• 作成日 : 2022年7月15日

退職の流れと受け取る書類一覧 – 会社を辞めるときの注意点

退職の流れと受け取る書類一覧 - 会社を辞めるときの注意点

退職の理由はさまざまです。しかし、いざ仕事を辞める決意をしてから、ハローワークなど役所関係のめんどうな手続きがあることに気づくこともあります。今回は、退職の際に会社から受け取る書類、提出しなければならない書類とともに、退職後の手続きの流れについて解説してきます。

退職のときに会社から受け取る書類一覧

まず、退職時に会社から受け取る書類には、どのようなものがあるのか、整理してみましょう。

基本的に役所関係の書類は、本人が会社に退職の意思を伝え、正式に退職してから手渡し、あるいは郵送で受け取ることになります。

離職票

雇用保険関係の書類として離職票があります。これは、本人が退職後、雇用保険の失業に関する給付を受給するために必要な書類です。

退職するまでの詳しい流れは後述しますが、本人が退職届あるいは退職願を会社に提出すると、その後、会社の担当者がハローワークに雇用保険の被保険者資格喪失に関わる手続きをすることになります。

手続き後、ハローワークから担当者に交付される書類が離職票です。この書類は1枚ではなく2枚あり、次のように表記されています。

「離職票-1 資格喪失確認通知書(被保険者通知用)」
「離職票-2」

「離職票-1」は、OCR用紙で被保険者番号、氏名などが印字されています。「離職票-2」は、会社が離職前の賃金の支払い状況や離職理由を会社が記入するA3サイズの大きめの書類であり、記載された内容は本人が確認し、署名するルールになっていますのですでに目を通していると思います。

「離職票-2」は、転職するまでの基本手当を受給する際に不可欠な書類であり、すでに転職先が決まっていて給付を受けない場合、本人が交付を希望しなければ、会社は作成しません。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、雇用保険の被保険者であることを証明する書類です。在職中は、会社が保管するのが一般的です。サイズは横210mm×縦77mmの細長い書類で、転職時に提出が必要になります。

年金手帳

本人が加入している公的年金に関わる情報を記載するための小冊子です。入社する際、会社が厚生年金保険の資格取得の手続きをする際、国民年金の基礎年金番号を確認する必要があるため、本人は提出を求められているはずです。

基礎年金番号を確認するだけであるため、コピーしたあとは、本人に返却するのが一般的ですが、会社が預かっているケースもあるようです。手元にない場合、確認してみましょう。

なお、令和4年4月からは冊子形式の年金手帳は廃止し、初めて公的年金に加入する人には基礎年金番号通知書を発行することになっています。

源泉徴収票

源泉徴収票とは、本人が1年間に会社から支給された給与金額と源泉徴収税額のほか、配偶者控除扶養控除、各種保険控除(生命保険料・社会保険料)などを記載した書類のことです。

従業員が退職する際、会社には1月1日から退職時点までの給与に基づいた源泉徴収票を発行する義務があります。転職したとき、会社から提出を求められますので大切に保存してください。

(希望する場合は)退職証明書

退職証明書は、労働基準法上、労働者が退職した際、一定事項について証明書を請求した場合、使用者に遅滞なく交付を義務付けている書類です(法22条)。転職の際に提出を求められることがあります。

労働者が請求できる証明事項は以下の通りであり、請求しない事項を記入してはならないとされています。

  • 使用期間
  • 業務の種類
  • その事業における地位
  • 賃金
  • 退職の事由(退職の事由が解雇の場合は、その理由を含む)

退職するまでの手続きの流れ

では、退職日までに何をしなければならないのでしょうか。ここでは、一般的な退職日までの流れを確認していきます。

退職するまでの手続きの流れ

①1ヵ月前までに退職の意思表示・退職日を決定する

会社を辞めることを決めたら、実際に直属の上司に退職の意思と退職日を伝える必要があります。労働基準法では、使用者が労働者を解雇(雇用契約を解約)する場合の時期は少なくとも30日前としていますが、労働者側が雇用契約を解約する際の時期については、定めていません。

契約の一般法である民法では、雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができ、その申入れ日から2週間を経過することで終了するとしています(法627条1項)。

会社の就業規則で退職の申出日を定めている場合であっても、労働法の法源としては法律である民法が優先されますので、法的には2週間前の申出でもかまわないということになります。

とはいえ、会社も人員配置や引継ぎの手続きがあります。「立つ鳥跡を濁さず」のことわざにあるように、労働基準法が解雇予告で定めている「30日前」までには退職の意思を伝えるのがよいでしょう。

