- 更新日 : 2024年8月29日
チームワークを高めるには?リーダーの役割や失敗例、企業事例
ビジネスシーンにおいては、他のメンバーと共同して業務を進めることも少なくありません。このようにひとりではなく、複数人のチームによる場合には、チームワークが非常に重要です。
当記事では、チームワークのメリットや、高める方法、企業事例などを紹介します。自社におけるチームワーク向上のために、ぜひ役立ててください。
目次
チームワークを高めるメリット
チームワークが高くなると、チームには多くのメリットがもたらされます。具体的なメリットを見ていきましょう。
チームの生産性が上がる
チームワークが高いチームでは、メンバーがお互いを理解しているため、個々のメンバーの特性を活かして作業を進めることが可能です。このことによって、チームワークが低いチームよりも、生産性を高めることができます。
大きな目標が達成できる
チームワークが高いチームでは、ひとりで達成困難な目標を達成できるようになります。チームメンバーがそれぞれ協力し合うことで補い合い、大きな目標であっても、成果を挙げることが可能です。
メンバー同士のフォローが増える
チームワークが高いチームでは、メンバーがミスを犯しても他のメンバーによるフォローが期待できます。また、ミスがない場合であっても、フォローがあることで、より効率的に作業を進めることができるようになります。
意見が対立しても柔軟に対応できる
高いチームワークを持ったチームでは、意見対立によって衝突が起きても、柔軟な対応が可能です。チームワークを高める過程で、メンバー相互間の理解が進んでいるため、妥協点などの落としどころを探ることも容易になるでしょう。
新しいアイデアにつながる
チームワークを高めれば、他のメンバーのフォローが期待できるようになります。他のメンバーがフォローしてくれるため、失敗を恐れることなく、新しいアイデアを実行に移すことができるでしょう。また、メンバーとの協同によって、ひとりでは生まれなかった新しいアイデアの発見にもつながります。
チームワークを高めるポイント
チームワークを高めたいと考えていても、闇雲に行動していたのでは、期待した効果は得られません。ポイントを押さえることが重要です。
ビジョンを設定し共有する
チームとしてのビジョンを設定し、共有することでメンバー一人ひとりが果たすべき役割が見えてきます。「自分にどのような役割が課せられているか」を明確にすることで、チームの方向性も明らかとなり、メンバーもそれぞれが責任のある行動を取れるようになるでしょう。
具体的な目標と課題を設定する
具体的な目標を設定することで、達成を妨げる課題も具体化されます。このことによって、「目標と目標達成のための課題は何か」「目標達成に向けて何をすればよいか」が明らかとなり、チームとしても一貫した行動が取りやすくなります。
メンバーの役割を共有する
チームワークを高めるためには、どのメンバーにどのような役割が課せられているのかをチーム内で共有することも重要です。役割が共有できれば、どのようなフォローが必要か明らかとなるため、効率的なサポートが可能となるでしょう。
円滑なコミュニケーション
チームワークの向上には、メンバー間の相互理解が欠かせません。チーム内のコミュニケーションが円滑に行われていれば、相互理解も自然と進み、チームワークの向上につながります。また、円滑なコミュニケーションが取れていれば、チームの風通しもよくなり、問題が発生しても解決しやすくなります。
多様性を尊重する
現在のビジネスシーンでは、国籍や信条、年齢、性自認、障害の有無などを問わない多様性を尊重したD&Iが重視されています。このことは、チームにおいても変わることはなく、メンバーそれぞれの特性を尊重したチーム作りが求められます。多様性を尊重し、配慮を欠かさなければ、メンバー同士の理解も進み、チームワークも向上するでしょう。
リーダーシップを発揮する
チームとして成果を挙げるためには、メンバーをサポートし、調整を行うリーダーが必要です。強いリーダーシップを持ったメンバーが存在すれば、メンバー間の対立も起こりづらくなり、高いチームワークをもって作業にあたることが可能となります。
チームワークを高めるためのリーダーの役割
リーダーはチーム内において、各メンバーの特性を理解したうえでサポートを行います。また、メンバー間の意見衝突が起きないように調整を行い、衝突が起きた場合には、調停役となって事態の収拾を図ることが必要です。強いリーダーシップを発揮できるリーダーの存在がなければ、チームはまとまることなく空中分解してしまい、チームワークの向上も望めません。
チームがスムーズに作業ができるように関係部署や、経営層と折衝を行うこともチームリーダーの役割です。優秀なリーダーの存在がなければ、チームは機能しなくなってしまうでしょう。
チームワークを高めるための取り組みが失敗する例
チームワークを高めるためには、様々な取り組みを行いますが、ときには失敗してしまうこともあります。失敗事例を知ることで、チームワーク向上につなげましょう。
リーダーシップの不在
リーダーの不在、もしくはリーダーシップに欠けたリーダーの存在は、チームワークを著しく低下させます。リーダーシップが有効に機能していなければ、効率的な作業は望めず、生産性も低下し、メンバー間の衝突も頻繁に起きてしまうでしょう。
目標の不一致
チームワークを高めるためには、同じ目標を共有することが必要です。目標の共有によって、メンバーは同じ方向に進むことができます。目標の共有ができていなければ、メンバーはまとまることなくバラバラに行動してしまい、チームワークも低下してしまいます。
情報共有・コミュニケーション不足
チーム間で作業を進めるための情報を共有しておけば、各々の役割も見えてきます。しかし、情報の共有がなされていなければ、自分が何をすればよいのかわかりません。このような情報共有の不足は、コミュニケーションの不足によっても起こり得るため、チーム内でコミュニケーションを取ることも重要です。
不公平な意思決定
