- 作成日 : 2016年6月9日
業務効率化で時間外労働を削減した事例紹介

業務効率化を推進することによって、時間外労働を減らし、人件費をコストカットすることができます。
ここでは業務効率化するためにどのような取り組みが企業で行われているか、またどのような業務効率化施策が時間外労働を削減することになったのかを紹介します。
業務効率化の具体的な取り組み
業務効率化の具体的な取り組みとして、
・ノー残業デー
・時間外労働の事前申請制度の導入
・業務プロセスの見直し
といった事例が挙げられます。
「ノー残業デー」は、指定曜日に定時退社することによって業務効率化を推し進める施策です。
「時間外労働の事前申請制度」は、時間外労働を行なう日に申請用紙へ「時間外労働理由」「時間外労働予定時間」「時間外労働内容」などを記入し、管理職へ提出する制度です。
時間外労働の事前申請制度やノー残業デーを導入することによって、社員ひとりひとりが業務効率化や時間外労働に対する認識を改めて見直すことになります。
申請する社員本人に「売上に貢献する時間外労働なのか」を問うことができるだけでなく、部署やチーム全体で業務負担に偏りがないかどうかを確認することができるメリットもあります。
「業務プロセスの見直し」には、業務内容の平準化を図ることや、無駄な業務内容を浮き彫りにすることが挙げられます。業務内容を平準化することで特定の社員に集中している負担を分散させる効果を期待することができます。
しかしこれらの施策も、
・顧客からの要望には応じなければならない
・これまでの企業風土に馴染みにくい
といった理由により形骸化してしまうパターンが多く見受けられます。

業務効率化で時間外労働が削減した事例
前述した施策を導入しても業務効率が改善しない、時間外労働が圧縮しないという場合は、これらの施策をさらにアレンジする必要があります。
たとえばノー残業デーを「毎週水曜日」など画一化するのではなく、従業員それぞれが独自に設定するようにします。従業員自らが設定することができるため、シフト勤務などの不規則な勤務体系であっても導入しやすくなり、ノー残業デーの実効性が高まります。
またノー残業デーと設定した日に時間外労働をしなければならなくなった場合は振替の処置をとるなどして、徹底させることがマンネリ化を防ぐ重要な点となります。
またノー残業デーを導入するだけではなく、残業しにくい雰囲気を醸成させる点もポイントとなります。残業しにくい雰囲気を築き上げるために社長自らが社内を歩くことによって、業務効率化が加速した例もあります。
時間外労働の事前申請制度も取り入れるだけではなく、例えば下記のような施策を実施するなど、さらに一歩進めた取り組みによって業務効率化が改善することがあります。
・時間外労働実績をコンスタントに集計し、時間外労働が減少しない理由も合わせて管理部門へ報告
・人事評価制度と連動
特に人事考課項目に「時間外労働」を加えることによって、従業員本人だけでなく管理職の評価へも影響を受けることになるため、部署全体で時間外労働に対して高い意識を保つことにつながります。
また、生産量や売上といった数字を人件費と対比させることによって時間外労働と売上の費用対効果を測定し、適正な残業であったかを確認することで人件費を削減した例もあります。
さらに、顧客を巻き込んで業務効率化を行なった事例もあります。
自社の業務効率化のために顧客を巻き込む発想は、顧客の要望よりも自社のコストカットを優先しているように思えますが、実は自社と顧客双方のコストが削減できる奇策なのです。
具体的には顧客との取引時に使用する様式を統一することにより、内容確認にかかる時間を短縮することが可能となります。さらに発注方法を変えることによって、毎月およそ6,000 枚の書類入力業務を削減した実例もあります。
トップダウンの取り組みだけでは「やらされている」感覚が伴うため、従業員が主体的に取り組めるようにする工夫も必要です。
業務効率化施策が成功する要因として、例えば、
・現場から管理部門へ時間外労働状況を報告するだけでなく、社長や管理職自らが現場へ改善指示を出すことも併用する
・自社だけでなく顧客も巻き込んで業務改善活動を行なう
等のことが挙げられます。
まとめ
業務効率化を行なう最大の目的は、無駄な人件費を削減し、仕事の質を高めることではないでしょうか。
既に取り組んでいる業務効率化の施策が形骸化している場合は、さらに応用させることによって改善する余地が生まれ、著しい長時間残業を軽減する効果を期待することができます。
しかし、業務効率化を推進するあまり本来かけるべき人件費まで削減し、売上が下がってしまったり対外取引において信頼を失ったりしては、業務効率化によって仕事の質を悪化させる要因ともなりかねません。
これらの事例を参考にちょうどよいバランスを見つけ、実践可能な内容を導入してみましょう。
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