- 更新日 : 2024年3月22日
KGI・KPIの違いとは? 意味や目標達成への設定方法をわかりやすく解説
KGIとKPIはどちらも定量的な指標で、KGIは最終目標を、KPIは中間目標を計測するものです。1つのKGIに対し複数・多階層のKPIが存在するため、KPIツリーを作成すると両者の関係がわかりやすくなるでしょう。本記事では、KGIとKPIの意味や具体例、設定方法やSMARTの法則、KSFとの違いなどについて解説します。
目次
KGI・KPIとは?
KGIは「最終目標」、KPIは「KGIを達成するための中間目標」のことで、どちらも目標の達成度を計るための数値化された指標です。KGIやKPIは、ビジネスや経営分野だけでなく、人事などの分野でも使われています。ここでは、それぞれの内容を解説します。
KGI:最終目標
KGIとは「Key Goal Indicator」を略した言葉で、日本語では「重要目標達成指標」と言う意味です。
「今期は売上1億円を達成する」など、最終的な目標を数値化したものがKGIです。経営やビジネスにおいては、売上高や成約数、利益率などが、よくKGIとして設定されます。
KPI:中間目標
KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」という意味です。
KPIは、KGIを達成するための中間目標を数値化したもので、1つのKGIに対し、多くのKPIが設定されます。「売上高1億円を達成する」というKGIに対する営業職のKPI例としては、顧客単価や商談数、リピート率などが一般的です。
KGI・KPIの違い
中間目標であるKPIの達成が、最終目標であるKGIにつながります。1つのKGIに対し、多数かつ多階層のKPIがあるため複雑な構造になっていますが、KPIツリーを作成することによって両者の関係がわかりやすくなるでしょう。ここでは、KGI・KPIの違いを解説します。
KGIとKPIの関係
最終目標であるKGIの達成に必要な要素がKPIです。そのため1つのKGIに対して、多数かつ多段階、多階層のKPIが考えられます。
例えば、会社が「今期の売上高1億円」というKGIを立てたとしましょう。「売上高1億円」を達成するためには、営業職の場合、商談やテレアポの回数を増やしたり、受注率や顧客あたりの単価をアップさせたりする必要があります。こうした商談の回数や受注率などがKPIです。
また、会社には営業部門だけでなく、製造部門や経理部門など複数の部門があるため、それぞれの部門でKPIを設定します。さらにチームごと、個人ごとにKPIを設定することもあるでしょう。
このように、1つのKGIには多くのKPIが連なり、その構造は複雑です。
KGI・KPIツリーで違いを把握
こうした複雑なKGIとKPIの関係を表したものが「KPIツリー」です。KGIにつながるKPIは枝葉のように多数あり、また多階層になっています。ツリーの形にすると、全体像を可視化できます。
KPIツリーを見ると、大目標であるKGIに対し「自分が今、どの地点にいるか」「いつまでに何をすべき」かがわかります。
適確なKPIが設定されていれば、1つひとつのKPIをクリアしていくことで、最終目標であるKGIの達成につながるでしょう。
KGI・KPIを設定するメリット
KGI・KPIは目標を達成するための指標です。KGIやKPIを設定することで、企業全体の目標を共有できるようになり、また個人や部門の進捗度も把握しやすくなるでしょう。ここでは、KGI・KPIを設定するメリットをご紹介します。
事業の目標が明確になる
KGIやKPIを設定するメリットの1つは、企業全体の目標が明確になることです。営業、製造、マーケティングなど部門が異なっても、企業全体が目指す共通の目標を設定することにより、組織に一体感が生じやすくなります。
またKPIツリーを見れば、自分の仕事が企業全体のKGIに結びついていることを認識することも可能です。そのため、個人のモチベーションアップ効果も期待でき、企業全体の強化にもつなげやすくなるでしょう。
進捗管理しやすい
適確なKPIが設定されている場合、「自分が今どの地点にいるか」「いつまでに何を、どのくらい達成すればよいか」などを確認でき、進捗を管理しやすくなります。
また、今の業務が大きなKGIにつながることも把握できるため、モチベーション維持にも役立つでしょう。
マーケティング効果が期待できる
マーケティングにKGI・KPIを活用することで、高い成果を期待できます。
PV数やCV数、直帰率、顧客単価などはすべて数値で示されるため、KPIとして利用しやすい点がメリットです。またアクセス解析ソフトから、正確なデータを容易に入手できます。
ただし、事業の種類や目的によってKPIに設定する要素は異なるため、自社の目的にあわせてKPIを設定することが重要です。
客観的な人事評価が行える
KPIを人事評価基準に使うことで、客観的、かつ公平な人事評価を実現できます。KPIは数値で表されるため、評価者の主観が入る余地は少なく、適正な評価につながりやすいためです。特に、営業部門や製造部門は達成度合を数値化しやすいため、KPIに適しています。
