• 作成日 : 2022年10月21日

マイナンバーカードと住基カードの違いは?有効期限後の使用可否も解説

マイナンバーカードと住基カードの違いは?有効期限後の使用可否も解説

身分証明書として利用することができるマイナンバーカードは、政府が積極的に普及を進めていることもあり、国民の取得率は急速に上がっています。

一方、身分証明書としては、住民基本台帳カード(住基カード)がありましたが、発行はすでに終了しています。しかし、運転免許証がないなどの理由でまだ使用している人もいます。本稿では、マイナンバーカードと住基カードの違いについて詳しく解説していきます。

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マイナンバーカードと住基カードの違いは?

マイナンバーカードと住基カードは、ともに身分証明書として利用することができます。電子技術が進んだことによる住基カードの進化型が、マイナンバーカードという認識の方もいるのではないでしょうか。実は、単純にそうではないのです。

マイナンバーカードとは?

マイナンバーカードは、マイナンバー(個人番号)が記載されたICチップ搭載のプラスチック製のカードです。

マイナンバーは、2015年に施行されたマイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)に基づき、同年以降、市町村から住民票を有するすべての人に通知カードによって付与されています。

個人が特定されないように住所地や生年月日などと関係のない12桁の番号であり、原則、一生変わることはありません。

マイナンバーカードを取得するには、通知カードと一体となっている交付申請書で申請する必要があります。しかし、この手続きを済ませていない人が多いことから、政府が掲げる2022年度にほぼすべての国民が取得するという目標に及ばない状況になっています。

そもそも、マイナンバーは何を目的に導入されたのでしょうか。主に次の3つの点が挙げられています。

①国民の利便性の向上

市区町村役場、税務署など複数の行政機関を回って添付書類を入手し、種々の手続きをしていたものを簡素化することで国民の負担を軽減すること。本人が自分の情報を確認したり、行政機関からのさまざまなサービスの情報を受け取れるようにしたりすること。

②行政の効率化

マイナンバーの提示や記載によって、国の行政機関や自治体が管理する同一人の情報を共有し、従来、行われていた照合、転記、入力などの作業を削減すること。

③公平・公正な社会の実現

行政が個人の所得や他の行政サービスの受給状況などを把握し、税や社会保障の負担を不当に免れることや、給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困窮している人にきめ細かな支援をすること。

なお、ICチップに記録される情報は、カード面に記載されている情報(氏名・住所・生年月日・性別・個人番号・本人の写真など)や、公的個人認証の電子証明書などに限定されており、納税や年金などのプライバシー性の高い情報は含まれていません。

住民基本台帳カードとは?

一方の住基カードは、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を導入したことに伴い、国民に交付されたものです。マイナンバーカードと同様、ICチップが搭載されています。様式としては、顔写真付きのものと顔写真がないものの2種類から選択できるようになっていました。

住民基本台帳は、住民基本台帳法で定められた項目(氏名・住所・生年月日・性別など)を世帯別または個人別に記載した住民票を編成した公の帳簿です。

住基ネットは、行政機関などに対する本人確認情報の提供や市町村の区域を越えた住民基本台帳に関する事務の処理を行うため、地方公共団体共同のシステムとしたものであり、その目的は行政の効率化にあります。マイナンバーのように国民の利便性の向上や公平・公正な社会の実現は目的とはされていません。

住基ネットでも、11桁の番号の住民票コードが各人に振り出されていました。しかし、住基ネットの利用範囲は、住民基本台帳法によって制限されており、マイナンバー制度が想定する広範な用途に対応することはできません。そこでマイナンバー法が制定されたという経緯があります。

マイナンバーカードと住基カードの違いは、比較表をご覧いただければよく分かるでしょう。住基ネットの活用範囲をさらに拡大したものが、マイナンバーという位置付けとなります。また、両者の利便性も大きく異なります。

【マイナンバーカードと住基カードの比較表】
マイナンバーカードと住基カードの比較表

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マイナンバーカード交付時に住基カードの返却が必要

マイナンバーを支える情報システムは、住基ネットとまったく別のものではありません。住基ネットで活用していた住民票コードを、基に新たな番号として生成されています。

こうしたことから住基カードは、マイナンバーカードの発行が開始された2015年12月で終了しています。住基カードをお持ちの方は、マイナンバーカードの交付を取得する際、返却することになっています。

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住基カードは有効期限まで使用できる?

運転免許証やパスポートを持っていないなど、身分証明書として住基カードを使用していた方もいます。では、マイナンバーカードをまだ取得していない場合、住基カードが廃止されたことで身分証明書がなくなってしまうのでしょうか。

実は、現在住基カードをお持ちの方は、住基カードの有効期間内であれば、マイナンバーカードを取得するまでは使用することができます。なお、写真付きの住基カードであれば、マイナンバーカードの交付を受ける際に必要な本人確認書類にもなります。

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マイナンバーカードと住基カードの違いを知っておこう!

マイナンバーカードと住基カードの違いについて解説してきました。2つのカードは、身分証明書として利用できる点は共通していますが、その制度の目的、利便性は大きく異なります。また、すでに住基カードはマイナンバーカードの発行が開始された2015年12月で終了し、発行日から10年間という有効期間が過ぎれば使うことができなくなるなど、時代の流れは着実にマイナンバーカードに向かっています。両者の違いとともに、マイナンバーカードの利便性を理解した上で、まだマイナンバーカードを取得していない方は、早めに申請するようにしましょう。

よくある質問

マイナンバーカードと住基カードの違いは?

マイナンバーカードのほうが身分証明書としての利用だけでなく、広範な利便性があります。詳しくはこちらをご覧ください。

住基カードは有効期限まで使用できる?

住基カードの有効期間内であれば、マイナンバーカードを取得するまでは使用することができます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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