- 更新日 : 2026年6月22日
外国人を雇用する際の手続きとは?必要書類と注意点も解説
就労可能な在留資格かの確認に加え、ハローワークや日本年金機構への複数の届出が発生します。
在留期限の更新もれは罰則につながるため、会社側でも管理しましょう。
外国人を雇用するにはさまざまな種類の手続きが発生します。それに伴い必要書類も多数存在するため、初めて外国人を雇用する企業は難しく感じるかもしれません。手続きや在留資格に関して誤った知識で対応すると、企業側が法的リスクを負う可能性があります。
この記事では、就労可能な在留資格を説明した上で、外国人の雇用に必要な書類や注意点を解説します。外国人を安心して迎え入れられるように、雇用手続きに関して理解を深めましょう。
目次
外国人を雇用する前に事業者が確認するポイント
企業側はまず、採用試験を受ける外国人の在留資格が、就労可能な者か確認する必要があります。面接後に就労不可とわかり、採用がキャンセルされる事態は避けなければなりません。
就労が認められている在留資格保持者であるか
国人の就労が認められる在留資格は、以下のとおりです。
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習、特定活動(ワーキングホリデー、EPAにもとづく外国人看護師・介護福祉士、ポイント制等)
一般のオフィスワーカーとして外国人を雇用する場合に必要な在留資格は、以下のとおりです。
- 技術・人文知識・国際業務:コンピューター技師、自動車設計技師、通訳、語学の指導、為替ディーラー、デザイナーなど
- 企業内転勤:外国の事業所からの転勤者
- 高度専門職:大学教授、研究職、アナリストなど
企業側は、外国人が採用に応募してきた時点で在留資格の種類を確認する必要があります。外国人労働者は、在留資格で定められた仕事以外の業務に関われない点にも留意しておきましょう。
就労が認められない在留資格
以下に記載のある5種類の在留資格は、日本での就労が認められていません。
- 文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
ただし、「文化活動、留学、家族滞在」の場合、出入国在留管理局で「資格外活動の許可」を受ければ一定期間就労が可能になります。
- 留学:週28時間まで就労可能・夏休みのような長期休暇の間は1日8時間・週40時間まで就労可能
- 家族滞在:週28時間以内の就労が可能
いずれの在留資格も風俗営業は認められていません。また、文化活動においては、活動内容に沿った業務内容である必要があり、就労可能時間は勤務先・職種・業務内容などを考慮し個別に許可されます。
就労不可の在留資格をもつ外国人が就労する場合は、出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請」を提出する必要があります。「短期滞在」と「研修」の場合は、在留資格の変更は認められません。
就労活動に制限がない在留資格
以下の4種類は、就労に制限がない在留資格です。
- 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
これらの在留資格では、日本人と同じように就労が許可されています。
在留カードの確認ポイント3つ
在留資格の種類と就労の可否については、在留カードで確認できます。表面の「在留資格」「就労制限の有無」、裏面の「資格外活動許可欄」をチェックしましょう。就労制限の有無には、以下のどれかが記載されています。
- 就労不可
- 在留資格にもとづく就労活動のみ可
- 指定書記載機関での在留資格にもとづく就労活動のみ可(在留資格「技能実習」)
- 指定書により指定された就労活動のみ可(在留資格「特定技能」)
- 就労制限なし
就労不可と記載されていても、条件付きで就労可能となっているケースがあります。その場合は、裏面左下の欄に以下のような記載があります。
- 許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)
- 許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動)

この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
労働条件通知書・雇用契約書の労務トラブル回避メソッド
