• 作成日 : 2022年7月8日

年金手帳を会社に提出する理由 – 転職や紛失時の対応も解説

年金手帳を会社に提出する理由 – 転職や紛失時の対応も解説

年金手帳とは、基礎年金番号が記載されている手帳のことです。基本的には20歳になって国民年金に加入する時点で発行されます。入社時の手続きに必要として会社から提出が求められ、そのまま会社保管されることが一般的です。退職時に返却を受け、転職した場合は転職先の会社に提出します。紛失した場合には再交付を受けることができます。

年金手帳はなぜ会社に提出する?

年金手帳は、国民年金に加入して、基礎年金番号が付与されたときに発行されます。国民年金に加入するのは20歳になったとき、あるいは20歳未満で就職して厚生年金に加入したときで、60歳になるまで加入し続けます。年金手帳は、国民年金に加入している間は、1冊を使い続ける、大切なものです。

年金手帳とは?どういった種類がある?

年金手帳にはいくつかの種類があり、色が違います。発行年度によって色が変えられることがあったためで、区別して分かりやすくするためだとされています。平成9年(1997年)1月から令和4年(2022年)3月までに発行された年金手帳は青色で、昭和49年(1974年)11月から平成8年(1996年)12月までに発行された年金手帳はオレンジ色です。

さらに遡ると茶色、水色、薄橙色の年金手帳があります。また表紙に記されている発行者名も平成22年(2010年)1月から令和4年(2022年)3月までは「日本年金機構」、昭和49年(1974年)11月から平成21年(2009年)12月までは「社会保険庁」、それ以前は「厚生省」と異なっています。

なお、年金手帳は令和4年4月をもって廃止されました。以降は、年金手帳の代わりとして基礎年金番号通知書が用いられます。ただし、すでに年金手帳の発行を受けている者には基礎年金番号通知書は発行されないため、これまで通り年金手帳を使うことになります。

参考:
基礎年金番号・年金手帳について|日本年金機構
年金手帳の変遷等に係る資料|日本年金機構

年金手帳を会社に預ける理由

多くの会社が従業員の年金手帳を預かっていますが、これは法律で定められているからではありません。従業員を雇い入れた際の手続きに必要な年金手帳の提出を受け、返却せずにそのまま会社保管としたほうが分かりやすいためです。

年金手帳を会社に預けるのは義務?

会社が従業員を雇い入れた際は、さまざまな入社の手続きが必要とされます。厚生年金については被保険者資格取得届を提出しなければならず、この届出には従業員の基礎年金番号を記入しなければなりません。このため従業員には会社の求めに応じて年金手帳を提出する義務がありますが、そのまま預けることは義務づけられていません。処理が済んだ時点で返却を受けることは可能です。

こんなときどうする?年金手帳にまつわるトラブル

年金手帳には重要な個人情報である基礎年金番号が記されています。十分に注意して取り扱い、トラブルがあった場合は適切に対処する必要があります。

年金手帳を紛失した場合

年金手帳を紛失場合には、再交付が受けられます。手続き方法は以下の通りです。

提出書類基礎年金番号通知書再交付申請書
提出先勤務先の所在地を管轄する年金事務所
郵送する場合は年金事務センター

*会社に勤めていない場合の提出先は以下の通りです。
・国民年金第1号被保険者:近くの年金事務所か住所地の市区町村役場
・国民年金第3号被保険者:配偶者の勤務先の所在地を管轄する年金事務所
・その他:近くの年金事務所
添付するものマイナンバーカード
あるいはマイナンバーが分かるものと、身元が分かるもの

年金手帳を会社に提出していない場合

年金手帳を会社に提出していないと、厚生年金に加入させるために提出する被保険者資格取得届への基礎年金番号の記入ができていないと考えられます。この場合には、基礎年金番号による過去の加入状況との紐付けが行われません。将来において年金を受給する際に支障が出る恐れなどが生じるため、すぐに確認・修正する必要があります。

年金手帳を会社が預かってくれない場合

年金手帳は本来、自分自身で保管するべきものです。会社雇入時の処理に必要であるため提出を求めますが、そのまま保管しなければならないわけではありません。会社保管とするか返却するかは、会社によって異なります。会社が預かってくれない場合は、自分自身で保管しましょう。

年金手帳を会社が返してくれない場合

年金手帳は基礎年金番号や年金加入状況が記載されている、大切なものです。本来は年金加入者が自分自身で保管するべきものですが、実務上の理由から会社によって保管されていることが多くあります。会社は、従業員が退職する際はもちろん、求めがあった場合には速やかに年金手帳を返還しなければなりません。会社が正当な理由なしに従業員に年金手帳を返却しないのは違法とされます。しかるべきところに相談して、対応を求めましょう。

転職したときの年金手帳の提出手続き

年金手帳には、国民年金加入者一人ひとりに与えられた基礎年金番号が記載されています。厚生年金加入時には、被保険者資格取得届にこの基礎年金番号を記入して、届けなければなりません。従業員から年金手帳が提出されないと厚生年金への加入手続きができないため、転職先の会社には年金手帳をすぐに提出することが求められます。

年金手帳を紛失している場合には、合わせて再交付の手続きをします。この場合は、基礎年金番号通知書再交付申請書の「現に被保険者として使用されている(または最後に被保険者として使用された)事業所の名称、所在地(または船舶所有者の氏名、住所)」欄に転職する直前に被保険者として使用されていた事業所の名称や所在地などを記入します。

年金手帳は大切にして会社への提出は速やかにしよう

年金手帳は、基礎年金番号が記載されている、大切なものです。国民年金に加入している間、1冊を使用し続けるため、紛失しないように気を付けなければなりません。

会社は、雇入時の処理に必要なため、従業員に提出させます。そのまま退職するまで保管する会社が多くありますが、年金手帳の会社保管は義務として行われているわけではありません。いったんは年金手帳を提出させても処理が済んだら返却するという会社もあります。そのような場合は自分自身で、紛失しないように大切に保管しなければなりません。

転職した際は、転職先の会社に年金手帳を提出する必要があります。会社は、従業員雇入時は厚生年金について被保険者資格取得届を、定められた期日までに届け出る必要があります。処理が遅れないよう、年金手帳は速やかに提出しましょう。

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よくある質問

年金手帳を会社に預ける理由はなんですか?

従業員雇入時の処理として、厚生年金の被保険者資格取得届への基礎年金番号記入に必要だからです。 詳しくはこちらをご覧ください。

年金手帳を紛失した場合どうすればよいですか?

基礎年金番号通知書再交付申請書を提出して、年金手帳の再発行を受けます。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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