- 更新日 : 2025年12月24日
マイナンバー制度のデメリットを徹底解説
平成27年10月にマイナンバーの通知が始まり、制度の本格運用が順次開始されます。
社会制度の大きな変化が予想される今回のマイナンバー制度。
そのデメリットを徹底解説します。
デメリット1:情報流出の可能性
マイナンバーでは社会保障、税、災害対策の分野での効率的な情報管理を目的としています。したがって、マイナンバーには、個人のさまざまな情報が詰まっているといえます。
最初のデメリットはその情報が流出してしまう可能性です。
このマイナンバーが人に知られてしまった場合、どういうことが起こるのでしょうか?マイナンバーに詰まった情報が他人に知られてしまうのでしょうか?
マイナンバー制度では、制度とシステムの両面から特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)流出の予防のため、次のような措置が取られています。
1.本人確認措置
2.番号法の規定以外での、特定個人情報の収集・保管の禁止
3.番号法の規定以外での、特定個人情報ファイルの作成の禁止
4.第三者委員会(特定個人情報保護委員会)による監視・監督
5.特定個人情報流出に対する罰則の強化
6.マイナポータルによる情報提供等記録の確認
1.個人情報の分散管理
2.個人番号を直接用いずに、符号を用いた情報連係
3.アクセス制御による閲覧者の制限・管理
4.通信の暗号化
特に今回のマイナンバー制度では、特定個人情報を特定の機関に集約する「一元管理」方法が採用されず、それぞれの機関がそれぞれの個人情報を管理し必要なときに情報の連係を行う「分散管理」方法が採用されたことで、万が一、いずれかの機関で特定個人情報等が漏洩した場合でも、その被害が限定される可能性が高くなり、デメリットの低減化が図られていると考えられています。
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デメリット2:なりすまし被害の可能性
アメリカのマイナンバーともいえる「社会保障番号」
テレビや映画などでその単語を耳にしたことも多いと思います。アメリカでは社会保障番号が多くのIDなどと関連付けられ、社会保障番号自体が身分証明書としても用いられていますが、そのために「なりすまし」の被害も少なくありません。これが第2のデメリットです。
実際、今年の5月下旬、アメリカで最大1万3千人分、3900万ドル(約47億円)の税金還付金詐欺が発覚し、「なりすまし」は大きな社会問題となっています。このデメリットの大きな元凶としてあげられているのが、社会保障番号が「本人認証」の手段として用いられていることにあるといわれています。
日本のマイナンバー制度においては、社会保障番号のデメリットの反省を活かし、マイナンバーを口頭で伝えるだけでの本人認証は行わない予定です。本人認証が必要な場合には、個人番号カードや運転免許証等の顔写真付きの身分証明書によって本人確認を行うことが法律に厳格に規定され、行政の関係各機関に義務付けられています。
一般企業等の民間事業者においても、番号法の規定以外でのマイナンバーの収集・保管が禁止されているため、マイナンバーのみが本人認証として用いられることはありません。
このため、日本のマイナンバー制度では、なりすまし被害のデメリットが発生する可能性は低いと考えられています。

アメリカのマイナンバー「社会保障番号」の歴史と、日本のマイナンバーの今後
社会保障番号は、その名が示す通り、社会保障分野において個人を特定するための番号制度として1936年に始まりました。9桁の番号で構成されており、国民はもちろん、労働許可を持つ在留外国人などにも発行されています。かつては14歳前後まで社会保障番号を持つことは珍しかったのですが、1986年以降、実質的な年齢制限が引き下げとなり、現在では出生と同時に社会保障番号発行の手続きが行われるようになりました。
この社会保障番号がアメリカに深く根付いた理由の一つとして、社会保障番号だけで本人認証として成立してしまったということが大きいでしょう。
例えば、アメリカでは子どもの頃から社会保障番号を利用しています。病院にかかるとき、サマーキャンプのとき、様々な場面で社会保障番号を使いますが、このとき、他の証明書を見せることはほとんどありません。ただ口頭で社会保障番号を伝えることのみで本人認証として成立してしまうのです。
これは大人になっても変わりません。銀行口座の開設や、クレジットカードの発行などで、社会保障番号を口頭で伝えるのみで本人認証できてしまうのです。
そのため、アメリカでは、社会保障番号を用いたなりすまし被害が横行し、また、近年では官公庁や大手企業、銀行などへのハッキング等により、社会保障番号が大量に流出する事件が発生して、大きな問題となっています。
一方、日本のマイナンバー制度では、このような複数分野にわたる使用を禁止しています。
官公庁ではマイナンバーを用いた手続きをする際には、個人番号カードや運転免許証等の他の証明書も併用した本人認証を行うことが義務付けられ、民間事業者にはマイナンバーの法律の規定外での使用を禁止しています。
日本のマイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策の分野に限っての利用となっていますので、アメリカの社会保障番号のような問題が起こる可能性は少ないでしょう。
ですが、一点、注意すべき点があります。
それは、アメリカでも、社会保障番号の始まりは、社会保障分野のための制度だったものが、利用目的が拡大されていった点です。実際、1980年代以前の社会保障証には「本人認証のためではない」という一文が添えられていました。
日本のマイナンバー制度も、来年1月1日から本格始動します。その役割についても順次拡大されていく予定です。それにつれ、デメリットがあるかないかがはっきりしてきます。
私たちは第三者機関である特定個人情報保護委員会がしっかりとマイナンバー制度の監視監督がしているか、そしてマイナンバーが目的外の利用がされていないかをチェックしていかなければならないと思います。
今回はマイナンバーのデメリットをまとめましたが、マイナンバーには多くのメリットも存在ます。マイナンバーのメリットについてはこちらの記事をご確認ください。
マイナンバー制度のメリットを徹底解説
photo by Creative Ignition
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