雇用契約手続きは雇入れ時に必ず発生しますが、法律に違反しないよう注意を払いながら実施する必要があります。
本資料では、労働条件通知書・雇用契約書の基本ルールをはじめ、作成・発行のポイントやトラブル事例について紹介します。
入社・退職・異動の手続きガイドブック
書類の回収・作成・提出など手間のかかる入社・退職・異動(昇給・昇格、転勤)の手続き。
最新の制度をもとに、よくある質問やチェックポイントを交えながら、各手続きに必要な情報をまとめて紹介します。
外国人の厚生年金加入 チェックリスト
外国人従業員の、厚生年金加入に関する事項をまとめたチェックリストです。必要な確認項目をリスト形式で簡単にチェックすることができます。
業務における確認漏れの防止や、手続きの際の参考資料としてご活用ください。
在日外国人 マイナンバー管理マニュアル
在日外国人のマイナンバー管理に関するマニュアル資料です。業務において、外国人のマイナンバーを取り扱う際にご確認いただけます。
ダウンロード後、管理業務の参考資料としてご活用ください。
外国人雇用手続きの流れと必要書類
外国人の内定後、企業は日本人と同様の手続きに加え、外国人特有の対応をする必要があります。申請書類の種類や交付されるまでの期間などを正確に把握し、慎重に手続きを進めましょう。
雇用契約書や労働条件通知書を作成する
外国人の求職者に内定を出した後は、雇用契約書や労働条件通知書を作成し、労働契約を締結します。
これらの書類は在留資格(ビザ)の申請に必要な書類です。また、書類に契約期間や業務内容、労働時間などに関する項目を記載し、事前に共有することで後の労使トラブル回避にもつながります。
書類作成時には、外国人労働者本人が内容を理解できるように、母国語や英語を併記するか、翻訳版もあわせて交付するなどの対応が欠かせません。
とくに「特定技能」の在留資格で雇用する場合、本人が理解できる言語への翻訳が義務付けられています。
就労可能な在留資格を取得していない場合は申請手続きを行う
就労可能な在留資格をもっていない場合は、申請手続きを行う必要があります。日本の同業他社で働いた経験がある外国人は、すでに在留資格を保有しているので対応は不要です。新規の申請手続きまたは変更手続きは、入社日までに行わなければいけません。在留資格が認定されるまでに2〜3カ月ほどかかるため、内定が出たら早めに対応するのがいいでしょう。
また、出入国在留管理局では以下の情報をもとに審査が行われます。(※「技術・人文知識・国際業務」が目的の滞在で在留資格を取得する場合)
- 業務内容が外国人求職者の学歴や職歴に関連があるか、もしくは採用職種に関する実務経験が10年以上あるか(通訳や語学講師の場合は3年以上)
- 外国人求職者に前科がないか
- 会社の財務状況は正常か
- 外国人求職者の給与水準が著しく低くないか
「卒業証明書・成績証明書・履歴書・雇用契約書・採用理由書・企業の直近年度の決算文書の写し」などの情報をもとに審査が行われます。
「外国人雇用状況届出書」をハローワークに提出する
外国人を雇用した事業者は、「外国人雇用状況の届出」をハローワークに提出をしなければなりません。届出を怠った場合は、30万円以下の罰金が課せられるので注意しましょう。
外国人雇用状況の届出には以下の2種類があり、各書類の提出をもって「外国人雇用状況の届出」がされたと判断されます。
- 雇用保険の被保険者になる場合:雇用保険被保険者資格取得届(提出期限:雇い入れた月の翌月10日まで)
- 雇用保険の被保険者とならない場合:外国人雇用状況届出書(提出期限:雇い入れた月の翌月末日まで)
社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する
社会保険制度(健康保険・厚生年金保険)に加入している企業が外国人を雇用する場合、正社員で働く外国人従業員は、全員被保険者になります。
企業は「被保険者資格取得届」を日本年金機構へ提出しなければなりません。提出の際、「資格取得時の本人確認」が行われる点についても注意が必要です。
マイナンバーを有していない短期在留外国人や海外在住の外国人は、以下の書類で本人確認が行われます。
- 短期在留している外国人:旅券の身分事項のページの写しと、「旅券の資格外活動許可証印のページ・資格外活動許可書・就労資格証明書」のいずれかの写し
- 海外在住の外国人:運転免許証、旅券(有効期限内のパスポート)、国または地方公共団体の機関が発行した資格証明書(写真付きのもの)等の写しなどのいずれか
