- 更新日 : 2024年10月30日
インターンシップとは?意味や企業での実施方法について
インターンシップとは、大学生などが在学中に企業で就業を体験することを指します。大学に求められることや就職市場が変化したことから広く実施されるようになりました。学生にとっては就活の一環になるというメリットがありますが、企業にも優秀な人材を確保できるなどの利点をもたらします。注意点には何をさせるか、給料はどうするかなどが挙げられます。
目次
インターンシップとは?
インターンシップとは学生が在学中に就業を体験することを指します。将来のキャリアに結びついたり自分の専攻分野を活かしたりする目的で、主に大学生や大学院生が行う、実習・研修的な就業体験のことを言います。
必要とされる背景
インターンシップが必要とされる背景には、大学教育に求められていることや就職市場が変化したことが挙げられます。以前は知識を身につけることが目的とされた大学教育は、現在では実践で活用できる能力が求められるようになってきました。また就職市場では以前よりも企業が求める人材が多様化するとともに、実務経験や高い職業意識を身につけている学生への需要が高まっています。
こうした背景からインターンシップは学生が就職活動を有利にするために活用され始め、企業側からも人材採用手段の1つとして利用されるようになりました。また各業界の宣伝・アピールができる点も、インターンシップが必要とされる背景の1つに挙げられます。
インターンシップの種類
インターンシップは期間や、大学等の教育機関での位置付けで分類され、短期インターンシップ・長期インターンシップ、授業科目型インターンシップ・大学活動型インターンシップ・個人活動型インターンシップといった種類があります。
期間では短期インターンシップと長期インターンシップの2種類に分けられます。
- 短期インターンシップ1日や数日単位で実施されるインターンシップです。
- 長期インターンシップ数週間から数ヶ月かけて実施されるインターンシップです。
インターンシップは実施期間による以外に、学生が属する大学等でどのような位置付けになっているかでは、授業科目型インターンシップ・大学科目型インターンシップ・個人活動型インターンシップの3つに分類されます。
- 授業科目型インターンシップ大学等の教育課程の一環とし位置付けられるインターンシップです。現場実習などの授業科目として取り扱われ、参加学生には単位が付与されます。
- 大学活動型インターンシップ大学等の授業科目ではないものの、学校行事や課外活動といった大学等の活動の一環として位置付けられるインターンシップです。単位がどう取り扱われるかはインターンシップの種類などによって異なりますが、一般的には単位付与されません。
- 個人活動型インターンシップ企業が実施するインターンシップに学生が個人的に参加するインターンシップです。大学等とは無関係なものとして取り扱われるため、通常の場合、単位は付与されません。
インターンシップを行うメリット
インターンシップを行うと、学生には就活で有利に働く場合があるといった利点がもたらされます。ではインターンシップで学生を受け入れる企業には、どのようなメリットがあるのでしょうか?企業側からの企業を行うメリットには、以下の点が考えられます。
優秀な人材が確保できる
インターンシップは優秀な人材確保に効果的に活用することができます。インターンシップ参加者の中から自社に合う学生や、望む能力やスキルを保有する学生を見つけ、積極的に採用活動を行うことで希望する人材が入社する可能性を高めることができるためです。またインターンシップでの就業体験中の様子から入社後の成長を予測し、大きな成長が期待できる人材を確保することも可能です。
採用のミスマッチが防げる
インターンシップは採用のミスマッチを防ぎ、離職による労働力不足や、不足人員補充にかかる採用コストの発生を防ぎます。学生にインターンシップで実際の就業を体験してもらうと社内の職場の環境や雰囲気、仕事の進め方などを理解してもらうことができます。納得した上での入社となり、採用のミスマッチにつながるリアリティショックを予防することができます。
人材育成につながる
企業はインターンシップを新入社員に対して実施する教育の一環として活用でき、人材育成につなげることができます。インターンシップへの参加は、学生に実際に仕事をする上で必要となる能力やスキルの向上や、ビジネスマナーの習得をもたらします。これらは入社後に行う新入社員研修やOJTで教育する内容で、インターンシップで先行して学ばせることができます。