➁ ①のあとに退職届を提出・社内での仕事の引継ぎを行う

上司に退職の意思を伝えたら、退職届を提出します。時期としては、退職日の2週間前までには提出し、仕事の引継ぎをすることになります。引継ぎはケースによって時間がかかることもあるため、資料などは整理しておくことを心がけましょう。

転職先が決まっておらず、雇用保険の基本手当を受給する場合には、前述の離職票を交付してもらう必要があります。その際、会社は資格喪失の手続きの際に退職理由を確認する書類として退職届(写し)を添付書類として提出します。

離職理由は、会社が作成した「離職票-2」に記載したものと整合している必要があります。ハローワークでチェックしますが、安易に「一身上の都合により」と記載していて、会社の作成した「離職票-2」にも「自己都合」となっていながら、実際にはリストラなどの会社都合であると本人に不利益が生じます。自己都合退職では、失業給付である基本手当の支給開始が遅れる給付制限を受けるからです。

会社都合であれば、その旨を記載し、併せて「離職票-2」の記載事項をしっかりと確認して署名することが大切になります。

③ 取引先への挨拶・担当の入れ替わりを伝える

その後、取引先に退職の挨拶とともに担当者が交代することを伝えます。重要な取引先には対面で挨拶することになりますが、それ以外の取引先についてもメールで伝えることを忘れないようしてください。

④ 最終出社日に備品を返却する

退職日には、備品などを会社に返却します。備品には、社員証・IDカード、社章、制服、名刺、貸与された携帯などが考えられます。

また、入社時に会社から交付された健康保険証(健康保険被保険者証)も返却します。扶養家族用に交付されている健康保険証も同様です。

退職後の各種手続き

いざ退職したあとにも、やるべきことはいくつもあります。転職する場合と、転職しない場合に分けてみていきましょう。

転職の場合、前職でもらった書類をすべて転職先に提出する

退職後、間もなく就職した場合、先方から提出を求められる書類としては、次のようなものがあります。

  • 年金手帳(または基礎年金番号通知書)
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 退職証明書

あらかじめ準備しておくと慌てることもありません。

転職予定がない場合、失業手当等の手続きを行う

転職する予定がない場合は、ハローワークで雇用保険の失業給付(基本手当)の受給手続きをすることになります。次のような流れになります。

  1. 住所地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に出向いて「求職の申込み」を行います。その際、前の会社から退職時に交付された 「離職票-1」「離職票-2」 を提出します。
  2. その後、基本手当の受給資格の決定がなされ、受給者説明会の日時が案内されます。
  3. 受給者説明会に出席します。ここでは「受給資格者証」「失業認定申告書」 が交付されるとともに第1回目の失業認定日が知らされます。
  4. 第1回目の失業の認定を受けます。ここでは、失業の3要件の確認、つまり、離職していること、労働の意思・能力があること、職業に就くことができないこと、の3つを満たしていれば失業と認定されます。具体的な手続きは、求職活動の状況を記入した「失業認定申告書」と「受給資格者証」を提出します。
  5. 失業と認定されれば、失業の認定日から通常5営業日で指定した金融機関の預金口座に基本手当が振り込まれます。振り込まれるのは、最初の受給資格決定日に遡って7日間を待期期間とし、その満了日の翌日から認定日の前日までの失業している日についての金額です。なお、前述の給付制限がある場合は、7日間の待期期間に加えて給付制限期間(2ヵ月など)は支給されません。

再就職が決まるまでは、本人の離職理由、離職時の年齢、被保険者であった期間などによって決まる所定給付日数(90日から360日)を4週間に1回、失業の認定を受けながら受給することができます。ただし、原則として離職日の翌日から1年間が受給の期限になるため、離職後、ハローワークに出頭するのが遅くなると、所定給付日数分がもらえなくなることもあります。

やるべきことはたくさんある退職。正しい知識を持って次につなげよう。

会社を辞めることは簡単そうで、実はそうではありません。やるべきことは多々あり、会社から受け取る書類にしてもさまざまな書類があります。いずれも、転職時、あるいは雇用保険の失業給付の受給手続きをするときに不可欠なものばかりです。

退職を意識したときから、退職日まで、あるいは退職後は何をすべきなのか、基本的な知識を知っておくことが大切です。揃えるべき書類をきちんと準備できれば失業給付も受け取ることができ、転職や再就職が決まった際もスムーズにつながるでしょう。

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よくある質問

退職のときに会社から受け取る書類にはどんなものがありますか?

離職票、保養保険被保険者証、源泉徴収票などです。詳しくはこちらをご覧ください。

退職後にはどういった手続きを行えばよいですか?

すぐに転職しない場合には、ハローワークで雇用保険の失業給付を受給するための手続きをしなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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