- 更新日 : 2025年6月10日
厚生年金加入者は結婚祝い金をもらえる?申請方法や結婚後の年金について解説!
厚生年金保険に結婚を対象とする給付はありませんが、企業による厚生年金基金には被保険者が結婚した際に支給する祝い金制度が設けられていることがあり、定められた方法で申請すると給付を受けられます。厚生年金被保険者が結婚後も働き続ける場合は、そのまま加入が継続されます。退職して扶養に入る場合は、国民年金第3号被保険者になります。
目次
厚生年金加入者は結婚祝い金をもらえる?
厚生年金保険は、老齢・障害・死亡に対して給付を行う制度です。結婚を支給事由とする給付はないため、被保険者や被保険者であった者が結婚したとしても結婚祝い金は支給されません。
厚生年金加入者の結婚祝い金の申請方法は?
厚生年金保険に結婚祝い金制度はありませんが、厚生年金基金には加入者が結婚すると祝い金を支給するものがあります。厚生年金基金は手厚い保障を行うために、大企業が独自に設立・運営する企業年金です。厚生年金では行わない結婚に対する給付を制度として設けている厚生年金基金もあります。
申請方法も厚生年金基金によって異なるため、手続きを行う際は会社に確認しなければなりません。また、受給には加入期間の条件が設定されているものもあるため、手続き方法と併せて確認しておきましょう。
厚生年金加入者が結婚すると年金の取り扱いが変わる?
結婚祝い金が受け取れるか受け取れないかに関わらず、厚生年金加入者が結婚すると年金の取り扱いが変わることがあります。取り扱いが変更になるケースや必要な手続きには、どのようなものがあるのでしょうか。2つの場合に分けて解説します。
結婚後に退職して扶養に入る場合
結婚を機に勤めをやめると、厚生年金の加入者でなくなります。別の勤め先で働いたり、自営業を始めたりしない場合は配偶者の扶養に入ることができ、国民年金では第2号被保険者から第3号被保険者へ変わります。第2号被保険者の勤務先が「健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)」を提出することによって、第3号被保険者になる手続きが行われます。
- 第1号被保険者に扶養される場合
扶養に入って国民年金第3号被保険者となることができるのは、配偶者が国民年金第2号被保険者である場合、つまり厚生年金に加入している場合です。配偶者が国民年金第1号被保険者(自営業者や農業者など)である場合は、扶養に入って第3号被保険者になることはできません。配偶者と同じ第1号被保険者になるための手続きを、自分で行う必要があります。
結婚後も仕事を続ける場合
結婚しても勤めをやめない場合、厚生年金への加入は継続します。厚生年金被保険者資格の喪失や国民年金被保険者種別の変更はないため、手続きは不要です。ただし、住所や氏名が変わる場合は届出が必要です。仕事上では旧姓を使用する場合も、年金では氏名変更の届出をしなければなりません。
- 届出が不要な場合
マイナンバーと基礎年金番号の紐づけができている場合は、住所変更や氏名変更の届出は不要です。紐づけができているかどうかは、ねんきんネットで確認するか、近くの年金事務所へ問い合わせることで調べられます。ただし、マイナンバーとの紐づけによって年金で住所変更や氏名変更が不要の場合でも、健康保険で届出が必要になる場合があります。
厚生年金加入者の結婚時は必要な届出を忘れないようにしよう
厚生年金保険は老齢・障害・死亡に対して年金や一時金を支給するもので、結婚を支給事由とする給付はありません。そのため、加入者は厚生年金から結婚祝い金を受け取ることはできませんが、厚生年金基金には加入者の結婚に対して祝い金制度を設けているものもあるため、必要な手続き方法と併せて確認しておきましょう。
結婚した厚生年金加入者は、住所や氏名の変更届を提出する必要があります。勤めをやめた場合は、国民年金の手続きが必要になることもあります。行わなければならない手続きや届出を確認し、忘れずに行いましょう。
よくある質問
厚生年金加入者は結婚祝い金をもらえる?
厚生年金保険には結婚を支給事由とする給付はありませんが、厚生年金基金から結婚祝い金をもらえる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。
厚生年金加入者の結婚祝い金の申請方法は?
結婚祝い金制度の有無も含めて厚生年金基金によって異なるため、確認が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
厚生年金の死亡一時金 – 手続きや支給金額について
国民年金に加入し、一定期間保険料を収めていた被保険者が亡くなった際に、遺族は死亡一時金を受け取ることができます。厚生年金加入者が亡くなると遺族厚生年金が支給されますが、条件を満たした場合は死亡一時金も併給が可能です。 この記事では、死亡一時…
詳しくみる従業員が異動(転勤)したら雇用保険の変更はどう行う?手続き方法や電子申請について解説
従業員が異動(転勤)した場合、事業主は14日以内に「雇用保険被保険者転勤届」を管轄のハローワークに提出する必要があります。この手続きは、事業所の所在地が変更になることで、雇用保険の適用事業所が変わるためです。 本記事では、従業員の転勤時の雇…
詳しくみる厚生年金は何年払えばもらえる?受給資格期間について解説!
厚生年金保険は、会社員や公務員が加入し、老齢になったときや障害を負ったとき、遺族に対して年金の給付を行います。老齢厚生年金は、老齢基礎年金と一緒に支払われます。老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金の加入期間が1カ月以上ある場合に、老…
詳しくみる雇用保険被保険者証とは?紛失したときの再発行なども解説!
雇用保険被保険者証とは、雇用保険に加入していることを示す証明書のことです。雇用保険に加入できる条件を満たしている従業員について会社からハローワークに加入の申請を行います。紛失した場合には、従業員が再発行の申請を行います。 本記事では雇用保険…
詳しくみる社会保険と年金の関わり – 厚生年金と同じ?
社会保険における年金は、生活を送るうえでの万が一のリスクに備えるための保険です。厚生年金や国民年金を支払うことで老後だけでなく、就労が困難になってしまった場合も年金受給者としてお金を受け取れます。 この記事では、社会保険における年金の概要や…
詳しくみる健康保険の限度額とは?医療費が高額になった時
健康保険には限度額が定められており、医療費が高額になり自己負担限度額を超えた場合は高額医療費として払い戻しを受けることができます。事前に健康保険限度額適用認定証の交付を受けている場合は、外来受診時や退院時の支払いは自己負担限度額までです。こ…
詳しくみる