一方、総務人事部門や経理部門などの間接部門は、すべての業務にKPIを設定するのは難しいかもしれません。しかし「業務上のミスが少ない」という項目を「業務上のミスが〇%未満」とするなど、工夫次第でKPI化できるものもあるでしょう。
KGI・KPIの設定方法
KGI・KPIを設定するためには、まずKGIを決定し、そこから1つひとつのKPIを割り出していきます。どちらも、わかりやすく、実現可能なものにすることが重要です。以下では、KGI・KPIの設定方法をご紹介します。
企業全体の目標となるKGIを設定
最初に、企業全体の目標であるKGIを決めましょう。よく用いられるKGIとしては、売上高や利益率等が挙げられます。
KGIを設定するときの重要なポイントは、数値化できるものにすることです。つまり「売上高をアップする」ではなく「売上高〇円を達成する」のように、定量的なKGIを設定します。
また、適度な難易度のKGIにすることも大切です。KGIが低すぎると設定した意味が薄くなり、逆に達成不可能なほど高すぎるとモチベーション低下につながるためです。
KGIを基にKPIを設定
次に、決定したKGIを分解し、KGIの達成に必要なKPIを設定します。KPIを1つひとつ達成していくことで、最終的にKGIを達成できるように、KGIにつながるKPIを設定することが大切です。
KPIは部門や個人により異なりますが、KGIと同様、数値化できる具体的な項目になるよう留意します。また、適度な難易度に設定することも大切です。
KGI・KPIを設定するときのポイント
KGIやKPIは「SMARTの法則」を意識すると、設定しやすくなります。SMARTの法則とは目標設定方法の1つで、次の頭文字を並べたものです。
- SPECIFIC: 明確性
- MEASURABLE: 測定可能性
- ACHIEVABLE: 達成可能性
- RELEVANT: 関連性
- TIME-BOUND: 期限の設定
KGI・KPIを設定するときは、個々の項目にこれら5つが装備されているかをチェックしてみるとよいでしょう。
KGI・KPIの設定方法の具体例
KGIとKPIは、実際にはどのような項目になるのでしょうか。ここでは、営業部門とマーケティング部門の具体例をみていきましょう。
営業
企業のKGIが売上高や利益率である場合、営業職のKPIは訪問数やテレアポ数、成約率、リピート率、受注単価などを設定するのが一般的です。
訪問数やテレアポ数が増えれば、顧客獲得の可能性が高まり、売上につながります。また、成約率やリピート率が高い場合や、受注単価が高額だった場合、効率よく売上を増やせるでしょう。
営業職は行動や結果が数値化しやすいため、比較的KPIが設定しやすい業種といえます。
マーケティング
WebマーケティングのKPIとしては、PV数、CV数、滞在時間、直帰率などが挙げられます。
PV数や滞在時間が増えれば顧客獲得の可能性が高まり、CV数の増加は直接の成果につなげることが可能です。これらの数値はアクセス解析ソフトから入手できるため、WebマーケティングもKPI管理がしやすい業種といえるでしょう。
KGI・KPIの関連用語
KGIやKPIと類似する用語に、KSFやOKRがあります。ここでは、KGI・KPIに関連する用語を確認しておきましょう。
KSF(重要成功要因)
KSFは「Key Success Factor」の略で、日本語では「重要成功要因」という意味です。
KSFとは、ビジネスの成功に必要な要素のことです。KGIやKPIが定量的な指標であることに対し、KSFは定性的になる傾向があります。
KSFには、市場や競合他社の状況などの外部要因と、自社の強味などの内部要因が存在するのが特徴です。またKSFは、ニーズの変化や技術の発展などにより、変化します。したがって、ビジネスで成功し続けるためには、市況の変化にあわせ、臨機応変にKSFを変えなくてはなりません。
OKR(目標と成果指標)
OKRは「Objectives and Key Results」を略した言葉で、日本語では「目標と成果指標」という意味です。OKRは、企業全体、部門、個人ごとに「目標」と「成果指標」を設定します。
OKRは、企業、部門、個人の目標を連動させやすい点がメリットです。OKRを用いることで、企業全体で同じ目標を目指しやすくなります。
KGI・KPIを使って目標を達成しよう
KGIとKPIは、ともに目標の達成度合を計る指標です。KGIは最終目標、KPIはKGIに至るための中間目標をさします。
KGIとKPIを設定する場合は、まずKGIを決め、そこから必要なKPIを割り出していきましょう。その際は、SMARTの法則を意識するのがポイントです。
適切に設定されたKGIとKPIは、組織の目標を明確化し、進捗管理にも役立ちます。目標達成のために、KGI・KPIを利用してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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