- 更新日 : 2023年5月12日
復命書の意味とは?研修や出張で作成する際の書き方や例文も解説

あまり馴染みがありませんが、官公庁などの行政機関では復命書という文書を作成することがあります。民間でも、歴史がある企業では作成・利用しているかもしれません。
今回は、復命書の概要や書き方などについて解説します。
目次
復命書とは
そもそも、「復命書」とはどのような文書なのでしょうか。一般のビジネスシーンでも、聞いたことがないという方は多いでしょう。
復命書の意味と目的
「復命」とは命令により処理したことの始末を報告することで、復命書はそのための文書です。
つまり、組織から構成員に下すのではなく、構成員から命令者である組織に対して上げる文書ということです。
例えば、官公庁で職員が特定の目的のために出張調査を命じられた場合、出張調査の後でその内容を詳細に報告する義務があります。その際、復命書を提出するのが一般的です。
労働基準監督署などでは、労災事故が加害者である第三者に起因するような場合は第三者行為災害として扱いますが、その際に被災労働者と加害者との過失割合の認定が必要です。
担当職員は案件について調査し、過失割合を算定した上で保険給付の可否について復命書を作成し、提出します。
いずれの場合も、復命書とともに調査に関する詳細な資料などを添付することになります。
復命書と報告書の違い
民間企業において業務命令で出張した場合は、報告書という形式で文書を提出するのが一般的です。
官公庁などの行政機関では戦前から復命書という名称を使っていましたが、報告書との相違はあまりないでしょう。
国公立大学などでも、教員が研究調査のために出張した場合は復命書の作成を義務付けていますが、文書のタイトルは「報告書」とするケースもあります。
復命書の書き方
民間企業における出張では報告書を作成するが一般的ですが、復命書の場合はどのような書き方になるのでしょうか。
復命書の記載項目
文書名が復命書であっても、記載する内容は報告書と同様と考えてよいでしょう。記載事項の例は、以下のとおりです。
② 報告年月日
③ 復命先
④ 復命者氏名
⑤ 本文
本文の内容は、一般的な報告書と同じです。
特徴は、本文の冒頭に「次の通り、復命します。」の一文があることです。
復命書の例文
参考として、研修の際の復命書の例文をフォーマットとともに紹介します。
復命書のテンプレート・ひな型
復命書については、今すぐ実務で使用できる、復命書のテンプレート(ワード)を無料でダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。
ケース別の復命書のポイント
一般的な研修や出張の他、公務員や介護研修の場合の復命書のポイントを見てみましょう。
研修の場合の復命書
研修の場合の復命書の文例は前述のとおりで、必須の記載事項は研修名、研修講師、研修内容、所感です。
研修で使用されたレジュメなどの資料を添付して、提出します。
出張の場合の復命書
出張の場合の復命書には、出張の目的や内容、成果などを記載します。複数の場所で職務を行った場合は、それらを時系列順に箇条書きでまとめるとよいでしょう。
公務員の場合の復命書
公務員の場合、復命書の提出は日常的に行われます。所定の書式があるのが一般的です。
記載方法もその官公庁や行政機関において一定のルールがあり、慣例が重視されます。初めて書く場合は、過去の復命書の書き方を踏襲するとよいでしょう。
介護の場合の復命書
介護業界で働いている場合は、外部の介護研修を受講することがあります。
介護研修は座学ではなく実習やグループワークが中心となるため、復命書にはそれらの内容を具体的に記載します。
座学と異なり、実習やグループワークを行いながらノートに書くことはできないため、メモ帳を用意してポイントをメモしておくとよいでしょう。
復命書の意味、書き方を知っておこう!
復命書の概要や書き方などについて解説しました。基本的に、復命書は民間企業における報告書と同じです。
ただし公務員が初めて復命書を書く場合は、職場の慣例に注意しましょう。
よくある質問
復命書とは何ですか?
構成員から命令者である組織に対して上げる文書です。詳しくはこちらをご覧ください。
復命書の書き方のポイントを教えてください。
詳出張や研修など、復命の目的によって書くポイントは多少異なります。こちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。