「中長期在留者の受入れに関する届出」を提出する
中長期在留者の雇用を開始する際には、「中長期在留者の受入れに関する届出」を出入国在留管理庁(入管)へ提出しましょう。
この手続きは国が外国人の活動状況や所属先を正確かつ最新の状態で把握し、不法就労がないか未然に防止する目的で実施されます。
雇入れから14日以内に提出する必要があり、郵送や窓口だけでなく、オンラインからでも提出可能です。
この届出は法律上は努力義務とされており、期限を過ぎたり忘れたりしても、罰則が科せられることはありません。
ただし、届出を怠ると、入管から「管理体制に不備がある」と判断され、雇用する外国人労働者のビザ更新や変更申請が不許可になる恐れもあります。
直接的なペナルティがないからと油断せず、該当者を雇用した際には忘れずに提出するようにしましょう。
【状況別】外国人の雇用に関する手続き
外国人の雇用ひとつ取っても、海外に住む外国人を雇用するケースや、同業他社からの転職者を中途採用するケースなど、さまざまな状況が考えられます。求職者の状況によって取るべき対応が異なるため、企業側は正しい理解のもと正確に手続きを進めなけばなりません。
海外在住の外国人を日本で雇用する場合
海外に住む外国人を日本で雇用する手続きは、以下の手順で行われます。
- 採用決定後、外国人求職者と雇用契約を結ぶ
- 企業側が出入国在留管理官署に「在留資格認定証明書」を申請する
- 交付された「在留資格認定証明書」を外国にいる求職者へ送付する
- 求職者本人が現地の日本大使館へ在留資格を申請する
また、「在留資格認定証明書」の有効期限は発行後3カ月です。雇用される外国人が3カ月以内に日本へ入国しなければ、証明書は無効になる点についても留意しておきましょう。
すでに日本の別企業で就労中の外国人を中途採用する場合
日本の別企業から転職し中途採用試験を受ける外国人は、すでに在留資格を取得しています。在留資格のルールとして、外国人労働者は、在留資格の範囲を超えた業務に従事できません。
- 企業は、外国人求職者が保有している在留資格の内容を確認する(既存の在留資格で行える業務内容かどうかを確認する)
- 従事する職務がまったく違う場合は、外国人求職者本人が「在留資格変更許可申請」を出入国在留管理局に提出する
また、企業が外国人の在留資格を確認する際、「就労資格証明書」があると手続きがスムーズです。「就労資格証明書」とは、外国人がもつ在留資格でどのような仕事ができるか証明するための書類です。新しい業務が在留資格の範囲内であるか確認するのに役立ち、新しい環境でも安心して業務にあたれます。
外国人留学生を新卒採用する場合
留学生として日本に滞在する外国人は、就労が認められていない「留学」の在留資格をもっています。外国人留学生を新卒で採用する場合の手順は以下のとおりです。
- 留学生本人が「在留資格変更許可申請」を出入国在留管理局に提出する
- 許可が下りれば変更手続きは完了
また、変更完了までには1〜2カ月ほどの期間を要します。4月入社に間に合わせたい場合は、余裕をもって12月頃に申請するといいでしょう。
外国人雇用の手続きに関する注意点
外国人を雇用する際には、労使トラブルや法律違反を避けるためにも以下のポイントを意識しておきましょう。
雇用契約の停止条件も契約書に記載しておく
外国人を雇用する際に作成する雇用契約書や労働条件通知書にて、「就労可能な在留資格の許可が得られた場合に、この雇用契約を発効する」などの記載を設けておきましょう。
外国人との雇用契約には、ビザの申請前に採用の内定や契約締結を行う必要があります。
ただし、内定を出した後にビザを申請したとしても、審査の結果、必ずしも許可が下りるとは限りません。
この時、雇用契約の停止条件について、事前に決めておかないと、内定取り消しに伴いトラブルが発生する恐れがあります。
書面に記載するだけでなく、面接や内定時に「ビザが許可されなかった場合は採用取り消しになる」旨を口頭でも説明し、本人の了承を得ておくことが大切です。
不当に低い金額で雇用してはいけない
外国人を雇用する際は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を支払わなければなりません。
労働基準法により、国籍を理由として労働条件に差別を設けることは禁止されており、不当に低い金額で外国人労働者を従事させていた場合、企業側に罰則が科せられます。
