• 更新日 : 2026年10月5日

源泉徴収票にマイナンバー記載は必要?提出義務・本人確認書類・提出拒否時の対応を解説

Point源泉徴収票にマイナンバーは必要?

源泉徴収票は税務署・市区町村への提出分にのみマイナンバーの記載が必要で、従業員への交付分には記載しません。

  • 提出先により記載要否が異なる
  • 収集時は番号確認と本人確認が必須
  • 拒否された場合も経緯を記録し再依頼

Q. 従業員本人に渡す源泉徴収票にもマイナンバーを書く必要がある?

A. 不要です。法令改正により、従業員への交付分にはマイナンバーを記載しないことが定められています。

マイナンバー(個人番号)は、行政手続きで個人を識別するための番号です。確定申告や年金関連の手続きで利用されますが、源泉徴収票への記載が必要になる場面もあります。本記事では、源泉徴収票の概要とマイナンバー記載の要否、従業員から番号を提出してもらうまでの流れ、提出を拒否された場合の対処法までを解説します。

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源泉徴収票とは?

源泉徴収票とは、1年間の給与支払額や納付税額、各種控除額などをまとめた書類のことです。企業が作成する源泉徴収票は、従業員に交付する1枚だけではありません。

概要・目的

源泉徴収票は、年末調整の後に作成され、税務署への提出と従業員への交付の両方が行われます。通常は年末調整後に作成されますが、年度途中で退職した従業員がいる場合には、その都度発行されます。

源泉徴収票とは別に、企業は同様の内容を記載した給与支払報告書も作成しなければなりません。源泉徴収票が源泉所得税を知らせるための書類であるのに対し、給与支払報告書は市区町村が住民税額を計算するために使う書類です。提出先も異なり、源泉徴収票は所轄税務署へ、給与支払報告書は従業員の居住地である市区町村へ提出します。

記載事項

源泉徴収票には、支払金額や各種控除額など複数の項目が記載されます。主な記載事項は次のとおりです。

  • 種別:従業員なら「給与・賞与」、役員なら「役員報酬」「報酬」など、支払われた報酬の種類
  • 支払金額:1月1日から12月31日までに支払われた給与・賞与・手当等の総額
  • 給与所得控除後の金額:支払金額から給与所得控除額を差し引いた額(年末調整未実施の場合は空欄)
  • 所得控除の額の合計額:社会保険料控除等、適用された所得控除の合計額(年末調整未実施の場合は空欄)
  • 源泉徴収税額:年末調整をした場合は、年末調整後の源泉所得税及び復興特別所得税の合計額。年末調整をしていない場合は、その年中に源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額
  • 控除対象配偶者の有無等/配偶者(特別)控除の額:該当する場合に〇が付き、控除額が記載される
  • 控除対象扶養親族の数:控除対象となる配偶者を除く親族の人数
  • 社会保険料等の金額:給与等から控除した社会保険料、給与所得者の保険料控除申告書に基づいて控除した社会保険料及び小規模企業共済等掛金の合計額
  • 生命保険料・地震保険料の控除額:それぞれの控除適用時の金額
  • 住宅借入金等特別控除の額:住宅借入金等特別控除申告書を提出した従業員が対象
  • 摘要:扶養親族を書き切れなかった場合や、前職の給与を含めて年末調整を行った場合の事項

企業が用意する源泉徴収票・給与支払報告書

企業が作成する源泉徴収票・給与支払報告書の枚数は、税務署への源泉徴収票の提出対象者かどうかによって異なります。税務署への提出が必要な受給者については、源泉徴収票を税務署提出用と従業員交付用として各1枚、給与支払報告書を市区町村提出用として1枚、合計3枚作成します。一方、税務署への提出が不要な受給者については、源泉徴収票を従業員交付用として1枚、給与支払報告書を市区町村提出用として1枚、合計2枚作成します。従業員が紛失し再発行を依頼した場合には、企業が再発行に応じる必要があります。2027年(令和9年)1月1日以後、給与支払報告書を市区町村へ提出した場合、一定の要件を満たすと、その給与支払報告書に記載された給与所得者について、税務署へ給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされる「源泉徴収票のみなし提出の特例」が適用されます。この特例により、給与支払報告書をeLTAXで提出している場合、一定の条件を満たす給与所得者については、税務署へ給与所得の源泉徴収票を別途提出する必要がなくなります。

