• 作成日 : 2022年12月9日

厚生年金の保険料は一括払い・前納ができる?

厚生年金の保険料は一括払い・前納ができる?

厚生年金保険料は毎月支払う必要があり、数ヵ月分をまとめて支払う一括納付は認められていません。厚生年金の一括適用とは、社会保険の被保険者資格に関する各種手続きや保険料納付などを本社でまとめて行うことです。国民年金保険料は前納制度があり、定められた月数分の保険料を一括払いしておくことができます。

厚生年金の保険料は一括払い・前納ができない

厚生年金保険料は健康保険料と併せて、日本年金機構が徴収しています。企業は従業員の給料から従業員負担分の厚生年金保険料を天引きし、事業主負担分と合わせて納付しなければなりません。納付期限は翌月末日です。

納付する厚生年金保険料は、日本年金機構から送付される「保険料納入告知額通知書」または「保険料納入告知書」に記載されている金額です。事業主から提出された被保険者の資格取得・喪失や標準報酬月額、賞与支払等の変動に関する届出内容に基づく金額で、口座振替・金融機関窓口での納付・電子納付のいずれかの方法で納付します。

一括払いや前納ができない理由

厚生年金保険料は口座振替・金融機関窓口払い・電子納付のいずれかによって毎月支払わなければならず、一括払いや前納はできません。

入社や退社による被保険者資格取得・被保険者資格喪失があると被保険者の人数が変わり、厚生年金保険料も変更されるためです。また、厚生年金保険料の金額は随時改定によっても変わります。企業は納入告知書に記載された金額を納付する必要があるため、一括払いや前納が認められていないのです。

厚生年金の一括適用は一括払いではない

厚生年金の一括適用とは、本来は事業所単位とする厚生年金の取り扱いを本社でまとめて行う制度のことで、厚生年金保険料の一括払いのことではありません。厚生年金は事業所単位で取り扱われるため、本社・本店と別の場所にある支社や支店、営業所などは違う事業所として取り扱う必要があります。それぞれにおいて厚生年金事務手続きを行うのが困難な場合に認められるのが、一括適用です。本社・本店でまとめて厚生年金事務手続きを行うことができ、各事業所をまたぐ人事異動が発生した際も厚生年金被保険者資格の喪失・取得の手続きが不要になります。

厚生年金の一括適用が行われると、保険料も本社でまとめて納付することができます。

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国民年金保険料は前納が可能

厚生年金保険料とは異なり、国民年金保険料には前納制度があります。国民年金保険料を前納するメリットや、どのぐらい前納できるかを知っておくと、厚生年金保険料との違いを理解しやすくなります。

前納のメリット

前納によって納付忘れを防止したり、支払いにかかる手間・時間をなくしたりすることができます。また、一定期間の保険料を前納すると、割引を受けられる場合もあります。国民年金保険料の前納にも割引制度があり、定められた期間分の前納を行うと支払う保険料を抑えることができます。

前納は何年分できる?

国民年金保険料は、最長で2年度分まで前納することができます。6ヵ月分、1年度分、2年度分から前納期間を選ぶことができ、前納額は以下のとおりです。

国民年期保険料前納額(令和4年度)

支払方法6ヵ月分1年度分2年度分
現金・クレジットカード9万8,730円19万5,550円38万2,780円
口座振替9万8,410円19万4,910円38万1,530円

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厚生年金保険料の納付は忘れないように注意しよう

厚生年金保険料は、一括払いや前納ができません。毎月送付される納入告知書で都度納付する必要があります。厚生年金保険料は、月末日までに前月分を支払います。納入告知書は毎月20日前後に届くため、忙しい月末に忘れないように注意しましょう。

厚生年金保険料の支払い方法は、口座振替・金融機関窓口での納付・電子納付の3つです。口座振替を利用するなどして、期限までに厚生年金保険料を納付しましょう。

よくある質問

厚生年金の保険料は、一括払いや前納はできますか?

厚生年金保険料は一括払いや前納はできないため、毎月納付する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。

厚生年金の保険料は、なぜ一括払いができないのですか?

被保険者資格の取得・喪失や標準報酬月額の変更などによって、支払う厚生年金保険料が変わるためです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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