- 更新日 : 2026年3月31日
健康保険の被扶養者とは?加入条件や被扶養者(異動)届の書き方も解説!
健康保険に加入する被保険者の親族のうち一定の要件を満たす者は、被扶養者となることができ、収入や同居の条件を満たしている親族が、被扶養者として認められます。被扶養者には、被保険者と同じように健康保険証が交付されます。被扶養者となるには被扶養者(異動)届を事実発生の日から5日以内に届け出る必要があります。
健康保険の被扶養者とは?
健康保険の被扶養者とは、健康保険の被保険者に扶養されている一定の範囲の親族のうち、健康保険の被扶養者要件を満たす者のことをいいます。被扶養者となろうとする者の被保険者との関係、収入、被保険者との居住関係など、定められている要件を満たす場合に被扶養者と認められます。
基本的には、日本国内に住んでいることが必要ですが、学生が海外留学をする場合や、海外に赴任する被保険者に同行する場合などは例外的に海外在住でも健康保険の被扶養者となることができます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
社会保険・労働保険の手続きガイド ‐入社・退職・異動編‐
入社や退職に伴う社会保険の手続きは多岐にわたり、ミスが許されません。特に厚生年金や健康保険は従業員の将来の給付や医療に直結するため、正確な処理が求められます。
手続きの不備でトラブルになる前に、本資料で社会保険・労働保険の正しい手順や必要書類を確認しておきませんか?
社会保険・労働保険の実務完全ガイド
これ1冊でしっかり網羅!社会保険および労働保険は、従業員の生活上・労働上のリスクに備えるための公的保険制度です。
本資料では社会保険・労働保険で発生する各種手続き方法を、入社・退職時や妊娠・出産時などのシーン別にまとめました。
高齢者の社保手続き総まとめ
高齢の従業員を雇い続けるとき、厚生年金・健康保険・介護保険は年齢ごとに区切りが異なり、給与計算ミスの原因になりがちです。
本資料では、保険料徴収の区切りや70歳到達時の届出、社会保険の適用拡大までを早見表とFAQで整理しています。
社会保険の手続きでよくあるミス 対処方法と防止策10選
社会保険の手続きは、ひとたびミスが生じると適切な対処方法がわからず対応に苦慮するケースが多いものです。
本資料では社会保険手続きでよくあるミスをシーン別に取り上げ、対処方法をステップにわけて解説しています。
健康保険の被扶養者となるための条件は?
健康保険の被扶養者となることができるのは、要件を満たしている親族に限られます。被保険者との関係性が一定の範囲内で、収入基準を下回っていなければ、被扶養者とは認められません。
また、基本的に日本国内に住所を有していることが必要ですが、次のような場合には日本国内に生活の基礎を有するとして、海外在住でも被扶養者として認められる場合があります。
- 被保険者の子供が海外に留学する場合
- 海外に赴任する被保険者に家族が同行する場合
被扶養者の範囲
被扶養者になるには、生計維持要件(主として被保険者の収入により生計を維持していること)と同一世帯要件(被保険者と同一世帯であること)の2つがあります。
-
- 生計維持要件だけの親族
イ.被保険者の直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母など)
ロ.配偶者(事実婚を含む)
ハ.子
ニ.孫
ホ.兄弟姉妹
- 生計維持要件だけの親族
- 生計維持要件と同一世帯要件が必要な親族
イ.被保険者の三親等以内の親族(1.に該当する人を除く)
ロ.被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
ハ.ロの配偶者が亡くなったあとにおける父母および子
被扶養者の収入基準
対象と認められる範囲の親族であっても収入基準を下回っていない場合には、被扶養者になることはできません。収入基準は、被保険者と同居している場合と同居していない場合で異なっています。
被保険者と同居している場合
親族が被保険者と同居している場合の収入基準は、以下の通りです。
- 年間の見込み収入額が130万円未満(被扶養者が60歳以上か障害者の場合は180万円未満)
- 収入が被保険者の収入の半分未満
被保険者と同居していない場合
親族が被保険者と同居していない場合の収入基準は、以下の通りです。
- 年間の見込み収入額が130万円未満(被扶養者が60歳以上か障害者の場合は180万円未満)
- 収入が被保険者の仕送り額未満
健康保険の被扶養者となるための手続きは?
健康保険の被扶養者となるためには被扶養者(異動)届の提出が必要です。添付書類の提出も求められます。
被扶養者(異動)届の書き方は?
被扶養者(異動)届の記入例は、以下の通りです。

①~⑪は記入する際、特に気をつける必要があります。
① 事業所整理番号と被保険者整理番号は必ず記入が必要です。
② 会社が被扶養者(異動)届を提出する日付を記入します。
③ 扶養認定を受ける親族について税法上の控除対象配偶者・扶養親族であることを会社が確認している場合に○をつけます。
④ 被保険者と被扶養者のマイナンバーが記入され、会社が続柄を確認している場合に「続柄確認済み」にチェックを入れます。
⑤ 従業員から届があった日付を記入します。
⑥ 被保険者のこれから1年間の収入見込額を記入します。
⑦ 従業員が被扶養者(異動)届を会社に提出する日付を記入します。
⑧ 従業員の被保険者資格取得と同時の場合は被保険者資格取得日を、そうでない場合は実際に被扶養者となった日付を記入します。
⑨ 被扶養者となった理由に○をつけます。
⑩ 実態に○をつけます。
⑪ 配偶者のこれから1年間の収入見込額を、障害年金・遺族年金・失業等給付といった非課税対象のものを含めて記入します。
被扶養者(異動)届の提出先・期限は?