インターンシップを企業が実施する方法
企業はどのようなステップを踏んでインターンシップを行うのでしょうか?企業がインターンシップを実施する方法をご紹介します。
仕事内容の決定
インターンシップを実施する場合にまずやらなければならないものが、仕事内容の決定です。インターンシップに参加する学生にどのような業務遂行を担当してもらうか、やってもらう仕事内容を決定しなければなりません。
インターンシップとは言っても学生であることには変わりがないため、重い責任を伴う業務は不向きです。また習熟や慣れが必要な難しい業務もインターンシップで行わせることはできません。しかし簡単の業務ばかりをやらせると採用してからミスマッチが生じやすくなるため、注意が必要です。
応募方法の決定
インターンシップ実施方法の2つ目は応募方法の決定です。参加する学生の応募方法には直接応募、大学を通じた応募、求人サイトを通じた応募があります。
- 直接応募自社のHPやSNSでインターンシップ実施を告知し、参加学生を募る方法です。無料ででき、自由に情報提供できるというメリットがありますが、多くの応募が期待できないというデメリットもあります。また自社に興味を持っている学生しか集まらず、人材が偏る点にも注意が必要です。
- 大学を通じた応募大学を通じた応募では多くの学生に知ってもらえ、いろいろな学部の学生の参加を募ることができます。しかし大学ごとにやり取りを行わなくてはならず、相当な労力を必要とします。
- 求人サイトを通じた応募多様な学生の参加を募ることができますが、費用が発生します。また求人サイトの制約を受け、自由な募集ができないというデメリットもあります。
募集をかける
メリット・デメリットを考慮し、応募方法を決定したら、次は募集をかけます。募集期間が短いと応募人数が少なく、反対に募集期間が長いと初めの頃に応募してきた学生はモチベーション低下を起こしているかもしれない恐れがあります。また魅力を十分にアピールする情報の掲載も求められます。準備を十分に行い、募集をスタートしましょう。
面接・採用
インターンシップ参加学生の面接・採用では、多様性の重視が求められます。採用にまでつながることを考えると保守的になりがちですが、それではインターンシップを実施する意味がありません。動機や意気込みを重視し、いろいろな学生をインターンシップに参加させるようにしましょう。
インターンシップの給与に決まりはある?
インターンシップは、就業体験を通じて将来のキャリア形成につなげたり自身の専攻科目を突き詰めたりする場として設けられています。学生にとっては学びの場、インターンシップの種類によっては大学等の教育の一環として行われるものですが、インターンシップの参加学生を労働者として取り扱う場合、企業は給与を支払わなくてはなりません。
使用従属関係にある、労働者性を有する形でインターンシップ参加者に就業体験させる場合、企業は学生であっても労働基準法に規定する労働者として取り扱い、給与を支払う必要があります。給与以外にも交通費をはじめとする必要経費の支払いについても、企業には適切に行うことが求められます。
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インターンシップを活用して、優秀な人材を採用しよう
在学中に就業を体験するインターンシップは学生には就活に有利に働き、企業には優秀な学生が採用できる、採用のミスマッチが防げる、人材育成ができるというメリットをもたらします。大学に求められている教育内容や就職市場が変化したことを背景に必要性が高まり、注目されるようになりました。
期間別に短期インターンシップ・長期インターンシップ、大学等の取り扱いの違いにより授業科目型インターンシップ・大学活動型インターンシップ・個人活動型インターンシップといった種類に分けられます。
インターンシップを実施する際は学生に何をさせるか、どのような応募方法を選択するか、採用や面接では何を重視すべきかといった点に注意する必要があります。また、就業の仕方によっては給料の支払いが必要になる点にも気をつけなければなりません。理解を深めてインターンシップを有効活用し、優秀な人材採用につなげましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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