チーム内の意思決定は、公平なものでなければなりません。特定のメンバーによる独断専行や、一部のメンバーにのみ負担が掛かる意思決定では、不公平感から不満が溜まってしまいます。他のメンバーに対する不満があれば、チームワークの向上は望めないでしょう。
チームのサイズ
チームの規模やサイズを見誤っている場合には、チームワークを高めるための施策を実施しても期待通りの効果は得られません。チームの人員や、手掛けるプロジェクトなどから適切なチームのサイズを把握しましょう。
チームワークが悪い場合のデメリット
高いチームワークをもったチームは、効率的に作業を進めることが可能です。では、反対にチームワークが低下した場合には、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。
生産性の低下
チームワークが低い場合には、各メンバーの意思疎通が図れず、各々が勝手な行動を取ってしまいます。このような状態では、チームの生産性向上は望むべくもなく、生産性が低下した状態での作業を強いられることになるでしょう。
モチベーションの低下
チームワークが低下しているチームでは、効率的に作業を進められません。メンバーがモチベーションを維持することは難しく、業務に対して熱意を失ってしまいます。
意見の衝突や関係の悪化
チームワークが低くなると、メンバー同士で意見が衝突しやすくなります。リーダーが機能していない場合も多く、衝突を解決することも難しくなっています。また、衝突を続ければメンバー同士の関係も悪化するでしょう。
チームの風通しが悪くなる
頻繁に意見が対立し、それを収めることができないような状態であれば、チーム全体の空気が悪くなります。関係の悪化したメンバーとのコミュニケーションを拒否したり、一層の衝突を恐れて消極的な行動に終始したりすることも想定できるでしょう。そのような風通しの悪いチームでは、新しいアイデアの発見や、相互のフォローも望めません。
チームワークを高めるゲームの例
チームワークを高めるためには、ゲームの利用が有効な手段です。3つのゲームを紹介します。
ひと言ゲーム
チームメンバーが特定テーマや議題に関したフレーズを使って、そのフレーズに対するメンバーの思考や、感情を表すゲームです。たとえば、「年末年始」というテーマであれば、「解放感」「和気あいあい」といった言葉で表現します。
このゲームの狙いは、参加メンバーが自由に感情を表現できる場を提供して、隠れた考えや課題を明らかにすることです。ゲームの実施によって、より深くメンバーを理解することにつながり、チームワークも向上するでしょう。
メンバーの好きなものを当てるゲーム
メンバー同士が相手の趣味や好み、興味を推測しながら、コミュニケーションを図るゲームです。たとえば、好きな食べ物や、好きな音楽のジャンル、休日の過ごし方などがゲームの対象となるでしょう。
ゲームに参加することで、メンバー同士が積極的に質問を投げ掛け合い、より深く相手のことを知ろうとするようになります。このことは、相手の深い理解だけでなく、同じ趣味の発見といった共感をチーム内に生み出すことにもつながります。
2つの真実、1つの嘘
参加するメンバーが自分の経験や、過去に関する3つのエピソードを発表し、その中に含まれたひとつの嘘を推測するゲームです。たとえば、「去年中国へ旅行した」「高校生時代は野球部だった」「子どもの頃はピアノを習っていた」といった3つのエピソードを発表し、ひとつの嘘を他のメンバーに推測してもらいます。
ゲームの参加者は、お互いに相手の過去や興味を知ることになるため、参加を通じてより親睦を深めることが可能です。親睦が深まれば、コミュニケーションが活性化し、チームワークの向上も図れるでしょう。
企業のチームワークを高める取り組み事例
チームワークの向上は、どの企業にとっても重要です。チームワークを高める取り組みを行う企業事例を紹介するため、導入の参考としてください。
株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントの藤田社長は、インタビューにおいて同社の採用基準を「素直でいいやつ」としています。いかに優秀であっても、チームワークにそぐわない人材は採用しないとしており、同社のチームワーク重視がうかがえます。企業ビジョンにおいても、「能力の高い人材よりも、一緒に働きたい人材を集める」旨を明記しており、チームワークを重視する企業であるといえるでしょう。
参考:藤田晋社長が「一緒に働きたい」と思う社員はどんな人ですか?|NHK
株式会社タニタ
株式会社タニタは、チームワーク向上の取り組みとして、「コミュニケーション活性化サポート」を実施しています。「健康」をテーマにした情報発信を行うことで、従業員間の円滑なコミュニケーションを図ることが狙いです。円滑なコミュニケーション促進によって従業員のチームワーク向上の効果が期待されます。
デグチ工業株式会社
デグチ工業株式会社は、統一されたオーダーユニフォームを取り入れることで、チームワークの向上を図っている企業です。ユニフォームは、従来の建設業のイメージとは異なるスポーティなデザインであるだけでなく、機能性も高くなっています。「チームデグチ」としての一体感を生むことでチームワークを高めるだけなく、社外への安心感を与える材料ともなっています。
チームワークを高めて生産性の向上を
ビジネスはチームとして動くことが多いため、メンバー間のチームワークは非常に重要です。チームワークを欠いたチームは、生産性が低くなるだけでなく、意見の衝突などによって空気も悪くなってしまいます。
そのようなチームでは、メンバーのモチベーション維持も困難となり、最悪の場合には離職という事態にもつながってしまいかねません。当記事で紹介したポイントや、事例を参考とすることで、チームワークの強化に取り組んでください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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