また、企業側に差別の意思がなかったとしても、出入国在留管理局の審査において「報酬が不当に低い」と判断されれば、ビザは発行されません。
同じ業務を行う日本人社員と比較して給与が低くないか、あるいは地域の最低賃金を下回っていないかをチェックしておきましょう。
「所属機関に関する届出」の提出を指導する
外国人労働者が退職や転職をした場合、14日以内に出入国在留管理庁に届出を提出する必要があります。
届出自体は外国人労働者本人の義務であるものの、トラブルを避けるためにも、入社時のオリエンテーションなどで、提出を促しておきましょう。
もし、届出を怠ると、入管法に定める義務を履行していないとみなされ、ビザの許可審査や在留期間にて不利益を被るリスクがあります。
また、混同しがちな手続きとして、企業がハローワークへ行う「外国人雇用状況の届出」が挙げられます。
「所属機関に関する届出」は「外国人雇用状況の届出」の手続きとは異なるため、外国人労働者に忘れずに通知しておきましょう。
担当業務に制限がある
就労可能な在留資格をもつ外国人は、その在留資格のなかで許可された業務にしか従事できません。以下で一例を紹介します。
| 在留資格 | 該当職種 |
|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、 私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等 |
| 経営・管理 | 企業等の経営者・管理者 |
| 技能 | 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人等 |
| 教育 | 中学校・高等学校等の語学教師等 |
就労可能な在留資格は、各職種で専門性をもつ外国人に交付されます。
この在留資格では、専門的な仕事のみが認められており、店舗でのレジ打ちや機械工場などの「単純労働」は認められていません。
在留資格外の仕事で採用する場合は、「在留資格変更許可申請」を所轄の出入国在留管理局に提出しましょう。
不法就労に該当する外国人を雇用しない
不法就労に該当する外国人を雇用した場合は、外国人本人だけではなく、雇い入れた企業側にも厳しい罰則が課せられます。不法就労にあたるケースは以下の3つです。
- 在留資格で認められた職務以外につかせた場合
- 密入国やオーバーステイで滞在している外国人を雇った場合
- 就労不可の在留資格の外国人を雇って働かせた場合
不法就労した外国人は退去強制の対象となり、雇用した事業主や不法就労をあっせんした者は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金に処されます。
外国人が不法就労者と知らなかったとしても、在留カードの確認を怠った点に関して罪が問われます。
在留資格の更新時期を管理する
永住者以外の在留資格には、日本に滞在できる「在留期間」が設けられています。たとえば、「技術・人文知識・国際業務」の在留期間は「5年、3年、1年または3カ月」です。
就労を継続するには、外国人本人が出入国在留管理局に「在留期間更新許可申請」を提出する必要があります。
申請は在留期限の3カ月前から可能です。在留期間が過ぎると就労ができなくなるので、外国人本人だけに任せるのではなく、会社での管理も徹底しましょう。
在留カードが偽造されていないか確認する
外国人を雇用する際、在留カードが偽造されていないかを確認しておきましょう。
在留カードの偽造は近年、深刻な社会問題となっており、偽造在留カードの検挙数は2013年から2020年の7年間で7倍以上に増加しています。
具体的な確認方法としては、在留カード等読取アプリケーションでカードの情報が正しかをチェックしたり、目視でホログラム部分を確認したりするのが有効です。
「在留カード等読取アプリケーション」による確認
出入国在留管理庁が無料で配布している「在留カード等読取アプリケーション」で確認できます。これは、在留カードに内蔵されたICチップの情報を読み取るための専用アプリです。
スマートフォンやカードリーダーを接続したパソコンを使用して、在留カード内のICチップに記録された情報を読み取ります。
アプリの画面上に表示されるICチップ内の情報と、カード券面の記載内容や写真を直接見比べ、相違がないかを確認しましょう。
