- 更新日 : 2022年7月19日
給料が振り込まれる時間は?振り込まれないときの対応はどうする?
多くの人にとって、給料が振り込まれるかどうかは死活問題です。給料日と各種料金の引き落としが同じ日になっている場合には、振込の時間まで気になるところではないでしょうか。
そこで今回の記事では、給料が振り込まれる時間や、給料が振り込まれないときの対処法について解説します。また給料日が土日祝日の場合や、退職後に給料が振り込まれないなど、特殊なケースについてもあわせてご紹介しています。
目次
給料は何時に振り込まれる?
給料の計算や振込をシステム化している会社の場合、給料振込の手続きは、一般的には給料日の前日までに行われています。そのため、もっとも早いケースでは、給料日の午前0時に口座へ給料が振り込まれます。
しかし、振込の内容が口座に反映されるまでにかかる時間は、金融機関によってさまざまです。振込と同時に反映される場合もあれば、午前7時に反映されるという場合もあります。正確な時間を知りたい場合には、金融機関まで問い合わせてみましょう。
少人数の会社では、給料日の当日に銀行窓口で振込をすることも考えられます。この場合は、金融機関の営業が始まる午前9時以降に、振込が行われます。
このように口座へ給料が振り込まれる時間は、一概に「何時」とは言えないのが実情です。そこで以降では、「給料や賞与の振込時間に決まりはあるのか?」「給料の振込日や時間を早めてもらうことはできるのか?」について説明します。
給料の振込時間に決まりはある?
結論から言えば、給料を振り込む時間に法的な決まりはありません。法律上では、あくまで「毎月一回以上、一定の期日に」支払うようにと定められています。
一方で、労働省労働基準局では給料の振込時間について、労働基準法の中で「口座振込み等がされた賃金は、所定の賃金支払日の午前10時ごろまでに払出し又は払戻しが可能となっていること」と指導しています。会社によって給料の振込時間は異なりますが、午前10時をひとつの目安と考えても良いでしょう。
賞与(ボーナス)の振込時間に決まりはある?
賞与(ボーナス)の振込時間については、賞与が支給される形式によって2通りが考えられます。
1つ目は、就業規則などであらかじめ支給条件が明確に定められているケースです。この場合の賞与は賃金(給料)に含まれるため、振込時間も給料と同じ扱いになります。つまり、賞与が支給される日の午前10時には、口座から引き出せる状態になっているのが一般的です。
2つ目は、就業規則などで「支払う場合がある」などと記載され、雇用主の裁量によって支給や金額が決められるケースです。この場合は賞与を不支給とすることも可能なので、振込時間についても、労働省労働基準局の指導の対象外となります。振込の時間を確認したい方は、賞与の支給が決まった際に、会社まで問い合わせると良いでしょう。
給料の振込日や時間を早めてもらうことは出来る?
労働基準法第25条では、「厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない」と定められています。
この「非常の場合」とは、労働者の収入によって生計を維持する人が出産、疾病、結婚、死亡または、災害をうけた場合や、やむを得ない事由により一週間以上にわたって帰郷する場合のことをいいます。
これらに該当するときには、給料の振込日や時間を早めてもらうことが出来るかもしれません。まずは一度、会社に相談してみることをおすすめします。
こんなときどうする?給料振込における特殊ケース
給料日が休日の場合や、勤めている会社の業績によっては、給料がいつもどおりに振り込まれないこともあります。以降ではそうした特殊なケースや、それぞれの対処法をご紹介します。
給料日が土日祝日の場合
給料日が土日祝日と重なった場合の振込については、その前後の営業日に支払えば良いことになっています。この点については、その会社の賃金支払いのルールによって異なります。
例えば就業規則に「給料日が休日の場合は、その前日に支払う」と明記されていれば、給料はお休みの前日に振り込まれるでしょう。逆に、「給料日が休日の場合は、その翌日に支払う」とされていれば、お休み明けに振り込まれることになります。
ただし、給料日を月の末日に設定している会社では、少し事情が異なります。例えば月の末日が土日祝日の場合には、必ず給料を前倒しで振り込まなければなりません。毎月1回以上、一定期日払いの原則(労働基準法第24条第2項。後掲「給料日の0時を回っても給料が支払われていない場合」参照)に反することが理由です。
給料日の0時を回っても給料が支払われていない場合
当然のことではありますが、給料は給料日に振り込まれることが前提です。労働基準法第24条において、雇用主は給料を(1)通貨で、(2)直接労働者に、(3)全額を、(4)毎月1回以上、(5)一定の期日を定めて支払わなければならない、と規定されています。これを「賃金支払5原則」といいます。
もし、給料日に給料が振り込まれず、そのまま夜の0時を過ぎた場合には、会社がこの「賃金支払の5原則」に違反したことになります。システム障害などの特別な事情もなく違反の原因が明らかに会社側にある場合や、会社側から何等の疎明もなされないことが度重なる場合は、未払いや支払い遅延を証明できる証拠をもって、労働基準監督署に相談をすることも考えられます。
振り込まれた給料が想定よりも少ない場合
給料の金額についても振込の日時と同様に、「賃金支払の5原則」の中に規定があります。「所定の日に所定賃金の全額を支払わなければならない」という部分です。
給料から差し引いても良いのは、欠勤や遅刻早退があった場合の欠勤控除、法令にもとづく税金や保険料などの控除、労使協定にもとづく社内預金等のための控除、その他就業規則上の懲戒処分としての減給制裁などが挙げられます(ただし、懲戒に基づく減給制裁には合理的な理由が求められます)。明確な理由もなく給料を減額することは、法律で認められていません。
明確な心当たりがないのに給料の金額が少ない場合は、振込の手続きをはじめとした、事務処理のミスも考えられます。まずは会社の総務部などに、振込金額が少ないことを問い合わせてみましょう。
転職などで退職した後に給料が振り込まれてない場合
会社に振込の催促をしても支払われないときは、労働契約や給料明細などを用意したうえで、労働基準監督署に相談をしましょう。
転職や退職の後の給料日に振込が行われない場合は、延滞利息を請求できる可能性もあります。給料日の翌日から給料が振り込まれるまでの間は、給料の額に対して年14.6%を超えない範囲内で、遅延利息が発生します。
給料の振込日までに所属の会社が倒産してしまった場合
会社の倒産によって給料の振込が行われない場合は、政府が会社にかわって、その未払給料の8割を立て替える制度があります。まずは制度を実施している労働基準監督署や、労働者健康安全機構に相談をしましょう。
給料日当日に慌てないために給料の振込時間について理解しておこう!
労働基準法では、給料は毎月一回以上、一定の期日に支払うことが明確に定められています。また、給料日が土日祝日の場合の支払日については、会社の就業規則や労働条件通知書の記載を確認すると良いでしょう。
振込が行われない場合や給料の金額が少ない場合には、「賃金支払の5原則」にもとづいて会社へ請求することができます。万が一の事態に備えて、日頃から給料明細やタイムカード、給料規定などの内容を把握しておくと良いでしょう。
よくある質問
給料は何時に振り込まれるのが一般的ですか?
多くの会社は労働省労働基準局の指導に従い、午前10時までに振り込みます。詳しくはこちらをご覧ください。
もし給料が振り込まれてなかった場合、どう対応すればよいですか?
まずは会社に対して、給料が振り込まれていない旨を伝えましょう。それでも解決しない場合には、給料明細やタイムカードの証拠を用意して、労働基準監督署に相談してください。 詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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