- 更新日 : 2026年3月31日
厚生年金の保険料は一括払い・前納ができる?
厚生年金保険料は毎月支払う必要があり、数ヵ月分をまとめて支払う一括納付は認められていません。厚生年金の一括適用とは、社会保険の被保険者資格に関する各種手続きや保険料納付などを本社でまとめて行うことです。国民年金保険料は前納制度があり、定められた月数分の保険料を一括払いしておくことができます。
目次
厚生年金の保険料は一括払い・前納ができない
厚生年金保険料は健康保険料と併せて、日本年金機構が徴収しています。企業は従業員の給料から従業員負担分の厚生年金保険料を天引きし、事業主負担分と合わせて納付しなければなりません。納付期限は翌月末日です。
納付する厚生年金保険料は、日本年金機構から送付される「保険料納入告知額通知書」または「保険料納入告知書」に記載されている金額です。事業主から提出された被保険者の資格取得・喪失や標準報酬月額、賞与支払等の変動に関する届出内容に基づく金額で、口座振替・金融機関窓口での納付・電子納付のいずれかの方法で納付します。
一括払いや前納ができない理由
厚生年金保険料は口座振替・金融機関窓口払い・電子納付のいずれかによって毎月支払わなければならず、一括払いや前納はできません。
入社や退社による被保険者資格取得・被保険者資格喪失があると被保険者の人数が変わり、厚生年金保険料も変更されるためです。また、厚生年金保険料の金額は随時改定によっても変わります。企業は納入告知書に記載された金額を納付する必要があるため、一括払いや前納が認められていないのです。
厚生年金の一括適用は一括払いではない
厚生年金の一括適用とは、本来は事業所単位とする厚生年金の取り扱いを本社でまとめて行う制度のことで、厚生年金保険料の一括払いのことではありません。厚生年金は事業所単位で取り扱われるため、本社・本店と別の場所にある支社や支店、営業所などは違う事業所として取り扱う必要があります。それぞれにおいて厚生年金事務手続きを行うのが困難な場合に認められるのが、一括適用です。本社・本店でまとめて厚生年金事務手続きを行うことができ、各事業所をまたぐ人事異動が発生した際も厚生年金被保険者資格の喪失・取得の手続きが不要になります。
厚生年金の一括適用が行われると、保険料も本社でまとめて納付することができます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
社会保険・労働保険の手続きガイド ‐入社・退職・異動編‐
入社や退職に伴う社会保険の手続きは多岐にわたり、ミスが許されません。特に厚生年金や健康保険は従業員の将来の給付や医療に直結するため、正確な処理が求められます。
手続きの不備でトラブルになる前に、本資料で社会保険・労働保険の正しい手順や必要書類を確認しておきませんか?
社会保険・労働保険の実務完全ガイド
これ1冊でしっかり網羅!社会保険および労働保険は、従業員の生活上・労働上のリスクに備えるための公的保険制度です。
本資料では社会保険・労働保険で発生する各種手続き方法を、入社・退職時や妊娠・出産時などのシーン別にまとめました。
健康保険・厚生年金保険 実務ハンドブック
健康保険・厚生年金保険の基本ルールをはじめ、手続きの仕方やよくあるミスへの対処方法について解説した実用的なガイドです。
年間業務スケジュール一覧も掲載しているので、ぜひご活用ください。
社会保険の手続きでよくあるミス 対処方法と防止策10選
社会保険の手続きは、ひとたびミスが生じると適切な対処方法がわからず対応に苦慮するケースが多いものです。
本資料では社会保険手続きでよくあるミスをシーン別に取り上げ、対処方法をステップにわけて解説しています。
国民年金保険料は前納が可能
厚生年金保険料とは異なり、国民年金保険料には前納制度があります。国民年金保険料を前納するメリットや、どのぐらい前納できるかを知っておくと、厚生年金保険料との違いを理解しやすくなります。
前納のメリット
前納によって納付忘れを防止したり、支払いにかかる手間・時間をなくしたりすることができます。また、一定期間の保険料を前納すると、割引を受けられる場合もあります。国民年金保険料の前納にも割引制度があり、定められた期間分の前納を行うと支払う保険料を抑えることができます。
前納は何年分できる?
国民年金保険料は、最長で2年度分まで前納することができます。6ヵ月分、1年度分、2年度分から前納期間を選ぶことができ、前納額は以下のとおりです。
国民年期保険料前納額(令和4年度)
| 支払方法 | 6ヵ月分 | 1年度分 | 2年度分 |
|---|---|---|---|
| 現金・クレジットカード | 9万8,730円 | 19万5,550円 | 38万2,780円 |
| 口座振替 | 9万8,410円 | 19万4,910円 | 38万1,530円 |
厚生年金保険料の納付は忘れないように注意しよう
厚生年金保険料は、一括払いや前納ができません。毎月送付される納入告知書で都度納付する必要があります。厚生年金保険料は、月末日までに前月分を支払います。納入告知書は毎月20日前後に届くため、忙しい月末に忘れないように注意しましょう。
厚生年金保険料の支払い方法は、口座振替・金融機関窓口での納付・電子納付の3つです。口座振替を利用するなどして、期限までに厚生年金保険料を納付しましょう。
よくある質問
厚生年金の保険料は、一括払いや前納はできますか?
厚生年金保険料は一括払いや前納はできないため、毎月納付する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
厚生年金の保険料は、なぜ一括払いができないのですか?
被保険者資格の取得・喪失や標準報酬月額の変更などによって、支払う厚生年金保険料が変わるためです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 社会保険業務
労働保険料の納付のしかたをわかりやすく解説
労働保険料は、今年度の保険料を概算で申告・納付すると同時に、昨年度に概算で申告した概算保険料と実際に支払った賃金額から計算した確定保険料との差額の清算を行う「年度更新」と呼ばれる複…
詳しくみる -
# 社会保険業務
従業員が退職したら何をすべき?社会保険手続きや必要書類の書き方まとめ
従業員の退職が決まったら、人事がするべき手続きが数多くあります。なかでも健康保険や厚生年金保険、雇用保険などの社会保険は、手続きの期限が決まっているため、迅速に必要書類を提出しなけ…
詳しくみる -
# 社会保険業務
確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表とは?記入例を解説
労働保険の年度更新の時期(毎年6月1日~7月10日) になると、「労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書」(様式第6号)の作成が必要になります。しかし、その申告書に正しい金額を記…
詳しくみる -
# 社会保険業務
【社保⇔国保】転職・退職時の切り替え手続きガイド!金額や期限を解説
会社を退職後、再就職までに1日でも空白期間ができる場合は、原則として社会保険の切り替えが必要です。 その際の選択肢としては、「国民健康保険への切り替え」「健康保険の任意継続」「配偶…
詳しくみる -
# 社会保険業務
企業年金は3種類!厚生年金基金・確定給付企業年金・確定拠出年金の違いと特徴を解説
退職時または60歳以降に受け取ることができる給付に企業年金があります。企業年金は、3階建ての年金の3階部分(1階部分の「基礎年金」、2階部分の「被用者年金」)を担っている年金制度で…
詳しくみる -
# 社会保険業務
労災6号様式とは?書き方や病院や薬局への提出方法、5号との違いをわかりやすく解説【テンプレート付き】
労災(労災保険)でケガをした社員が治療途中で病院を変えるとき、この6号様式が必要になります。この記事では労災6号様式とは何か、どんな場合に使うのかから、入手方法、誰が書くか、書き方…
詳しくみる




