- 更新日 : 2024年7月5日
録画面接とは?自己紹介の例文や動画作成のコツ、企業の注意点を解説
録画面接とは、応募者が企業からの質問に対して事前に回答した動画を提出し、それをもとに選考を行う面接手法です。 録画面接は近年導入が始まった面接方法のため、どういった内容の質問があるのか、わからないという人も多いでしょう。
録画面接の詳細についてはもちろん、録画面接の動画を自分で撮影するコツや録画面接のマナーを紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
録画面接とは?
録画面接とは、PCやスマートフォンなどの端末にインストールされているビデオチャットアプリなどを用いて、応募者が動画を撮影・録画したものを企業側に送信する新しい選考形式のことです。動画面接とも呼ばれます。
近年、対面での面接以外の形式が増えており、録画面接はそのひとつです。録画面接であれば、遠隔地でも面接を受けられるようになりました。また、撮影した動画を送信するだけで済むため、応募者・企業それぞれの予定を合わせる必要もありません。
応募者は指定期限までに、あらかじめ用意された質問に回答した動画を録画するだけで済むため、都合の良い時間帯に対応可能です。企業側も担当者のタイミングで、応募者の人柄や質問の回答を確認できる点がメリットといえます。
録画面接とウェブ面接との違い
録画面接と似た選考形式に、ウェブ面接があります。ともにデジタル技術を利用した選考方法ですが、選考を行う形式が大きな違いです。
録画面接では、事前に応募者が撮影した動画を企業が後日確認して評価を行う、非同期の選考方法です。一方のウェブ面接は、インターネットを介して応募者と企業担当者がリアルタイムでコミュニケーションを取り合う同期の選考方法になります。
録画面接では、事前に質問内容が告知されているケースもあるため、準備してから取り組むことが可能です。それに対し、ウェブ面接ではその場で質問されるため、臨機応変な対応が求められます。
録画面接が注目されている理由
録画面接が注目されている背景には、スマートフォンやウェブカメラ、ウェブ会議システムなどの普及にともない、オンラインでのコミュニケーションが一般化したことが挙げられます。
また、時間や場所の制限が必要ないことも、録画面接を導入する企業が増えてきている要因のひとつです。これまでの対面式面接では、応募者とスケジュール調整が必要だったり、遠方に住む応募者の場合は面接自体が難しくなったりするといった理由で、面接試験を実施できる人数に限りがありました。その点、録画面接であればこれまで会うことが難しかった応募者と面接が可能です。
以下は、応募者側、企業側それぞれのメリットをまとめたものです。
<応募者側のメリット>
- 移動にかかるコスト・時間を削減できる
- 自分のタイミングで撮影できるため、スケジュールを組みやすい
- リラックスして面接に臨めるため、本来の力を発揮しやすい
<企業側のメリット>
- 採用にかかるコスト・時間を削減でき、選考スピード向上を図れる
- 動画のため複数回確認でき、履歴書から判断しにくい意気込み人となりがわかりやすい
- 遠方に住んでいる応募者とも対応ができる
このように、録画面接は企業と応募者双方に大きなメリットがあるため、今後も導入する企業は増えていくと予想されます。
録画面接の選考形式は主に2つ
録画面接の選考方法は大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
事前に質問内容がわかる:自分で動画を撮影して送る
1つめが、事前に質問内容がわかるタイプの録画面接です。自分で挿画を撮影し、企業から提示された質問に対して回答します。
自分の好きなタイミングで録画に臨めるため、普段通りの雰囲気で動画撮影をできる点はメリットです。
事前に質問内容がわからない:URLに入ると録画が開始される
2つめが、事前に質問内容がわからないタイプの録画面接です。こちらは、指定されたURLに入ると録画が開始される流れで進行します。
たとえば、企業から指定されたウェブアプリなどを開くと、企業からの質問の音声/動画が流れます。その後、質問に対する回答動画を撮影し、動画を送信するのが一般的な流れです。
前の質問に回答した動画を送信すると、次の質問が提示され、また回答するといった流れで進行していきます。指定されたアプリによっては、撮り直せる場合もあれば、撮り直しができない場合もあります。
