• 更新日 : 2023年9月12日

面接評価シートとは?チェックシートの作成例やポイントを解説

面接評価シートとは?チェックシートの作成例やポイントを解説

面接評価シートとは、面接における評価項目と評価基準を明確化するために用いられるシートです。面接で聞くべきことや評価のポイントが明確になるため、面接官による評価のずれが少なくなるという利点があります。面接評価シートは、客観的な評価を実現するための重要なシートです。当記事では、面接評価シートの概要と作成例などを紹介します。

面接評価シートとは

面接評価シートとは、採用面接などの際に何を評価すべきかという「評価項目」や、どのように評価すべきかという「評価基準」を明確化するという目的で作成されるシートです。

評価項目と評価基準をあらかじめ定めておくことで、何をどのように評価すべきかが明確になり、面接官による評価のずれが少なくなるという利点があります。

面接官がそれぞれ主観で評価を行うと評価軸がばらばらになってしまいますが、面接評価シートで評価項目・評価基準を明確にしておくことで、会社として一貫性のある評価が可能です。さらに、作成した面接評価シートを面接官同士で共有することで、より客観的で公平・公正な面接評価が可能となります。

面接評価シートを利用するメリット・デメリット

客観的な評価が可能となる面接評価シートですが、一定のデメリットも存在します。しかし、あらかじめデメリットを認識し、正しく運用することで公平・公正な採用面接が可能となるでしょう。ここでは、面接評価シートのメリット・デメリットを紹介します。デメリットを解消する方法もあわせて紹介するので、参考にしてください。

面接評価シートのメリット

面接評価シートのメリットは下記の通りです。

  • 会社として一貫性のある評価ができる
  • 面接官に依らない客観的な評価ができる
  • 聞くべきことが明確でスムーズに面接を進行できる
  • 求職者の特性や人柄が可視化され社内で共有しやすい

まず、面接評価シートに基づき面接を行うことで、会社として一貫性のある評価が行えます。面接官全員が同じ評価項目に基づき質問を行い、同じ評価基準に基づき評価を行うことで、客観的な面接評価が実現可能です。新卒採用などで多数の応募者に対し同時並行で面接を行うような場面であっても、主観を排除し公平・公正に評価を行うことができます。

また、面接評価シートでは面接で聞くべきことが評価項目という形で明確化されるため、面接をスムーズに進行することができます。経験の浅い社員が面接官を担当しても、精度の高い面接を行うことができるでしょう。評価項目の数によってある程度面接時間が把握できるため、新卒採用などで一度に多くの面接を行う際などには特に有効です。

さらに、面接評価シートによって求職者の特性や人柄が可視化されるため、社内で共有しやすいというメリットもあります。複数回の面接を行う場合は、面接評価シートの内容をふまえて、次回の面接で聞くべきことを事前に検討することができます。新卒採用の場合は、次年度以降の参考にすることも可能です。

面接評価シートのデメリット

一方、面接評価シートのデメリットは下記の通りです。

  • 求職者の潜在的な能力やスキルが評価し難い
  • 評価項目以外の魅力を引き出し難い

面接評価シートに基づく面接では、評価項目に従って質問を行い、面接を進行するのが一般的です。画一的な評価項目が多くなり、求職者の潜在的な能力やスキルまで深掘りできない傾向があります。加えて、面接官は評価項目に基づく質問を行い、回答を得ることに注力するため、評価項目以外の魅力を引き出すのは難しいかもしれません。

これらのデメリットは解消するには、面接評価シートの評価項目を画一的なものではなく、会社が求める人物像を反映したものにしてください。さらに、面接官は全員、会社で活躍しうる人材を見抜くという意識をしっかりと持たなければなりません。ポテンシャルなど定量評価が難しい場合は、特記事項などで定性評価を行うとよいでしょう。

面接評価シートはあくまで補助的なもので、シートの内容を埋めることが目的ではありません。採用面接では面接評価シートを活用しつつ、求職者との対話を大切にしてください。

面接評価シートの項目例・チェックポイント

面接評価シートは、採用面接の際のチェックシートとして非常に有用なものです。ここでは、面接評価シートの一般的な評価項目を紹介します。評価項目を事前に定めておけば、応募した求職者に対しどのような項目をチェックすればよいか明確になるでしょう。こちらで例示した内容を元に、求める人物像に合わせて会社ごとに適宜調整してください。

面接評価シートの項目例・チェックポイント

評価項目チェックポイント
マナー・身だしなみ清潔感があるか、礼儀正しいか
理解度質問の意図を理解して回答しているか
簡潔さ簡潔に要点をまとめて回答しているか
話し方・声の大きさはきはきと話ができているか
やる気・熱意やる気や熱意は感じられるか
冷静さ物おじせずに落ち着きはあるか
積極性前向きな姿勢が伺えるか
協調性自己中心的ではなくチームプレーができそうか

評価基準は、1~5の5段階制などで数値化するなど、定量評価が基本です。定量評価の難しい潜在的なスキル等については、特記事項欄などで定性評価をしてください。採用の確度が高い求職者については、次回の面接に向けて申し送り事項などを記載しましょう。

