• 更新日 : 2023年6月30日

協調性のある人とは?特徴や採用時に見るポイント

協調性のある人とは?特徴や採用時に見るポイント

協調性とは、物事を成し遂げるために他人と協力できる能力を言います。自分と同じ意見・考え方であるか否かに関わらず、目標に向かって互いに協力して行動できる能力を意味します。企業に属して働く上で協調性は非常に重要な能力です。他人の手助けができる、他者の意見が聞ける、チームワークを重視するなどが、協調性の高い人の特徴です。

協調性とは?

協調性とは集団に設定されている目標を達成するために、他人と協力できる能力を指します。自分と同じ立場、利害関係が一致している場合はもちろんのこと、自分とは立場が異なっていたり利害関係が一致していなかったり、違う意見や考え方を持っていたりする人と、協力しながら行動できるかどうかを表します。

協調性の高い人は状況をきちんと理解し、意見のすり合わせを行い、ときには自分が折れるなど譲歩をしながら、集団に属する他者と目標の達成に向かって力を合わせることができます。反対に協調性の低い人は周囲を見ようとせず、自分に利益や保身を最優先し、他人と協力して同じ目標に向かって進んでいくことができません。属するメンバーの協調性は集団としてのパフォーマンスや目標達成に大きな影響を与えます。

ビジネスにおける協調性の重要性

自分一人で完結するビジネスは特殊なものに限られます。ほとんどは、他人とともに協力しながら進めていかなければなりません。集団の中の一人として仕事をこなしていく以上、協調性は不可欠です。

協調性がない人の存在は、同じ目的・目標に向かって進んでいくことの妨げになり、ビジネス失敗の原因となります。また、協調性が高い人は業務遂行能力・コミュニケーション能力、共感力・理解力が高く、柔軟性も優れているので、以下のように業務に活かし、ビジネスに役立てることができます。

  • 業務遂行能力
    仕事がスムーズに進められる
  • コミュニケーション能力や共感力
    チームワークが良くなる
  • 理解力
    理念や仕事のやり方の飲み込みが早い
  • 柔軟性
    変更に迅速に対応できる

協調性とコミュニケーション能力の違い

コミュニケーション能力は自分の意見・考えを他人に伝えたり、相手が伝えようとしている内容を正確に理解できたりする能力を指します。意思疎通に関する能力で、コミュニケーション能力の高い人はおおむね友好的で、誰とでも打ち解けて仲良くなれます。また人の話をよく聞くことから、信頼関係もすぐに築けます。

協調性は、他人と協力して物事を進めていける能力で、コミュニケーション能力も協調性に深く関係しています。コミュニケーション能力が高いと協調性にも優れ、反対にコミュニケーション能力が低いと協調性も劣る傾向にあります。

業務において協調性があるメリット

企業の各部署・各チームにおいて、所属する従業員の協調性は、業務遂行に大きな影響を及ぼします。協調性のある人は、どのような好影響を与えるのでしょうか?業務における協調性のメリットをご紹介します。

役割分担を適切に行える

協調性が高いと他人への配慮ができ、集団としての目標達成のために必要な行動を迅速に行うことができます。集団の中での自分の立ち位置や自分が行うべき仕事がすぐに理解できるため、自分に求められている役割を正確に把握し、適切に行うことができます。

人事考課において評価向上が狙える

企業の人事考課ではさまざまな面から従業員の査定が行われますが、ほとんどの企業では協調性も重要なポイントとしています。協調性を高めれば、人事考課で高い評価を得られる可能性も上がり、報酬アップや昇進昇格へとつながります。

部署間コミュニケーションをスムーズに行える

協調性のある人は、コミュニケーション能力も高く、他人に意見を伝えたり相手の考えを理解できたりします。ビジネスで必要になる部署間のコミュニケーションもスムーズに行い、意思疎通が不十分なことで発生するトラブルを回避することができます。また、部署をまたいで良好な関係を築くことができ、業務を円滑に進めることもできます。

協調性のある人の特徴

協調性のある人・ない人には、どのような違いが見られるのでしょうか?協調性のある人の特徴を説明します。

利益なしに他人の手助けができる

協調性のある人は目的や目標に向かって、積極的に行動できます。自分の利益にならなくても集団にとって必要なことを行い、他人の手伝いも自発的に率先して行います。自分の役割を十分に理解し、集団としての利益を自分の利益よりも優先して考えられる点が、協調性のある人の特徴です。また、協調性の高い人は観察力も優れ、困っている人をすぐに見つけて助けることができます。

他者の意見を尊重できる・肯定的な意見を言える

協調性のある人は人の意見を聞く力も優れています。他人が自分とは異なる意見を持っていることにも寛容です。協調性のある人はコミュニケーション能力も高く、他人に意見を伝えたり相手の考えを理解できたりします。

ビジネスで必要になる部署間のコミュニケーションもスムーズに行い、意思疎通が不十分なことで発生するトラブルを回避することができます。部署をまたいで良好な関係を築くことができ、業務を円滑に進めることもできます。