事前に質問が共有されていないため、どういった質問をされるのかを想定したうえで、回答を準備するなど事前の対策が重要です。
録画面接でよくある質問の例
録画面接でよくある質問例をいくつか紹介します。
- 自己紹介を1分程度でしてください
- 自己PRを1分程度でお願いします
- あなたの長所と短所を1分で教えてください
- 学生時代に力を入れていたことについて、1分で話してください
- 志望動機について2分で回答をお願いします
- あなたの夢について教えてください
想定される質問を理解して、あらかじめ回答を作成しておくことで、スムーズな受け答えが可能になります。紹介した質問例を参考にしっかりした対策を立てましょう。
録画面接の動画を自分で作成するコツ
録画面接の動画を自分で作成するコツを紹介します。押さえておきたいのは、以下の6点です。
- 動画の長さは1~2分程度が目安
- カメラの位置や背景を確認する
- 静かな場所で録画する
- 面接と同じようにビジネススーツを着用する
- ハキハキと明るく話す
- 挨拶、自己紹介をしっかりとする
これらのポイントを押さえて、録画面接で好印象を残せるようになりましょう。
動画の長さは1~2分程度が目安
録画面接で撮影する動画の長さは、1~2分程度が目安です。そのため、短い時間で伝えたいことを伝えられるように、伝えたいことを動画の冒頭で簡潔に伝えるようにしましょう。
伝えたいことは1つに絞り、相手が最も集中している動画の冒頭で簡潔に伝えることがポイントです。
カメラの位置や背景を確認する
録画する際のカメラの位置や背景にも気を配りましょう。ほとんどの人が、自宅で録画面接の撮影をするかと思います。自宅で撮影する際は、ポスターや小物、洗濯物など、面接に関係ないものが映り込みやすいものです。これらが映り込みすぎていると、マイナス印象につながってしまいます。
また、目線はカメラに向けるようにしましょう。録画の画面を見ながら話している応募者も多くいますが、画面を見ながら話すと面接官からは目線があっていないように見えてしまいます。目線が定まっていないと自信がなさそうに見えたり、嘘を言っているように見えたりしてしまうため、目線は常にカメラに向けてください。
静かな場所で録画する
録画する際は、自宅や自室など雑音が入らない静かな場所を選びましょう。雑音や人の声が入ってしまうと、応募者の声が聞こえにくくなるだけでなく、企業側にとっては耳障りになります。
また、録画中はスマートフォンをマナーモードにしたり、パソコンの通知音を切ったりすることを忘れずに行い、雑音が入らない環境作りに努めてください。
自宅で録画面接ができないときは、個室のコワーキングスペースやレンタルスペースなどの利用を検討してみるとよいでしょう。
面接と同じようにビジネススーツを着用する
録画面接であっても、通常の対面面接と同じようにスーツで撮影に臨みましょう。同様に髪型やメイクなど、身だしなみにも注意してください。
ただし、企業によっては私服を指定する場合があります。このようなケースでは、応募者の普段の姿を見るという意図があるため、採用側の意図をくみ取って臨機応変に対応することが重要です。
ハキハキと明るく話す
企業の採用担当者は、話の内容はもちろん、応募者の表情や話す声のトーン、姿勢なども確認しています。明るい表情や声のトーンで話すと、自信や親しみやすさを伝えられるため、ハキハキと明るく話すようにしましょう。
姿勢も同様で、背筋を自然に伸ばし、前をしっかりと向いて話してください。猫背だったりうつむいていたりすると、自信がないように見える恐れがあります。
挨拶、自己紹介をしっかりとする
録画面接では、通常の面接と違って面接官が目の前にいないため、挨拶をし忘れることもあります。しかし、挨拶はビジネスにおいて基本であるため、面接の最初と終わりにはしっかりと挨拶をするようにしましょう。
とくに冒頭の挨拶は第一印象にもつながるため、明るく元気に伝えることがポイントです。
◯◯大学の✕✕と申します。本日はよろしくお願いいたします。
ご覧いただき、ありがとうございました。
貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
録画面接の自己紹介の例文
自己紹介の例文を2つ紹介します。
■30秒バージョン
初めまして、〇〇大学△△学部××学科の(名前)と申します。