もし、チップ内の写真と券面の写真が異なっていたり、情報が改ざんされていれば、偽造・変造であると判断できます。
目視による確認
偽造されている箇所は目視でも判別できます。
在留カードを手に取り、傾けたり光に透かしたりすることで、券面に施された特殊な加工やホログラムの反応をチェックします。具体的には、以下のポイントを確認しましょう。
- 色の変化(ホログラム):カードを上下に傾け、表面の「MOJ」の文字周辺がピンクからグリーンに変化するか
- 3Dホログラム:左右に傾け、「MOJ」の文字が立体的(3D的)に左右に動くか
- 透かし文字:暗い場所で表面から強い光を当て、「MOJ」の透かし文字が浮かび上がるか など
また、近年の偽造カードのなかには目視では判別が難しいほど精巧なものもあるため、目視だけで本物と判断せず、専用アプリも併用するのがおすすめです。
書類や手続きに不備があった場合の罰則やリスク
適切な手続きや書類の提出ができていなければ、以下のような罰則やリスクがあります。
不法就労助長罪を科せられる
外国人労働者に不法就労をさせていた場合、事業主に対して不法就労助長罪が科せられます。
具体的には、在留資格のない者を雇ったり、許可されていない範囲の業務に従事させたりすると成立し、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科せられます。
外国人労働者本人が嘘をついていた場合でも、在留カードの原本確認を怠るなど、過失があれば処罰される可能性があるため注意が必要です。
外国人労働者を雇用する際は、在留カードの内容に不備はないのか、適切な労働条件で従事させているのかなどを厳格に管理しましょう。
社会的信用が失われる
入管法や労働基準法の違反、必要書類の提出漏れなどは企業の管理体制に不備があるとみなされ、社会的信用が失われます。
もし、入管局から「適正な管理がなされていない事業者である」と判断されてしまうと、ほかの外国人従業員の在留期間更新や変更申請の審査が厳しくなったり、不許可になる恐れがあります。
また、不法就労のニュースが報じられ自社の名前が公表されると、行政機関や取引先とのやり取りに不利益が生じる可能性もあるでしょう。
社内で外国人雇用に関する標準フローを構築し、法律を遵守する体制に整備することが求められます。
外国人雇用手続きに関するよくある質問
外国人を雇用する上での、よくある質問について紹介します。
雇用契約書と労働条件通知書の違いは何ですか?
「労働条件通知書」は会社から労働者への一方的な通知であり、「雇用契約書」は労使双方が労働条件に合意したことを証明する書類です。
労働基準法では労働条件通知書の交付が義務付けられており、雇用契約書の作成交付は求められていません。
ただし、外国人労働者の在留資格申請では本人が雇用条件を十分に理解し、合意していることを明確に確認できるため、雇用契約書を作成する方が望ましいとされています。
「面接で在留カードを確認してはいけない」って本当ですか?
厚生労働省のガイドライン上は、選考段階で適性・能力に関係のない事項(国籍など)を質問することは避けるべきとされています。
しかし、入管法上は不法就労を防ぐために確認を怠ると「過失」とされるため、実務上は本人の同意を得て確認するのが現実的です。
本人の同意を得た上で、かつ事情を説明して「念のため確認させていただけますか?」と依頼すれば、トラブルになることはほとんどないでしょう。
内定者が音信不通になった場合、どうすればいいですか?
まずは自宅訪問や内容証明の送付などで接触を試みましょう。
それでも解決しない場合は、必要に応じて出入国在留管理局やハローワーク等の関係機関に連絡し、指示を仰ぎましょう。
就労意思がないのにビザの取得や切り替えのみを目的としているケースも考えられます。
音信不通のまま新しい在留カードを取得されてしまった場合、企業の管理体制が問われるリスクもあるため、必ず関係機関に報告するようにしてください。
技能実習生のパスポート費用は会社が負担すべきですか?
技能実習生を受け入れる場合、入国に関わる費用は原則として受入れ企業側が負担すべきものとされており、パスポート取得費用もこれに含まれると考えられます。
ただし、更新費用については、実習生との契約内容や管理団体の方針によりケースバイケースとなるため事前に監理団体に確認し、取り決めをしておくのが重要です。
海外にいる扶養家族を日本の健康保険に加入させられますか?