また、対立した場合でも相手の意見を頭ごなしに否定するようなことはせず、きちんと耳を傾けることができます。他者の意見を尊重すべきだと判断した場合には自分の意見より優先させ、必要な議論を交わし、肯定的な意見も述べることができます。

誰が言ったか?ではなく発言内容について議論できる

協調性のある人は、人を好き・嫌いで判断しません。出された意見に対しても発言者に関係なく、内容のみを対象に評価したり議論の対象としたりすることができます。建設的な意見の交換が可能になり、円滑な仕事が可能となります。

個人のプレーではなくチームワークを重視する

チームを組んであたっている仕事でも、妙案が浮かんだり個人的にアドバンテージを握っていたりする場合はスタンドプレーをしたくなるものです。しかし協調性のある人は自分の手柄よりもチームとしての成功を優先させることができます。ビジネス成功を最優先に考え、個人のプレーよりもチームワークを重視します。

積極的にコミュニケーションを行える

自ら積極的に周囲の人とコミュニケーションを図れる点も、協調性のある人の特徴です。協調性のある人はコミュニケーションスキルや共感力、表現力、言語能力など他人とコミュニケーションを取る際に必要な能力が高く、誰とでも打ち解けられたり、すぐに仲良くなったりできます。

和やかで風通しの良い、快適な職場環境づくりができ、また従業員同士の意思疎通もスムーズに行われ、必要な連絡事項が伝わっていないというようなことがなくなります。業務上の問題を話し合う場も持たれ、業務改善も期待できます。

協調性のない人の特徴

協調性のない人の特徴を知っておくと、協調性のある人・ない人を見分け、あらかじめ対策を講じておくことができます。協調性のない人の特徴は、以下の通りです。

個人プレーを重視する

協調性のない人は他人に協力するより自分の利益を優先するといった自己中心的な行動を取ります。チームワークより個人プレーを重視します。

自分の意見を無理に押し通す

協調性はコミュニケーション能力や共感力も低く、他人の話をあまり聞くことができません。自分と違った意見に対して強い抵抗力を示し、聞こうとしなかったり頭ごなしに否定しようとしたりします。他者の意見はなかったものとし、自分の意見を押し通す傾向にあります。

自分の考えや意見を変えることができない

他人を受け入れる能力が低い点も、協調性が低い人の特徴です。他人の意見もあまり耳に入らず、自分の意見のみに高い執着を示します。せっかく違う意見に触れる機会があるのにも関わりを拒否し、自分の意見や考えを変えることができません。

非建設的な意見のみを言う

協調性のない人は自分の意見にのみ固執し、他人の意見に触れたり受け入れたりすることを苦手とします。違う意見と対峙させて建設的なものとすることができず、非建設的な意見のみを言います。

採用時に協調性があるかどうか見分けるポイント

採用活動においては協調性のある応募者と協調性のない応募者を見分け、適切に対応することが求められます。協調性の有無を見分けるための、面接でのポイントを説明します。

グループ面接を活用する

グループ面接での発言や態度によって、協調性があるかどうか判断できます。自分の意見とは異なるものが発せられた際、どのような態度を取るのか、議論によってすり合わせできるかが判断基準になります。

素直に受け入れたり、議論によって自分の意見とのすり合わせができれば協調性は高く、聞く耳を持たなかったり自分の意見を無理に押し通そうとする場合には協調性が低いと判断できるでしょう。

過去のチーム体験について質問する

面接時に過去のチーム体験について語らせることも、応募者の協調性の有無を見極める良策です。どんな体験があるか、何に気をつけて行動したか、チームワークは好きか嫌いか、チームではどのような振る舞いを心がけているか、チームワークで重要視していること、といった質問に対する答えから、協調性があるかどうかを判断することができます。

意見の異なるメンバーがいたときの対処法を質問する

採用面接時の質問では意見の異なるメンバーがいた場合に取った対処方法を聞くことも、協調性の有無を判断するポイントになります。どちらの意見が正しいかはっきりさせるのか妥協点を探すのか、自分とは異なる意見に対して攻撃的にならず議論ができるか、他のメンバーの意見も聞くことができるか、誤りを素直に認めることができるか、相手の誤りに寛大かといった点で協調性のあるかを見分けられます。

協調性の見分け方を理解し、採用活動に活かそう

協調性は同じ集団に属する他人と協力できる能力を意味します。目標達成のため、自分よりも集団の利益を優先できるかどうかを指し、協調性の高い人の方が集団のためになる働きをします。ビジネス、特に企業の一員として働く従業員には、協調性の高さが求められます。

採用活動ではグループ面接を活用したり、過去のチーム体験や意見の異なる人への対処方法をしたりすることで応募者の協調性を見分けることができます。ポイントや見分け方を理解し、優秀な人材獲得へ活かしましょう。


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