被扶養者(異動)届は、会社が事実発生から5日以内に提出しなければなりません。提出先は、持参する場合は会社を管轄する年金事務所、郵送する場合は年金事務センターです。書類ではなく、電子媒体(CDまたはDVD)を提出して届け出ることもできます。また電子申請の利用も可能です。
被扶養者(異動)届に添付する書類は?
被扶養者(異動)届には、被扶養者としようとする親族について、被扶養者要件を満たしていることを証明する書類を添付する必要があります。以下のような書類が添付書類です。
- 続柄を証明する書類として次のいずれか
- 被扶養者の戸籍謄(抄)本
- 住民票の写し(被保険者が世帯主で、被扶養者と同一世帯の場合に限る)
コピーは不可です。また被保険者と被扶養者の続柄が書面上で確認できなくてはなりません。ただし被保険者と扶養認定を受ける方双方のマイナンバーが届書に記載されていて、上記の書類により扶養認定を受ける方の続柄が届書の記載と相違ないことを確認した旨を事業主が届書に記載していれば添付書類の提出は不要です。
ただし所得税法の規定による控除対象配偶者または扶養親族となっている者については、事業主の証明があれば添付書類は不要です。
健康保険の被扶養者にも健康保険証(被保険者証)は交付される?
被保険者と同じように、健康保険の被扶養者にも健康保険証は交付されます。おのおのが必要な場合に健康保険証が使えるよう、被扶養者の人数の枚数の交付を受けることができます。被保険者が退職などの理由で健康保険から脱退する場合は、被扶養者に交付されていた保険証も返却しなければなりません。
親族を扶養することになった場合は速やかに被扶養者(異動)届を出そう
健康保険被保険者に扶養されている一定の親族は被扶養者となることができます。被扶養者になると自らが健康保険に加入して健康保険料を納付しなくても、被保険者と同じような健康保険給付を受けることが可能です。
健康保険被保険者の配偶者や3親等以内の親族のうち、収入基準を下回っている親族が被扶養者と認められます。配偶者には事実上の配偶者も含まれ、3親等以内の親族には直系の親族だけでなく配偶者も含まれます。収入基準は、被扶養者の収入130万円(60歳以上か障害者の場合は180万円未満)です。
健康保険の被扶養者となるためには、被扶養者(異動)届の提出が必要です。健康保険被扶養者の制度をよく理解し、該当する場合は速やかに届け出ましょう。
よくある質問
健康保険の被扶養者とは?
自らが健康保険の被保険者とならなくても健康保険給付を受けることができる、健康保険被保険者に扶養されている親族です。詳しくはこちらをご覧ください。
健康保険の被扶養者となるための条件は?
一定の被扶養者の範囲に入ることと、収入の基準を満たしていることが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 社会保険業務
厚生年金と国民年金の違い – 差額や切り替え方法
公的年金制度と言われるものには国民年金、厚生年金の2つの制度があります。それぞれ支払う保険料や受給できる額、手続き方法に違いがあります。今回は、この2つの年金制度の違いや国民年金と…
詳しくみる -
# 社会保険業務
扶養内で月8万8千円を超えたらどうなる?社会保険と年収の壁をわかりやすく整理
月8万8千円を超えると扶養はどう変わる? 継続して超える見込みがあれば、健康保険と厚生年金に自分で加入します。 従業員51人以上の企業では年収約106万円が加入の目安となる 残業代…
詳しくみる -
# 社会保険業務
雇用調整助成金とは?令和4年12月以降の特例措置(コロナ特例)についても解説
雇用調整助成金とは、事業主が労働者に支払う休業手当等の一部を助成する制度です。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う特例措置として、助成率と上限額が引き上げられています。期間は令和4…
詳しくみる -
# 社会保険業務
育児休業期間はいつから?取得期間の計算も解説!
育児休業制度を利用している従業員は手厚い支援を受けています。育児休業制度は、育児と仕事を両立できるようにしていく制度ですが、この育児休業はどのくらいの期間を取得できるのでしょうか。…
詳しくみる -
# 社会保険業務
介護保険料は年齢でどう変わる?40歳から65歳以上をシミュレーション
「40歳になったら、給与の手取りが減った気がする」「65歳になったら年金から何か引かれている」。それは、「介護保険料」ではないでしょうか。介護保険料は、将来の介護に備えるための重要…
詳しくみる -
# 社会保険業務
社会保険の適用拡大とは?従業員50人以下はどうなる?2024年10月の変更点を解説
パート・アルバイトなど短時間で働く労働者であっても、労働時間などの要件を満たす場合には健康保険と厚生年金保険への加入義務が生じます。 今回は、パート・アルバイトなどの短時間で働く労…
詳しくみる