私は学生時代、水泳部の主将として部をまとめてきました。競技生活の中で、栄養の重要性について学んだことがきっかけで、食品メーカーである御社に応募いたしました。
これまでの経験を生かし、御社に貢献したいと考えております。よろしくお願いいたします。
30秒の場合、面接において他に重要な質問項目がある可能性があるため、必要最低限の内容を伝えましょう。文字数にすると200文字程度で、必要な情報を短く盛り込んで文章を作成してください。
■1分バージョン
本日は貴重な選考の機会をいただき、誠にありがとうございます。初めまして、(名前)と申します。
私は○○大学を卒業後、飲料品メーカーの○○で○年間、製品企画担当として勤務いたしました。
最大の実績は、Aという新しいタイプの商品の企画立案から販売・マーケティングまで担当し、自社製品の中でも年間ベスト3に入る売上を達成したことです。新しいタイプの商品ということで、具体的な戦略として△△といったプランを導入し、各種宣伝方法を駆使して目標販売実績を達成できました。
私の経験とスキルを生かし、御社に貢献できればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
1分で自己紹介を伝える場合、30秒よりも少し具体的な内容にできます。自己PRにつながる内容にすることで、相手に好印象を与えられるでしょう。
文字数にすると、300文字から400文字が目安です。自分が話す速度によって文字量は変わるため、完成したら練習してみてください。
録画面接のマナー
録画面接のマナーについて解説します。録画面接の動画を自分で作成するコツの項で解説した内容と重なりますが、録画面接で注意したいマナーは以下の3点です。
- 身だしなみに気をつける
- 明るく静かで、雑音が入らない場所で撮影する
- バッテリーが切れないようにする
録画面接でも、対面面接と同様にスーツを着用し、髪型も整えるのがマナーです。
また、明るく静かな場所で撮影するようにしましょう。明るい環境で撮影すれば、顔も明るく写るため、元気な印象を与えられます。また、雑音が気になる状態では、好印象を持たれないため、明るく静かな環境で撮影しましょう。
さらに、録画面接中にバッテリーが切れないように配慮することも重要です。事前にスマートフォンやPCのバッテリー残量を確認して、面接中に切れないよう準備しておきましょう。自宅で実施する場合は、バッテリーを充電しながら実行すると安心です。
企業が録画面接を実施する際の注意点
企業が録画面接を実施する際の注意点は、次の2点です。
- 求める人材を明確にした面接内容にする
- システムの使い方など事前に細かく準備しておく
録画面接を実施するにあたって、まずは自社が求める人材を明確にしておきましょう。録画面接では、対面やウェブ面接とは違ってリアルタイムでのコミュニケーションをとれません。そのため、自社が求める人材・能力などを判別できるような質問内容を用意しておく必要があります。
また、録画面接のシステムを導入するときは、システムの使い方を自社の関係者に説明し、情報共有しておくのが重要です。マニュアルを作成し、紙/デジタル資料として配布しておくとよいでしょう。
録画面接のポイントをしっかりと押さえよう
録画面接とは、応募者が事前に撮影した動画をもとに行う面接手法です。撮影した動画を送信するだけで済むため、応募者・企業それぞれの予定を合わせる必要がない点はメリットといえます。
録画面接は、事前に質問内容がわかるタイプとわからないタイプの2種類です。事前に質問内容が明かされていない場合、事前に質問内容を想定して受け答えの練習などを行うとよいでしょう。
録画面接の動画を自分で作成するコツとしては、カメラの位置や背景を確認しながら静かな場所で録画すること、ビジネススーツを着用すること、ハキハキと明るく話すことなどが挙げられます。
また、録画面接を企業が実施する際には、あらかじめ求める人材を明確にし、それに合わせた質問内容を作成することが、重要です。録画面接は新しい面接方法であるため、応募者側・企業側それぞれポイントをしっかり押さえて面接に臨むようにしましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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