原則として、海外に住む家族を扶養家族として加入させることはできません。
2020年の法改正により、扶養家族として健康保険に加入できるのは、原則として「日本国内に住所(住民票)を有していること」が必須要件となりました。
一方で、被保険者の海外赴任に同行し、日本に居住している家族については扶養家族として加入できるため、どこに家族が居住しているのかを確認しましょう。
留学生は週28時間の制限があるが、「1日12時間勤務」は可能ですか?
外国人労働者にも日本の労働基準法が適用されるため、通常のシフトとして1日12時間勤務を組むことは認められません。
ただし、「1カ月単位の変形労働時間制」を採用している場合や、8時間を超える分を「時間外労働」として扱う場合などには、例外的に12時間勤務も可能です。
1日の勤務時間が何時間であっても、留学生は1週28時間以内という上限を超えてはならないため、適切な労働時間の管理が必要です。
雇用した外国人労働者を、後から無期雇用の契約を交わしてもいいですか?
外国人労働者側の合意があれば、後から無期雇用契約に切り替えることは法的に可能です。
無期雇用契約に切り替えることで、採用・育成コストを抑えられるメリットがあります。
一方で、無期雇用の条件として帰化申請などを勧めるのは自由ですが、あくまで本人の意思が優先されるため、雇用契約の変更を促す場合は説明の仕方に注意しましょう。
在留カードの偽造や不備を発見したらどうすればいいですか?
偽造が疑われる場合は速やかに出入国在留管理局へ通報し、期限切れなどの不備がある場合は有効な状態に更新されるまで採用、就労させないようにしましょう。
在留カードが偽造であると気づいた場合は、最寄りの地方出入国在留管理局にメール、電話、手紙などで問い合わせましょう。その際、偽造品のコピーを証拠として保管しておくと報告がスムーズです。
一方で在留期間が切れている、ICチップが読み取れないなどの不備がある場合は、有効なカードでない限り雇用できない旨を伝え、更新申請や再交付申請を行うよう指導しましょう。
なお、マネーフォワードでは社宅系の福利厚生サービスを提供しています。これから福利厚生の充実を検討している方は、ぜひ一度詳細をご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 人事管理
育休から早めに復帰はできる?復帰に必要な手続きや準備を解説
育児休業(以下、育休)からの早期復帰は、個々のライフプランやキャリアプラン、家庭の状況など、様々な理由から検討される選択肢です。近年、働き方の多様化や育児と仕事の両立支援への関心の…
詳しくみる -
# 人事管理
雇用期間とは?有期雇用契約を締結する際の注意点や契約書の書き方を解説!
有期雇用契約は、企業の人材ニーズに柔軟に対応できる雇用形態として広く活用されています。しかし、有期雇用契約を結ぶ際には法的な制約や注意点が多く、契約期間などに注意を払う必要がありま…
詳しくみる -
# 人事管理
【テンプレート付】忌引き休暇は有給扱いになる?日数や申請方法について徹底解説
忌引き休暇が有給の休暇扱いになるかは、会社の規定により異なります。法律上の決まりはなく、企業ごとに運用が異なるため、事前にルールを定めて準備しておくことが重要です。 本記事では、忌…
詳しくみる -
# 人事管理
労働時間の端数処理とは?切り上げ、切り捨てルール、計算例まとめ
労働時間の端数処理は、正確な賃金支払いのために欠かせない実務対応です。処理方法を誤ると、1分未満の端数であっても賃金トラブルや労使間の不信感につながるおそれがあります。原則として労…
詳しくみる -
# 人事管理
従業員が退職する際の雇用保険の手続きとは?雇用保険以外の手続きも解説
従業員が退職する場合、会社側で雇用保険に関する手続きを行う必要があります。雇用保険の手続きを行わないと、従業員が退職した後に失業給付を受給できなくなる可能性があります。 しかし、具…
詳しくみる -
# 人事管理
配置転換と転勤の違いを解説!目的や無効となるケースも紹介
配置転換と転勤は、社員の人事異動において意味合いが大きく異なります。本記事では、根本的な違いからそれぞれの目的や無効となるケース、人事異動を成功させるためのポイントまで詳しくご紹介…
詳しくみる