なお、従業員本人に交付する源泉徴収票については、これまでどおり作成・交付する必要があります。また、税務署への提出が必要な源泉徴収票については、提出範囲や電子提出の義務にも注意が必要です。

電子申告(e-Tax等)による提出義務化の基準引き下げにも注意

源泉徴収票を含む法定調書は、前々年の提出枚数が一定数を超える場合、e-Taxや光ディスク等による電子提出が義務付けられています。この基準は現在「100枚以上」ですが、令和9年(2027年)1月以後に提出する法定調書からは「30枚以上」に引き下げられることが国税庁により決定しています。

判定は法定調書の種類ごとに行われるため、例えば令和7年中に提出した給与所得の源泉徴収票が30枚以上であった企業は、令和9年に提出する源泉徴収票について電子提出が必要になります。対象となる可能性がある企業は、e-Taxの利用者識別番号の取得やクラウドサービスの選定など、早めの準備をおすすめします。

参考:No.7455 法定調書の提出枚数が100枚以上の場合のe-Tax|国税庁

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源泉徴収票にはマイナンバーの記載が必要?

税務署や市区町村へ提出する分にはマイナンバーの記載が必要ですが、従業員本人へ交付する分には記載しません。提出先によって扱いが異なる点に注意してください。

税務署や市区町村への提出分は、マイナンバーの記載が必要

2016年1月1日からマイナンバー制度が導入され、行政手続きの効率化や国民の利便性向上が図られています。これに伴い、源泉徴収票をはじめとする法定調書を提出する場合、提出義務者や報酬の支払先のマイナンバーまたは法人番号を書類に記載することが必要です。そのため、税務署へ提出する源泉徴収票や、市区町村へ提出する給与支払報告書には、入社時等に取得した従業員のマイナンバーの記載が必要です。

従業員本人への交付分は、マイナンバーを記載しない

当初は、従業員へ交付する源泉徴収票にもマイナンバーの記載が求められていました。しかし2015年10月2日の所得税法施行規則等の改正により、現在では従業員へ交付する源泉徴収票にマイナンバーを記載しないこととされています。交付分にマイナンバーを記載してしまうと、郵便事故等による情報流出につながる恐れがあるため、記載しないよう注意しましょう。

源泉徴収票に記載するマイナンバーを提出してもらうまでの流れは?

税務署や市区町村へ提出する源泉徴収票等にはマイナンバーの記載が必要なため、あらかじめ従業員から番号を提出してもらう必要があります。番号確認と本人確認の両方を行う点がポイントです。

入社時にマイナンバーの提出を求める

社会保障や税関連の手続き書類へのマイナンバー記載は、法令で定められた事業主の義務です。事業主はマイナンバー法に基づき、従業員にマイナンバーの提出を求めることができます。番号確認は、マイナンバーカード、マイナンバーが記載された住民票の写し(または住民票記載事項証明書)などで行います。なお、令和2年5月25日の廃止前に交付された通知カードは、記載事項が住民票と一致している場合に限り、引き続き番号確認書類として利用できます。

マイナンバーの提出は、社会保障や税に関する手続き書類の作成が必要になった時点で求めるのが原則です。しかし、雇用契約成立時点で手続き事務の発生が予想される場合は、その時点で提供を求めることも可能です。また、正式な内定通知がなされ、入社に関する誓約書を提出しているなど、確実に雇用されることが予想される内定者については、雇用契約成立前であっても個人番号の提供を求めることができる場合があります。一方、採用面接段階など、雇用されるかどうかが未確定の段階で一律に提供を求めることはできません。

マイナンバーの収集は入社時に限られませんが、社会保障や税関連の手続き、災害対策以外の目的では求められません。目的外の収集とならないよう注意しましょう。

本人確認が必要

マイナンバーの提出を受けるだけでなく、本人確認も必要です。本人確認は、原則として次のいずれかの書類の提示によって行います。

  1. マイナンバーカード
  2. 運転免許証やパスポートなどの顔写真付き身分証明書
  3. 行政機関等から送付された、住所や氏名などがプレ印字されている書類(契約や雇用の成立時に本人確認済みの場合に限定)

