- 更新日 : 2024年12月3日
厚生年金加入者は結婚祝い金をもらえる?申請方法や結婚後の年金について解説!
厚生年金保険に結婚を対象とする給付はありませんが、企業による厚生年金基金には被保険者が結婚した際に支給する祝い金制度が設けられていることがあり、定められた方法で申請すると給付を受けられます。厚生年金被保険者が結婚後も働き続ける場合は、そのまま加入が継続されます。退職して扶養に入る場合は、国民年金第3号被保険者になります。
目次
厚生年金加入者は結婚祝い金をもらえる?
厚生年金保険は、老齢・障害・死亡に対して給付を行う制度です。結婚を支給事由とする給付はないため、被保険者や被保険者であった者が結婚したとしても結婚祝い金は支給されません。
厚生年金加入者の結婚祝い金の申請方法は?
厚生年金保険に結婚祝い金制度はありませんが、厚生年金基金には加入者が結婚すると祝い金を支給するものがあります。厚生年金基金は手厚い保障を行うために、大企業が独自に設立・運営する企業年金です。厚生年金では行わない結婚に対する給付を制度として設けている厚生年金基金もあります。
申請方法も厚生年金基金によって異なるため、手続きを行う際は会社に確認しなければなりません。また、受給には加入期間の条件が設定されているものもあるため、手続き方法と併せて確認しておきましょう。
厚生年金加入者が結婚すると年金の取り扱いが変わる?
結婚祝い金が受け取れるか受け取れないかに関わらず、厚生年金加入者が結婚すると年金の取り扱いが変わることがあります。取り扱いが変更になるケースや必要な手続きには、どのようなものがあるのでしょうか。2つの場合に分けて解説します。
結婚後に退職して扶養に入る場合
結婚を機に勤めをやめると、厚生年金の加入者でなくなります。別の勤め先で働いたり、自営業を始めたりしない場合は配偶者の扶養に入ることができ、国民年金では第2号被保険者から第3号被保険者へ変わります。第2号被保険者の勤務先が「健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)」を提出することによって、第3号被保険者になる手続きが行われます。
- 第1号被保険者に扶養される場合
扶養に入って国民年金第3号被保険者となることができるのは、配偶者が国民年金第2号被保険者である場合、つまり厚生年金に加入している場合です。配偶者が国民年金第1号被保険者(自営業者や農業者など)である場合は、扶養に入って第3号被保険者になることはできません。配偶者と同じ第1号被保険者になるための手続きを、自分で行う必要があります。
結婚後も仕事を続ける場合
結婚しても勤めをやめない場合、厚生年金への加入は継続します。厚生年金被保険者資格の喪失や国民年金被保険者種別の変更はないため、手続きは不要です。ただし、住所や氏名が変わる場合は届出が必要です。仕事上では旧姓を使用する場合も、年金では氏名変更の届出をしなければなりません。
- 届出が不要な場合
マイナンバーと基礎年金番号の紐づけができている場合は、住所変更や氏名変更の届出は不要です。紐づけができているかどうかは、ねんきんネットで確認するか、近くの年金事務所へ問い合わせることで調べられます。ただし、マイナンバーとの紐づけによって年金で住所変更や氏名変更が不要の場合でも、健康保険で届出が必要になる場合があります。
厚生年金加入者の結婚時は必要な届出を忘れないようにしよう
厚生年金保険は老齢・障害・死亡に対して年金や一時金を支給するもので、結婚を支給事由とする給付はありません。そのため、加入者は厚生年金から結婚祝い金を受け取ることはできませんが、厚生年金基金には加入者の結婚に対して祝い金制度を設けているものもあるため、必要な手続き方法と併せて確認しておきましょう。
結婚した厚生年金加入者は、住所や氏名の変更届を提出する必要があります。勤めをやめた場合は、国民年金の手続きが必要になることもあります。行わなければならない手続きや届出を確認し、忘れずに行いましょう。
よくある質問
厚生年金加入者は結婚祝い金をもらえる?
厚生年金保険には結婚を支給事由とする給付はありませんが、厚生年金基金から結婚祝い金をもらえる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。
厚生年金加入者の結婚祝い金の申請方法は?
結婚祝い金制度の有無も含めて厚生年金基金によって異なるため、確認が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
予防給付と介護給付の違いは?
予防給付と介護給付は、両方とも介護保険制度の介護サービスの種類の一つです。限度額はあるものの、介護の必要度合いに合わせて、市町村などが提供する介護サービスを自己負担1割〜3割で利用することができます。ここでは、利用できるサービスの違いや月額…
詳しくみる在職老齢年金とは?手続きの有無や計算方法を解説
会社員等は老齢厚生年金を受けられる年齢になっても在職している場合は、年金を受給しながら厚生年金保険に加入し続けることができます。 ただし、収入によっては年金額が支給停止されてしまう場合があるのです。これを「在職老齢年金」と言います。 今回は…
詳しくみる失業給付金の条件は?金額や期間、回数、再就職手当を解説
失業給付金の受給条件は、雇用保険加入、失業状態、被保険者期間が12ヶ月以上の3点です。受給額や期間は退職理由で異なり、再就職手当もあります。受給中のアルバイトは申告必須で、年齢や再就職によって受給条件が変わることに注意が必要です。本記事では…
詳しくみる介護保険制度の概要
日本では急速な高齢化が進み、「介護保険制度」への関心が高まりつつあります。 総務省統計局の資料によれば、2017年9月15日時点で、65歳以上と定義される高齢者の人口は3,514万人で、総人口に占める高齢者人口の割合が27.7%と過去最高と…
詳しくみる国保計算を基本から理解するための3つのポイント
職場で社会保険に加入していない人や生活保護を受給していない人であれば加入が義務付けられている国民健康保険(以下、国保)。 ここではこの国保の保険料計算(以下、国保計算)の基本と、保険料がどんなもので構成されていて、どうして支払わなくてはなら…
詳しくみる社会保険料は日割りで計算できる?資格喪失日についても解説
社会保険料は月単位で算出されるため、従業員の退職時に日割り計算をする必要はありません。また、同じ月に退職するにしても、退職日が月の途中か末日かで、保険料の納付が必要となる月が異なります。 ここでは、具体的なケースをもとに従業員の退職にともな…
詳しくみる