• 作成日 : 2022年12月2日

75歳以上の社会保険手続きは?後期高齢者医療制度や被扶養者についても解説!

75歳以上の社会保険手続きは?後期高齢者医療制度や被扶養者についても解説!

定年年齢の引き上げの流れが象徴するように、生活費の確保や社会とのつながりなど、定年年齢を超えても働き続ける方が増えています。

高齢の従業員を雇用する場合には、職場環境の配慮はもちろんのこと、通常の社会保険加入とは手続きが異なることに注意しなければいけません。ここでは、75歳以上の方の社会保険の手続きについて解説します。

75歳以上の社会保険手続きは?

会社に雇用される従業員が加入する健康保険は、原則として75歳までの方を対象としています。75歳以上の社会保険(健康保険)については、以下の3点を押さえておく必要があります。

健康保険の被保険者資格を失う

75歳以上の方は、原則として後期高齢者医療の被保険者となるため、健康保険の被保険者資格を失います。退職後、健康保険の任意継続被保険者であった方も同様に被保険者資格を失います。

もし、75歳になる前から雇用されている場合は、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届 厚生年金保険70歳以上被用者不該当届」を提出し、健康保険に加入していたときの健康保険被保険者証および高齢受給者証を事業者が回収し、保険者に返却する必要があります。

提出の期限は、資格喪失の日である75歳の誕生日から5日以内です。また、被保険者が資格を喪失した場合には、75歳未満の扶養されている方も同時に被扶養者でなくなるため、従業員が住んでいる市区町村で国民健康保険に加入する手続きが必要となるため注意が必要です。

後期高齢者医療制度に自動加入

75歳以上の方は、健康保険の被保険者資格を喪失した後、自動的に後期高齢者医療制度の被保険者へと移行します。加入は自動的に行われるため、手続きは必要ありません。

後期高齢者医療制度とは、75歳以上の方々を国全体で支える制度です。保険制度の運営で必要となる財源の半分を公費で負担し、4割を健康保険に加入している現役世代からの支援金で負担、残りの1割を被保険者が保険料として納めています。後期高齢者医療制度は、各都道府県の区域ごとにある広域連合によって運営されており、すべての市区町村がその都道府県ごとに設置された広域連合に加入しています。

後期高齢者医療制度の被保険証は、誕生月の前月頃、運営元となる市町村より本人に送付されます。

参考:後期高齢者医療制度について|厚生労働省

退職後、健康保険の任意継続被保険者だった場合も同様

退職後、健康保険の任意継続被保険者だった方も、同様に健康保険の被保険者資格を喪失し、後期高齢者医療制度に移行することとなります。

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75歳以上の被扶養者の社会保険手続きは?

健康保険に加入している被保険者に被扶養者の要件を満たす家族がいれば、被扶養者として健康保険の給付を受けることが可能です。しかし、被保険者自身が75歳になると健康保険の資格を失い、後期高齢者医療制度に移行するため、たとえ被扶養者が75歳未満だったとしても健康保険の被扶養者の資格を喪失します。

健康保険の被扶養者資格を失う

75歳未満であるにもかかわらず、健康保険の被扶養者資格を喪失するのは、その方を扶養していた被保険者が資格を喪失するためです。被扶養者資格を喪失した家族は、なんらかの健康保険に加入する必要があります。

国民健康保険に加入

被扶養者である方が、どこからも雇用されていない場合、選択肢としては国民健康保険の加入が考えられます。また、被扶養者自身が企業に雇用されることで、勤務先の健康保険や健康保険組合に加入することも可能です。この場合、75歳以上の家族は後期高齢者医療制度に加入しているため、被扶養者にすることができないことに注意しましょう。

国民健康保険の加入手続きは、住んでいる市区町村の役所で被扶養者ではなくなった日から14日以内に行います。手続きにあたっては、健康保険の資格喪失証明書など健康保険の資格を喪失した日がわかる書類が必要です。世帯主と本人のマイナンバーが確認できるものや本人確認書類も必要となりますので、あらかじめ必要書類を確認してから手続きをしましょう。

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75歳以上の被扶養者は社会保険料を軽減できる?

健康保険に加入していた被保険者が75歳以上となり、後期高齢者医療制度に移行し、その被扶養者が国民健康保険に加入する場合、被扶養者が65歳以上75歳未満の場合は、保険料の軽減措置が受けられます。

この保険料の軽減措置は、75歳になるまでです。被扶養者であった方が75歳以上となった場合には、後期高齢者医療制度に移行しますので軽減措置はなくなります。

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75歳となった人の被扶養者の社会保険手続きに注意する

健康保険の被保険者が75歳以上になり後期高齢者医療制度に移行すると、その方の被扶養者は、同時に健康保険の被扶養者資格を喪失するため、なんらかの健康保険に加入しなければいけません。

被扶養者本人が働いている場合には、勤務時間を長くしてもらうなどして、勤め先の健康保険に加入するのも1つの方法です。無職や自営業であれば、国民健康保険に加入します。被扶養者だった方が60歳未満の場合には、国民健康保険だけではなく、国民年金に加入しなければいけないことも覚えておきましょう。

被扶養者の方が65歳以上75歳未満のあいだは、保険料の軽減措置が受けられるため、お住まいの市区町村で事前に確認してから手続きをしましょう。

よくある質問

75歳以上の社会保険手続きは?

75歳の誕生日に健康保険の被保険者資格を喪失し、自動的に後期高齢者医療制度に移行するため、会社を通じて「被保険者資格喪失届」を提出し、それまでの被保険者証を返納する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。

被扶養者は社会保険料を軽減できる?

健康保険の被保険者が後期高齢者医療制度に移行した場合、それまで被扶養者だった方も被扶養者ではなくなるため、国民健康保険等に加入します。被扶養者が65歳以上75歳未満であれば保険料の軽減措置があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加治 直樹(経営労務コンサルタント)

銀行に20年以上勤務し、融資融資から資産運用、年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタント。退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は行政で企業及び労働者の労働相談業務を行いながら、セミナー講師など幅広く活動中。

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