なお、3のプレ印字書類とは、税務署から送付された所得税申告書や個人消費税申告書などが該当します。

なお、マイナンバーの通知方法は令和2年5月25日から「通知カード」の送付から「個人番号通知書」の送付に変更されています。既存の通知カードは、記載内容が住民票の情報と一致している場合に限り、引き続き番号確認書類として利用できます。一方、令和2年5月25日以降に送付される個人番号通知書・通知カードのいずれも顔写真がないため、単独では本人確認書類にはなりません。番号確認と本人確認は別の書類の組み合わせで行う必要がある点に注意してください。

上記の書類を従業員が用意できない場合は、以下の身元確認書類のうち2つ以上の提示によって確認することも可能です。

  • 健康保険の資格確認書(令和7年12月2日以降、従来の健康保険証は使用できません)
  • 写真付きでない学生証・社員証、資格証明書
  • 国税や地方税、社会保険料、公共料金などの領収書
  • 印鑑登録証明書
  • 源泉徴収票や支払通知書

雇用契約を締結している場合など、対面での確認により本人に間違いないことが明らかであれば、身元確認書類の提示は不要です。対面だけでなく、マイナンバーカード等の画像データの電子的送信や電子署名によるオンラインでの本人確認、郵送による本人確認も可能です。番号確認についても、対面・郵送・オンラインのいずれの方法でも行えます。自社にとって利便性の高い方法を選択してください。

参考:番号法令、国税庁告示における主な本人確認書類等|国税庁

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以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。

在宅勤務中のルール周知文(ワード)のテンプレート

マイナンバーの提供を拒否された場合の対応は?

マイナンバーの収集は事業主の義務ですが、従業員が拒否した場合に強制的に提出させることはできません。就業規則に提出義務の規定を置いている場合であっても同様です。

マイナンバーの流出による不正利用や目的外利用を警戒し、提出を拒む従業員も存在します。そのような場合でも、安易にマイナンバーの記載のない書類を提出してはなりません。まずは従業員に対し、マイナンバーの記載は法令に基づくものであり、目的外に利用されることはない旨を伝え、再度提出を求めます。マイナンバーを含む個人情報の漏えいや紛失を防止するための適切な措置が講じられていることも併せて説明しましょう。

説得してもなお従業員が提出を拒否する場合もあり得ます。このような場合には、提出を求めた経過を記録・保存し、単純な義務違反ではないことを明確にしておきましょう。どうしても収集できなかった場合は、記載なく税務署での手続きを進めることも可能ですが、その場合でもマイナンバーの必要性を説明し、引き続き提出を求めてください。

マイナポータルで源泉徴収票を発行できる?

マイナポータルから源泉徴収票そのものを発行することはできません。ただし、勤務先から税務署へ提出された源泉徴収票の情報を、確定申告時にマイナポータル経由で自動入力に活用することは可能です。

マイナポータル連携でできること

2024年2月(令和5年分の所得税確定申告)から、国税庁の確定申告書等作成コーナーでマイナンバーカードを利用してe-Taxにより申告する際、マイナポータル連携によって勤務先が税務署へe-Taxで提出した給与所得の源泉徴収票の情報を、確定申告書の該当項目へ自動入力できるようになっています。

この機能は開始後も継続して提供されており、直近では令和7年分の確定申告(2026年2月16日から3月16日までの受付期間)でも利用されています。医療費控除や寄附金控除など、年末調整では対応できない所得控除の適用を受けるために従業員自身が確定申告を行う場合、この連携機能によって源泉徴収票の内容を手入力する手間を省けます。なお、対象となるのは令和5年分以後に提出された源泉徴収票の情報であり、利用には事前にマイナポータルとe-Taxの連携設定を行う必要があります。

参考:給与所得の源泉徴収票は発行できますか。|マイナポータル

源泉徴収票にはマイナンバーの記載を忘れずに

源泉徴収票は所得税に関する情報を通知する重要な書類です。支払い額や控除額を正確に記載することはもちろん、税務署へ提出する源泉徴収票にはマイナンバーの記載も忘れてはいけません。提出を拒否する従業員がいる場合は、記載の必要性を丁寧に説明し、納得のうえでの提出を求めましょう。


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