事例や失敗事例を共有する、勉強会の開催
8.福利厚生を充実させる
福利厚生には、法律で整備が義務付けられている「法定内福利厚生」と、企業が独自に設ける「法定外福利厚生」の2種類があります。
法定外福利厚生を充実させ、社員の生活や自己成長を積極的に支えると、ほかの職場にはないメリットを感じてもらいやすくなります。結果として、社内エンゲージメントの向上が可能です。
- 健康増進プログラム(スポーツジムの割引や定期健診の費用負担など)
- 資格取得に関する支援(受験費用の負担や書籍購入補助など)
- 社宅の提供
なお、社宅を提供するなら「マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸へのCTA」の利用がおすすめです。
賃貸物件の契約手続きをはじめ、管理会社との調整を代行してもらえるため、低コストで社宅を提供できます。
法定外福利厚生を充実させるきっかけとして、ぜひ利用を検討してください。
9.ピアボーナス制度を導入する
ピアボーナス制度とは、同僚が互いに感謝や称賛とともに少額のポイントや報奨を贈り合う制度です。
ノウハウの共有や備品の補充など、日々の業務で助けてもらった際に相手を評価できます。
管理職の目が届きにくい現場での行動も可視化でき、公平に評価される職場づくりに役立ちます。
社員にとっては「誰かが自分の頑張りを見てくれる」という実感が生まれるため、エンゲージメントの向上が可能です。
- 月間贈与ポイントを集計し、上位者を社内で表彰する
- 受け取ったポイントの総数を人事評価へ反映させる
- 貯まったポイントを商品券やギフトと交換できる
10.ハラスメント対策を実行する
ハラスメントのない職場環境を構築することで、社内エンゲージメントを維持しやすくなります。
ハラスメントの例として挙げられるのが、立場を利用して高圧的に接する「パワーハラスメント」や、性的な言動で不快感を与える「セクシャルハラスメント」です。
ハラスメントが横行する職場は、被害に遭った社員が精神的に疲弊するほか、周囲の社員も不安を抱きやすくなり、組織全体のエンゲージメントの低下につながります。
一方、ハラスメント対策を徹底することで、社員が心理的に安全なコミュニケーションが取りやすくなります。
職場への安心感が高まり、社員が業務へ積極的に取り組みやすくなるため、エンゲージメントの向上を期待できるでしょう。
- ハラスメントに関する社内規定の整備と、違反時の処罰基準の明確化
- 全社員を対象としたハラスメント防止研修の定期開催
- 匿名で相談できる社内の相談窓口の設置
社内エンゲージメントの向上施策を成功させるポイント
ここからは、社内エンゲージメントの向上施策を成功させるポイントを解説します。
事前に組織の課題を分析する
エンゲージメントの向上施策を実施する前に、組織の課題として、社員の満足度が低下している原因を把握することが大切です。
原因を特定しないと、的外れな施策を実行してしまい、期待した効果が得られない可能性があります。
課題の分析には、エンゲージメントサーベイの活用が効果的です。エンゲージメントサーベイとは、アンケート調査を通じて、社員の仕事や組織への貢献意欲を定量的に把握できるツールです。
「職場の人間関係に満足しているか」「評価制度に納得しているか」などの質問を通じて、エンゲージメント低下の原因を分析できます。
結果をもとに課題を特定し、それを解決できる施策を実施することで、取り組みの効果を高められます。
コミュニケーションツールを活用する
社内エンゲージメントの向上施策を実行するとともに、コミュニケーションツールを導入することも大切です。
活用することで、社員間のやり取りが円滑になり、業務効率化につながります。働きやすさが高まるため、社内エンゲージメントの向上が可能です。
ピアボーナス制度を実施する際は、コミュニケーションツールによってポイントのやり取りを可視化しやすくなる側面もあります。
ほかの施策を実施する際の情報共有にも役立つため、ぜひ導入を検討してみましょう。
定期的な効果測定を行う
施策を実施した後は、エンゲージメントサーベイを使って、社員の貢献意欲が改善されているかを定期的に測定することが大切です。
エンゲージメントサーベイには「パルスサーベイ」と「センサスサーベイ」の2種類があります。
パルスサーベイは質問数が少ない短期間の調査で、変化をタイムリーに把握できます。
一方、センサスサーベイは年に1〜2回実施する、質問数が多い調査で、傾向を深く分析することが可能です。
両者をバランス良く実施し、エンゲージメントの変化を正確に調べましょう。
もし思ったよりエンゲージメントが伸びない場合は原因を分析し、解消するための施策を考えることが大切です。
社内エンゲージメントの向上施策に関するよくある質問
最後に、社内エンゲージメントの向上施策に関するよくある質問と、その回答を紹介します。
エンゲージメントの3要素とは何ですか?
エンゲージメントの3要素とは「理解度」「共感度」「行動意欲」の3つです。
それぞれの概要は以下のとおりです。
| 要素 | 概要 |
|---|---|
| 理解度 | 組織のビジョンや方向性に関する理解の度合い。 |
| 共感度 | 組織の一員であることへの誇りや、職場に対する愛着の度合い。 |
| 行動意欲 | 自主的に、自社へのメリットにつながるよう行動する度合い。 |
自社の社員が不足している要素を理解し、それを補える施策を展開することが大切です。
ワークエンゲージメント向上に必要な2つの項目は何ですか?
ワークエンゲージメント向上に必要な2つの項目は「仕事の資源」と「個人の資源」です。
仕事の資源とは、上司からのフィードバックや裁量権、成長機会など、業務を円滑に進めるための要素です。
個人の資源とは、ストレス軽減につながる社員の内的な要因で、自尊心や楽観性などが該当します。
ワークエンゲージメントを改善させると社内エンゲージメントも向上しやすくなるため、2つの要素を充実させる施策を考えることも効果的です。
お金をかけずにできるエンゲージメント向上施策は何ですか?
お金をかけずに実施できる施策として、1on1ミーティングが挙げられます。
1ヶ月に1~2回ほどの頻度で実施すると、社員が上司に悩みを相談しやすくなり、働きやすい環境を構築することが可能です。
また、社員同士で日ごろの感謝を伝える機会を設けることも効果的です。
朝礼や会議でほかの社員を称賛する時間を設けたり、サンクスカード制度(感謝を伝えたい相手にメッセージを書く制度)を導入したりしてみましょう。
日常的に感謝の言葉を伝え合うことで、職場の雰囲気が良くなり、エンゲージメントが向上しやすくなります。
やる気が低い社員のエンゲージメントを向上させるには?
やる気が低い社員のエンゲージメントを高めるには、積極的にコミュニケーションを取る必要があります。
1on1ミーティングを実施し、本人の担当業務から自社にどのように貢献できるかを伝えて、自身の役割を再認識してもらいましょう。そのうえで、社員の業務目標を一緒に考えることが大切です。
目標を設定したら、一定期間後に達成度合いを確認し、フィードバックを行います。
一方、叱責が多くなると従業員のやる気を下げる恐れがあるため、改善点だけでなく良かった点も伝えるように意識しましょう。
なお、ほかにエンゲージメントを高める方法として、福利厚生の充実も挙げられます。「マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸」を利用すると、社宅の提供を外部委託できるため、福利厚生を導入するきっかけとしてぜひご活用ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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