面接評価シートの運用時のポイント

面接評価シートは、正しく運用できれば客観的な評価が可能となる非常に有用なものです。ここでは、面接評価シートを正しく運用するための4つのポイントを解説します。面接評価シートはポイントさえ押さえて運用すれば採用面接の強い味方となるため、こちらで運用時のポイントを確認しておきましょう。

評価項目の数は必要最低限にする

まず、面接評価シートの評価項目は必要最低限にしましょう。面接評価シートは面接をスムーズに進行するための補助的なもので、シートを埋めるのが目的ではありません。多すぎる評価項目は面接官の負担となり、求職者の潜在的な能力やスキルを深掘りする時間を奪う結果となるでしょう。

面接評価シートの評価項目は客観的な評価を行う上で非常に重要なものですが、面接評価シートだけにとらわれることなく、求職者との対話を重視してください。

なお、求める人物像を反映した結果、評価項目が多くなってしまった場合は、面接を複数回に分けて実施するのも一つの方法です。例えば、一次面接では経験・スキルと志望度について確認し、二次面接ではパーソナリティーに関する評価項目に絞って面接を行うなどが考えられます。

評価項目に優先順位をつける

面接評価シートの評価項目は、会社が求める人物像を反映した上で、評価項目の優先順位をつけておくことも重要です。例えば、経験やスキルを重視する場合は、スキルに関する評価項目を優先して確認する必要があります。積極的な人材を採用したい場合は、パーソナリティーに関して深掘りして確認すべきでしょう。

逆説的ですが、評価項目の優先順位を確認すれば、どのような人材を求めているか分かることがベストです。なお、評価項目の優先順位、すなわち求める人物像は、経営陣の意向・現場の意向・人事部門の意向を総合的に判断して設定してください。

求める人物像を反映して評価項目の優先順位をつけられれば、精度の高い採用活動が行えます。設定した優先順位は面接官全員で共有し、足並みをそろえて採用面接を行いましょう。

新卒・中途採用など判断材料が異なる場合は追記やシートを分ける

新卒採用と中途採用では重視するポイントが異なるため、面接評価シートも個別に作成すべきです。新卒採用の場合は社会人経験がないため、ポテンシャルやパーソナリティーを重視した採用活動にならざるを得ません。一方、中途採用の場合は社会人経験が伴うため、前職での経験やスキルなどを重視した採用が可能です。

新卒採用で用いる面接評価シートは、パーソナリティーや志望度などに関する評価項目を多めに設けて、優先順位を高く設定しておくとよいでしょう。中途採用や経験者採用では、経験・スキルに関する評価項目の優先順位を高く設定し、深掘りして確認すべきです。

このように、新卒採用・中途採用などで判断材料が異なる場合は、個別に面接評価シートを作成し、評価項目の優先順位を設定してください。会社が一貫して重視する項目については共通項目とし、新卒採用・中途採用に固有の項目はそれぞれ追記するのも一つの方法です。

定期的に評価シートの項目を見直す

面接評価シートの評価項目は、定期的に見直しましょう。会社の経営方針が変われば、求める人材も変わります。評価項目は会社が求める人物像を反映した重要なものなので、会社の方針に合わせて適宜見直しが必要です。

例えば、即戦力を求めているのであれば経験・スキルに関する評価項目に重み付けすべきですし、ポテンシャル採用であればパーソナリティーに関する評価項目を優先すべきでしょう。また、新卒採用の場合は、前年度の結果をふまえて面接評価シートをブラッシュアップすることも重要です。内定辞退や早期離職が多い場合は、志望度に関する評価項目を優先して確認すべきです。

このように、面接評価シートの評価項目は、会社の方針や採用活動の種類によって異なります。作成したら終わりではなく、常に内容を見直し、ブラッシュアップするように心がけましょう。

面接評価シートのテンプレート

面接評価シートのテンプレートは、以下リンクからダウンロードできます。

無料で、利用制限もなく自由にご利用いただけます。ぜひご活用ください。

面接評価シートを活用し公平・公正な採用活動を行おう!

今回は面接評価シートについて解説しました。面接評価シートとは、採用面接を行う際に評価項目と評価基準を明確化するためのシートです。面接評価シートを用いることで何をどのように評価すべきかが明確になるため、面接官による評価のずれが少なくなるという利点があります。

評価項目には、マナーや身だしなみから、やる気、積極性、協調性などを設定するのが一般的です。評価項目は会社が求める人物像を表す重要なものなので、優先順位を設けて客観的にチェックするようにしましょう。

面接評価シートは、会社として一貫性のある評価を行うための重要なシートです。面接評価シートを活用して公平・公正な採用活動を行いましょう。

よくある質問

面接評価シートとは何ですか?

採用面接を行う際に評価項目と評価基準を明確化するためのシートです。面接評価シートを用いることで何をどのように評価すべきかが明確になるため、面接官による評価のずれが少なくなるという利点があります。詳しくはこちらをご覧ください。

面接評価シートに入れる項目やチェックポイントを教えてください。

マナーや身だしなみから、やる気、積極性、協調性などを設定するのが一般的です。評価項目は会社が求める人物像を表す重要なものなので、優先順位を設けて客観的にチェックするようにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談していただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事